社会的養護施設第三者評価結果

相模原南児童ホーム

データ登録日 2026年03月19日
第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 養育・支援の基本方針と組織 
1 理念・基本方針
(1) 理念、基本方針が確立・周知されている。

第三者
評価結果
① 1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 a

【コメント】
法人の経営理念・運営方針は、所内文書やパンフレット、ホームページ等の広報媒体に表記され、保護者には「事業計画要約版」を介して年度毎に説明をおこない、職員は理念の実践例を会議内で共有しており、地域、保護者、所内の三方における浸透を図っています。また、経営理念で広範囲に謳われた意義は、「相模原児童ホームの運営方針」により具体的な支援の形として示され、更に派生した「私たちが目指す乳児院」は職員の行動規範となっています

2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
① 2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 a

【コメント】
養育・支援のニーズにおけるデータ収集については、神奈川県内の乳児院で毎年、乳児院調査を実施しており、行政機関と乳児院施設長が参集する「神奈川県乳児院施設長会」を通じてデータを収受のうえ、課題を見出しています。行政が作成した「乳児院調査報告」はこどもの状況に留まらず、人材確保対策にまで及んでいて、有意義な場であることが覗えます。また所内においても毎月の管理職会議で入所乳児の推移が確認されています

② 3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 a

【コメント】
理事長、所長などで構成される管理職者会議が毎月、理事会は隔月で年6回開催され、経営課題について情報共有が成されています。また、理事会や評議員会(年3回)へは、スタッフ会議(所長、課長、係長)と課内のミーティングにおいて挙がった状況報告を届けており、その助言が得られていて、双方向のやりとりがあります。更には、正規職員においては全国社会福祉協議会が推奨する「組織風土診断」を毎年個別に取組んでいて、そこからの課題は事業計画に反映させています

3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
① 4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 b

【コメント】
通常3年~5年とする中・長期計画を短期、中期、長期と分け、組み立てています。短期では「小規模化とフォスタリング事業」、中期では「短期事業の深耕とファミリーホームの支援」、長期においては「乳幼児総合支援センター始動を視野に入れ更なる飛躍を」と、示しが明確です。策定は「相模原市家庭養育推進計画」に基づくことから地域行政に根差していて、また達成数値も%で示され、評価できる状況にあります。一方、「中・長期の収支計画」の策定には及んでいません

② 5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 a

【コメント】
中・長期計画の中に短期計画を位置付け、年度の事業計画としてスライドさせています。短期計画は「サービスの質の向上」「地域との協働」等の5つの領域に分け、具体的にねらいや取組内容が解説されています。さらに望むならば年6回開催なら目標4回と記載するに及ぶ数値目標の存在が期待されますが、現状は%の示しはあります。年度の予算は事業計画と連動しており、「収入に応じた予算となっているか」の確認が成されています

(2) 事業計画が適切に策定されている。
① 6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 a

【コメント】
所長をはじめ現場職員10名余が集まる毎月の職員会議には、「品質目標」と称する話し合いの時間も含まれています。事業所ではISO9001を導入していることから、単年度(短期)の事業計画で位置付けた5つの領域の1つである「サービスの質の向上」においては、ISOの定期受審を通じて触れています。その一環として事業計画には品質目標が設定され、進捗状況の確認が会議上でおこなわれていて、それは実施状況の把握や評価・見直しが組織的に成されているとみることができます

② 7 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。 b

【コメント】
事業計画は要約版を保護者に配付され、ホームページ上でも公開しています。またそれらにはルビがふられていて、読み手への配慮があります。一方で、前回の第三者評価において、「事業計画のうち、こどもとの活動については保護者に説明していますが、口頭にとどまっています。内容を理解してもらうような資料等により、理解と周知を図る工夫が望まれる」と挙げられている点については、書面化は成されたものの、こどもに係る事柄は権利擁護のみなことから、課題は残されています

4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
① 8 養育・支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 a

【コメント】
「組織的にPDCAサイクルに基づく養育・支援の質の向上に関する実施があるか」については、ISOの導入により標準的な取組に至っています。「こどもの体験の充実」「こどもの支援の質の向上」といった品質目標を設け、達成手段についても職員間で定めていて、「一緒にお風呂に入る」等具体的に挙げられています。それらはユニット会議を通じて定期的な振り返りをおこない、評価体制の整備が図られているといえます。またISOの維持審査(取得から1年後と2年後に「維持審査」を受ける必要あり)では不適合はありませんでした

② 9 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 a

【コメント】
ISOの維持審査では目標の立案について意見が挙がっています。「現在の目標は到達したいゴールに達成手段を含んでいて適切ではない」との指摘を向上点として捉え、目標がより重点的に導かれるよう改善することとしています。また乳児院における職員会議(課会議)では、目標の振り返りが励行されていることが議事録で確認できます。更には、指摘事項についても職員会議内で議題にしています。評価結果にもとづく改善の取組については次年度の品質目標とすることとしています

Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
① 10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 a

【コメント】
設置法人が策定した「組織及び職務権限に関する規定」及び「乳児院管理規定」には、所長(乳児院施設長)の職務権限が明文化されるとともに、有事における権限はBCP「相模原児童ホーム事業継続計画(災害編)、(感染症編)」に代決者が明示されています。また職員周知の作業手順書である「相模原南児童ホームの養育の質向上マニュアル」には、業務上の取組が明確に示され、これらは各種会議を通じて表明が成されています

