社会的養護施設第三者評価結果

衆善会乳児院

データ登録日 2018年03月16日
第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 養育・支援の基本方針と組織 
1 理念・基本方針
(1)理念、基本方針が確立・周知されている。 第三者
評価結果
1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 a

【コメント】
ホームページを利用して施設の理念・基本方針等がきめ細かく丁寧に掲載されており、誰もが施設内容をつぶさに見てとれるなど、社会に向けて本施設の状況が非常にわかりやすいものとなって提供されている。職員の周知については読み合わせをして確認をするとともに、施設内に掲示してあり振り返りや確認ができる環境にある。

2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 b

【コメント】
社会的養護における乳児への養育支援の在り方が大きな変換期になっており、理事会等には報告して情報は共有している。しかし。当該施設の方向性については家庭的養護の充実を定員削減していくというところに留まっており、地域の状況等の社会的ニーズを把握・分析するなど課題の整理や、具体的な方向の検討などが必要と思われる。

3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 b

【コメント】
家庭的養護に向けての取り組みについて定員の削減という方向性は示されているが、近年暫定定員で運営がなされており経営の不安定が危惧されている状況にある。入所については自助努力だけでは解決できないが、定員問題も含め法人としての今後の進むべき方向を明確にし、施設の社会的な役割を明確にした取り組みに期待したい。

3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 b

【コメント】
中長期計画として「家庭的養護推進計画」を作成し名古屋市に提出されているが、市の予算の都合で計画の推進は不可能となっている。施設長は、現状の課題や家庭的養護の在り方についてのビジョンは構想として描いている。それをどう具現化していくのかを職員間で検討し、法人としての中長期計画を明確にしていくことが望まれる。関係機関との協議も含め今後の取り組みに期待したい。

5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 b

【コメント】
家庭的養護推進計画を基本に据えた中・長期計画であり、収支を含めやや具体性に欠ける計画であるため、事業計画は前年度の事業実績をもとに課題を設定した事業計画となっている。今後は関係機関と協議し、年度別のビジョンを明確にした中・長期計画を作成し、それに基づく事業計画となることが望ましい。

(2) 事業計画が適切に策定されている。
6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 b

【コメント】
前年度の総括はボトムアップで全職員の参加で行なわれており、事業計画への取り組みに反映される仕組みとなっている。ただし、部分的には一部の職員のみで事業計画を作成されているため、今後は作成された事業計画案を再度現場にフィードバックするなど、施設全体で作成していく体制に期待したい。

7 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。 b

【コメント】
事業計画については年度当初に、保護者へ送付し理解を求めているが、保護者向けとして特別に作成したものではなく、わかり易いような配慮が十分とは言えない点もある。子どもの生活や施設の事業について、保護者への周知や理解が求められることから、よりわかり易い形のものを検討されることに期待したい。

4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
8 養育・支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 b

【コメント】
自己評価の実施や第三者評価の受審、チェックリストの活用などにより、課題を明確にし改善に向けた取り組みが行われている。今年度の重点項目としては、記録の書き方にポイントを置き、乳児の状況をできる限りありのままの姿を記録とするように取り組んでいる。今後は、養育の質をさらに高めていくためのチェック体制を整備され、定期的な確認と改善に向けた検討の機会を組織として位置づけていくことに期待したい。

9 評価結果にもとづき施設として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 b

【コメント】
自己評価改善委員会を設置して、第三者評価や自己評価の項目別の結果に基づき、マニュアルの作成など改善策を検討している。ただし、施設として系統的な取り組みとするためにも、PDCAサイクルに基づき総括的な課題の設定と、改善策の検討を計画的に進められたい。加えて、課題については全職員で共有されるような体制づくりにも期待したい。

Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 b

【コメント】
施設長は施設経験が豊富で職員から信頼されていることは、職員のヒアリング等で確認でき、職員管理等についても熱い思いを持ち施設運営に努められている。今後はコンセンサスを図ってリーダーシップを発揮されるためにも、施設運営や管理についての思いを文書により表明され、職員一丸となった養育や業務遂行に期待したい。

