社会的養護施設第三者評価結果 検索

鳥取こども学園希望館

第三者評価結果詳細
1 治療・支援
(1) 治療 第三者
評価結果
子どもに対して適切な心理治療を行っている。 b
子どもの心身の状況や、生活状況を把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示している。 b
心理治療は、自立支援計画に基づき 子どもの課題の解決に向けた心理治療方針を策定している。 b
ケース会議を必要に応じて実施している。 a
医師による治療が必要な子どもに対する適切な治療及び職員の支援を実施している。 b
(2) 生活の中での支援
子どもと職員との間に信頼関係を構築し、常に子どもの発達段階や課題に考慮した支援を行っている。 b
子どもの協調性を養い、社会的ルールを尊重する気持ちを育てている。 b
多くの生活体験を積む中で、子どもがその課題の自主的な解決等を通して、子どもの健全な自己の成長や問題解決能力を形成できるように支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・一人ひとりの子どもに対して、職員をはじめ関係者と適切な治療・支援を行うとともに、毎週ケース会議を行なっている。必要に応じて児童相談所等関係機関の職員も出席している。自立支援計画に基づく心理治療方針を策定し実施している。
(3) 食生活 第三者
評価結果
食事をおいしく楽しく食べられるよう工夫し、栄養管理にも十分な配慮を行っている。 b
子どもの生活時間にあわせた食事時間の設定を含め、子どもの発達段階に応じて食習慣を習得するための支援を適切に行っている。 b
(4) 衣生活
衣服は清潔で、体に合い、季節に合ったものを提供している。 a
子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 a
(5) 住生活
居室等施設全体を、生活の場として安全性や快適さに配慮したものにしている。 b
発達段階に応じて居室等の整理整頓、掃除等の習慣が定着するよう支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・食事は、集中調理しているが、各ホームにあるキッチンを使って家庭的な雰囲気を取り入れたり、味付けの工夫等を行い、できるだけ一般家庭の雰囲気をつくり、子どもの食習慣などが身に着くよう職員は支援を行っている。
・衣類等は子ども一人ひとりの成長に合わせ、子どもの選択を尊重しつつ、不適切な場合には、職員がアドバイスしている。
・建物の老朽化が進んでいるために、現時点での安全性・快適性には欠けるが、今年度末には新築施設が完成予定である。2年前より子どもを中心に職員と共に安全性や快適な環境となるような新築建物の建設案を出し合い、検討を重ねた結果、現在工事が進行中である。
(6) 健康と安全 第三者
評価結果
発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援している。 b
医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応している。 a
(7) 性に関する教育
子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・看護師が積極的に子どもの健康管理等に取り組んでいる。子どもから「しんどい」と打ち明けてくれる関係性をもち、一人の子どもがいろいろな人に甘えられるような支援を行っている。また医療に関しては、提携病院が2箇所、耳鼻科、眼科等のかかりつけ病院があり、緊急時対応の精神科病院は5分~10分の距離にある。
・法人全体で特別委員会をもうけ、平成21年度より「こどもの性を考える会」を発足させ、その後職員は年3回勉強会を実施し、子どもにただ単に性教育を促すだけでなく、年齢、生育歴、関係性等を考慮し「包括的性教育」「純潔教育」を織り込んだ教育を進めている。性教育は、自立と共生の力を育てることを基本的な考え方として年齢、発達段階に応じて性についての正しい知識や関心を持てるような支援している。
・また、携帯電話による問題をできるだけ未然に防ぐため、携帯電話を所持する時点での教育も行っている。
(8) 行動上の問題及び問題状況への対応 第三者
評価結果
子どもが暴力、不適応行動などの問題行動をとった場合に適切に対応している。 a
施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体に徹底している。 a
虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努めている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・問題が発生した場合など、児童相談所とは常に連絡体制が整っており、小舎制である4ホーム全職員が連携を取り対応にあたっている。これは、日頃から全職員が朝会、ケース検討会にて子どもや職員対応の状況を把握しているからである。
・また、入所時には、当施設のルールとして、①強いものが弱いものをいじめない。②どんなことも話し合いで解決する、と指導している。ケース会議での「いじめ、暴力」について話し合いでは、「強いものが弱いものを支配しない」と繰り返し確認している。
・保護者からの突然の面会の場合は個々に対応し、強引な引き取りなどでは児童相談所、警察等との連絡体制を密に取っている。
(9) 自主性、主体性を尊重した日常生活 第三者
評価結果
日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援している。 b
子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など様々な生活技術が身につくよう支援している。 a
(10) 学習支援、進路支援等
学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 b
「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 a