② 11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 a

【コメント】
作業手順書「相模原南児童ホームの養育の質向上マニュアル」には「管理職のリーダーシップ」という項目を設けています。そこには「乳児院倫理綱領」「乳児院養育指針」「児童養護施設倫理綱領」に則した取組とすべくリーダーシップを発揮する旨が記載されており、事務所には前述の書簡を備え、何かあれば法令に則った指導となるよう図られています。また全国社会福祉協議会主催の児童福祉施設長研修会には、隔年参加が義務のところ、毎年必ず参加のうえ、所内では衛生委員会や権利擁護研修を通じ、職員周知を図っています

(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
① 12 養育・支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 a

【コメント】
養育・支援の質の向上は「品質目標」を軸として、主に職員会議を振り返りの場としてマネジメントサイクルに乗せていることが記録から確認できます。職員会議は毎月実施され、所長も同席していることから、「養育・支援の質の現状について定期的、継続的に評価・分析をおこなっている」と受け止めました。更に質の向上を担保するものとして、ヒヤリハットがデータ及び集計一覧され、課題の読みとりに臨んでいます。具体的な体制としては、所長を中心とした衛生委員会や防災委員会のほか、計画的な研修等があります

② 13 経営の改善や業務の実効性を高める取組に指導力を発揮している。 a

【コメント】
毎年実施する組織風土診断を通じて掴んだ経営課題は事業計画に明示するとともに、改善策はISOを通じて重点項目に位置付けています。例えば神奈川県からの(割愛)一時保護、措置入所の積極的な受入れのほか、現状大きな課題とする職員の充足対策などが主なものとしてあります。人材不足については、ホームページ上の呼びかけでは閲覧者が少なかったことに着目、SNSに切り替えてフォロワーも増え、採用につながっています

2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
① 14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 a

【コメント】
必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方や方針は、作業手順書の中に「福祉人材の確保・育成」という項目を設け、明示されています。また法人の事業計画の中でも法人の強みを生かしたPR活動や外国人労働者の採用に係る内容があり、見学説明会・選考試験の年間予定も策定されるほか、インターネット上のコミュニケーション機能の活用や職員が母校に出向くことにも勤しんでいます。ただし、応募者は減少傾向にあり、各種加算職員に及ぶことも難しく、結果に結ばれることは僅かです

② 15 総合的な人事管理が行われている。 a

【コメント】
職員の成長を経験年数によって1~10までのステージで組み立てた「成長のステージ」が備わっていて、職員が目指すべき姿を確認できます。また人事基準については「人事考課要綱(正規職員適用)」があります。職員の処遇改善の水準については「組織風土診断」の分類項目に「処遇・福利厚生・労働安全衛生」があり、設定された10の質問によって賃金や配置への職員の考えが計測され、長年継続的に実施されていることから、時系列での改善向上も確認できます

(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
① 16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 a

【コメント】
職員の労務管理は法人総務部の人事労務担当者がおこない、就業状況や意向の把握については所長、副所長が担当、少なくとも年7回程の面談機会があります。また職員の有給休暇の取得状況や時間外労働のデータ、また職員の健康や安全については、施設長や産業医も出席する衛生委員会で毎月確認されています。計画年休制度を敷き、年3回、5日間連続の年次有給休暇取得(公休を含めて最大7日間)を取得可能とするとともに、小学3年生以下のこどもがいる家庭では時短勤務を認める制度が使え、育児休業を充実させています

(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
① 17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 a

【コメント】
「期待する職員像」は「成長のステージ」と名付けたキャリアアップ表で確認できます。年度初め、職員は事業所の運営方針及び部署の品質目標に基づき、「成長のステージ」に照らして、目指すステージに向かう為の「私の目標」を立案しています。記入シートには直属の上司の所見欄もあり、裏面は取組の振り返りを記載するよう図られています。人事考課制度では、年2回一次考課者である係長と、更に年1回二次考課者の課長との個人面談が設定されており、このとき「私の目標」の進捗も確認しています

② 18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 a

【コメント】
「部署別業務分掌」には、部署名、主な業務、配属者の主な資格・免許の欄が設けられており、例えば乳児課の主な業務は自立支援計画の作成とあり、主な資格には保育士や社会福祉士等が列挙されています。「職員研修計画」は、乳児課では役付の研修も含み10余りが年間で企画されています。研修の評価と見直しは、担当講師が作成する「職員研修実施報告書」及び受講者作成の「研修受講報告書」に基づいておこない、翌年度の計画につなげています

③ 19 職員一人ひとりの教育・研修等の機会が確保されている。 a

【コメント】
専門資格取得等の業務に係る情報は法人で統括され、資格情報が記載された「職員名簿」を所長が管理しています。また「出退勤編」「授乳編」といった業務別に評価項目を設けた「OJTチェックリスト」を備えており、「何ができていないとならないか」「配慮すべき事は何か」を把握できる書式を以て、職員が自らの姿を確認できる仕組みとなっています。研修は所内の年間研修のほか、乳児課単独で事例検討2回、オンデマンド研修1回、心理研修1回を追加メニューとして取組、外部研修についても「年1回は」と、勧奨しています

(4) 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
① 20 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 b