11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 b

【コメント】
行政等の関係機関の会議や研修には積極的に参加して、関係する法や制度についてその都度職員等には伝え周知を図っている。業者との契約や取り引き等に関しては、担当制にするなど一部に集中しないたような取り組みを行っている。今後は、運用されている仕組み等について明文化され、組織としての体制構築が望ましい。

(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
12 養育・支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 b

【コメント】
施設長は長い間養育の現場で培った経験や知識を基に、的確な指導力を発揮している。また、各種委員会への提言や会議に参加してアドバイスをしたり幹部職員と連携し、養育の質を高めていくことに努めるなど、リーダーシップを発揮している。ただ、子どもへの強い思いや養育に対する経験から、時として自らの思いが優先することもあるため、職員の声を拾いながら、さらなるリーダーシップ発揮に期待したい。

13 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 b

【コメント】
施設長は事務担当者と連携を図り、コストを意識しながら経営改善に向けた取り組み姿勢にある。職場環境については、各担当レベルで職務の割り振りを検討されているため、今後その成果に期待すると共に、具体的な中長期計画を作成され、それに基づく整備計画や将来に向けた資金計画を策定され、職員への周知を図られることを望みたい。

2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 b

【コメント】
人材の確保についてはHPの活用、実習受け入れ校との関係づくりなど、現状で可能な取り組みをされているが、組織的な人材確保に向けた計画等は十分とは言えない面もある。今後は中長期計画と連動する形で、職員確保等の人事についての計画を作成され、トータル的な人事管理に努められたい。

15 総合的な人事管理が行われている。 b

【コメント】
施設の基本方針には求められる職員像が明記され、職員への周知が図られており、人事考課については市の基準により策定されている。職員一人ひとりの基本的業務遂行能力や業績、意欲などについて、振り返りや気づき、さらにはモチベーションを高めるような施設独自の考課の仕組みを検討されるとさらに良い。

(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 b

【コメント】
職員の働き方については希望や要望などを確認するなど、施設長として意識され改善への意欲は持っている。勤務表作成時に優先的に希望休を入れ込むなど、職員の意向を反映させているが、現在は働き方そのものの在り方が問われている時代であり、ワークライフバランスなど多様な働き方を検討され、人材確保や定着に向けた仕組みや環境の整備に期待したい。

(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 b

【コメント】
施設長は、各職員から出された「職務申告書」を基に年1回個別面接を実施し、個々の成果を確認している。現状の取り組みを、より有効なものとするためには職員個々の目標管理シートの作成、目標設定時や年度途中での個別面談の実施、目標や進行状況の把握と助言、さらに到達度の確認などトータルな仕組みを検討され、職員一人ひとりの育成に向けた取り組みに期待したい。

18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 b

【コメント】
研修に関する基本方針は明示されていないが、研修については新任研修、施設内研修、外部研修として選択制研修と本人意向を参考に、施設長が指定する研修が設けられており、計画に従って実施されている。施設内研修については、テーマを職員参加で決定し、必要に応じて外部講師を招聘して行っている。今後は職員のキャリアアップなどに関する資格要件や研修体系を明確にされ、個々のモチベーションアップにつなげられたい。

19 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 b

【コメント】
今年度より新任職員にはOJT研修を実施し、個々の職員のレベルアップに繋げている。外部研修については職員に周知し、希望を優先としながら機会は平等に参加できるように配慮している。ただ、個々の職員レベルに応じた研修となっているかの検証は十分とは言えない点もあり、今後は職員の育成計画等を作成して、それに基づく研修受講となることが望ましい。

(4) 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
20 実習生等の養育・支援に関わる専門職の教育・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 b

【コメント】
実習生については多職種の受け入れを行っており、将来に向けた職員養成として、施設の役割を十分認識し取り組んでいる。実習生に対する支援マニュアルは整備され、指導方法も統一した対応がとられている。実習担当者がオリエンテーションや受け入れ、反省会まで一貫した対応を図っている。実習指導者の育成やスキルアップに向けて、指導者の研修参加や養成にも期待したい。

