【1】第三者評価機関名 | (特非)ヒューマン・ネットワーク |
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評価調査者研修修了番号 | SK2022008 SK2022009 SK2023003 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 30名 | |
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施設長氏名 | 佐藤 健太 | 所在地 | 千葉県 | |
URL | https://shishikuen.wixsite.com/website | |||
開設年月日 | 1949年04月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 獅子吼園 | |
職員数 | 常勤職員 | 27名 | 非常勤職員 | 5名 |
有資格職員 | 保育士 | 9名 | 児童指導員任用資格 | 11名 |
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社会福祉士 | 2名 | 公認心理士 | 1名 | |
管理栄養士 | 1名 | 調理師 | 3名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 13室 | (イ)設備等 | カウンセリングルーム |
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(ウ) | 自立支援室(職業指導) | (エ) | ||
【3】理念・基本方針 | 〇理念 ①ありがとうございます ② 反省・感謝・努力 ③ 化他即自行(*)の法華経に基づく獅子吼精神を土台とし、ひとのことを自分のこととして思いやる支援 ①自分の今在るのはすべての物(=万物、他者、社会、自然、歴史的環境など)に生かされているという感謝の念と私達が生きていく中で体験する様々な苦難を自分の成長の糧として受け止め「有り難うございます」という挨拶をお互いに交わします。 ②反省を怠らず常に謙虚な心を持ち何ごとに対してもお蔭様と感謝の心を忘れず更に日々努力精進を心懸けることが大事であるという教え ③先ず他に対して「化他」即ち施すことに依りその功徳を頂きやがて「自他」即ち己自身が救われるという教え 〇基本方針 1、一人一人の子どもとその家庭を支える 2、社会的養護を要する児童の専門機関として高機能化 3、茂原市を拠点に地域の子育て支援機関の中核を目指す |
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【4】施設の特徴的な取組 | 児童の養育と保護・自立支援を資するため各種様々な取り組みを行っています。 ①権利擁護 ・苦情解決規程にそった意見箱の活用(おねがいレター)・第三者委員施設生活等評価委員による施設生活の点検 ②個別支援 ③生活を通した基本的生活習得の獲得 ④親子再構築支援 ⑤部活動の奨励 ⑥地域スポーツ少年団の奨励 ⑦地域活動への積極的参与 ・幼少中学校PTA活動・子ども会活動・青少年相談員活動・青少年補導員活動・地域環境を守る会活動・ 要保護児童対策地域協議会委員・市社協福祉協議会委員・地区社会福祉協議会委員・交通安全協会委員・ 地域まちづくり協議会委員・地域体育祭プロジェクト委員・市子ども子育て審議員・公立幼稚園評議員 ⑧職業指導 ⑨アフターフォロー ⑩里親支援 ⑪人材の確保・育成・定着に向けた取り組み |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2023年04月10日(契約日)~ 2023年08月18日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和2年度 | |||
【6】総評 | 【特に良い点】 ◎ケアに必要な専門職などの人材確保・育成に継続して取り組み、より良い職場つくりを進めている 経営改善や業務の実効性を高める目的のもと、養育職員を増加することが重要と捉え、加算配置職員や、高齢職員の活用を行い手厚い人員配置を行なっている。専門職員の機能を活かすよう家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、公認心理師、職業指導員、基幹的職員を配置し役割分担を細分化している。施設長は、職員が一人で悩み・不安を抱えることがないよう定期的に面談をするなど、職員に寄り添うことや、周囲の職員がお互いにサポートするなど、誰にでも、何でも相談できる職場環境が醸成され、風通しの良い組織風土がつくられている。 ◎子ども自身が主体的に考える環境を整え、生きる力を育む支援に取り組んでいる 児童担当制により、職員と子どもの信頼関係を深め、一人ひとりに応じた支援、安心・安全を感じる支援に努めている。