【コメント】
「OJTチェックリスト」には「実習生・ボランティア編」が設けられています。その中では指導における目指すべき姿が具体的に示されており、マニュアルとして成立しています。基本姿勢として示唆したものは明確にはありませんが、「フロアを実習生だけに任せたままにしない」といった文言からは責任や義務の姿勢が確認できます。実習生には「実習のしおり」を配付のうえ、家庭支援や里親養育に係るレクチャーを提供するに及んでいます。また、学校とは実習巡回を通じて、状況が共有されています

3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
① 21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 a

【コメント】
季刊発行の広報誌である「相模原南児童ホーム通信」は自治会の回覧板とともに、公民館、学校など1,000部を配布するほか、法人のサイトと事業所のサイトをリンクさせたホームページが備わっています。養育・支援の文言説明は薄いものの写真で補完され、法人理念、倫理方針、プライバシーポリシー、現況報告書・財務諸表、事業計画書等が挙がっていて、親子サロンの案内といった地域の福祉向上のための取組や「災害派遣職員レポート」も公開され、更に第三者評価の受審結果、苦情・相談の体制や内容も確認できます

② 22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 b

【コメント】
法人における経理に係るルールは「経理規程」に、また職務分掌と権限・責任については「組織及び職務権限に関する規程」に明示され、法人内の監事による内部監査のほか、品質マネジメントシステムに則った内部監査を実施しています。ISOの内部監査というのは、「QMS内部監査規程」に基づいた内部監査員養成研修を受講した職員が、内部監査員として担当する仕組みです。本年度から始まり、「内部監査改善計画書」の作成を通じて、主に内部統制の状況把握につながっています。一方で、外部の専門家等の監査支援は未達です

4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
① 23 こどもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 a

【コメント】
設置法人の理念に「地域との協働」を掲げ、明示された考えを基盤に事業計画及び品質目標を立案しており、地域行事への参加や関係機関との連携をその達成手段として具現化する仕組みが確認できます。例えば招待行事では職員が引率する「お芋ほり」が励行され、「相模大凧祭り」といった地域行事にはこどもと一緒に職員が参加することに実っています。自治会の回覧板に挟み込んでもらえている「相模原南児童ホーム通信」を通じて認知度はあり、職員もこどもとの散歩で行き交う人との挨拶を欠かしません

② 24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 b

【コメント】
地域の学校教育等への協力についての基本姿勢を明文化はありませんが、ボランティアについてはホームぺージ上で募集をおこない、併せて「ボランティア活動の考え方」を表明しています。また「業務要領書」には、ボランティアのニーズや心構え等がマニュアルとして整備されています。受入れ時には所長が直接相談室で説明のうえ、質疑応答をおこない、安全第一として3回の体験を経て本登録へと進めています。5類移行となり、現在は平常通りのボランティア活動が推進されています

(2) 関係機関との連携が確保されている。
① 25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 a

【コメント】
「新磯地区まちづくり会議」「新磯地区青少年健全育成協議会」「新磯地区公民館運営協議会」といった地域会議からの情報を所内共有し、積極的に地域行事に参加するとともに、それらはリスト化されています。また共有については、各部署がパソコン入力することで、翌日のミーティングで確認する仕組みがつくられています。他にも行政・養護に係る団体の各種会議へ鋭意出席していることから、新磯地区社会福祉協議会と共同で「くすのき学習会」を運営するに至るという、地域で暮らすこどもへの支援事例もあります

(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
① 26 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 b

【コメント】
地域コミュニティに係る協議会に所長が委員として加わり、地域ニーズの入手が図られています。そこから派生した「くすのき学習会」ではスペース提供と事務局を担当するほか、施設職員が教師を担うに及んでいます。現在、法人が取組むものには「ユニバーサル就労支援」「ライフサポート事業」があり、前者は現在4名の実習の受け入れが、また後者についてはコロナ禍での通院費等を負担した実績があります。なお、災害時において地域の社会資源としての役割を踏まえ、職員への説明会や研修などへの尽力のほか、「主体的な相談事業の開催」には取組の余地があります 

② 27 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 a

【コメント】
公益的な事業は法人が主体となり、中間的就労や生活困窮者の支援、DWATにおける災害地支援などが継続的におこなわれています。中間的就労については、「ユニバーサル就労支援」として、働きたいのにさまざまな理由で働きにくい全ての人が働けるような仕組みをつくり、ハローワークや行政機関との連携によって企業とのマッチングやトレーニングの機会を設けており、例えば視力障害のため通常の仕事に就けないことから制度を利用した後期高齢者の支援では、現在食材の仕分け作業に従事するに至っています

Ⅲ 適切な養育・支援の実施
1 こども本位の養育・支援
(1) こどもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
① 28 こどもを尊重した養育・支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 a

【コメント】
運営方針にはこどもを尊重した養育・支援への取組が謳われ、年度初めの職員会議で確認しています。乳児課の事業計画には、こどもを尊重した養育・支援が品質目標で示され、月例予定表に及んで具体的に落とし込み、職員の心構えの再確認も成されています。また「働きやすい職員関係」などの項目を設けることで関わりにおける対策が練られてもいます。こどもの尊重に係る研修は職員会議内で年2回の実施があり、その場では「乳児院倫理綱領」に定めたチェックリストをつかい、状況の把握と振り返りもおこなっています

