社会的養護施設第三者評価結果

大津市立母と子の家しらゆり

データ登録日 2022年09月27日
【1】第三者評価機関名 (特非)きょうと福祉ネットワーク一期一会
評価調査者研修修了番号 SK18140
26-044
R1-031


【2】種別 母子生活支援施設 定員 14世帯
施設長氏名 杉立 隆一 所在地 滋賀県
URL http://shonanhouse.com/yougo/
開設年月日 1951年02月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人湘南学園
職員数 常勤職員 6名 非常勤職員 3名
有資格職員 保育士 3名 臨床心理士 1名
児童指導員 1名 子育て支援員 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 14室(2DK)、エアコン設置、バルコニーあり (イ)設備等 母子室(身体障害者用)1戸、集会室、学習室、保育室
(ウ) 調理室、静養室、母子相談室、宿直室、事務室、多目的室 (エ)
【3】理念・基本方針 【基本理念】
個人の尊厳を保持しつつ、心身ともに健やかに各人が有する能力を発揮し、自立した生活を営むことができるように支援する。
【基本方針】
●安全で安心できる生活拠点であることを目指します。
●子どもと母親のニーズや課題に対して、子供と母親を主体とした支援を提供します。
●子供と母親ひとりひとりの自立のあり方を考え、その実現を目指して支援します。
●子供と母親一人ひとりの意見を大切にします。
●よりよい支援に向けて常に職員の研鑽と資質向上に励みます。
【4】施設の特徴的な取組

しらゆりでは、母子の自立のための児童福祉法に基づいた様々な支援を行っています。支援には、「入居者の皆さんが受けられる支援」と「個別相談により受けられる支援」があります。
1)経済の安定を図るために
●就職活動に協力
●仕事が継続できるよう支援
●金銭管理の相談
2)子育てを応援する
●育児相談
●補完保育(市役所関係の手続き/通院/求職活動など)
●リフレッシュ保育
●小学生以上の子どもには、学習支援、様々な体験の機会提供
3)
●育児、仕事、健康面、人間関係、今後の生活等の相談
●自立に向けての準備、計画の作成
●病気やけがの場合の家事支援、買い物代行
●臨床心理士による、カウンセリング、プレイセラピーの実施
●心身のリフレッシュのために。ヨーガプログラムの実施
●子どもの成長のため、お母さんのリフレッシュのため、季節に応じた行事の提供

【5】第三者評価の受審状況 2020年09月25日(契約日)~ 2021年06月04日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評

◆施設の概要
 昭和26年に大津市立膳所母子寮として創立され、以降平成12年に大津市立母と子の家しらゆりに改称し、その後、平成23年、社会福祉法人湘南学園として指定管理をうけ、現在に至っています。立地は,駅から徒歩圏内にある高台にあり、琵琶湖が一望できるバルコニーや家族でくつろぐ和室となっており、身体に不自由な方も入所できるようにバリアフリーの部屋が整備されています。母子の支援については切れ目のない支援の考え方の中で、母子支援生活支援センターの役割として、地域と連携する中で、継続した支援に努めています。
◆特に評価の高い点
〇施設長の責任とリーダーシップ
 施設長は、「石山団地共まち新聞」に、ペンネームで考えや意見を書き、地域に配布するとともに、「倶楽部しょうなん」という法人内職員向けの新聞を発行して施設長の考えなどを記載しています。施設長は法人事務局長を兼務しているため、職員と勤務時間が合わないことも考えて、朝早く来たり、遅くまで残ったりしてできる限り職員と話すようにしています。また、「2020母と子の家しらゆり運営方針」に職員の役割分担や職務分掌ほのかに「しらゆり3つの約束」を掲げ、挨拶・時間厳守・整理整頓に取り組むことで、シンプルに取り組むことにつながり、理念の前にする行動として周知しています。こうした率先垂範の姿勢は高く評価できます。
〇地域との交流、貢献
 地域との連携について、施設の単年度事業計画で明確に記載されています。地域とは、自治会に加入して気軽に話す関係にあり、唐崎学区の会議に参加をして協働できることを一緒に模索したり、地蔵盆や地域の運動会に希望者が参加をしています。フードバンクによる食材提供や仏教婦人会等による寄付をもらうこともあり、「フリフリマーケット(無料)」として、入居者に取りに来てもらえるようにしています。また、石山団地共まちの活動を通して、石山地域の高齢化などに対する課題に住民と参加し、取り組んでいます。今後も保育園とアフターケアの協働や地域子育て支援事業に臨床心理士を派遣できないかなどを検討しています。
〇母親と子ども本位の支援
 母親の会を設けていませんが、避難訓練の際に、母親に役割を担ってもらうなど、自分からできることを見つけ出していき、自己肯定感を高める支援しています。また、子ども達の年齢や母親の仕事などを考慮し、ニースに合わせた行事を検討するようにしています。小学校(高学年)から、夏休みにキャンプに行きたいと声があがり、意見を拾い上げて実現しました。キャンプでは初めてお米を研いだり、マシュマロを焼くのに、みんなの分を焼くなど集団活動の中で、発言するなど、主体的な行動を促すことなどにつながりました。また、退所後に支援の必要な母子に対しては、フードバンクの食品を配布したり、ひまわり会に声掛けするようにしています。
◆改善が求められる点
〇事業計画の策定
 「2020年度社会福祉法人湘南学園運営方針及び事業計画」を策定しており、中長期的な内容も記載されており、ふまえたものとなっています。また、事業所として、「2020母と子の家しらゆり運営方針」を策定しており、年度末には、事業報告書を作成し、振り返り、評価を行っています。しかし、指定管理の行政への月次報告は行っているが、事業計画に対する年度途中で振り返りや評価をする仕組みがありませんでした。また、評価するにあたっては、評価しやすい目標設定が必要(数値化)です。利用者への周知の方法、通信等における施設長による所信表明等とあわせて検討されることを期待します。
〇記録の管理
 「文書取り扱い規定」が整備されており、保存について記載されていました。「文書取り扱い規程」に記録管理の責任者が明記されています。個人情報保護に関する研修も採用時に行っています。しかし、保管、廃棄、持ち出し、開示についての規定が整備されていませんでした。法人のリスク管理の観点からも整備されることを期待します。
〇苦情体制の整備
 苦情解決の仕組みが整備され、「生活のしおり」に苦情対応について記載されていました。また、「ご意見ご要望の受付窓口の設置について」「苦情申出の窓口等について」で苦情受付担当者や第三者委員が明記されていました。しかし、玄関などに掲示されていませんでした。また、苦情結果の公表についても公開されていませんでした。対応マニュアルの定期的な見直しと合わせ、利用者の目につきやすいようにする工夫や苦情結果の公表について検討されてはいかがでしょうか。
〇その他
・人事考課として「人事管理トータルシステム」が構築され、評価基準が明確に定められていました。しかし、事業所としての期待する職員像が不十分であると認識していました。
・各種マニュアルは整備されていますが、定期的な見直しが不十分と思われますs目次を作成するなど工夫をして定期的な見直しをされることを期待します。

【7】第三者評価結果に対する施設のコメント ご指摘いただいた改善点については、日常の事業展開と同時進行で検討していきたいと考えています。なお、目標設定の必要性については、これまでの取り組みも含めて数値化していくことを、まずの目標としてわかりやすく母子生活支援施設の内容の整理についてまとめてまいりたいと思います。