社会的養護施設第三者評価結果 検索

神奈川県立おおいそ学園

【1】第三者評価機関名 (株)R-CORPORATION
評価調査者研修修了番号 SK18091
SK18089



【2】種別 児童自立支援施設 定員 32名
施設長氏名 矢澤 隆 所在地 神奈川県
URL http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450049/p584931.html
開設年月日 1903年12月01日 経営法人・設置主体 神奈川県
職員数 常勤職員 40名 非常勤職員 23名
有資格職員 児童自立支援専門員 35名 児童生活支援員 6名
栄養士 1名 看護師 1名
職業指導員 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 36室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 子どもが安心できる生活を提供し、社会の担い手になる子どもの健全育成に努めます。
(1)子どもの健やかな心身の育成
(2)子どもの「生きる力」と「やさしさ」の育成
(3)子どもの基本的人権の擁護

基本方針
(1)人権に配慮した安心できる生活の保障
(2)自立支援
(3)専門的支援の推進
(4)安全と環境に配慮した園運営
(5)地域に開かれた学園づくり

(6)健康管理
(7)食育
【4】施設の特徴的な取組 ・子どもの権利擁護の仕組みとして「意見箱(レインボーボックス)」
・「第三者委員への相談機会」(第三者委員が直接、子どもから相談を受ける)
・「生活アンケート」(年4回)を実施している。
【5】第三者評価の受審状況 2021年10月01日(契約日)~ 2022年03月17日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ●神奈川県立おおいそ学園(以下、学園という)は男子のみの児童自立支援施設です。神奈川県中郡大磯町の西寄り、JR線二宮駅からバスで県道63号線沿いに位置し、広大な敷地に四季折々の豊かな自然に囲まれ、野生動物(いのしし等)も生息する等、人の心を穏やかにする空間が広がっています。
●歴史ある学園は、当初、横浜市磯子区根岸に本院(後、分院)として設置され、現在地に明治44年、国府分院を設置していましたが、大正元年に国府分院を本院とし、昭和9年の少年救護法により少年救護院に変更されました。昭和12年には神奈川県立国府実習学校と改称し、昭和23年の児童福祉法で教護院に変更の後、平成10年に「神奈川県立おおいそ学園」と改称し、現在に至っています。また、平成15年に大磯町立国府小学校・国府中学校の分校を開設しています。学園の設置目的は、児童福祉法による児童自立支援施設として、不良行為をなし、または、なすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、または保護者の下から通わせて自立を支援し、併せて退所した児童について相談その他の援助を行っています。基本理念は、子どもの最善の利益の実現を求めて、「1.子どもの健やかな心身の育成 2.子どもの「生きる力」と「やさしさ」の育成 3.子どもの基本的人権の擁護」を掲げ、子どもが安心できる生活を提供し、社会の担い手になる子どもの健全育成に努めています。
●学園の指導方法については、他に類を見ない施設と分校の連携の良さがあり、双方での情報共有が大きなポイントとなっている特長的な手法です。毎朝、施設・分校主体の連絡会議をそれぞれ持ち、寮側から寮での生活のポイントを説明し、分校側から学校での学習の様子を伝え、子どもの1日の様子を寮側、分校側が把握・理解して指導を進める等、秀逸な取り組みと言えます。特に、課題を持つ子どもたちについては、「先生によって言うことが違う」ということがないよう、同じ情報による、同じ指導が行えることを重要視し、子ども一人ひとりに丁寧な指導を行っています。