② 29 こどものプライバシー保護に配慮した養育・支援が行われている。 b

【コメント】
「OJTチェックリスト」などの標準的な実施方法にこどものプライバシー保護に配慮した内容がなかったこともあり、5年前には職員会議を通じて「プライバシー保護に関する取り組み指針」を作成しています。また、食事・入浴・排泄・着替え、その他という5つの項目を設けての話し合いの場を設けてもいます。オムツ替えを脱衣所でおこなうことで羞恥心とともに本児の気持ちの安定にもつなげるといったことが現場ではおこなわれ、保護者とは「個人情報利用同意書」を交わしていますが、プライバシー保護に係る説明は未達です

(2) 養育・支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
① 30 保護者等に対して養育・支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 b

【コメント】
各種設備や食事内容の写真、こどもの一日を円グラフに表したもの、職員配置や健康・心理面の支援を掲載した「相模原南児童ホーム 乳児院について」を備え、初回の面会ではルビがふられた本書を通じて、説明をおこなっています。家庭支援専門相談員と担当職員の2名で対応することとし、入所から初回面会までタイムラグがある為、お宮参り等こどもの成長がわかる写真も見せていて、喜ばれています。理念に係る説明を加えることのほか、保護者が来所に応じない場合には手紙を出すといった事柄には取組の余地があります

② 31 養育・支援の開始・過程において保護者等にわかりやすく説明している。 b

【コメント】
養育・支援の開始・過程における養育・支援の内容に関する説明と同意については児童相談所がおこない、保護者の自己決定を尊重していると考えていますが、事業所は児童相談所からこどもを受け入れるに留まり、この点についておよそ関与していません。ただし、養育・支援の開始においては、保護者と「施設入所同意書」を交わしており、「児童自立支援計画書にもとづく面会・外出・外泊」「進路相談や予防接種」に協力することを説明しています。一方で、意思決定が困難な保護者等への配慮についてルール化は成されていません

③ 32 養育・支援の内容や措置変更、地域・家庭への移行等にあたり養育・支援の継続性に配慮した対応を行っている。 a

【コメント】
退所後も、保護者が相談できるように書面を用意しています。事業所の電話番号、各地域の子育て支援センターや児童相談所の連絡先のほか、一時保育やショートステイに関する説明も記載され、「困ったことがあったらいつでもご連絡ください」と温かなメッセージを提示しています。また養育・支援の継続性に配慮して「情報提供書」「南児童ホームでの様子」が用意され、前者には生活の様子、心理・発達面の記録とともに、養育や心理を担当した職員の氏名を記載する欄が設けられています。後者は、「本日の様子」欄があり、直近のこどもの状態を把握することにつながっています

(3) こどもの満足の向上に努めている。
① 33 こどもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 b

【コメント】
「生活記録」と名付けた時系列の記録が毎日残されていて、「睡眠」「排泄」「食事(ミルク)」「体調」といったこどもの状態が一目で把握できるように図られています。また行事では「行事実施報告書」が作成され、非日常のこどもの様子も残されています。言葉を発することができない乳児に対してベビーサインを教えるなどして、こどもの気持ちを汲み取る努力をしていますが、面会に訪れる保護者が少なく、保護者からの意見収受は十分ではありません。アンケートの回収率もはかばかしくないことから、現在は実施していません

(4) 保護者等が意見等を述べやすい体制が確保されている。
① 34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 a

【コメント】
「苦情要望対応規程」はすでにあったものの、身近なマニュアルとして「QMS苦情対応規程」の策定も果たし、苦情解決の体制の整備が進められています。毎年5月には苦情受付担当者を対象とした研修が実施され、ホームページ上では「苦情・要望対応の流れ」が確認できます。苦情解決の仕組みは玄関に掲示され、パンフレットにも苦情受付について説明文があります。また、所内にはアンケート用紙及び回収箱を2か所設置して意見収受の促進に努めていますが、実際入るのは要望のみです

② 35 保護者等が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。 a

【コメント】
保護者が相談をしやすい、意見を述べやすいスペースの確保として「親子室」があり、他の人に内容を聞かれず、個別的に関われる空間が設けられています。また「相模原南児童ホーム 乳児院について」には、「ご意見がありましたら、どの職員でも結構です。お気軽にお声がけください」「施設職員にお話しできない場合、地域の処遇改善相談員にご相談することもできます」と記載され、保護者に説明されています。同様に苦情受付体制についても明示され、説明が成されています

③ 36 保護者等からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 b

【コメント】
日常における保護者との連絡は電話または面会です。保護者とのやりとりでは、こどもの成長などプラスの情報を伝えることを心掛け、保護者の抱える悩みや課題については、職員は受容と傾聴に努めています。相談や意見を受けた場合の記録の方法や報告の手順、案件の検討について定めたマニュアルや手順書はありませんが、記録は処遇システムの育成記録に入力することが位置付けられており、遡っての確認も可能としています。また、内容に応じてとはなるものの保護者からの意見は職員会議や研修につなげる態勢にあります

(5) 安心・安全な養育・支援の実施のための組織的な取組が行われている。
① 37 安心・安全な養育・支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 b

【コメント】
「QMS事故対応規程」以外に、作業手順書の中に位置付けた「不審者対応マニュアル」、「安全管理マニュアル」を備え、近隣の危険個所を集積したヒヤリマップや、室内の点検チェックリストを作成して職員が定期的に確認しています。職員の参画のもとで事故やヒヤリハットの発生要因を分析するということはないものの、事故防止の安全確保策の実効性を定期で見直し、管理職の是正指示から改善を図った実績もあります。一方で、リスクマネージャーの配置及びリスクマネジメントに係る委員会などの体制整備には及んでいません