3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 a

【コメント】
ホームページは改良されて、大変見やすくわかりやすいものとなっいる。法人理念、基本方針、事業計画・報告、予算・決算、支援の内容等を公表し、運営の透明性の確保に努めている。また、保護者や一般の人たちに、乳児院の養育内容等が大変理解しやすい形で提供されている。

22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 b

【コメント】
外部の税理士、社会保険労務士等のチェックや助言を受けて、適正な施設運営や経理執行に努めている。ただし、職員に対する周知等の取り組みは十分とはいえず、施設のコンプライアンスを確保するためにも、職員に適切に周知する機会を確保することが望ましい。

4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
23 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 b

【コメント】
子どものプライバシー保護などの観点から、積極的な地域と関わりには限度があるが、地域との関わりについては法人としての方針や、施設としての基本的方針に明文化されており、神社の祭りに参加したり、近隣のお店に買い物に出かけたり、保育園の卒園式に施設長が出席するなど、できる範囲で地域との関わりを大切にしている。今後は、地域との関わりの頻度を高めるなど、積極的な地域参加に向けた検討に期待したい。

24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 b

【コメント】
子どもとの関係性を重視するいうスタンスから、継続できるボランティアの受け入れを基本にしている。縫製や清掃のボランティアグループをはじめ、中学生の体験学習、サマーボランティア、行事のお手伝いの学生など様々なボランティアが活動しているが、抱っこボランティアなど子どもと直接関わるボランティア希望者は殆どいないのが現状である。今後は積極的にアピールや開拓など行いながら、子どもと関わるボランティアの受け入れや、ボランティアを育てて行くという側面にも期待したい。

(2) 関係機関との連携が確保されている。
25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 b

【コメント】
児童相談所をはじめ区役所、保健所などの関係機関との連携については明文化されたものがあり、会議や連絡等を通じて適切な情報共有が図られている。また、里親に関しても、連絡・相談なども含めて良好な関係づくりに努めている。今後は、保護者や里親などが退所後に利用できるような社会資源について、わかりやすい形での資料作成について検討されたい。

(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
26 施設が有する機能を地域に還元している。 b

【コメント】
里親支援専門相談員を中心に、里親との交流の場として「ひよこサロン」を開催したり、地域からの育児相談に対応するなどの取り組みは行われているが、主体的とは言い難い面もある。今後は施設が主体となり、地域ニーズに応じた研修会や講演会の開催などを検討されたい。併せて、災害時など有事の際の地域との連携についての検討も期待したい。

27 地域の福祉ニーズにもとづく公益的な事業・活動が行われている。 c

【コメント】
施設長は区の社会福祉協議会の役員でもあり、様々なニーズ把握に努めているが、やや受け身の側面もみられる。法人として地域ニーズの把握や施設として可能な取り組みなどを組織として検討され、施設が有する専門性やスキルを積極的に地域に還元していくための取り組みに期待したい。

Ⅲ 適切な養育・支援の実施
1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
28 子どもを尊重した養育・支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 a

【コメント】
「子どもを尊重した養育」については、施設の運営理念や基本方針等に明文化され、職員への周知が図られている。また、養育内容等を振り返るためのチェックリストにより、各自が自身の養育について点検する機会や、分析・改善に向けた取り組みも実施されている。

29 子どものプライバシー保護等の権利擁護に配慮した養育・支援の実施が行われている。 b

【コメント】
子どもの権利擁護に関しては運営理念を基に職員へ周知されており、研修会などの参加や実施により日々の養育においても、職員一人ひとりの意識付けができている。プライバシー保護についての方針は、明文化されており周知もされているが、食事や入浴、おむつ交換など具体的養育場面における事例を示すことも検討され、さらなる養育の充実に期待したい。

(2) 養育・支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
30 保護者等に対して養育・支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 b

【コメント】
ホームページ上で施設の方針や養育体制などについて、わかりやすい形で掲載されているが、来院者に対しては施設のパンフレットと口頭での説明にとどまっている。今後は、口頭での説明を補う形で写真やイラスト、パソコンなどを活用しながら、視覚的に理解しやすい資料作成なども検討されたい。

