社会的養護施設第三者評価結果 検索

鳥取こども学園

第三者評価結果詳細
1 養育・支援
(1)養育・支援の基本 第三者
評価結果
子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止め、子どもを理解している。 a
基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 a
子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 a
発達段階に応じた学びや遊びの場を保障している。 a
秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・養育・支援欄は、自立支援計画票に、以降の項目とも関連するように、記載されている。児童相談所との協議も積極的に行われ、自立支援計画票に反映され、1ホームには、6~7名の児童と3~4人の職員が、家庭的な雰囲気で、家庭以上の生活実現等々に努力しており、充実した生活を目指している。
・職員が、子どもの年齢層に配慮した話し合いを行い、生活の中で信頼関係を築いている。
(2)食生活 第三者
評価結果
食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫している。 b
子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供している。 b
子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進している。 b
(3)衣生活
衣服は清潔で、体に合い、季節に合ったものを提供している。 b
子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 b
(4)住生活
居室等施設全体がきれいに整美されている。 a
子ども一人一人の居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにしている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・食生活は、調理場での集中調理を基本としているが、自分たちで買い物に行き、食べたいものを作る方がより家庭的で良いのではと、昨年度から職員で話し合いを持ち、食生活に対しても努力している。
・衣生活は、子どもの年齢や好みの衣服を限られた予算の中で購入しているため、準備が大変であるが、季節に合わせた衣類の提供がなされている。
(5) 健康と安全 第三者
評価結果
発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援している。 a
医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応している。 a
(6) 性に関する教育
子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・施設での決まりは、ホーム毎に子どもたちと話合いを持ちながら決めている。
子ども達を交通事故から守るための、今後の取り組みを期待している。
・日々の生活の中で、健康管理を行っている。乳児部の看護師が総括的に健康管理や、感染症に対しての予防管理も取り組みを行っている。医療機関との連携は、素晴らしいと評価する。
・性教育に関しては施設での検討会や、外部講師を招くなど委員会が主になって行なっている。児童はそれなりに落ち着いている。
・性教育カリキュラムがないので、施設としては今後の課題としている。
(7) 自己領域の確保 第三者
評価結果
でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とするようにしている。 a
成長の記録(アルバム)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにしている。 a
(8)主体性、自律性を尊重した日常生活
日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援している a
主体的に余暇を過ごすことができるよう支援している。 a
子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・個人所有物に関しては、アルバムなど他の子どもが写らないように配慮したり、個々を尊重しながら記録の扱いを行っている。
・金銭管理・バイト管理などの把握は難しい。金銭の金額によっては事務所で預かったり、通帳と印鑑を別々に管理する体制も取っている。子どもによって個々の問題がある場合もある。経済観念を教えることは、難しい課題だが職員はそれなりの努力をし、取り組んでいる。
(9) 学習・進学支援、進路支援等 第三者
評価結果
学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 a
「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 a
職場実習や職場体験等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・子どもの学習権を保障し、よりよき自己実現に向けて学習に対する子どもの意欲を十分引き出すとともに、適切な学習機会を確保できるように努めている。ホームでの学習支援も行っている。発達障害のある子も含め一部学習ボランテイアや、社会人・鳥取大学生等から支援を受けている。中学生には、塾の利用や、出来る限りの支援を行っている。
(10) 行動上の問題及び問題状況への対応 第三者
評価結果
子どもが暴力・不適応行動などの問題行動をとった場合に、行動上の問題及び問題状況に適切に対応している。 a
施設内で子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 a
虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努めている。 a
(11) 心理的ケア
心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・暴力・いじめ対策マニュアルはないが、何か問題が起きた場合は、すぐに協議し対応・支援に当たっている。又、心理的なケアは、精神科医や心理職員と連携して取り組んでいる。
・日常的な喧嘩に安易に職員が介入せず、子ども同士の解決にまかせることもある。何事も話し合いでの解決が基本となり、生活の中で生かされている。
・いじめ、暴力は今のところない。
・現時点で児童相談所への報告事案は、発生していない。
・長年の取組により、上の子が下の子の面倒を見てくれている体制ができている。
・問題がないので、マニュアルが不要と考えず、整えて頂くのが適切とアドバイスしたい。している。
・暴力・いじめ・虐待等は、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えていて、