淡々と過ごす日常生活の中で、職員同士の関係性の良さを子どもたちに示し、愛情を注ぎ、自分の気持ちを表現できなかった子どもが、意見を表現できるように支援している。指示はせず、子ども自身が考え解決に結びつくように努め、子ども同士の話し合いを大切にし、施設としてのルールはあるが、大人の考えだけではなく、子どもたち自身で考え話し合いで決め、登校班や部屋の決まりなども子どもたちで話し合って決めている。職員はつまづきや失敗の体験を大切にし、失敗をどう生かしていくのか、自身の課題を考えられるように働きかけ、子ども自身が主体的に考える環境を整え、個々の生きる力を育む支援に努めている。 ◎「養育スタンダード」作成や新たなアセスメント方法の提示により「愛情を注ぎ、人間性豊かな子どもの育成」につながる自立支援計画を策定している 養護方針には「子どもの社会的自立に向けて、愛情を注ぐ」こと、また、養護目標には「人間性豊かな子どもを育成する」ことを掲げて支援している。これに基づき、起床、身支度、清掃・整理、食事、登校、宿題の準備、入浴、遊びなどの各場面での職員の声掛け・支援や職員の関わりを整理した「養育スタンダード」を職員の意見を取り入れて権利擁護委員会が作成し、全職員の理解促進を図っている。また、適切な養育と家庭支援につながる職員の共通認識を図るための標準的なアセスメント方法を明示した、「アセスメントスタンダード」を新たに作成し、子どもの性格・特性、強み・長所を取り入れた自立支援計画作成につなげている。 ◎子どもたちの安全や生命を守ることを第一に考え、各種リスクの洗い出しと対応に力を入れて取り組んでいる ケガなどの子どもたちの安全や生命を守ることを第一に考え、建物の死角、車両事故、自然災害、感染症、不審者などの各種リスクを各委員会等で洗い出しと対策について検討している。衛生給食委員会では、新型コロナウイルス感染時に混乱せずに迅速に対応できる体制を整備し、ノロウイルス感染時の汚物処理の実践的レクチャーを実施して食中毒防止を図っている。また、安全管理委員会では、リスクの潜む箇所への適切な処置を継続して行っている。特にリスクに対する職員の意識の向上とヒヤリハットを放置しないことへの職員の認識が高まり、職員が報告しやすい環境づくりにより、「ヒヤリハット事例報告」が年間100例以上収集できており、事故防止が図られている。 【改善を期待したい点】 ◎人事基準は、職員が理解しやすいよう組織が目指す方向性を示し、共有することが望ましい 職員の研修や共通言語化、業務の標準化はマニュアルなどの整備や、日々の業務の確認、フィードバックを経て、どの職員でも一定の基準で業務にあたることができるよう可視化している。一方で人事基準は、規定ファイル内に給与体系や、休暇取得の方法などが記され、事業計画書にも明示されているものの、職員自身が理解を深めるには至っていない。園独自のキャリアアップの仕組みや、職員自身が到達してほしい目標や現在の課題などをよりわかりやくす明示していくことで、職員自身が課題や目標に対し、一層の理解が深まるよう期待し、新園舎移行に伴う業務手順とマニュアル確認も並行して実施することで組織の目指す方向性を、改めて明示されることを期待したい。 ◎施設退所後支援に連続性を持たせ、個別的な支援と組織的・継続的な相談体制の構築が望まれる 施設退所後の支援として、職業指導員と家庭支援専門相談員が必要に応じて各関係機関と連携を図りながら電話や家庭訪問、職場訪問等を実施している。さらに今年度は施設退所後の当事者による「卒園生座談会」を開催し、在園児童への卒園後の生活等を直接話す機会を設け、職員と当事者との交流を図るなどの支援がおこなわれている。今後の退所後の支援として現在取り組んでいる自立支援、アフターケアを支えるために、「支える会」の発足が期待される。また、退所後支援に連続性を持たせ、本人の希望に応じた個別的な支援と、職員個人に依存しない組織的・継続的な相談体制の構築が望まれる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 30人が暮らす大舎制の前園舎から、6人×5グループの小規模化新園舎に引越しをして1週間が経過しました。本評価は、3年前の第三者評価受審からこれまでの取り組みを評価いただくため、大舎施設での支援に対する評価であることを前置きします。 当園では毎年、全職員参加で自己評価をとりまとめ、翌年度の事業計画に反映させるなどして、着実にその取り組みを進めるよう職員一同、努力してまいりました。 この度の評価を受け、ご説明をいただく中で、子ども、職員の率直な意見と現状、3年前との比較を含め、高く評価していただきましたことに大変恐縮しております。これに満足することなく、ご指摘いただきましたことは真摯に受け止め、さらなる支援の質向上につながる各種取り組みを職員一丸となって取り組んでまいります。 |