31 養育・支援の開始・過程において保護者等にわかりやすく説明している。 b

【コメント】
個々の保護者の状況に応じて、丁寧な説明や対応を基本としている。ケースバイケースの柔軟な対応も必要だが、施設としての基本的対応手順を明文化され、運用できるような仕組みや様々な保護者に対応できるよう、理解しやすい資料の作成に期待したい。

32 措置変更や地域・家庭への移行等にあたり養育・支援の継続性に配慮した対応を行っている。 b

【コメント】
児童相談所の福祉司、保護者、施設職員の三者が集まり、子どもにとって最善の方向を検討する機会として「家族応援会議」を開催している。家庭復帰等に向けて、保護者がやるべき具体的な内容を段階的に示すことで、方向や方針を保護者にわかりやすく説明し、保護者のモチベーション維持に努めている。今後は、退所後の関わりについての方針や担当窓口などを明文化され、退所時に説明されることを望みたい。

(3) 子どもの満足の向上に努めている。 第三者
評価結果
33 子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 b

【コメント】
子どもの担当職員が日々の養育の中で、子どもの状況や表情から満足や好みを把握するように努めている。また、ケース会議等において、個々の子どもにとって最適な養育の方法を検討するなど、よりよい養育支援に向けて組織として取り組んでいる。自己評価において「保護者の満足のに関する意向はわかりにくい」という記述もあるが、保護者の意向や要望を確認するための取り組みも検討されたい。

(4) 保護者等が意見等を述べやすい体制が確保されている。
34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 a

【コメント】
苦情解決の仕組みは整備されており、適切に運用されている。相手に応じた適切な説明方法や複数で対応することを基本にし、十分な理解や納得をしてもらえるよう努めている。また、改善すべき点に関しては、職員への周知や改善に向けた取り組みなども図られている。

35 保護者等が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。 b

【コメント】
入所の際に、保護者に対して苦情や要望についての対応に関する説明と、文書化した資料を渡すなどの方法を用いて周知が図られている。相談相手については、保護者が希望する職員が対応するなど、柔軟な体制にある。施設内には意見箱が設置されており、直接意見が言いにくいケースにも対応できるような配慮もされている。相談を目的に来院してきた保護者等が、一目でわかるような形での掲示について検討されたい。

36 保護者等からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 a

【コメント】
対応マニュアルが整備されており、対応の手順が明確になっている。また、職員への周知はもとより保護者などを含めたの第三者に対しても周知されている。

(5) 安心・安全な養育・支援の実施のための組織的な取組が行われている。 第三者
評価結果
37 安心・安全な養育・支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 b

【コメント】
日々提出されているアクシデント、インシデントの報告量は十分であり、職員による気づきや情報の共有化が図られている。子どもたちの安全を脅かす様々な状況を想定した訓練や、取り組みも実施されている。今後は、リスクマネジメントに関する専門委員会を設置され、インシデント、アクシデントの分析、改善に向けた検討や取り組みに期待したい。

38 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 a

【コメント】
看護師を中心にした感染症対策委員会による、感染症の予防及び対策の体制が整っており、適切に対応が図られている。また、医務関係のマニュアルも整備され、嘱託医からの情報等をもとに、適宜見直しされ職員への周知も図られている。

39 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 b

【コメント】
事務員、調理員、保育士など職種の異なる職員で構成された防災委員会が主体となり、災害マニュアルの見直しや定期的な訓練が行われている。訓練は夜間想定の対応や、ライフラインが停止した場合の対応など、様々な状況を想定したものとなっている。今後は、職員への緊急連絡の手段として一斉メール配信なども検討され、応援体制の整備に期待したい。併せて、地域との連携強化に努められるなど、子どもたちの安全確保に向けた体制整備にも期待したい。

2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
40 養育・支援について標準的な実施方法が文書化され養育・支援が実施されている。 a

【コメント】
日常の様々な養育場面に即した、基本的な養育の実施方法を明文化したマニュアルが整備されており、職員への周知も図られている。また、養育方法が適切であるかを振り返る機会や、リーダーや上司が適宜チェックしたり、助言するなどの手順も確立されている。