「話し合い」で解決している点について、職員の努力を高く評価したい。
(12) 養育の継続性とアフターケア 第三者
評価結果
措置変更又は受入れに当たり継続性に配慮した対応を行っている。 a
家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行っている。 a
できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用して継続して支援している。 a
子どもが安定した社会生活を送ることができるよう退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・措置変更後、最低でも1年は何らかの関わりで支援している。
・里親委託推進は里親支援専門相談員も配置し取り組んでいる。
・今年4月から進学、就労、中退アフタフォローに必要な自立支援コーディネータとして職業指導員を常勤1名配置した。
・難しいケースの保護者対応については、家庭支援専門相談員が行っている。家庭引き取りに当たっては、子どもが家庭で安定した生活を送れるように支援し、できる限り公平に社会へのスタートが切れるように支援している。
・社会に出ると子どもたちは、様々な体験や壁にぶち当たり、問題が発生すると思われるが、多難な課題の取組については、今後とも出来るだけ継続的な支援を期待したい。
2 家族への支援
(1) 家族とのつながり  第三者
評価結果
児童相談所や家族の住む市町村と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行っている。 a
子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行っている。 a
(2) 家族に対する支援
親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・保護者、親族及び関係者との、また、学校、関係機関との連絡記録も整備されている。
・自宅に一時帰宅できない子どもや、保護者に了承を得、一日里親を利用し、多い子では毎月利用している。保護者に理解が得られない子どもの場合は、職員の家庭に連れ帰って支援している。
・児童相談所と一緒に必要な子どもには家族再統合プログラムをたてて段階的に進めている。児童相談所や家族の住む市町村との連携については、大都市部では、考えられない取組と成果をあげている。
・親子関係の構築は、苦労を要する取組であると判断する。
3 自立支援計画、記録
(1) アセスメントの実施と自立支援計画の策定  第三者
評価結果
子どもの心身の状況や、生活状況を把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示している。 a
アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させている。 a
自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施している。 a
(2) 子どもの養育・支援に関する適切な記録 
子ども一人一人の養育・支援の実施状況を適切に記録している。 a
子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行っている。 a
子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・アセスメントを基に児童自立支援計画票を作成しており、育成記録や児童相談所とのケース記録は整備されている。
・ホーム間での引き継ぎを最低でも1回につき、1時間行っている(保護者、情報提供職員会議等)。職員間の情報の共有もあり、子ども個々の課題を明示している。
・子ども一人ひとりの自立支援計画票を作成し、ケース検討会などで年3回の見直しを実施し、施設長・副施設長・生活担当主任がスーパーバイズしている。
・保護者に関しては、面会、外出等はその都度、記録している。
・職員全体で共有し、養育・支援は統一的かつ統合されている面を評価する。
4 権利擁護
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
子どもを尊重した養育・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行っている。 b
社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 b
子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせている。 b
子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行っている。 b
子どもや保護者の思想や信教の自由を保障している。 a
(2) 子どもの意向への配慮  
子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、養育・支援の内容の改善に向けた取組を行っている。 a
職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考え、生活改善に向けて積極的に取り組む。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・法人として年1回、外部講師を招いて権利擁護に関する研修会を行っている。
・権利ノートは、高校生以上用、中学・小学生用、幼児用と、わかりやすく作成されている。
・子どもの尊重と最善の利益の考慮について、④については、(c)と自己評価されていたが、この施設には、規定・マニュアル等はなかったので、(c) と自己評価された様であるが、説明の中では十分に規程等に関する内容を理解しており、評価機関としては、(b) 評価とした。
・鳥取県は2ヶ月に1回、権利擁護チームとしての勉強会を行っている。それを受けて子どもの意見、希望は職員にダイレクトに伝わる仕組みが出来ており、ホームだけではなく相互の話し合いで解決している。
・全職員の意見を述べやすい仕組みになっている。
・子ども達の周知方法はホーム会の時等に職員から子ども達に話したり、週1回施設長の話を聞くことで理解できるようになっている。
(3) 入所時の説明等 第三者
評価結果
子どもや保護者等に対して、養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報の提供を行っている。 a
入所時に、施設で定めた様式に基づき養育・支援の内容や施設での約束ごとについて子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 a
子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理解し受けとめ、不安の解消を図っている。 a