施設と学校との親密な連携のもとに子どもに対して学校教育を保障している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・自主性、主体性等を重視し、どんなことでも話し合っている。職員が管理・強制するのではなく、子どもの意見表明を受け、話し合いにて対処している。
・特に、経済観念の確立に向けては、子どもの発達段階に応じて、小遣いの管理や使い方等を通じて、具体的な体験をもとに習得できるように支援している。
・施設における学習環境の整備と学習支援について、具体的に方針を定めた取り組みをしている。
・施設のこどものための分教室、分校など学校教育が用意され、個別な支援が行われている。
(11) 継続性とアフターケア 第三者
評価結果
子どもの状況に応じて退所後の社会生活を見据えた見立てを行い、支援している。 b
措置変更又は受入れに当たり継続性に配慮した対応を行っている。 a
家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行っている。 b
子どもが安定した生活を送ることができるよう退所後の支援を行っている。 b
(12)通所による支援
施設の治療的機能である生活支援や心理的ケアなどにより、通所による支援を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・それぞれの子どもが退所後にどのように暮らしていけるかを見立てて、その生活に応じた社会性が修得できるように支援し、就職などを目的とする場合は、社会人としての自覚や困った時に頼れる人、機関(場所等)があるという認識が持てるような支援も行っている。
・在宅支援としての通所支援も充実している。
2 家族への支援
(1) 家族とのつながり  第三者
評価結果
児童相談所と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行っている。 a
子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に、かつ適切に行っている。 a
(2) 家族に対する支援
親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・子どもと家庭との関係調整や、家族からの相談に応じる体制づくりについては、児童相談所との連携や家庭への具体的なかかわり方も親子関係構築プログラム等の工夫があり実施されていて、評価できる。
・家族等との交流の乏しい子どもに対する配慮や、面会や外出等を希望しない子どもへの対応についても取り組んでいる。
・定期的面接・カウンセリング実施など、家庭支援計画書については、今後の更なる検討を期待したい。
3 自立支援計画、記録
(1) 自立支援計画の策定  第三者
評価結果
アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させている。 b
自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価・見直しを行う手順を施設として定め、実施している。 b
(2) 子どもの治療・支援に関する適切な記録 
子ども一人一人の治療・支援の実施状況を適切に記録している。 a
子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行っている。 b
子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・子ども一人ひとりについて具体的な治療・支援の内容が「自立支援計画書」に記載され、医療やメンタル面での支援等も含まれた総合的な視点で作成され実施されている。
・子ども一人ひとりに対する治療・支援の実施状況は、施設の規定に従って統一した方法で記載され、それらの記録は、職員の情報の共有化を図るとともに、自立支援計画の評価・見直しに生かされている。
4 権利擁護
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
子どもを尊重した治療・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行っている。 a
社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の治療・支援において実践している。 a
子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせている。 a
子どもの行動などの制限については、子どもの安全の確保等のために、他に取るべき方法がない場合であって子どもの最善の利益になる場合にのみ、適切に実施している。 a
子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行っている。 b
子どもや保護者の思想や信教の自由を保障している。 a
(2) 子どもの意向や主体性への配慮 
子どもや保護者の意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、治療・支援の内容の改善に向けた取組を行っている。 b
子ども自身が生活全般について自主的に考える活動を推進し、施設における生活改善に向けて積極的に取り組んでいる。 b
施設が行う支援について事前に説明し、子どもが主体的に選択(自己決定)できるよう支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・治療・支援の実施では、子どもの意向を尊重し、子どもの最善の利益を目指して積極的な取組を行っている。
・「子どもの最善の利益」を目指した治療・支援の視点が、施設における方針として明確に示され、職員の共通理解で具体的な取組が、日常の生活実践で活用されている。
(3) 入所時の説明等 第三者
評価結果
子どもや保護者等に対して、治療・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報の提供を行っている。 b
入所時に、施設で定めた様式に基づき治療・支援の内容や施設での約束ごとについて子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 a
(4) 権利についての説明 
子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 b
