社会的養護施設第三者評価結果

聖園ベビーホーム

データ登録日 2014年10月17日
第三者評価結果詳細
1 養育・支援
(1)養育・支援の基本 第三者
評価結果
子どものこころによりそいながら、子どもとの愛着関係を育んでいる。 a
子どもの遊びや食、生活体験に配慮し、豊かな生活を保障している。 a
子どもの発達を支援する環境を整えている。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
総評にも記した通り、この聖園ベビーホームの良さは、養育・支援の基本に於ける充実が特筆されます。具体的には、①1人につき2人までの担当制の実施であり、②ゆとりのある保育環境が整備され、③経験値の高い職員による厚いケアの3点に加えて、キリスト教精神に裏付けられた子どもたちや保護者に対する「愛の心」を浸透させ、職員一人ひとりが養育にあたっている点です。この「愛」の心は母親の子どもに対する「無心の愛」に相当し、子どもたちに愛されている実感を与えています。また、子ども1人につき2人までの職員担当制により充分、子どもに寄り添ったケアが実現出来ています。保育環境は余裕のある、衛生的な環境が確保されています。3つのユニットにはそれぞれ職員のリーダーが配置され、全体を把握していますが、長年勤務している職員が多いので指示を待たなくても遂行出来る陣容となっています。シスターである園長先生はキリスト教信者であることを要求していませんが、根底に流れる精神はたとえ信者でなくても風土として存在し「愛」を持って養育が成されています。

(2)食生活 第三者
評価結果
乳幼児に対して適切な授乳を行っている。 a
離乳食を進めるに際して十分な配慮を行っている。 a
食事がおいしく楽しく食べられるよう工夫している。 a
栄養管理に十分な注意を払っている。 a
(3)衣生活 第三者
評価結果
気候や場面、発達に応じた清潔な衣類を用意し、適切な衣類管理を行っている。 a
(4)睡眠環境等 第三者
評価結果
乳幼児が十分な睡眠をとれるように工夫している。 a
快適な睡眠環境を整えるように工夫している。 a
快適な入浴・沐浴ができるようにしている。 a
(5)発達段階に応じた支援 第三者
評価結果
乳幼児が排泄への意識を持てるように工夫している。 a
発達段階に応じて乳幼児が楽しく遊べるように工夫している。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
●食生活
食生活については、常勤の栄養士3名、調理師1名、非常勤の調理員1名、合計5名のローテーションで対応しています。養育人数が多く、ユニットが3つある為、調理室は1階にあります。しかし、子どもの居室と離れているのが残念なところですが、おやつ等を居室で作るなどの工夫も考え、子どもの気持ちを尊重し、子どもが好きなものを提供するよう努めています。離乳食についてはマニュアルが整備され、サイクルを決めて1クール実施し、子どものアレルギー等をチェックした上で離乳食を進めています。テーブル・椅子の高さについてはクッションや踏み台を使って適切に調整しています。
●衣生活
子ども一人ひとりの担当職員が決められ、「衣」に対する子ども別予算も定めており、担当職員が個々に合わせて着替えの衣類を購入し、担当職員が管理しています。子ども別に整理ダンスが用意され、その子に合った洋服が揃っていました。地階に大きな洗濯スペースが設けられ、洋服は毎日洗い、シーツ等は1日おきに洗濯して清潔に保たれています。
●睡眠環境等
施設は、ほふくエリア、食事エリア、寝室エリアが分けられた、ゆとりのある環境で、特に睡眠についてはサークルベットを個人別に用意し、成長に応じてベットの段を下げ、落下しないよう安全に対応しています。施設の敷地内は木々で覆われ、雑音は無く快適な睡眠が保障され、室内の採光に配慮し、午睡中はカーテンを閉め、静かな雰囲気で睡眠を確保しています。SIDS対策では15分おきのチェックを実施しています。沐浴・脱衣・トイレのスペースにはオムツ替え用ベッドが設けられ、便等の場合には隣のシャワー・浴室で洗浄し、清潔が保たれています。肌の弱い子対策も含め、シート等は綿100%のものを使用し、湯上りには保湿ローションを利用しています。
●発達段階に応じた支援
発達段階に応じた支援では、排泄について、便座に慣れることを目的としてオマルに坐らせる習慣を続けています。特に意識がしっかりしてくる、2歳近くでは、便座に座って用を足せたら褒めてあげて意欲を促すようにしています。おもちゃなども年齢に合ったものを提供し、四季折々の自然を楽しみながら五感を育みお散歩や、体を使った遊びや室内でお絵かきをする等、気分転換ができる工夫もしています。

