社会的養護施設第三者評価結果

いこま乳児院

データ登録日 2014年03月05日
【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
【2】種別 乳児院 定員 25名
施設長氏名 辻村 万里子 所在地 奈良県
URL http://www1.kcn.ne.jp/~nyujiin/index.html
【3】実施調査日 2013年08月26日~2013年12月17日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
(1)子どもの居場所作りと意欲を育てるプログラムの取り組み
 本年度より「巣作りプロジェクト」と名付けられた取り組みが実施されています。この取り組みは、部屋やホールを5~6に区分けして仕切り、それぞれ独立した空間として職員との落ち着いた環境を提供しています。各部屋の中でさまざまな遊びを通して生活を再現させながら、言語発達や他児との関係作りをもねらいとしたプログラムです。
環境づくりの一環として、ロッカーやベッド、玩具などに一人ひとりに用意されたマークを付けるなど子どもの居場所作りへの配慮、顔写真や鏡を設置し、自分や友達の存在に関心をもつような配慮などなされています。集団で生活する乳幼児に職員との落ち着いた時間と空間を提供できる独創的な取り組みです。
(2)食育活動の取り組み
乳幼児がそれぞれの月齢に応じて食に興味・関心をもち、おいしく楽しく食べられる取り組みがなされています。季節の食材を使うことや手作りにも配慮がなされ、乳幼児の嗜好を把握して献立に役立てています。また、離乳食を進めるにあたっても、管理栄養士・調理師だけでなく、子どもに携わるすべての職員の連携のもと、細やかな配慮がなされています。
(3)小規模グループケア及び子育て支援室の取り組み
 広大な法人敷地内の別棟居室を使用して少人数の子どもたちのための小規模グループケア「どんぐりルーム」が取り組まれています。この事業は、担当者とのより密度の濃い関わりが提供できる取り組みとして、計画的に実施・展開されています。また、平成22年度より別棟居室を子育て支援室として、里親支援のための設備として活用しています。今後、子どもと担当職員の個別の関わりの場として、家族療法の場として使用したい考えを持っています。 

◇改善が求められる点
(1)保護者への積極的な意向把握
保護者から出された意見や意向などには適切に対応していますが、その姿勢は受動的です。担当者を明示して保護者に周知したり、保護者の意向調査を行うなど、保護者にとっての意向の出しやすさを意図した積極的な取り組みが望まれます。
(2)苦情対応について
保護者等からの施設に対する苦情や意見は、施設にとって大切な助言という意識を持ち、より積極的な取り組みが望まれます。具体的には、玄関に明示されているポスターや意見箱は実効性のあるような配慮(ポスターはもっと目に付くように、意見箱には用紙や筆記具を準備)が必要です。また、苦情については内容などを吟味しながら、ホームページ等に公表することが求められます。
(3)地域支援・地域交流への取り組み
施設の立地条件等の関係もありますが、地域との関わりが若干希薄です。子どもたちは施設の中だけで育つわけでなく、地域との様々な関係の中で育つと考えればさらに積極的な取り組みを工夫することが望まれます。また、地域の子育て支援に対する施設の役割が強く求められている今日、乳児院の特性や専門性を地域に提供できるような取り組みがさらに求められます。
(4)ヒヤリハットの収集、有効的活用
ヒヤリハット事例集と事故報告書を区分しながら事例の収集に努め、事故発生を未然に防ぎ安全管理に有効活用していくための事例の分析、対処策の検討が望まれます。
【5】第三者評価結果に対する施設のコメント 初めての第三者評価受審の為、戸惑う部分もありましたが、施設の現状把握と見直しをする良い機会となり、職員一同、気持ちの引き締まった二日間でした。又、自己評価だけでは、見えていなかった当院の課題を、外部からの客観的視点により、新たな改善点を確認する事もできました。今回の受審結果を受けとめ、各項目の再点検、マニュアルの見直しを職員一同で協力し、子どもたちにとって、より良い環境作りを目指し、又、職員の質の向上に努力していきたいと思います。