社会的養護施設第三者評価結果

誠心学園

データ登録日 2018年05月24日
【1】第三者評価機関名 (株)R-CORPORATION
評価調査者研修修了番号 SK15157
S24061



【2】種別 児童養護施設 定員 20名
施設長氏名 嶋津 幸江 所在地 神奈川県
URL http://yfc-aijien.com/index.html
開設年月日 1959年06月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 横浜婦人クラブ愛児園
職員数 常勤職員 17名 非常勤職員 0名
専門職員 家庭支援専門相談員 1名 心理療法担当職員 1名
個別担当職員 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 3室 (イ)設備等 調理室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 社会福祉法人 横浜婦人クラブ愛児園は理念を「誠の心を大切にし、子どもの可能性を育みます」とし、「誠の心」を最も大切に考えている法人です。「誠」には、相手の為に尽くそうとする真情以外に不純なものが全く含まれていない、という意味があります。「誠の心」を大切にしてゆこうという変わらぬ思いは昭和34年に設立された児童養護施設誠心学園の名称に受け継がれています。人が”新しい何かを生み出そうとする時に力となるもの、それは自らの「可能性」とそれを信じる強い心です。幼児期からその「可能性」を育むことがとても大切と考え、ギリシャ語で可能性を意味する「デュナミス」を乳児院の名前としました。また横浜に「誠の心を大切にし、子どもの可能性を育みます」と云う理念を実現する部屋(nursery)を創ろうと考え、保育所の名を「横浜ナーサリー」としました。創立時の精神を堅持しつつ、地域に根差した複合型施設として、時代のニーズに応え、個性的で情緒豊かな乳幼児の育成に取り組んで行きます。
【4】施設の特徴的な取組

児童養護施設誠心学園の運営の方針は①法人設立の趣旨に基づき、児童養護施設として社会的役割を果たす。②入所する児童の最善の利益を考慮し、児童の人権擁護を図るため、懲戒権の乱用を禁止する。③児童の保育に当たっては、家庭的雰囲気の中で子どもを温かく受容し、愛着関係の形成を図り情緒的安定に努める。④子ども一人ひとりの特性を考慮し、発達に応じた基本的な生活習慣や④態度を養い、心身の健康の基礎を培う。⑤子どもの入所に当たり知り得た子どもや家族の情報は、正当な理由なく漏らしてはならない。⑥子どもの国籍、信条、社会的身分によって、差別的な取り扱いをしてはならない。の6項目を遵守し、子どもが安全に、安心して生活できるように支援しています。

【5】第三者評価の受審状況 2017年07月11日(契約日)~ 2018年03月31日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評

社会福祉法人横浜婦人クラブ愛児園(以下、横浜婦人クラブ愛児園)は、第二次世界大戦後、親や家族、家を失って食糧に事欠く児童が焦土に溢れ、彼らを一刻も早く救い保護することが焦眉の課題であった当時の社会情勢の中、初代理事長の石橋志うは、横浜在住の婦人有志と共に、「社会の再建は、婦人の手で!」を掲げ、昭和22年、荒廃した子どもたちの生活を支援するための施設として横浜婦人クラブ愛児園を結成しました。また、戦後の福祉立法から同年12月に児童福祉法が公布される等、横浜婦人クラブ愛児園は、日本の成長と共に、児童福祉に尽力してきた歴史ある法人です。怒涛のように高度経済成長期に向かう日本情勢の中、刻々と変化する社会的ニーズを捉え、昭和25年に「保育所横浜婦人クラブ愛児園」(後、保育所横浜ナーサリー)を開設し、昭和29年に定員9名の乳児院の「横浜婦人クラブ乳児預かり所」を設けました。昭和30年には、社会福祉法人横浜婦人クラブ愛児園として設立し、さらに、昭和34年に「児童養護施設誠心学園」が開設されました。地域に根ざした複合型児童福祉施設として社会に貢献し、平成11~13年に施設の建替工事を行い、3つの新園舎が完成しました。
児童養護誠心学園は、横浜婦人クラブ愛児園の理念である「誠の心を大切にし、子どもの可能性を育みます。」を基に「大人も子どもも誠の心を大切にしよう」、自分自身の都合よりも相手のためになることを考える心とする「誠の心」を施設名とし、誠の心を持つ人々のいる学園、誠の心を持つ子どもが育つ学園であるよう願いが込められています。誠心学園は、未来を担う個性的で情緒豊かな児童の養育・支援に取り組み、子どもたちの可能性を大きく育むことに尽力しています。誠心学園の基本方針は、「お預かりする子どもの最善の利益を考慮し、児童の人権を擁護します。」、「子どもの特性を考慮し、発達に応じた関わりをもち、心身の健康を促します。」、「家庭的な雰囲気の中で子どもを温かく見守り、精神的な安定に努めます。」を掲げ、概ね3歳から就学前までの幼児の養育・支援に努めています。誠心学園では、「誠の心」で子どもに接し、子どもは「誠の心」に包まれ、成長し、子どもの可能性(何らかの形で現れることが期待される能力)につなげています。誠心学園は、子どもの最大の利益のために、乳児院、保育所と連携を図り、子どもの幸せのための支援に努めています。