② 38 感染症の予防や発生時におけるこどもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 a

【コメント】
「相模原南児童ホーム事業継続計画 感染症編」が策定されています。発生時における組織体制として感染症対策本部を設置することとし、本部長、副本部長、事務局、利用者担当、栄養担当、看護担当と割り当て、役割を明確に定めています。感染症の予防と発生時の対応マニュアルとしては「作業手順書」を作成し、定期的に年2回感染症研修に取組んでいます。研修では嘔吐処理の実技や、時節に流行る感染症と留意点を学ぶ内容となっていて、また実技は反復練習とし、「初めて」の職員もいることから真摯に向き合っています

③ 39 災害時におけるこどもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 b

【コメント】
水害を見据え防災倉庫を3階とするなど、一級河川に隣接するという立地の影響を鑑み、発災時においても養育・支援を継続するために、「作業手順書」の中に「相模原南児童ホーム事業継続計画 災害編」を策定しています。また、こども及び職員の安否確認の方法は防災業者のメールで確認することになっていて、すべての職員に周知されています。年2回の総合訓練とともに毎月防災訓練が実施され、2年に1度は消防署の立ち合いを求めていますが、自治会、学校、病院等と連携した訓練には及んでいません

2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
① 40 養育・支援について標準的な実施方法が文書化され養育・支援が実施されている。 b

【コメント】
事業所には、誰がやっても同じ品質・結果になるように、手立てを分野ごとにまとめた「業務要領書」という仕様書があります。いわばそれが事業所の標準的な実施方法の文書化に匹敵します。他にも現場作業をどの順番でどのように実施するか収束した文書として「作業手順書」があり、「誰でも同じに」が一貫しています。こどもの尊重や権利擁護とともにプライバシーの保護に関わる姿勢は、標準的な実施方法には記載がないものの、「プライバシー保護に関する取り組み指針」には求める内容が十分に明記され、補完材として機能しています

② 41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 a

【コメント】
毎年8月には「文書レビュー」があり、「文書レビュー結果報告書」にまとめています。それ以外の時期にも見直しが必要な事案は、ユニットで検討のうえ所長に報告といった段取りが励行されています。担当制を敷いて丁寧にあたっている為、職員からの意見はよく出ており、主にはユニット会議で解決に向かっています。「作業手順書」は全職員が保有、「業務要領書」は各ユニットに配置され、「食事の形態を変えたい」などは日常茶飯事で挙がっていて、計画を見直す機会として自立支援計画検討会は3か月毎に実施されています

(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
① 42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 a

【コメント】
策定責任者の明示はありませんが、認識としては係長(指導監督職)または所長です。自立支援計画検討会は入所後1か月内に開催、その後は3か月毎に実施され、毎回事前に「アセスメントシート」に取組んでいます。アセスメント結果から抽出された課題等はこどもの担当者が「自立支援計画票」に記入、それを基に検討会が開かれています。また乳児課で「事例検討会会議」を年2回実施し、支援困難なケースにも対応できるようにしており、管理職、係長、課長、心理療法担当職員、場合によっては児童相談所の出席を得ています

② 43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 a

【コメント】
3か月毎に自立支援計画は見直され、評価が加えられており、計画どおりに養育・支援がおこなわれているか否かを定期で確認しています。また、ニーズや課題はアセスメントシートに記入することになっています。「業務要領書(業務名:入所関連 業務内容:自立支援計画)」には、「短期」と「随時」の2つの項目があり、適切に内容を分けていることが確認できます。おおよそ3か月毎に見直しをしており、それは「短期」として記載、「随時」は例えば離乳食を開始した場合、2回食、3回食と変更していく際には「随時」としています

(3) 養育・支援の実施の記録が適切に行われている。
① 44 こどもに関する養育・支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 a

【コメント】
「OJTチェックリスト」の「食事に関する項目・食事編4 児童の状態観察ができる」の項目において、「普段と異なる場合、生活記録・育成記録に残し、他の職員とも情報を共有する」と明示されおり、情報の分別及び必要な情報が的確に届くような仕組みがあることが確認できます。また情報共有については、ユニット毎に、毎日「業務日誌」を作成しています。日誌には「1日の流れ」「13時のミーティング引継ぎ事項」の欄が設けられ、情報共有を目的とした会議開催が明示され、更に「乳児課内引継ぎ事項」欄からは部門連係の意識が覗えます

② 45 こどもに関する記録の管理体制が確立している。 a

【コメント】
こどもの記録は、処遇改善システム上での入力になっています。パソコン使用のルールは、「業務要領書」の「PC及び周辺機器の管理」の項目にパソコンの管理の明示があり、保管場所やデスクトップの背景にこどもの画像は使用しないなど、管理が周知されています。個人情報への取組は「業務要領書」に明示され、また保護者には、玄関前に掲示した個人情報保護方針について説明をおこなっています。書類管理は、品質マニュアルQMS規程類「QMS文書管理規程4」に保存期間と廃棄方法が明記されています

内容評価基準(22項目)
A-1 こどもの権利擁護、最善の利益に向けた養育・支援
(1) こどもの権利擁護 第三者
評価結果
① A1 こどもの権利擁護に関する取組が徹底されている。 a