(4) 権利についての説明 
子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 a
(5) 子どもが意見や苦情を述べやすい環境 
子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行っている。 a
苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させている。 b
子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応している。 b
(6) 被措置児童等虐待対応
いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 a
子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 a
被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 a
(7) 他者の尊重
様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・入所時には、園独自の「入所セレモニー」を行い、子ども・保護者に入所等に関する諸事項を伝達している。
・子どもの入所時は、施設長が受け入れる姿勢が大切であるが、施設長多忙で不在時には、副施設長が十分に役割を補佐している。入所時に保護者が同行しない場合は、面会時に丹念に説明している。
・意見箱(事務所、大食堂)には苦情よりも希望等の投稿が入っている。
・施設としては、宗教色があるが、子どもには、自由であると、話をしている。
・他者の尊重について、子どもには、個々の人格を尊重し理解させつつ、他人の権利を尊重できるようになるために、まず、自分自身の人格や権利が十分大切にされているという実感や経験を積んでいくことが基本であるため、難しい課題であるが、取り組んでいる。
5 事故防止と安全対策
第三者
評価結果
事故、感染症の発生時など緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させている。 a
災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行っている。 a
子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためにリスクを把握し対策を実施している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・防火管理に関しては、防火管理者が綿密な計画を立案し、法人一体となって取組みを実施している。
・県の指示により、「竜巻」対策も取り入れている。
・AEDは、地域の方も使用できると啓発をし、適切な場所に常備されたい。
・感染症対策は、外部感染、内部感染について、予防策等を協議し取り組んでいる。
・安全確保体制を整備することは最低限の義務として当然のことであり、社会的養護の質の向上を目指す意味からも事故防止等に積極的に取り組む必要があり、今後とも施設長が明確な目的意識のもとにリーダーシップを発揮されたい。
6 関係機関連携・地域支援
(1) 関係機関等の連携  第三者
評価結果
施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有している。 a
児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な取組や事例検討を行っている。 a
幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校など子どもが通う学校と連携を密にしている。 a
(2) 地域との交流  
子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行っている。 b
施設が有する機能を地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。 b
ボランティア受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備している。 b
(3) 地域支援 
地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を積極的に行っている。 b
地域の福祉ニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行っている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・関係機関・団体等の連携一覧表が作成されて、随時閲覧可能となっている。特に鳥取県は、児童相談所との関わりが優れていて、子ども等の支援・養育・治療に反映している。
・地域関係においては、積極的に地域に参画し、地域の役職を引き受け、鳥取こども学園は、ここにありと存在感を与えている。
・児童家庭支援センター、自立援助ホーム、若者サポートステーション等、複合施設としての役割も果たしている。
・欲を言えば、地域に社会的貢献で、歴史的な貢献度を残して欲しい。地域の難しい問題は、鳥取こども学園に相談すると解決するという存在感が望ましい。
・地域支援は、永遠に継続されて行くことが将来像でもある。
7 職員の資質向上
第三者
評価結果
組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢が明示されている。 b
職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画が策定され計画に基づいて具体的な取組が行われている。 b
定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させている。 b
スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・研修計画を基に研修を行い、外部研修にも積極的に参加している。研修内容については、全職員共有として学習している。ただ、職員一人ひとりについての取組については、不十分な点があり、今後の課題としている。
・人事考課の問題は、施設向けのテキストがなく、今後の問題として意識している。
8 施設の運営
(1) 運営理念、基本方針の確立と周知  第三者
評価結果
法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割が反映されている。 a
法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針が明文化されている。 a
運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 a