(6)健康と安全 第三者
評価結果
一人一人の乳幼児の健康を管理し、異常がある場合には適切に対応している。 a
病・虚弱児等の健康管理について、日常生活上で適切な対応策をとっている。 a
感染症などへの予防策を講じている。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
健康と安全に関して、特に安全はチェック項目も無く、自己評価の記載もありませんでしたが、特に子どもの事故に関しては、1人につき2人までの担当制の実施及び心理療法担当、個別対応職員、家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、看護師及び園長などが加わった厚いサポート体制があり、子どもの安全な生活が保障されている点は特筆すべき事柄です。健康に関しては特に感染症対策が重要であると思われます。日常的には体温による異常の早期発見のため記録を取り、チェックしています。予防策としては手洗い、アルコール消毒の他、イオン滅菌機の導入などにより未然に防ぐ努力をしています。但し、中舎制の体制では同室内の感染(潜伏期間含めて)は避けられず、部屋別の隔離対策を実行し、感染症の出たユニットの入口に赤いチューリップを表示し、他室の人(職員も含む)や外来者の入室を禁じて他室への伝播を防止した対策を講じています。また、ボードに感染症の発生を掲示し、蔓延防止に努め喚起を図っています。

(7) 心理的ケア 第三者
評価結果
乳幼児と保護者に必要な心理的支援を行っている。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
施設には心理士1名が職員として常勤し、保育士としての経験も有し、乳幼児と保護者の心理的支援を担当しており、子どもに対する心理士が保育士、子育て経験を持った心理士である点は利用者への安心につながっています。事実、観察でも子どもと対応している状況は保育士としての対応であり、子どもの信頼も得ていると感じられました。専用の心理室を設定し、個々の子どもの発達チェック会議を行い、各子ども部屋のその日の出勤者と心理士が対応する対象児を決め、発達チェック表を作成し、記録を行っています。更に、子ども一人ひとりの記録を集積し、子どものアセスメントが出来る体制を着々と固めています。また、保護者に対しても心理的援助を行なっており、面会に来た保護者に対し心理士やFSWが対応し、児童相談所とも関わりを持ちながら対応しています。心理士による個々の子どもに対して、気持ちに寄り添った保育を行っています。

(8) 継続性とアフターケア 第三者
評価結果
措置変更又は受入れに当たり、継続性に配慮した対応を行っている。 a
家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活を送ることができるよう家庭復帰の支援を行っている。 a
子どもが安定した生活を送ることができるよう退所後の支援を行っている。  a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
継続性については、個々の子どもへの慣らし保育が必要であるが、入所の場合には緊急のケースが多く、残念ながら慣らし保育の時間が取れず、即入所のケースが多い中、施設移行に際してはなるべく1~1.5か月の中で慣らし保育の時間を取り、施設移行後も最低1回は訪問し、様子を見ると共に措置変更後、ボランティアでアフターケアの実施をしています。引継ぎに際しては、児童相談所、移行前後の両機関、関係機関で引継ぎのカンファレンスを実施しています。家庭での引き取りに当たっては、児童相談所と連携を取り、面会、外出、外泊を順序立てて行い、面会時に親子で楽しく過ごせるよう支援しています。児童相談所が策定した親子支援プログラムに沿って慎重に家庭復帰を進めています。退所後のアフターフォローについては、家庭訪問の実施や、退所後2年間は園内行事に招待する等支援し、場合によっては地域ネットワーク会議を実施して情報の共有化にも努めています。

2 家族への支援
(1)家族とのつながり  第三者
評価結果
児童相談所と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行っている a
子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行っている。 a
(2) 家族に対する支援 第三者
評価結果
親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
施設として家庭との信頼関係の構築が出来るよう努めています。対応の難しい家庭については、対応する職員を決めるケースもあります。FSWを配置し、家庭との信頼関係の推進に当たっています。児童相談所とは常に連絡を取り、情報交換やネットワーク会議を開催しています。家族が面会に来た際は日常生活の子どもの様子等を伝え、養育スキルが少しでも向上するよう支援しています。面会、外出、一時帰宅については児童相談所と協議の上、体調を考慮しながら積極的に実施しています。面会の無い子どもに対する働きかけは難しいですが、ハガキ通信等で子どもの様子を伝えています。親子関係の再構築のための支援としては、面会時での対応や、ハガキ通信を活用して保護者や児童相談所に最近の子どもの様子を写真付きで知らせ、FSWや心理士を交えたカンファレンスを開く等、自立支援計画を、児童相談所や施設の心理士や家庭支援相談員と共に話し合いながら立てて支援しています。入所時には入所理由の理解とケアの方向性について、アセスメントを実施しています。