41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 b

【コメント】
定期的に見直す機会は設定されているが、検証するための仕組みや保護者からの要望を反映するまでには至っていない面もある。より質の高い養育体制構築に向け、職員や保護者からの聞き取り、実態に即した養育の見直しに向けた検討に期待したい。

(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 b

【コメント】
アセスメントに関する手順や仕組みは定まっており、適切に運営されている。自立支援計画の作成については、間接的にしか子どもに関わらない職種など、部門を超えた職員間で協議されることが望ましい。現在、アセスメントに関する専門委員会を立ち上げ、様式等の見直しに着手されており、今後の活用や運営に期待したい。

43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 b

【コメント】
自立支援計画の見直しの手順は定まっているが、自己評価において、改善の余地ありと分析されているため、検討・改善に向けた取り組みに期待したい。また、年度途中の退所の可能性も十分あり得るため、突発的な計画の見直しや内容の周知なども含めた仕組みづくりについても検討されたい。

(3) 養育・支援の実施の記録が適切に行われている。
44 子どもに関する養育・支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化さている。 b

【コメント】
記録については養育・支援の状況や子どもの様子、健康に関する情報など適切に記載されており、会議等で情報の共有も図られている。現在、次年度からの運用に向けて、パソコンのネットワーク化が進められており、情報の共有化や効率化、省力化なども含めた今後の体制づくりに期待したい。

45 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 b

【コメント】
個人情報保護に関しての一定のルールは策定されているが、抽象的な内容となっており職員による解釈の差異も否めないため、より具体的な内容とすることが望ましい。また、SNS等に関する対策についての検討や、個人情報保護に対する職員周知に向けた研修等も検討されたい。


内容評価基準(22項目)A-1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
A1 社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 b

【コメント】
施設の理念でもある「いのちを守る、育てる、育ちあう」、「子どもの最善の利益のために」を養育の基本としている。子どもたち一人ひとりの養育において、何が最善の利益なのかを、グループに分かれて検討し、統一した養育になるように取り組んでいる。また、年2回「人権チェックリスト」を全職員が実施して、心理士を交えて養育や支援方法を、グループ毎に見直す機会を設けている。今後はグループ毎の養育方法を、他のグループの職員にも周知されるなど、組織としての養育体制の理解浸透を望む。

(2) 被措置児童等虐待対応
A2 いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 a

【コメント】
就業規則に体罰の禁止は明記されている。月1回の職員会議において全職員に対し、子どもとの関わり方の振り返りや、体罰等を行わないよう見直す機会を設け、どのような状況においても不適切な関わりがないように徹底している。

A3 子どもに対する不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 b

【コメント】
仮に不適切な関わりと思われる事案があった場合は、グループ毎に話し合いその都度改善に向けて取り組む体制にある。グループで解決できない場合は、上司に相談したり、職員会議などで話し合い解決する仕組みがある。ただし、不適切な関わりの基準が職員間でバラつきがあるため、より具体的な事例等を明示するなどにより、共通した認識へ向けての取り組みに期待したい。

A4 被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 b

【コメント】
職員は研修会等に参加し、被措置児童等虐待ガイドラインに対して理解を深めるよう努めている。被措置児童等虐待対応マニュアルは整備されているが、届出や通告等に関しての記載や、周知度は十分とはいえない点もある。今後は、対応マニュアルの見直しや職員会議等での周知徹底に期待したい。

A-2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の基本 第三者
評価結果
A5 子どものこころによりそいながら、子どもとの愛着関係を育んでいる。 a

【コメント】
可能な限り入所から退所まで同じ職員が担当できるように、「個別担当養育制」をとっている。子どもの発達に応じてグループ分けをしており、乳幼児から幼児室に移室の時は、職員も一緒に移れるような配慮がされている。職員は子どもの気持ちを最優先に考え、子どもが何を求め、何を望んでいるのかを常に意識すると共に、日頃から心理士を交えてグループで話し合うなど統一した愛着関係の構築に努めている。