【特に評価が高い点】
1. 2歳以上~6歳未満に限定された児童養護施設誠心学園①
児童養護施設誠心学園の優れている点、工夫を要する点においても、2歳以上~6歳未満に限定された児童養護施設の体制面に存在します。組織内部の具体的な取り組みの良さ、また、工夫点、最大の特徴も、また最大の問題点も考えられます。同じ施設内に乳児院デュナミスがあり、乳児院は2歳未満までであり、若しその3年間で家庭が再構築できない場合には、他の児童養護施設に移ることになり、新たに安心できる環境作りが行われ、6歳までに培われる愛着関係の継続が途切れる危険性も否めません。乳児院デュナミスから児童養護施設誠心学園へと6年間を継続し、幼児期の安定した愛着関係が維持できると考えた時、子ども一人ひとりの3年間は貴重で豊かな期間となり、子どもは愛着関係を受けて育つことができています。

2.2歳以上~6歳未満に限定された児童養護施設誠心学園②
児童養護施設誠心学園に入所する理由として、虐待、親の養育意思欠如、養育能力欠如、父母の社会的状況、疾病等の要因が主であり、養育したいが能力に欠けていることも要因として挙げられます。養育能力の欠如については、子どもとの愛着関係の欠如につながっており、愛着関係が最も必要な幼児期に愛情を十分に受けずに育つことになります。横浜婦人クラブ愛児園の保育方針において、就学の時期に線引きをすることに懸念を持ちながらも、生家で育成されることが最善であり、次善が児童養護施設と考え、家庭の再構築が3年で実現できない場合でも、6年間の期間で家庭の再構築ができる可能性は高く、その間、保護者等の指導を児童相談所と共に支援に努め、家庭の再構築が実現できなかった場合でも6年間の施設での養育者の厚い愛情を十分に受けることを保障し、大人との愛着関係は子どもの自己肯定感として大きな力へと育まれています。

【期待される点】
1. 2歳以上~6歳未満に限定された児童養護施設誠心学園③
児童養護施設誠心学園の課題として、2歳以上~6歳未満に限定された児童養護施設の体制では、小学生になると措置変更で退所となります。希望的には子どもは生家で育成されることが最善とする考えの基、保護者等が養育能力の欠如が改善する可能性は希薄な現状の中、家庭復帰の比率も必ずしも高くはありません。他の児童養護施設と同様に18歳まで年齢を上げる提案も行政から受けた経緯もありますが、法人が指針とする「6年間」が最良のメリットとなり得るよう、更なる工夫に期待しています。

【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 施設長 嶋津 幸江
日々の養育実践に対して良い評価をいただき、養育者にとって励みになります。家族再統合に向けて関係機関との連携支援に努力しておりますが、
帰国後のアフターケアも重要な課題となっています。
地域との関係、三園(デュナミス・ナーサリー・誠心)の連携強化を図り、指摘項目を真摯に受け止め、子どもの最善の利益が損なわれないように
尽力してきたいと思います。