3  自立支援計画、記録
(1)  アセスメントの実施と自立支援計画の策定 第三者
評価結果
子どもの心身の状況や、生活状況を把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示している。 a
アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させている。 a
自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施している。 b
(2)  子どもの養育・支援に関する適切な記録 第三者
評価結果
子ども一人一人の養育・支援の実施状況を適切に記録している。 a
子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行っている。 a
子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行っている。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
自立支援計画策定のプロセスとして、まず、入所に際するアセスメントは、基本的に児童相談所で策定したものがあり、そのアセスメントに沿い、暫定の自立支援計画を策定し、3か月後に正式の自立支援計画を作成し、入所1年後に2年目の自立支援計画を立て、その後は1年ごとに策定しています。自立支援計画のカンファレンスには児童相談所にも参加してもらい、一緒に検討しつつ状況の確認をしています。カンファレンスの内容は月のケース会議でFSWが報告し、子どもの日々の状況は1日の反省会で全職員に周知しています。配慮が必要な子どもについては特に重点的に職員同士で話し合い、養育しています。子どもの養育に関するケース記録は毎日記入し、園長、FSWがチェックする体制が定着しています。子どもの強みや弱み、発見したこと等を細かく記録し、記録内容や書き方に差異が出ないように職員研修も実施しています。ケース記録は永年保管し、保管場所は外部に持ち出せないよう体制が出来ています。個人情報保護法については外部研修等で受講して厳守に努め、守秘義務も厳守しています。ユニット毎の情報の共有については、各部屋の子どもの状況の一覧表を作成し、必要に応じて個別のノートを作成し、職員間で共有を図っています。

≪改善が求められる点≫
前述の通り、経験値の高い職員による厚いケアが行われている反面、自立支援計画の振り返り、評価、見直しについてはやや弱い面があるようです。ベテラン職員による経験値の判断は多分99%正しいと思われますが、原点に帰った問題点の抽出、分析、計画化を後進の保育者の為にも定着させ、記録に残す体制の確立を望みます。

4  権利擁護
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
子どもを尊重した養育・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行っている。 a
社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 a
子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行っている。 a
(2) 保護者の意向への配慮 第三者
評価結果
保護者の意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、養育・支援の内容の改善に向けた取組を行っている。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
聖園ベビーホームの養育の方針は、①キリスト教の愛の精神に基づいて子どもたちを両親に代わって慈しみ、心身健全に育てること。②愛されていることが心に残るよう、一人ひとりを大切に養育すること。③子どもたちを通じて保護者、里親などが神の愛を知る機会を持てること。であり、子どもが一人ひとり愛され生きる権利があることを園全体で信じて保育し、基本方針に謳い、全職員で共有しています。就業規則、運営規定、倫理綱領、パンフレットにも明文化されています。権利擁護を含め、職員は「私と子どもの関わりを振り返る」(チェックリスト)で自己点検し、分析して次年度に各職員自身に活かしています。子どものプライバシーについては、設備面で配慮(例えば、沐浴、おむつ替えの場所の設置等)や、問題ある家族については窓口を定め、同じ職員が対応する等、工夫をしています。神奈川県の個人情報保護規定を遵守し、規定に沿った対応に努めています。意見箱の設置、第三者委員を含む苦情解決システムの設置と告知をし、苦情等を述べやすい体制づくりを心がけ、玄関に明示しています。意見箱の利用等苦情は殆どありませんが、年1回、第三者委員との連絡会(県社会福祉協議会主催)に参加しています。