(5) 子どもが意見や苦情を述べやすい環境 
子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行っている。 a
苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させている。 b
子ども等からの意見や苦情等に対するマニュアルを整備し、迅速に対応している。 a
(6) 被措置児童等虐待対応
いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 a
子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 a
被措置児童等虐待の届出・通知に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 a
(7) 他者の尊重
様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・施設長は、子どもや保護者等が治療・支援の内容を正しく理解するため、入所時に「入所式」を行い、理解することができるよう情報提供等も行っている。
・特に、子どもの不安な気持ちを解消し、施設生活が理解できるような説明し、さらに担当者を決めて温かみのある雰囲気の中で、子どもに安心感を与えられるよう、適切な支援を職員が一体となって実行するように心得ている。
5 事故防止と安全対策
第三者
評価結果
事故、感染症の発生時など緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させている。 b
災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行っている。 b
子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためにリスクを把握し対策を実施している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・防火管理に関しては、防火管理者が綿密な計画を立案し、法人一体となって取り組みを実施している。
・県の指示により「竜巻」対策も取り入れている。
・AEDについては、地域の方にも使用できると啓発し、適切な場所に常備されたい。
・感染症対策は、外部感染、内部感染について、予防策等を協議し取組みが実施されている。
6 関係機関連携・地域支援
(1) 関係機関等の連携  第三者
評価結果
施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有している。 b
児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な取組や事例検討を行っている。 a
(2) 地域との交流  
子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行っている。 a
施設が有する機能を、地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。 a
ボランティア受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備している。 a
(3) 地域支援 
地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を積極的に行っている。 a
地域の福祉ニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・関係機関、団体等の連携一覧表が作成されて、随時閲覧可能となっている。特に鳥取県は、児童相談所との関わりが優れていて、子ども等の指導・養育・治療に反映している。
・地域関係においては、積極的に参画し、地域の役職も引き受け、鳥取こども学園はここにありと存在感を与えている。
・子ども家庭支援センター・複合施設としての役割も果たしている。また、他機関との連携・社会資源を活用するリストも整備されている。
・欲を言えば、地域に社会的貢献で、歴史的な貢献度を残してほしい。地域の難しい問題は、鳥取こども学園に相談すると解決するという存在感が望ましい。地域支援は、永遠に継続されて行くことが将来像の1つである。
7 職員の資質向上
第三者
評価結果
組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢が明示されている。 b
職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画が策定され計画に基づいて具体的な取組が行われている。 b
定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させている。 b
スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・研修計画のもとに研修を行い、外部研修にも積極的に参加している。研修内容については、全職員が共有している。法人内で基礎(新規採用対象)・中堅職員・ケースワーカー等への研修を計画的に実施している。そのほか、定期的に相互スーパーバイズの機会を持ち、研鑽を積んでいる。
・ただ、職員一人ひとりの取り組みについては、不十分な点として問題意識をもっている。
・人事考課の問題は施設向けテキスト等がなく、全国的に今後の課題として検討が必要であると判断したい。
8 施設の運営
(1) 運営理念、基本方針の確立と周知  第三者
評価結果
法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割が反映されている。 a
法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針が明文化されている。 a
運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 a
運営理念や基本方針を子どもや保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
(2) 中・長期的なビジョンと計画の策定  