<特に評価の高い点>

1.【完遂された「業務標準化マニュアル」】
学園の「業務標準化マニュアル」は、基盤強化プロジェクトメンバーにより膨大な内容が詳細に作成されており、マニュアルの内容量に感服します。日頃、遂行している日常生活支援、行わなければならないこと等、記載する項目は膨大であり、これらを学園の業務、実施事項としてまとめています。マニュアルの作成に至り、明文化、顕在化することが重要であり、如何に実施するかをポイントとして記載し、その第1歩が「業務標準化マニュアル」の明文化にあったと考えます。経験値の高い職員は如何に、新任職員に学園の手法を教えていくのかが次のステップになると思います。
2.【子どもの「権利擁護の仕組み」の構築】
子どもの権利擁護の仕組みとして、子どもが自由に意見を表明できることを大切に考え、工夫しています。学園では、子ども一人ひとりが思ったことを自由に言える、また、周りの子どもたちも自由に発言できる中で、話し合って一緒に行動ができるよう取り組んでいます。仕組みとして、「レインボーボックス」(意見箱)の設置、各寮年2回「第三者委員への相談」(第三者委員が子どもの相談を受ける)の機会、年4回「生活アンケート」の実施を行っています。子どもたちは悩み困っている事柄を書き出し、話(または相談)をして、それを解決に導くプロセスの中で周りの大人との信頼関係につなげています。子どもたちが意見を表明する機会を提供し、子どもが意見や事情を述べやすい環境作りを行うことで子どもの権利を守り、安心した気持ちで生活が送れるよう取り組んでいます。
3.【「高等部」の自立に向けた支援】
学園では、小学生、中学生の教育を併設された分校で実施しています。一方中卒児については「高等部」を設置しており、自身の課題の解決を目指すと共に、農作業や農業体験、アルバイト等を始め、社会的に自立する力を身につけるための支援を行っています。また、退所後の通学継続を前提として高校等への進学を支援する仕組みもあります。今後も児童相談所や地域の資源と連携して、子ども達の自立に向けた支援を充実していくことが期待されます。

<改善を求められる点>

1.【児童自立支援施設における使命感・適確、適切な引継ぎ】
児童自立支援施設の職員には、様々な課題を有する児童に対する支援を行い、心身の健全な成長を促す業務に従事していることへの自覚と、専門性を持つ職員として使命感を常に強く抱き、従事される期待感があります。学園の職員は、神奈川県の福祉職として採用を受け配属されており、サイクルは最近やや長くなっているものの、3~5年の範囲で人事異動があります。職務内容は福祉全般となるため、必ずしも社会的養護関係施設のみというわけではありません。そのため、長年に亘り、児童自立支援施設での業務に従事する機会は少ないと思われますが、児童自立支援施設の役割、それに伴う自身の役割を認識し、前任、同僚から綿密な引継ぎを受けた上で、前任以上の業務が推進できるよう、今後も研鑽を図ることを期待いたしております。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 施設名:おおいそ学園
施設長:矢澤 隆

<評価(自己評価等)に取り組んだ感想>
当園では、毎年自己評価を行っています。今年度は第三者評価に取り組みましたが、第三者による他者評価と自己評価の違いなどから、改めておおいそ学園の支援について考える機会になりました。
私たちは、日ごろ子ども達の支援を行う上で最も大切にしなければならないのは、子どもの最善の利益の実現であると思います。その実現のためには、他者の評価や、子どもたち自身の声を真摯に受け止めながら、改善が必要な点は改善していくことが必要であると感じています。
第三者評価の結果を受け、職員全員が一丸となってさらに改善を進めていきながら、子どもたちの成長を実現していきたいと考えています。
なお、当初タイプBでの自己評価を行いましたが、ヒアリングの際にタイプAでの説明を求められるなど、評価の実施にあたり意思疎通が十分ではありませんでした。また、受審時において、児童自立支援施設の役割や機能について共通認識をもつまでにかなりの時間を要しました。

<評価後取り組んだこととして>
・来年度の研修について、現在のおおいそ学園の課題を基に、職員個々のスキルアップにどのような内容の研修が必要か各寮の会議において検討した。各寮から上がってきた内容を基に、研修のやり方や、実施方法等について検討中である。
・自立支援計画について、作成、評価、見直し等の進捗を適宜実施することの必要性を改めて確認した。自立支援計画の内容を子どもと共有し、有効活用されるようより一層取り組んでいく。
第三者評価結果はこちら