A6 子どもの生活体験に配慮し、豊かな生活を保障している。 b

【コメント】
1日の生活リズムは概ね決まっているが、個々の様子を見ながら気持ちに沿った柔軟な養育に努めている。幼児には個別の玩具入れが用意され、自由に遊べるように配慮されている。材料を近隣のスパーへ買いに行きおやつ作りを楽しんだり、ベランダで家庭菜園を行うなど、家庭的な雰囲気を感じてもらえるように努めている。ただし、職員が多忙で時間に追われている現状にあり、子どもとの遊び時間がさらに確保できるような工夫や体制づくりに期待したい。

A7 子どもの発達を支援する環境を整えている。 b

【コメント】
心理士を交えてたグループ毎の会議で、子ども一人ひとりの月齢による発達段階を考慮しながら、具体的な養育方法を検討している。また、職員は子どもの欲求に対してタイミングよく受け止めるように努めている。今後は職員個々が穏やかに声かけが出来ているかなど、自らの養育を振り返る機会を整備されることに期待したい。

(2) 食生活
A8 乳幼児に対して適切な授乳を行っている。 b

【コメント】
子どもたち一人ひとりの授乳の時間帯や、授乳量を記録として残してあり、適切な授乳を行っている。また、一人飲みにならないように努めているが、十分とはいえない時もある。乳児にとって授乳は大切な時間なので、目を合わせるなどゆったりと授乳できるような体制作りに期待したい。

A9 離乳食を進めるに際して十分な配慮を行っている。 a

【コメント】
栄養士と職員が話し合い、子どもの発達に応じて無理強いせず離乳を進めている。また、栄養士が職員に対して、離乳の対応の仕方やスプーンの使い方等の援助方法の研修を定期的に行っている。さらに、年齢に応じた離乳食の意義などが盛り込んである「食育年間計画」があり、職員は離乳食を進めるための十分な知識を身に付け支援している。

A10 食事がおいしく楽しく食べられるよう工夫している。 b

【コメント】
子どもの状況や成長に応じたテーブルや椅子、個別の箸やコップなどが用意されており、グループ毎に職員と一緒に楽しく食事ができる環境にある。調理員は子どもたちの食べ具合や状況を把握するために、食事の様子を確認し献立作成に活用している。また、食育年間計画に沿ったひな祭りや、親子昼食会などの行事食においても、楽しい雰囲気で食べれるような配慮や環境作りに努めている。食後の歯磨きについては定着化が十分でない面もあるため、今後に期待したい。

A11 栄養管理に十分な注意を払っている。 a

【コメント】
栄養士、調理員、担当職員が連携を図り、子どもたち個々の栄養摂取量を記録し、栄養管理に努めている。アレルギーのある子どもについては、医師と連携して食事を提供する体制を整備している。食育年間計画の中には季節感を取り入れた行事食や、親子昼食会などの機会を設けたり、週1回はカップケーキ等おやつ作りの日を設けるなど、様々な視点からの食育への取り組みを行っている。

(3) 衣生活
A12 気候や場面、発達に応じた清潔な衣類を用意し、適切な衣類管理を行っている。 a

【コメント】
衣類については、子どもの状況に応じた動きやすく着脱がしやすい、様々なサイズのものが用意されている。一人ひとりに可愛い個別のマークが着けてあり、さらに個々に収納タンスが用意されるなど個別化に配慮されている。幼児は自分のタンスから好きな服を選んで着ている。年2回衣類を購入する機会があり、子どもと職員が一緒に買い物に行く機会も設定されている。

(4) 睡眠
A13 乳幼児が快適に十分な睡眠をとれるよう取り組んでいる。 a

【コメント】
入眠時には本を読み聞かせるなど、子どもが安心して眠りにつけるように支援している。15分毎に観察して子どもの様子を確認し、むずがる子には職員が寄り添い、身体に触れ再入眠できるよう支援している。室内の温湿度計を定期的に確認し、睡眠に快適な環境設定を保つよう努めている。

(5) 入浴・沐浴
A14 快適な入浴・沐浴ができるようにしている。 a

【コメント】
乳児は午前中に沐浴を行い、清潔保持に努めている。幼児は概ね3時頃から職員と一緒に入浴し、身体の洗い方などの支援に加え、浴槽におもちゃ用意して入浴が楽しめるような配慮もしている。