施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されている。 b
各年度の事業計画は、中・長期計画の内容を反映して策定されている。 b
事業計画を、職員等の参画のもとで策定されるとともに、実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われている。 b
事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
事業計画を子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・本評価基準では、社会的養護の更なる充実、課題の解決等のほか、地域ニーズに基づいた新たな社会的養護の養育・支援の実施といったことも含めた将来像や目標を明確にし、組織体制、人材育成等に関する具体的な計画を評価した。
・当評価機関では、社会的養護施設関係における モデル的中長期ビジョン計画「案」を、独自にイメージしているので、その結果(b)と評価した。
(3) 施設長の責任とリーダーシップ   第三者
評価結果
施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮している。 a
施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードしている。 b
施設長は、治療・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮している。 a
施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮している。 a
(4) 経営状況の把握  
施設運営をとりまく環境を的確に把握するための取組を行っている。 a
運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行っている。 a
外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善が実施されている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・法令等の遵守については、憲法、法律、政令、府、省令、通達、局長通知、課長通知等々と多数存在し、各県の「条例等の遵守事項」もあり、多岐に亘るので、(b)評価とした。
・法人として、施設での必要な「法令」等の整理(リスト化等)をしての取組が必要であると感じている。
・施設長は、実質的に管理・運営する責任者を指し,組織全体をリードする立場として、今後とも職員に対して自らの役割と責任を明らかにし、治療、支援の質を確保するため頑張っていただきたい。
・質の高い養育や支援の実施や、効率的な運営は、施設長だけの力で実現できるものではなく、組織内での信頼のもとにリーダーシップを発揮することが施設長の要件であり、子どもたちへの支援の良否を決定するほどの重責を担っているとの自信と自覚が窺えた。
・外部監査については、(a)評価をできるのは、監査法人と考えるが、監査法人には、「福祉業の執行関係が読める人材」がいて、(a)評価ができる体制と考えるので、(b)評価とした。
(5) 人事管理の体制整備    第三者
評価結果
施設が目標とする治療・支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランが確立しており、それに基づいた人事管理が実施されている。 b
客観的な基準に基づき、定期的な人事考課が行われている。 c
職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みが構築されている。 c
職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行っている。 b
(6) 実習生の受入れ 
実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的な取組をしている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・本評価基準では、基本方針や各計画を実現するために必要な人材や人員体制について、単に「質の高い人材の確保」という抽象的な表現にとどまることなく、組織の基本方針や各計画に沿って、治療・支援の内容を充実させるため、組織として、職員が常に仕事に対して意欲的に臨めるような環境を整え、取り組んでいるかで評価した。
・実習生の受入、育成については、施設・法人が一体となり、総括的に指導している。
(7) 標準的な実施方法の確立   第三者
評価結果
治療・支援について標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行っている。 b
標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行っている。 b
(8) 評価と改善の取組  
施設運営や治療・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制を整備し、機能させている。 b
評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
・養育・支援においては、個々の子どもの状況に応じた養育・支援を行う必要がある。安全性を含めて一定の水準以上の養育・支援の提供を担保するためには、施設として実施しなければならない事項をもとめ、標準的な実施方法を定める事が必要である。
・標準的な実施方法について、定期的に現況を検証し、必要な見直しを組織的におこなうための仕組みが定められている。
・評価と改善の取組については、施設運営や養育・支援の質の向上について、標準的な実施方法を、「計画設定」→「実行」→「評価」→「見直し」のサイクルを継続して実施することによって、恒常的な取組として機能するので、実施した自己評価、第三者評価などの結果を組織がどのように活用しているか、改善策や改善実施計画を検討決定し、決定された改善策・改善実施計画を実行しているかどうかを今後、文書化し、全国の牽引車的役割も期待したい。
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