社会的養護施設第三者評価結果

こころとそだちの家 バウムハウス

データ登録日 2020年06月15日
【1】第三者評価機関名 (特非)北海道児童福祉施設サービス評価機関
評価調査者研修修了番号 SK2019001
SK18194
SK18195


【2】種別 児童心理治療施設 定員 50名
施設長氏名 水上 和俊 所在地 北海道
URL
開設年月日 2005年07月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 タラプ
職員数 常勤職員 31名 非常勤職員 6名
有資格職員 社会福祉士 3名 保育士 2名
臨床心理士 4名 看護師 1名
栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 26室 (イ)設備等 家族療法棟
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 理念
バウムハウスは、生きづらさを抱えた子どもたちのために存在し、時代を担い成長する施設であり続けます
基本方針
・子どもたち一人ひとりのあるがままを大切に「伝えあう」を積み重ねます
・あたたかな人間関係の中で自尊感情を回復させ、信頼と安心を育みます
・常に、支援の環境とそのあり方の向上を目指します
・地域福祉と子どもの最善の利益のために自己研鑽に努めます
【4】施設の特徴的な取組

グループのミーティングを実施しているほか、生活場面面接の中で、子どもたちの意見や希望を聴き取り、毎週の会議の中で実現可能なもの、あるいは優先順位の高いものから、具体的に検討し対応している。

【5】第三者評価の受審状況 2019年07月01日(契約日)~ 2020年03月25日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成28年度
【6】総評

◇特に評価の高い点
1.施設全体で運営の改善や法令遵守に取り組む姿勢
 施設長のリーダーシップのもと、施設の運営課題を管理職のみならず全職員で共有することを目的に、全体会議の中で総務課長から措置費制度についてレクチャーする機会を設け、また施設長から子どもの権利についてレクチャーする機会を設けるなど、治療・支援の質の向上のための基盤となる事柄について、施設全体で理解を深める取組を行っている。
2.「性教育委員会」を中心にした支援の継続
 性をめぐる不適切な体験等の課題を持っている子どもの入所が多いが、施設における性に関する支援等の内容を「性教育委員会」を中心に検討し実践している。性に関する支援の目的を狭義に特化せず、望ましい対人関係の獲得におき、個別または少人数で「人とのつきあい方」に重点を置いたプログラムを継続して実施し、インターネットやSNSに関する知識の獲得や被害・加害の予防にも取り組んでおり、施設内での性的な問題行動もここ数年起こっていない。
3.子どもを尊重した治療・支援の共通理解対応
 施設長は子どもを尊重した総合環境療法による治療・支援の質の向上に意欲を持ち、理念や基本方針の施設内の掲示にとどまらず、事業報告書や事業計画書にも明示して、職員が質の高い治療・支援への共通理解をもって実践できるように努めている。共通理解を深めるため、「入所児童のプライバシー保護マニュアル」やバウムハウス版「こどもの権利ノート」を整備し、子ども達への支援状況の把握・評価を踏まえたうえで、職員の自己目標と振り返りアンケートを利用し、個人面接等を通じて子どもを尊重した総合環境療法への共通理解を高めることに指導力を発揮している。
4.子どもからの相談や意見へのこまやかな対応
 福祉、医療、心理、教育分野の専門的職員による協働した治療・支援の総合環境療法として、施設生活の中で治療的な経験ができるように、児童指導員と心理療法担当職員のペア体制で子どもの相談や意見に対応している。バウムハウス版「こどもの権利ノート」やルビ付きの「せいかつのしおり」を提示して、入所児童が子ども集団の中に居場所を得ながら「みんなと一緒に」の感覚経験が得られるよう、「施設生活をみんなでより良くしていくために」「問題解決のしかたについて」の項目を立てて「自分の気持ちを話すのが苦手な人は意見箱や苦情解などの仕組みがあるので、文章にして伝える方法もあります」とわかりやすく問題の解決の方法の仕組みを子どもに周知している。
◇改善を求められる点
1.中・長期的なビジョンや計画の充実と人材の確保・育成
 北海道としての計画が提示されることが前提ではあるが、施設としての中・長期ビジョンや計画を今まで以上に充実させるとともに、子どもたちや保護者の理解を得るため、周知方法などを工夫することが望まれる。職員が外部研修に参加する機会は少なくないが、児童心理治療施設としての専門性をより高めるためにも、更なる人材確保や育成のシステムを構築することを期待したい
2.組織的な苦情解決の仕組みの機能・実効性の検証
 苦情解決の体制整備が行われているが、苦情受付件数が年間0件という現状を踏まえて、周知方法及び苦情を申し出やすい工夫として意見箱の活用、第三者委員による相談日設定、無記名のアンケート等から仕組みの機能・実効性の検証に取り組まれることを期待したい。マニュアルを再整備し、子どもや保護者への周知についても、苦情や意見、要望、提案等から課題解決へ至ることを丁寧に説明することを通して、苦情解決の仕組みが実効性の高いものになることを期待したい。
3.学習会及び施設内研修の計画的な実施
 全体会議の時間帯を利用して学習会等を実施しているが、職員全体の支援の質の向上のためには、子どもの権利擁護や専門性の強化を中心に、医療などの日常生活に関連する多岐にわたる知識や技術の習得及び更新が必要である。毎年、研修計画に基づき実施しているが、しばらく実施していないという内容も見られる。限られた時間の中で効果的に継続するために、内容に応じて時期や頻度等を設定し定期的に見直すなど、更に計画的に実施することが望まれる。
4.アフターケアの方策の検討
 事業目標に「家族に対する支援の強化」を掲げ、家庭支援専門相談員も複数配置するなど支援体制の整備を図っているが、現状はまだ不十分といえる。道内の広い地域からの入所であるが、通所や外来の機能を持っていないので、退所後の状況把握は受け身になりがちである。アフターケアの対象となる子ども・家庭やケアの内容を具体的に検討し、関係機関との連携及び役割分担のうえで、積極的なアフターケアの体制を構築し実践することが望まれる。

【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  第三者評価の受審は3回目となりましたが、前回の評価を念頭に、改善やマニュアル等の整備、支援の質の向上に努め、自己評価を積み上げてきたところです。今回は、そのような施設の現状を的確に評価していただいたと感じています
 児童の支援に関わるところ、とりわけ権利擁護の取組みを高く評価していただき、これは職員の意識の向上や日々の地道な実践が評価されたものとして、今後の自信につながります。今後も、課題意識を持って、全体での取組みを積み重ねていきたいと考えております。
 一方、改善点のご指摘もありましたが、さらに現状を分析し、施設にのみならず、法人の課題として、今後検討、整理していきたいと考えています。