(6) 排泄
A15 乳幼児が排泄への意識を持てるように工夫している。 a

【コメント】
子どもたち個々の排泄記録があり、個別の発達状況にもよるが、概ね1歳ごろからトレーニングパンツに変えて、おむつが濡れた感触を覚えてもらう支援をしている。また、排泄に興味を持ってもらえるように、無理強いすることなく便器に座るなどの誘導や、体験を積み重ねることで自立に向けた支援に努めている。

(7) 遊び
A16 発達段階に応じて乳幼児が楽しく遊べるように工夫している。 a

【コメント】
乳幼児の発達状況に応じた玩具、遊具、絵本が用意されている。トランポリンや大きなボールなど運動能力を高める遊具をはじめ、はさみ、粘土、絵描きなど知的発達を高める物も用意されている。幼児の個別のオモチャボックスがあり、自分で出し入れして遊べるようになっている。また、施設の運動会や近隣の公園に遊びに行くなど、乳幼児が楽しめる行事や日課も充実しており、遊びを通じて様々な経験ができるよう配慮されている。

(8) 健康
A17 一人ひとりの乳幼児の健康を管理し、異常がある場合には適切に対応している。 a

【コメント】
常に看護師、保育士などが子どもたちの様子を観察し、健康状態の把握に努め、個別のカルテに記録している。週2回の嘱託医による診察があり、さらに施設内で予防接種やワクチン接種も実施している。嘱託医が近隣のため、緊急の際にも対応可能である。施設内の廊下に掲示してあるホワイトボードに、子どもたちの健康状態を記載して、特に見守りが必要な子どもの情報を職員間で共有できるように工夫している。口腔衛生についても、幼児で歯が4本以上になると歯科医師による診察を受ける等、適切に対応している。

A18 病・虚弱児等の健康管理について、日常生活上で適切な対応策をとっている。 a

【コメント】
病虚弱児等の健康管理については、医師、看護師、保育士なとが連携して対応できる体制が整備がされている。特別な対応が必要な子どもには、ホワイトボードに留意点等を記載して、全職員が周知、対応できる体制にある。

(9) 心理的ケア
A19 乳幼児と保護者等に必要な心理的支援を行っている。 b

【コメント】
心理士は子どもの状況に応じて、担当職員へ具体的な支援方法についてアドバイスしたり、一緒に考えたりと適切な対応がされている。子どもの発達検査を含めて、年間計画を立てて支援に努めており、グループ毎で話し合う機会もある。心理士は児童相談所の心理士や専門医に相談して、適切なアドバイスをもらい子どもたちの心のケアに努めている。今後は、職員に対してのケアやアドバイスなどのコンサルテーションも実施され、トータル的な心理的支援がより養育に反映されることに期待したい。

(10) 施設と家族との信頼関係づくり
A20 施設は家族との信頼関係づくりに取り組み、家族からの相談に応じる体制を確立している。 a

【コメント】
家庭支援専門相談員が中心となり保護者の意向を受け止めながら、根気よく時間をかけて信頼関係の構築に努めている。また、担当職員と個別対応職員が連携し、子どもの日頃の生活の様子がわかるメッセ―ジカードを作成して、家族に渡すなど関係づくりへの配慮や工夫もされている。

(11) 親子関係の再構築支援
A21 親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 a

【コメント】
家庭支援専門相談員が中心となり、親子関係構築のため家族とじっくりと話し合う時間を設けて、課題分析を行い改善に向けて支援している。保護者、児童相談所、施設の3者が集まり、大きな模造紙を使い子どもの家庭復帰に向けた将来設計図や課題などを書き込みながら、保護者としてやるべきことを、一つひとつ丁寧に理解してもらう「家庭応援会議」を開催している。保護者の気づきの機会としては、大変有意義な取り組みの一つである。

(12) スーパービジョン体制
A22 スーパービジョンの体制を確立し、職員の専門性の向上や施設の組織力の向上に取り組んでいる。 b

【コメント】
経験年数の長い職員が多く、新人職員は常に相談できる環境にあり、職員がひとりで問題を抱えこまないように努めているが、組織としてスパービジョンの仕組みをを整備され、活用されることを望む。