社会的養護施設第三者評価結果 検索

サン野菊尼崎

【1】第三者評価機関名 (特非)福祉市民ネット・川西
評価調査者研修修了番号 SK18246
SK10247
HF23-1-004
SK2022026

【2】種別 母子生活支援施設 定員 20名
施設長氏名 井上 由美 所在地 兵庫県
URL http://www.amashaji.jp/
開設年月日 1948年08月15日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 尼崎市社会福祉事業団
職員数 常勤職員 8名 非常勤職員 6名
有資格職員 社会福祉士 2名 保育士 6名
幼稚園教諭 2名 臨床心理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 20室 (イ)設備等 保育室、学習室、医務室、面会室、集会室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 <理念>全ての母と子が共に生き、幸せに暮らせるために愛を持って支える。
<方針>母と子の一人ひとりの主体性を尊重した支援を目指す。
    母と子の絆を大切にする心を育む支援を目指す。
    退所者も実家のように訪れることが出来る温かみのある施設を目指す。
【4】施設の特徴的な取組 入所者への積極的な関わり。
言動を注意深く観察し、必要な支援を行っていくこと。
母と子それぞれと個別の面談を実施し、母と子の自立支援計画を作成し具体的な方法を職員と相談しながら支援している。
今年度から心理士による母のカウンセリング・子のプレイに取組んでいる。
退所後も地域で自立できるようアフターケア(訪問・電話や面談での相談・食糧支援)を行っている。
【5】第三者評価の受審状況 2023年09月29日(契約日)~ 2024年03月24日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和2年度
【6】総評  前回の第三者評価受審結果に基づき、改善すべき課題を明確にし、毎年自己評価を行いながら課題に取り組んだ結果が今回の第三者評価の中で明らかな成果として示されている。副所長が支援体制を整えスパーバイザーとして人材育成を行ってきた事は職員の研鑽により確実に母親と子どもへの支援の質の向上へ繋がり、具体的な取り組みとして定着しつつある。2年前に所長や職員の移動があり困難な状況もあったが、所長の母親と子どもに安心・安全な環境を提供したいという強い思いが基軸となり、新たな取り組みや人員配置が可能になった。
特に評価の高い点
◇権利擁護の取り組み
今回は長年の課題に取り組み「サン野菊における母親と子どもの権利擁護について」施設としての基本的な方針を文書化し、面談で権利侵害を受けていないかの聞き取りや、小学生以上の子どもに権利擁護のワークやロールプレイング、自分を守るための学習としてグループワークや個別ケアを計画的に実施した。職員も外部研修に参加し、権利擁護のへの対応について日々の会議の中で振り返り、職員全員で取り組む姿勢を明らかにしている。権利擁護の取り組みはやっと始まったばかりともいえる、今後、現状の評価を行いながらさらに、課題を明確にし取り組んでいただきたい。
◇日祝祭日、365日支援
日祝祭日の職員配置を行ない実施したことにより、休日の子どもの様子や親子関係が見え、新たな課題の中から必要な支援を実施し、母親と子どもの安心と安全につながっている。勤務体制の変更により職員の負担は大きくなったが、日祝祭日勤務による効果や必要性は認識している。
◇アフターケアの取り組み
退所後支援の流れをまとめ計画的に取り組む体制づくりを行なっている。退所後の自立支援計画を作成し、退所後約1ヶ月後に職員が退所先を訪問しモニタリングを実施、「アフターケア報告書」を作成、再アセスメント、支援の見直しや検討を行い、内容により関連機関と連携、情報共有し継続支援を実施している。母親と子どもに対しては電話や来所により施設に相談できることを説明し、学習支援や状況に配慮しながら生活や子育ての相談、同行、施設の行事の招待などの支援を行っている。今後アフターケアの充実のために自立支援担当者の配置が予定されている。
◇心理士の採用
心理士が週に3回定期的に支援に介入し、母親へのカウンセリングや子どものプレイを行っている。メンタルや発達障害など問題を抱える母親と子どもが増加している中で、チームケアの中で心理士の役割の位置づけや、職員との連携など、効果的な支援が今後さらに期待される。

課題とされる点
 社会情勢の変化や支援困難ケースが増加している中で、高機能、多様化により職員に期待される役割が増大している。幸いここ数年で職員の資質は向上している。しかし、多くの課題を抱える中で負担も増えている。職員のメンタルサポート体制を整え、専門職や加配職員の増員と共に、今後の展望や計画について、職員間で討議・共有し、やりがいのある職場づくりと個々の職員が職業人としての自分の役割や方向性を見定め、成長を実感できる取り組みを期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 入所者の安心安全を第一に考えて、入所者に寄り添いながら支援してきました。また、前回に指摘を頂いた課題を少しでも改善できるように取り組んできました。
今回ご指摘頂いた課題についても、職員間で共有し、改善できるように取り組んでいきたいと思います。今後も施設の多機能化・高機能化を目指して職員一同努力していきます。
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