【コメント】
権利擁護に係る規程は法人で整備され、事業所内では全国乳児院協議会「より適切なかかわりをするためのチェックポイント」による年3回の理解共有が図られ、更に年2回乳児課会議内で研修を実施しています。日常においては「くん」「ちゃん」「さん」とつけて名前を呼ぶことで、大切な存在であることを間接的にこどもに伝えるとともに、また「大切にしている」との一つの例として、衣類・食具・寝具などはすべて個別化し、玩具も共有具のほかにそのこどもが占有できるものが用意されています

(2) 被措置児童等虐待の防止等
① A2 こどもに対する不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 b

【コメント】
被措置児童等虐待の届出・通告制度についての対応マニュアルはないものの、ルールは「中心会倫理規程」として法人での定めがあります。振り返りチェックと研修を通じて職員の知識を高め、「こどもの心を大切に」のポスターを職員の目にとまるよう掲示して意識の継続につなげ、不適切なかかわりが生まれないよう図っています。更に、アルバムを個別で作成するという作業を通して、職員が「一人ひとりのこどもの要望に対して丁寧に取組んでいくのだ」ということを再確認することで、知識と意識を自身の行動で肯定する取組が日常に溶け込んでいます

A-2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の基本 第三者
評価結果
① A3 こどものこころによりそいながら、こどもとの愛着関係を育んでいる。 b

【コメント】
入所から退所まで担当養育制をとり、1名の職員が一貫して養育にあたっており、個別対応の時間が確保されています。職員には応答的関わりが身に付き、こどもが感情や考えを伝える機会が設けられ、また職員がその理解を示すことで、より良い関係性を築く基盤をつくっています。更に、落ち着かない様子があれば、「だっこ」「おんぶ」などの身体のふれあいを通して心の安定を図ってもいます。オムツ交換、入浴など主な生活場面では担当養育者が関われるよう職員同士の協力意識も培われているものの、職員数が十分という状況ではないことから「こどもと向き合う」ことへの影響は否めません

② A4 こどもの生活体験に配慮し、こどもの発達を支援する環境を整えている。 a

【コメント】
入所までの生活環境や身体的成長の差から生じるこども一人ひとりの違いは、児童相談所から引き継いでいます。自立支援計画作成前にアセスメントを整備し、作成にあたっては課題、目標、具体的内容、監視測定といった内容が、専門職の意見の反映を以て記録され、情報の精査と共有が確かです。栄養バランスが吟味された食事や午後の散歩など、生活リズムを整える基本的な生活習慣が推進される一方で、月齢に応じて朝寝や夕寝を組込み、落ち着かない様子があれば別室対応とし、こども一人ひとりに沿った形で取組んでいます。こどもの成長が保護者の助けになっていることも職員のやりがいとなっています

(2) 食生活
① A5 乳幼児に対して適切な授乳を行っている。 a

【コメント】
授乳は自律授乳ではなく計画授乳としていますが、個々のリズムや体調に合わせて量や時間を工夫しており、頭の位置やガーゼを用意するといった周辺情報の詳細が「OJTチェックリスト」に示され、標準化が図られています。乳児は顔が見える横抱きを基本とし、目を合わせ、「おいしいね」などやさしく言葉をかけており、幼児においても一人飲みはさせていません。授乳後は、吐乳・溢乳を防ぐために排気をおこなっているものの、「十分でない」ときはしばらく縦抱きにするか、バウンサーで頭を高くしています。また授乳前にはオムツを確認し、濡れていれば替え、きれいな状態で心地よくミルクが飲めるよう、配慮しています

② A6 離乳食を進めるに際して十分な配慮を行っている。 a

【コメント】
在胎期間の情報は薄いものの、入所に至るまでの経過や発育、発達状況等児童相談所から入る情報を踏まえ、一人ひとりに合わせた食になるよう、本児の担当養育者、栄養士と看護師が中心となり、離乳食を検討しています。離乳食を始めるにあたっては、「月齢に達したから」といって慌てることなく、「座位が取れるか」「スプーンへの反応はどうか」と、個別の成長や体調に合わせて柔軟に始めています。また離乳食は各ユニットの職員が作っていますので、変調に応じて栄養士、看護師と相談しながら、体調の悪い時には形態を落とす即時対応や、もぐもぐ期の噛む力の見極め、アレルギーの確認などがスムーズに叶っています

③ A7 食事がおいしく楽しく食べられるよう工夫している。 a

【コメント】
食事場所は清潔に保たれ、食前の手洗い、食前食後の挨拶、食後の歯磨きはルーティンとし、定着しています。本児の身体に合わせてテーブルと椅子の高さを調整し、必要に応じて補助いす、足置きも使用しています。また満足感や達成感にも配慮しており、食べる意欲を引き出すために手づかみ食べや、こども用のスプーンを握らせ、全員ではないものの職員がこどもと食卓を囲み、見守っています。ユニット調理の優位性として、月齢が進むにつれて食べるレパートリーを拡げ、こどもの好みの把握を進めています

④ A8 栄養管理に十分な注意を払っている。 a

【コメント】
栄養士はカロリー計算とともに季節の食材を取り入れた献立を調理指示書に落とし込んでいて、ユニット職員が指示書に則り調理しています。ユニットでの調理のため、ご飯が炊かれる匂い、トントンという包丁とまな板のハミングを家庭と同じようにこどもは自然に体感していて、行事食では一緒につくることもあります。また乳幼児の体調、疾病、アレルギー等に個別に対応しており、例えば卵アレルギーのある乳児には、代替食を提供しています。こどもも水やりをしたトマトやナス、キュウリ等、畑で育てた野菜は、栄養管理係がおこなう「手づくりおやつ」にも材料として取り入れています