(3) 入所時の説明等 第三者
評価結果
保護者等に対して、養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報の提供を行っている。 a
入所時に、施設で定めた様式に基づき養育・支援の内容や施設での約束ごとについて保護者等にわかりやすく説明している。 a
(4) 保護者が意見や苦情を述べやすい環境 第三者
評価結果
保護者が相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、保護者に伝えるための取組を行っている。 a
苦情解決の仕組みを確立し、保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させている。 a
保護者等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応している。 a
(5) 被措置児童等虐待対応 第三者
評価結果
いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 a
子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 a
被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
●入所時の説明等
入所時は、児童相談所から連絡・即入所等の緊急のケースが多く、他の分野の施設のように選ぶ状況に無いのが現状ですが、基本的には入所に際して十分に説明し、見学等もしてもらっています。入所前に見学の希望がある場合は積極的に見学してもらっています。説明はパンフレットや「聖園ベビーホームの生活」(リーフレット)を使ってわかりやすく説明し、入所時の面接では子どもの入居後の担当職員を決め、担当職員を紹介し、丁寧に対応しています。
●保護者が意見や苦情を述べやすい環境
前述の如く、苦情解決の仕組みを掲示し、入所時にも説明し、いつでも苦情・相談が出来ることを伝えています。また、担当職員のみではなく、園長、相談員、心理士、看護師等、複数の職員に相談できる点も伝えています。苦情の最終責任者は園長であり、すぐ出来ることは即対応に努め、時間を要するケース、出来ないケースでは丁寧に説明して納得してもらうようにしています。時間がかかるケースでは、見通しも併せてお伝えするようにしています。
●被措置児童虐待対応
入所の理由の3/4が虐待されて入所してきた子どもたちであり、養育の根幹が虐待され愛されることを知らない、拒否する子どもたちを如何に「自分は愛されている」「大人は信用出来る」と思わせることが養育の大部分であるこの施設では体罰等はありません。それでも職員は毎月、「私と子どもの関わりを振り返る」(チェックリスト)で自己点検し、より良い養育を目指しています。子どもに対して、担当職員は常に、他の職員も事ある毎に声をかけ、子どもの安心・安定を心がけています。

5 事故防止と安全対策
第三者
評価結果
事故、感染症の発生時など緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させている。 a
災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行っている。 a
子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためにリスクを把握し対策を実施している。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
●防災について
構造的には平屋で隣接の建物は無く、火を使う調理場は1階にあり、玄関の他に中庭からも避難が可能であり、消防署も半径2km以内にあるので、内部出火が無ければ危険は殆どありません。地震対応については、鉄筋構造で耐震対策も為され安全を確保しています。防災マニュアルは完備し、防災会議を年6回、事例検討も含め実施し、救急法の勉強会も定期的に開催しています。防災倉庫には備蓄品も備えています。
●事故について
基本的に事故報告書を記載し、大きな事故については全体のケース会議で報告し共有を図っています。通常の事故報告書はユニット毎に反省会を実施し、再発の防止に努めています。薬品、刃物、電気製品等危険物は、子どもの周りに置かないようにしています。
●設備について
消防の自動警報装置の他に不審者対策等での警報システムが事務室前に集中管理されており、特に夜間の場合などは混乱を避ける為、3ユニットの夜勤者の連絡網と関係機関への連絡責任者を定めています。
●感染症について
感染症は本来隔離すべきではありますが、乳児は保育士と離せない事情もあり、中舎制の体制では同室内の感染(潜伏期間含めて)は避けられず、部屋別の隔離対策を実行しています。感染症の出たユニットの入口に赤いチューリップを表示し、他室の人(職員も含む)や外来者の入室を禁じて他室への伝播を防止しています。また、ボードに感染症の発生を掲示し蔓延防止に努めています。予防策としては手洗い、アルコール消毒の他、イオン滅菌機の導入等により未然に防ぐ努力をしています。感染症マニュアルを完備しています。

≪改善が求められる点≫
ヒヤリハットの活用がやや弱い気がします。ベテラン職員の手厚いケアで万全に近い面と事故報告書にヒヤリハット的要素を織り込んでいるのがわかりますが、「ヒヤリ」としたり、「ハット」した際に、少しの気が付いた事を記載し、事例を重ねれば記録が残るという点、記録の活かし方を検討すると更に良いと思われます。

