【1】第三者評価機関名 | (特非)群馬社会福祉評価機構 |
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評価調査者研修修了番号 | SK18037 SK18042 |
【2】種別 | 乳児院 | 定員 | 50名 | |
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施設長氏名 | 柴崎 順三 | 所在地 | 埼玉県 | |
URL | https://www.kouhokai.or.jp/ | |||
開設年月日 | 1947年10月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人康保会 | |
職員数 | 常勤職員 | 57名 | 非常勤職員 | 8名 |
有資格職員 | 保育士 | 41名 | 看護師(内2名准看) | 12名 |
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栄養士・調理師 | 4名 | 心理士(認定)・精神保健福祉士 | 2名 | |
(嘱託)小児科医師・産業医 | 2名 | 社会福祉士 | 3名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 5室(各10名) | (イ)設備等 | 設備等:地域交流スペース、親子訓練室、実習生室、心理室、相談室、面会室、調理室、洗濯室、医務室等 |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | (1)理念 1.私たちは、改正児童福祉法の理念のもと、子どもが権利の主体であること、意見を尊重されること、最善の利益が優先されることを責務として遵守します。 2.私たちは、すべての子どもは社会全体で育む「社会的養護の理念」のともに、子どもの心身と健やかな成長・発達を支援します。 3.私たちは、法人の基本理念のもとに、福祉サービスを利用する者の立場に立ち民主的かつ公正な運営を行い、地域福祉の推進に努めます。 (2)基本方針 1.私たちは、子どもの生命を守り、安全・安心できる家庭的な養育環境を保障し、親子関係再構築からアフターケアまでのトータル的な養育支援を行います。 2.私たちは、子どもの健全な心身の発達を保障し、職員との愛着関係や信頼関係を形成していきます。 3.私たちは、地域の子育て支援事業や社会貢献活動に努めます。 4.私たちは、法人・施設の理念のもと、児童福祉法等の法令を遵守し、専門性の向上に励み、自覚と誇りを持って子どもたちの健全な養育に努めます。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 新園舎に移り、養育単位の小規模化を図り、自然豊かな環境のもとで子どもの養育を支えている。令和2年度の充足率は98.7%と高く、病虚弱児や障害児も積極的に受け入れている。家庭養育優先としての親子関係再構築支援での家庭引取り31.8%、里親委託13.6%でコロナの影響で例年に比べ低かった。施設異動は54.5%となった。里親支援としては、認定前研修、未委託里親研修等も受け入れていたが、コロナ禍とあってすべて中止となっている。 また地域支援に向けた活動、ボランティアの受け入れ、実習生の受入等も同様に中止とさせていただいている。産前産後の母子支援として新たに計画をしていたが、コロナの影響で延期。要対協の参画、養育訪問支援事業は継続実施しているが件数は例年に比べ少ない。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2020年07月01日(契約日)~ 2022年02月21日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成29年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価が高い点 親子関係再構築、里親支援、地域子育て支援などに関する先進的な取組を積極的に実施している。 ○Ⅰ-1 理念・基本方針 ・理念・基本方針の理解を深めるため、職員に対しては「注釈」を付記し、保護者に対しては「説明図」を盛り込むなど、わかりやすくする工夫をしている。 ○Ⅰ-3 事業計画の策定 ・事業計画の主な内容を保護者に理解してもらう際に、文章だけでは興味を持っていただけないこともあるため、行事計画にイラストを差し込み、関心を引くよう工夫している。 ○Ⅱ-1 施設長の責任とリーダーシップ ・園長は、「施設長としてのあり方」、「施設長としての理念と責任について」を明文化し、職員の理解を促進するように努めている。また、職員に限らず、保護者を含め地域の方々に、これらの文書に基づく自らの役割や責任に関する具体的な取組を広報誌に掲載している。 ・「コンプライアンス宣言」を文書化し、法令遵守に取り組む姿勢を明確に打ち出している。 ○Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献 ・地域における公益的な取組として、大規模災害時の避難場所の提供(赤ちゃんレスキュー事業等)、彩の国あんしんセーフティーネット事業の相談員設置など多数の活動に取り組んでいる。 ○Ⅲ-1 子ども本位の養育・支援 ・意思決定が困難な保護者への対応として、保護者側弁護士や親族等への説明を通じて理解促進を図っている。 ・保護者に対し相談や意見についての受付手順を明示しているほか、対応の際にはプライバシー保護に配慮した環境で個別対応を行っている。 ○A-2 養育・支援の質の確保 ・施設内で乳児ユニットから幼児ユニットに部屋移動した後についても、前担当が側面的に関わる機会を設けるなど、一貫して継続的な養育環境となるよう留意されている。 ・リービングケアからアフターケアの段階で、子どもと家庭(保護者)に対する継続支援が展開されており、詳細な記録も残されている点が高く評価できる。 ◇改善が求められる点 ○Ⅰ-3 事業計画の策定 ・「単年度計画の策定から評価までの手順」に基づく、評価・見直しの実施に期待したい。また、中・長期事業計画についても策定の時期や手順を定めることが望ましい。 ○Ⅰ-4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組 ・養育・支援の内容を組織的に評価する体制を整備し、評価結果を分析・検討する場を施設として位置づけることに期待したい。 ○Ⅱ-1 施設長の責任とリーダーシップ ・施設長が養育・支援の質の現状について、定期的、継続的に評価・分析を行うことに期待したい。 ○Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成 ・職員処遇の水準について、処遇改善の必要性等を評価・分析するための取組に期待したい。 ・職員の就業状況や意向について、組織的に改善する仕組みの構築に期待したい。 ・施設内で実施するOJT、Off-JTの研修計画を策定し、それに基づきスーパービジョンの体制を確立することが望まれる。 ・実習生等の教育・育成について、日程表にとどまらず専門職種の実習(教育・研修)内容全般を計画的に学べるようなプログラムの策定に期待したい。 ○Ⅲ-2 養育・支援の質の確保 ・処遇検討会議等において養育内容の検証は行われているが、保護者の意向を反映できるような仕組みはないため、改善を期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | ①第三者評価を受審しての効果や改善点について 自己評価については、毎年実施していますが、やはり第三者から見たサービスの質の向上とはどう言うものか知るきっかけになります。 〈改善点について〉 〇「Ⅰ-3事業計画の策定」については、目まぐるしい制度改正や現状コロナ禍とあって評価・見直しまでには至っていませんでした。中・長期 事業計画についても国の多機能化の予算がついたとしても補助金事業のため県の予算化がなされず先の見通しができないのが現状です。当園では小規模化を図るため定員の削減を県と協議しましたが、県からは良い返事をもらえませんでした。今後は制度改正や児童の入所率をみて策定の時期・手順を明確に示していこうと思っています。 〇「Ⅰ-4養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組」については、組織的に評価する体制整備、評価の分析・検討する場を構築していきたいと考えます。 〇「Ⅱ-1施設長の責任とリーダーシップ」については、上記に記述した検討会の場を設け、施設長自らリーダーシップをとり取り組んで行きたいと思います。しかし、全国組織やブロック長として外部の事業を取りまとめているために定期的には難しいと考えています。 〇「Ⅱ-2福祉人材の確保・育成」については、現状コロナ禍とあって大学・保育士養成校に求人を出しているが社会的養護施設に応募してくる学生がいないのが現状です。実習生の受け入れも例年なら80名前後受け入れていましたが、コロナ禍とあって中止していることも求人難の原因だと思います。人材の育成についても以前は研修計画を立てOJT、OFF-JTに取り組んでいましたが、コロナ禍とあって子どもの安全を守る事で精一杯なのが現状です。収束した折にはスピード感を持って取り組みを図っていきます。 〇「Ⅲ-2養育・支援の質の確保」については、今後保護者の意向を反映して改善を図っていきます。 ②第三者評価を受審しての施設としての課題の発見等 第三者評価を受審することで、これで良かったと思うことがそうではなかったと気づきます。やはり第三者の目から見てもらうことが重要かと思います。しかし、現状コロナ禍とあって質の向上に向けて様々な取り組みを図って行きたいのですが、感染症対策に負われ、不安を抱えながら職員一丸となって頑張っていることに対しても高い質の評価とされたい。 また、今回当園でもオミクロン株により職員、児童も多数罹患しました。そのために子どもの処遇を低下させないよう、残った職員で頑張ってきました。そのような職員に対して処遇改善を施し、特別手当等も支給しました。感染症対策マニュアルも常に見直しを行い、最善の策を施してきたことについてはPDCAが良く機能できたと思います。 ③評価内容に対して気づいた点 評価内容については、特に異論はありませんが、常に評価・分析を求められていることに対してはもう少し柔軟な考えをお示しくだされば幸いです |