(3) 日常生活等の支援
① A9 気候や場面、発達に応じた清潔な衣類を用意し、適切な衣類管理を行っている。 a

【コメント】
衣類は吸湿性・通気性に富む綿素材を主とし、汗をかくとか、汚れたらすぐに着替えることを励行し、こまめに洗濯しています。購入時には、活動を阻害せず、着脱が容易な伸縮性の高いものを選び、個々の発達に応じたものとしており、日々の生活においては養育担当者が寒暖の状態に合わせた枚数と厚さに配慮しています。また3歳前後は大きめのボタンのついているパジャマを用意し、手先を使う機会を多く作ることで、手指の発達を促しています。衣類は、一人ひとり記名し、個人のタンスに収め、選択できるようになったこどもとは職員が一緒にその日の洋服を決める時間を持っています

② A10 乳幼児が快適に十分な睡眠をとれるよう取り組んでいる。 a

【コメント】
温・湿度は10時、16時、0時に点検表に記入をおこなって適宜調整するとともに、換気や、照明・日差しの強弱に配慮し、音楽を流すかどうかはこどもの様子で判断しています。寝具は、肌に触れる面は綿素材を用いており、発達に合わせてベッドにするのか布団かを検討しています。また窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクにも留意し、15分ごとに呼気チェック、6か月未満児はうつぶせ寝になっていないかをチェックしています。快適に十分な睡眠をとれるよう、入眠前の環境や飲み物も一人ひとりのこどもに合わせ、絵本を読むとか、照明を落としていくなどの工夫をおこない寝かしつけています

③ A11 快適な入浴・沐浴ができるようにしている。 a

【コメント】
入浴準備・入浴支援の手順を定め、新生児は沐浴を実施しています。一般浴槽を使った入浴ともに日課としていますが、こどもの体調がはかばかしくないときは看護師と相談し、シャワー浴や清拭に切り替えています。沐浴槽、浴室は使用後すぐに掃除をおこない、タオル類も個別として使用後速やかに洗濯しています。入浴を「衛生を担保するもの」に留めず、楽しさや喜びの伴う時間とすべく、湯船に浮かべる玩具も個別の好みを考慮して取り揃え、バケツやジョーロなども用意され、養育者とのスキンシップが図られています

④ A12 乳幼児が排泄への意識を持てるように工夫している。 a

【コメント】
おむつ交換のときには「すっきりしたね」など言葉をかけ、排泄の感覚が分かるように支援しています。例えば絵本の読み聞かせでは、「ノンタンシリーズ」の「おしっこしーしー」など、排泄に関心を持てるようなものを選び、トイレでの排泄に興味が湧くよう、折に触れ伝えています。トイレトレーニングのタイミングは個人差があることから、おむつ交換の時に濡れていない状態が続き、尿を溜められるようになった段階や、「ちっちでた」とこどもが発信するなどして、「出た」感覚がわかるようになったときを機会としています。また1日単位で氏名と時間軸を示した「排泄表」や、「トイレで出来たらシール貼ろう」といった、ご褒美的なものも運用されています

⑤ A13 発達段階に応じて乳幼児が楽しく遊べるように工夫している。 a

【コメント】
玩具は楽しくなるカラフルな色合いを選んでおり、プラスティックや木といった材質も多様となるよう考えています。散歩や戸外行事、スーパーマーケットへのおやつの買い出しなど、日常において外の刺激を受けるよう図っており、散歩では鳥の鳴き声や風の音を聞き、色のついた物を探して楽しんでもいます。また事業計画にも位置づけて目標とした取組として「月に1回は個別対応」があり、担当養育者がこどもと2人で出かけ、帰宅後は「親子室」でゆっくりして、お風呂にも一緒に入るという日もあります。誕生日やクリスマスプレゼント、家族から届いた玩具は自身のスペースに収納し、片付けることができるよう支援しています

(4) 健康
① A14 一人ひとりの乳幼児の健康を管理し、異常がある場合には適切に対応している。 a

【コメント】
乳児課ではこどもの生活の様子を「乳児課日誌」に記録し、必要に応じて「育成記録」にも残しています。健康状態を把握する取組としては1日2回の検温のほか、看護師が一人ひとりを確認して「育成記録」に入力しています。体重や熱発、予防接種など健康を記録する個別の「個人ファイル」も併せて看護師が管理するほか、嘱託医が月2回の往診をおこない、医師の見解・指示・処方薬の項目で構成された「往診記録」が運用されています。こどもによって状況が異なり、出産した病院に、経過観察のために通院した事例もあります。今現在は、アレルギー対応等で4名のこどもがかかりつけ医への通院となっています

② A15 病・虚弱児等の健康管理について、日常生活上で適切な対応策をとっている。 a

【コメント】
病・虚弱児等の健康管理については、看護師が母子手帳の成長曲線に落とし込むなどして経過観察しており、例えば虐待からのケガを負っているこどもは、主治医からのリハビリ指導をもとに看護師が支援方法を解説したものを写真入りで作成するといった対応が施されています。服薬管理は「業務要領書 業務名:生活支援 業務内容:服薬の管理」に基づき、「与薬管理表」「内服管理表」といった確認記録のシートを備え、看護師とダブルチェックとして安全が担保されています。また複数に亙る医療施設については、看護師が常駐する健康管理課に掲示され、状態によって適宜選択されています