6 関係機関連携・地域支援
(1)関係機関との連携 第三者
評価結果
施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有している。 a
児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な取組や事例検討を行っている。 a
(2) 地域との交流 第三者
評価結果
子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行っている。 b
施設が有する機能を地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。 b
ボランティア受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備している。 a
(3) 地域支援 第三者
評価結果
地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を積極的に行っている。 a
地域の福祉ニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行っている。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
●関係機関等との連携
措置の施設としての乳児院では基本的には児童相談所は連携先です。地域の施設資源として協力するマインドは常に持っていますが、子どもの置かれた事情もあり、地域にオープンに開放するのが難しい面もあり、児童相談所の延長線上で地域のネットワーク(市、病院、保健師、保育園等)に繋げるように努めています。関係機関の住所・電話番号・担当者のリストは整備し、関係機関が集まってのカンファレンスも実施しています。家庭復帰の際に保育園を利用する場合には保育園へ申し送りをして支援しています。地域の虐待防止ネットワーク定例会へも参加し、乳児院園長会、里親会議、社協の部門会議等へも参加して連携を図っています。
●地域との交流
自治会と云う面では、「社会福祉法人みその」の地域全体で1つの自治会となっているため、純粋な「お隣り」は無く、女学院の文化祭やテレサ会、運動会に地域の方を招く程度のお付き合いをしています。しかし、女学院の保護者がボランティアで衣類・小物を作ってくれる等、地域との交流のきっかけと云えそうです。
●地域支援
地域支援では民生委員等の見学の受入れや、藤沢市虐待防止ネットワーク会議への参加、地域の子育て事業(子育てメッセ等)への里親制度の情報提供、里親支援交流会、家庭引き取り後の会等を実施しています。

7 職員の資質向上
第三者
評価結果
組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢が明示されている。 a
職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画が策定され計画に基づいて具体的な取組が行われている。 b
定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させている。 a
スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援している。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
新入職員については、マニュアルに沿ってオリエンテーションを行っています。マニュアルには施設が求める専門性とは何かが明示されています。神奈川県の新任研修にも参加しています。施設内研修を年間で計画し、前年度と異なる研修を組むようにして研鑚しています。また、職員は園内研修の他、児童福祉協議会等の外部研修にも参加しています。外部研修に参加後、研修報告書を書き、伝達報告会を開催し、職員間で研修内容の共有化を図っています。スーパービジョンについては、専門職(看護師、心理士、FSW等)が専門分野で、主任が責任者としてスーパーバイズする他、27年度からは副主任を設置し、スーパーバイズ出来る体制を確立すべく計画中です。

8 施設運営
(1) 運営理念、基本方針の確立と周知 第三者
評価結果
法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割が反映されている。 a
法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針が明文化されている。 a
運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 a
運営理念や基本方針を保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 a
(2) 中・長期的なビジョンと計画の策定 第三者
評価結果
施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されている。 a
各年度の事業計画は、中・長期計画の内容を反映して策定されている。 a
③  事業計画を、職員等の参画のもとで策定されるとともに、実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われている。 b
事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
事業計画を保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
●運営理念、基本方針の確立と周知
理念は「私達はキリストの愛の精神にもとづいて、お預かりした赤ちゃんを両親にかわって慈しみ、心身健全に育てます。愛されることが心に残るように、一人一人を大切に養育させて頂きます。」であり、この理念を施設内に掲示し、職員は常に理念を念頭に置き、養育にあたっています。また、職員は毎朝、聖歌を合唱し、お祈りを捧げ、子どもへの「愛」を心に持って1日の活動を開始しています。
●中・長期的なビジョンと計画の策定
中・長期的計画の策定については、神奈川県の中・長期的計画と法人の中・長期的計画の二面的側面を持ち、神奈川県の計画は政令指定都市及び中核都市(両方で4市)を除いた県域に関する社会的養護の計画であり、法人の計画は神奈川県の計画に沿った資金計画、建設計画、要員計画等です。基本的にはビジョンと実行計画があり、ビジョンに沿った計画の具体的方針が決定されたものが中・長期計画と事業計画に具体的に盛り込まれています。中・長期的計画が実行計画化された時点で組織に下され、説明がなされ、事業計画に組み込まれていきます。神奈川県の実行計画が明示されるまではビジョンとして維持されています。事業計画は具体的な形で所轄官庁に提出し、骨子は保護者等にも示しています。(現在建設中の親子訓練室の状況など保護者へも説明しています。)

≪改善が求められる点≫
計画のメカニズムについて、更に職員に啓発する必要があります。それは具体的にいつ、どんな事業を実施すると云った具体的計画ではなく、計画策定のプロセスの理解を促す必要があります。社会福祉法人は一定以上の規模を持つ事業団体であり、中・長期的なビジョンや計画が無いことはありません。但し、県や法人の長がビジョンとして持っているものを明示するのは困難で、ビジョンに沿って具体的な計画となった時、順次職員にも周知されます。ただ、それは中・長期計画の断片的な一部であり、全体像は年度の事業計画に示されて初めて明らかになり、職員の関与が必要になってきます。職員にビジョンがある事、将来はこういった方向を目指す、と云った構想を話すことは大切なことです。是非、この計画のメカニズムの流れを啓発していかれることを期待します。

