【1】第三者評価機関名 | (株)福祉工房 |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021027 SK2022002 |
【2】種別 | 母子生活支援施設 | 定員 | 20世帯60名 | |
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施設長氏名 | 渡邉 文子 | 所在地 | 宮城県 | |
URL | ||||
開設年月日 | 1947年01月20日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人宮城県福祉事業協会 | |
職員数 | 常勤職員 | 12名 | 非常勤職員 | 3名 |
有資格職員 | 保育士 | 11名 | 精神保健福祉士 | 2名 |
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臨床発達心理士 | 1名 | 社会福祉士 | 1名 | |
公認心理師 | 1名 | 臨床心理士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 20室 | (イ)設備等 | |
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(ウ) | 学習室 | (エ) | 会議室 | |
【3】理念・基本方針 | 施設では、「守る」「育む」「繋げる」を理念として揚げ、子どもの「生きる権利」「育つ権利」「参加する権利」の4つの権利と連動して母親と子どもの支援を行っています。 基本方針 1 児童福祉法の理念に基づいて、児童が心身ともに健やかに成長発達するための良い環境づくりに努めるとともに、母子の基本的生活行動等を支援し自立促進をはかる。 2 利用者を社会的共同生活に適応させることに努めるとともに、その私生活を尊重し「自分の生活は自分で責任を持つ」と考えを養うように努める。 3 緊急による利用者については、他の利用者と基本的には同じであるが、更に安全と安心を確保し安定した生活の提供に努める。 4 運営については利用者の意見も取り入れ、お互いの理解に基づくよう努める。 5 地域と交流を図り、この施設への理解を深めてもらうとともに地域福祉への関与に努める。 6 職員の資質向上に努める。 7 指定管理者として健全な運営管理に努める。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 母親と子どもが安全に生活できる環境に取り組んでいます。 利用者の様々な入所理由に配慮した対応として、危機管理マニュアルを整備し職員に周知し不審者対応として日ごろから学校や警察とともに連携を図り、緊急時など必要に応じて臨時集会や個別対応などで情報提供し共有した対応に取り組んでいます。 母親と子どもの心身の回復と職員のメンタルヘルスケアに努めています。 様々な入所理由や状況に添いながら心理員による心理的ケアや利用者の居場所の提供、日々の職員のメンタルヘルスケアに対応できる体制を整えています。 インケアからアフターケアまで切れ目のない支援と体制 地域の生活に安心して移行できるようアフター支援員を配置し訪問や電話、ショートメールでどんな時でも職員と繋がる体制を整え関係機関や社会資源と連携した切れ目のない支援を目指しています。 アウトリーチ活動 地域で生活する人に母子生活支援施設の情報や支援を積極的に届けることを目的に、自らSOSを出せない人たちに対して、福祉事務所へ出向き支援の入り口を作るアウトリーチに取り組んでいます。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2023年06月01日(契約日)~ 2023年11月06日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和2年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 〇利用者を主体とした支援 施設では母親と子どもの主体性を重んじる方針を取っています。職員は、利用者の自己決定を尊重し、理念をもとに自己実現に向けた支援が行われています。この取り組みにより、母親と子どもが自己肯定感を高め、主体的な行動力を育む支援体制と自立に向けた地域の資源とネットワークを大事にした支援体制が整っています。利用者が主体となり築いたネットワークを地域で活かし、自分たちの生活を構築していくことが自立と考え、日々の支援を大事にしています。 〇「ほっこり室」の設置 母親と子どもの居場所となる空間は「言いっぱなし、聞きっぱなし」、樹木の香りが漂う落ち着いた空間として設定されています。ハンモックに寝ころびながら自由な格好で心理員と会話することができ、暴力等からの被害の回復には、語れる場が必要であり、リラックスした雰囲気の中で自分らしさへの気づきと自己回復を目的としています。これらの工夫により、カウンセリングや表現活動としての制作など利用者の意向に添った取り組みが実践されています。また、職員向けの「職員ほっこり」もあり「気軽に話ができる場所」「心の荷下ろしの場所」として、職員のメンタルヘルスケアの対応が行われています。 〇「さくらの教科書」 入所から退所、その後のアフターケアに至るまでの支援の手順が明確に作成され、その過程での具体的な支援内容や手順を示したマニュアルが、「さくらの教科書」として一つのファイルにまとめられ、各職員への配布が行われています。ちょっとした工夫ではありますが、名前を一般的な「マニュアル集」や「標準的支援方法」とせず、「さくらの教科書」とすることで、職員にとって親しみやすく、学びやすい雰囲気を醸し出す独自の取り組みとなっています。 ◇改善を求められる点 〇権利擁護、プライバシー保護、個人情報保護などの概念の整理と確認 実際の支援の現場では、母親と子どものプライバシーを保護した取り組みや、権利を尊重した支援が行われていますが、マニュアル類においてはそれぞれの概念が混同して語られている側面が見られます。相互に関連しているものですが、これらの概念を混同することによる弊害が発生する恐れもあるため、これらの概念を整理し、具体例を示しながら職員に周知して行くことが期待されます。 〇グループワークの再開 子どもたちの他人との関係作りの支援の一環として、以前は専門的なプログラムに基づくグループワークが行われていましたが、現在はコロナの影響もあり一時中断しています。子どもたちが相互に交流し、社会的スキルや感情のコントロール、問題解決能力などを学ぶための活動として、コロナの状況を確認しながら、再開していくことが期待されます。 〇事業計画書や中・長期計画書の記載 施設としての中長期計画書および事業計画書には、取り組むべき事項が詳細に記載されていますが、これらは基本的な取り組み姿勢を示すものが主であり、具体的な目標値が十分に明確にされてはいません。これらの文書は職員にとって指針となるべきであるため、今後はより具体的な達成目標を設定し、明確にしていくことが期待されます。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回の受審にあたり職員と施設長の認識の差異から学んだ課題や改善点を今後の施設運営、人材育成、支援の取組みとしていくことがさくらハイツの資質向上となり、職員と話し合いを重ね「チームさくらハイツ」として取り組んでいくことが私たちの福祉に対する姿勢と思います。このような評価を頂いたことに感謝申し上げますとともに、利用者から学んだ支援を地域にアウトリーチとして活かしていけるよう今後とも研鑽に努めて参りたいと思います。 |