(5) 心理的ケア
① A16 乳幼児と保護者等に必要な心理的支援を行っている。 a

【コメント】
入所児童には保護者への支援も視野に入れた自立支援計画が策定されており、心理支援内容を明示しています。心理支援においては、心理療法担当職員をおき、保護者と乳幼児ともに援助をおこなう態勢にあります。自立支援計画は3か月に1度の見直しが実施され、そこで「遠城寺式乳幼児分析的発達検査」を心理療法担当職員がおこなっています。その後、アセスメントシートの「心理面接・検査」の項目に結果を残し、本児に対する「自立支援計画(短期)」が策定する流れが確立しています。また、実際の支援にあたる職員にはケース検討会や研修を通じた学びの場も設けられています

(6) 親子関係の再構築支援等
① A17 施設は家族との信頼関係づくりに取り組み、家族からの相談に応じる体制を確立している。 a

【コメント】
家族との関係づくりは、家庭支援専門相談員が中心となっています。保護者が面会で訪れたときには、当日現場にいる職員が、普段の様子が記録されている「生活記録」を見せながら説明をおこない渡す段取りとしており、一方保護者はこどもを写真に収めてもいます。そういった面会時の様子は「育成記録」に残すようにしています。例えば、生まれたひ孫を家に入れる事を祖母が拒否していた事例では、未成年で出産したにも関わらず育児に向き合おうとする母親を認め、応援する言葉で職員が祖母の理解を求め、ひ孫の受入れにつながったという実績もあります

② A18 親子関係再構築等のため、家族への支援に積極的に取り組んでいる。 a

【コメント】
入所理由の理解とケアの方向性は自立支援検討会でアセスメントを実施、家庭支援に関する具体的なプログラムや配慮等は、自立支援計画に記載しています。児童相談所が「○○君とご家族のプラン」を状況に応じて作成しており、段階的に状況が変わっていく際には協議の場を持っています。また面会、外出、施設宿泊、一時帰宅についても児童相談所と協議し、保護者と約束事を決めておこなっています。入所時の課題及びこどもと家族との関係調整等総じて児童相談所との協議とし、指示を仰いでいますが、発達に課題のあるこどもは、「相模原市南子育て支援センター療育相談班」につながることもあります

(7) 養育・支援の継続性とアフターケア
① A19 退所後、こどもが安定した生活を送ることができるよう取り組んでいる。 a

【コメント】
こどもの退所後の生活に向けて必要な支援をおこなっています。例えば、家庭に帰るケースではこどもが保育園に通うことになることから、保育園に直接出向いて文書を用いて説明しています(児童相談所を介することもある)。乳児院から法人内の養護施設に移設するこどもは毎年1、2名いて、同じ建物ということもあって、乳児院の職員が訪問するとか、本児が乳児院に里帰りをして和めるようにとの支援もおこなっています。家庭に戻るときは、保護者に「困ったことがあったらいつでもご連絡ください」という手紙を渡すほか、こどもの誕生日には3年間「バースデーカード」を贈っています

(8) 継続的な里親等支援の体制整備
① A20 継続的な里親等支援の体制を整備している。 a

【コメント】
里親委託ではその支援として、法人内に「相模原市里親養育包括支援センター(フォスタリング機関)ふうせんかずら」があります。委託に至るまでに「マッチング前カンファレンス」というものがあり、マッチングをどのように進めるのかを里親、児童相談所の里親担当と担当ケースワーカー、フォスタリング機関とで連携し、委託になるまでの対応が話し合われています。委託になる前に長期泊がありますが、それに入る前にも協議しています。長期泊に入ったところで、乳児院からと児童相談所から、それぞれが出向き、それぞれの結果をもって委託に進んでよいか、不具合なことはないかを確認するといった一連の流れが確立しています

(9) 一時保護委託への対応
① A21 一時保護委託を受ける体制が整備され、積極的に受け入れを行っている。 a

【コメント】
一時保護を受ける際のマニュアルとして、「業務要領書 業務名:入所関連、業務内容:入所受入れ」が備わっています。一時保護委託を受ける際には、児童相談所と一時保護時の経過共有をおこなったうえで「入所児確認票」を渡しています。児童相談所ではこどもについての聞き取りから、受け取った「入所児確認票」へアレルギー情報も記入していて、事業所ではそれに従っています。健康診断の結果は児童相談所から届き、続いて事業所の看護師が健康状態の問診をおこない「育成記録」に入力しています。一時保護から措置入所がほとんどであり、たまさか1日付の入所で、かつ保護者の同意がとれていた場合は「措置入所」となります

② A22 緊急一時保護委託を受ける体制が整備され、積極的に受け入れを行っている。 a

【コメント】
基本は、一時保護から措置(保護者の同意を得た時点で措置になる)に移行しており、緊急一時保護も、保護者の同意を得た時点で措置となることから、事業所としては「一時保護も緊急一時保護も同じである」という捉えでいます。措置前も措置後も同じ体制なので、マニュアルは共通です。引き取り後、すぐにユニット内で生活することになるため、健康診断の受診を必須として、観察室は設けていません。一方、観察期間は設けています。緊急一時保護の場合も児童相談所の対応を以て健康診断が必須ですが、間に合わないときは里親に1泊という対応を児童相談所がとっています