(3) 施設長の責任とリーダーシップ 第三者
評価結果
施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮している。 a
施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードしている。 a
施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮している。 a
施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮している。 a
(4)経営状況の把握 第三者
評価結果
施設運営をとりまく環境を的確に把握するための取組を行っている。 a
運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行っている。 a
外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善が実施されている。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
●施設長の責任とリーダーシップ
園長のリーダーシップについては2日間の評価調査で充分見せて頂き、責任とリーダーシップについて確認しました。ここでの評価項目の狙いは体制の問題です。園長の役割と責任、法令順守の姿勢、職員の質の向上への意欲、業務の効率化が具体的に為されているかを問われています。役割と責任については、就業規則、職務分掌規程により明確です。法令順守について、施設は神奈川県の措置施設であり、規則に準拠して運営にあたり、業務の効率化についても常に心がけています。そして、特に職員の質の向上については、揺るがぬ「愛」の精神に裏打ちされた心身の向上を心がけています。更にケース会議、運営会議、各種カンファレンス等を通じても啓発に努めています。運営の方針は明確で「人を大事にする」、「子どもを大切にする」、「命の重みは皆同じ」のポリシーに沿って、子どもの幸せ、子どもの将来を第1に考え、2歳までの子どもを大切に預かり、叱らず愛情で受け止める養育に努めています。
●経営状況の把握
施設経営を取り巻く環境の把握については、日々の入退所や全体の入退所状況の把握の為に情報交換会へも出席しています。法人で算出した分析結果等も会議で報告しています。2年に1回程度は経営セミナーに参加して状況把握に努めています。監査については神奈川県の監査の他、公認会計事務所(外部)の監査を法人として受けており、この度の第三者評価も継続して受審して行く予定でいます。

(5) 人事管理の体制整備 第三者
評価結果
施設が目標とする養育・支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランが確立しており、それに基づいた人事管理が実施されている。 a
客観的な基準に基づき、定期的な人事考課が行われている。 b
職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みが構築されている。 a
職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行っている。 a
(6)実習生の受入れ 第三者
評価結果
実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的な取組をしている。 a

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
●人事管理の体制整備
行政の措置機関であるため人員配置基準が示されています。当施設ではその基準を上回る人員配置を整備し、現有人員体制を維持するための採用計画等を実施しています。FSW、心理士、里親支援専門員など専門職の配備を行ない、それぞれの機能を活かしています。人事考課については、面接を含む考課を実施していますが、考課について、期待水準は設けていますが考課基準そのものは明示していません。法人他部門との関係も含めて期待水準を示して行く計画は持っています。福利厚生に関しては就業規則に明示されている内容ですが、年休消化率は17.5日/1人・1年平均はあり、その年度の年休はほぼ消化する実績となっています。産休、育休等も取得する人が多く、出産で辞める職員は少ない状況です。その他、健康診断、予防接種等の福利厚生面では優遇されています。
●実習生の受け入れ
保育実習生及び近隣の看護科学生の見学や実習を受け入れています。(看護科学生の見学・実習は看護師が指導しています)実習生指導マニュアル(実習生指導項目)があり、研修に入る前にオリエンテーションをしっかり行い、対応しています。職員は係の仕事がある場合は日常業務を止めてフリー番になれるようローテーションを組む等、体制の整備に努めています。

(7) 標準的な実施方法の確立 第三者
評価結果
養育・支援について標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行っている。 a
標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行っている。 a
(8) 評価と改善の取組 第三者
評価結果
施設運営や養育・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制を整備し、機能させている。 a
評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施している。 b

(特に評価が高い点、改善が求められる点)
≪特に評価が高い点≫
●標準的な実施方法の確立
養育マニュアルがあり、それに沿って養育を実施しています。年度末には係の反省、処遇の反省を行っています。職員は一人ひとり、意見・提案を提出し、全体会議で検証、見直しをしています。養育マニュアルの修正については、全体会議での意向を受けて、主任クラスで話し合いまとめています。
●評価と改善の取組
第三者評価は今回実施し、今後3年毎に実施していく予定でいます。今までは神奈川県主催のサービス評価事業として3年毎に実施し、施設の自己評価も実施してきました。また、神奈川県の乳児院部会の主任クラスで決めた自己点検も行い、従来も今回も結果を踏まえ、気付いた点を計画に盛り込み改善に取り組み、今後も継続する予定でいます。