運営理念や基本方針を子どもや保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
(2) 中・長期的なビジョンと計画の策定  
施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されている。 b
各年度の事業計画は、中・長期計画の内容を反映して策定されている。 b
事業計画を、職員等の参画のもとで策定されるとともに、実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われている。 b
事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
事業計画を子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・本評価基準では、社会的養護の更なる充実、課題の解決等のほか、地域ニーズに基づいた新たな社会的養護の養育・支援の実施といったことも含めた将来像や目標を明確にし、その将来像や目標を明確にし、その将来像や目標を充実するために、組織体制、人材育成等に関する具体的な計画を評価した。
ちなみに、当評価機関では、独自に社会的養護施設関係における 中長期ビジョン計画「案」は、策定している。
(3) 施設長の責任とリーダーシップ   第三者
評価結果
施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮している。 a
施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードしている。 b
施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮している。 a
施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮している。 a
(4) 経営状況の把握  
施設運営をとりまく環境を的確に把握するための取組を行っている。 a
運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行っている。 a
外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善が実施されている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・法令等の遵守については、憲法、法律、政令、府・省令、通達、局長通知、課長通知等々
と記され、各県の「条例」等の遵守事項も必要である。
・法人として必要な「法令」等、施設での必要な「法令」等の整理をして、今後の取組が必要である。
・外部監査については、(a) 評価ができるのは、監査法人と考えるが、監査法人に「福祉に関係した人材」や「福祉の学識経験者」が必要と考えるが、予算・決算だけでなく、予算と事業の執行関係が読める人材がいて、はじめて、(a) 評価ができる体制と考える。
・施設長は、施設を実質的に管理・運営する責任者を指し、組織全体をリードする立場として、職員に対して自らの役割と責任を明らかにすることは、職員からの信頼を得るために欠かすことができない。質の高い養育や支援の実施や、効率的な運営は、施設長だけの力で実現できるものではなく、組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮することが施設長の要件と言える。
(5) 人事管理の体制整備    第三者
評価結果
施設が目標とする養育・支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランが確立しており、それに基づいた人事管理が実施されている。 b
客観的な基準に基づき、定期的な人事考課が行われている。 c
職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みが構築されている。 c
職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行っている。 b
(6) 実習生の受入れ 
実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的な取組をしている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・本評価基準では、基本方針や各計画を実現するために必要な人材や人員体制につて、単に「質の高い人材の確保」という抽象的な表現にとどまることなく、組織の基本方針や各計画に沿って、組織を適切に機能させるために必要な人数や、体制、社会福祉士等の有資格者や心理職等の専門職の配置といったことも含めて立案されているか。組織として具体的なプランを立案・計画が必要である。
・実習生の受入、育成については、施設・法人が一体となり、総括的に指導している。
(7) 標準的な実施方法の確立   第三者
評価結果
養育・支援について標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行っている。 b
標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行っている。 b
(8) 評価と改善の取組  
施設運営や養育・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制を整備し、機能させている。 b
評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・養育・支援においては、個々の子どもの状況に応じた養育・支援を行う必要がある。しかし、安全性を含めて一定の水準以上の養育・支援の提供を担保するためには、施設として実施しなければならない事項を求め、標準的な実施方法を定める事が必要である。
・標準的な実施方法について、定期的に現況を検証し、必要な見直しを組織的におこなうための仕組みを定められているか、仕組みに従って見直しが実施されているかが、重要である。
・しかしながら、標準とは・・・行政は示していないと思われる。施設独自に、第三者評価で問うている、大区分ごとに、纏められるとよいかと思う。
・評価と改善の取組について、施設運営や養育・支援の質の向上は、「計画設定」→「実行」→「評価」→「見直し」のサイクルを継続して実施することによって、恒常的な取組として機能するので、実施した自己評価、第三者評価などの結果を組織がどのように活用しているかを改善課題の明確化という観点から評価するとともに、評価結果から明確になった課題に対して、改善策や改善実施計画を検討決定しているか、又、決定された改善策・改善実施計画を実行しているかどうかを評価した。
・必要な事項が文書化されていて、初めて、全項目が (a)評価に繋がると、当評価機関は、考え全体評価に進めた。
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