社会的養護施設第三者評価結果 検索

室見寮

第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 支援の基本方針と組織
1 理念・基本方針
(1)理念、基本方針が確立・周知されている。 第三者
評価結果
1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 b
【コメント】
◎理念と基本方針がパンフレットに新たに添付されています。基本方針などは母親には入所時に説明されていますが、子どもには伝えることができていません。折に触れて、説明をされることを期待します。
◎職員に対しては、理念と基本方針が非常勤職員までは周知が十分されていません。
2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 b
【コメント】
◎施設長が「福岡市要保護児童の社会的養護のあり方委員会」に参加し福岡市の要保護児童の状況を分析検討されています。
◎地域の福祉計画等を踏まえた事業計画作成の取り組みをされています。施設、法人の周辺状況と社会的変化等で措置されるため、計画作成で困難さを感じられています。
3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 b
【コメント】
◎施設長は経営状況を分析し、職員に課題を提案しています。
◎今後、施設の老朽化による大きな修繕経費が見込まれていますが、理事会等での経費見積もりや職員経費等の説明と理解が不十分です。
◎職員との経営課題の共有に向けて、改善に取り組まれることを期待します。
3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 b
【コメント】
◎職務計画表に短期、中期の課題は出されていますが、中長期の収支計画や年次目標はありません。そのため、中長期計画としては不十分です。
◎経営上の目標を職員と共有されて、中長期計画書を完成されることを期待します。
5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 b
【コメント】
◎中長期計画が未完成です。単年度計画に施設修繕等の課題は提案されていますが、その他の事業計画や予算計画が不十分です。
◎今後、中長期計画完成に向けた取り組みを期待します。
(2) 事業計画が適切に策定されている。
6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 c
【コメント】
◎事業計画が職員を含めた参画型の事業計画書となっていません。職員の意向を取り入れた事業計画を期待します。
◎事業計画の見直しの手順がありません。今後は職員との共有を進めて、課題と改善点を共有した計画づくりを期待します。
7 事業計画は、母親と子どもに周知され、理解を促している。 b
【コメント】
◎母親には「母の会」などを通じて周知が図られていますが、子どもへの周知が不十分です。
◎子どもへの周知方法を考えられ、説明会などの企画を図られるよう期待します。
4 支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
8 支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 b
【コメント】
◎支援に関して、計画や報告はありますが、評価部分と見直し部分が不十分です。
◎支援の質を高めるために改善行程を明示するPDCA表作成が必要です。ワーキンググループを作るなどして、職員を交えたPDCAへの取り組みを期待します。
9 評価結果にもとづき施設として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 b
【コメント】
◎第三者評価や自己評価結果に基づく課題は出されていますが、職員との共有や取り組みが不十分です。
◎改善に向けた職員参画型のチーム体制での取り組みに期待します。
Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 b
【コメント】
◎施設長は経営管理上の問題や課題を把握されていますが、役割や責任について、施設の広報誌などで掲載、表明がされていません。
◎今後、利用者である母子に対して施設長の役割と責任の表明と取り組みに期待します。
11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 b
【コメント】
◎施設長は遵守すべき法令について、研修や勉強会などに参加されています。
◎職員に対して法令遵守や周知に対する取り組みが不十分です。関係法令のリスト化や職員への法令の周知を期待します。
(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
12 支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 b
【コメント】
◎施設長は施設が収容目的から自立支援やDVや虐待からの回復を目指すための機能充実の目的に変化していることを理解されています。
◎支援の質の向上について理解されています。現状を分析し、改善計画をお持ちですが、職員への周知や共有化、取り組みが不十分です。今後の取り組みを期待します。
13 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 b
【コメント】
◎施設長は経営上の課題や改善点を把握し、業務上の問題分析もされていますが、職員配置、専門性向上などについて、施設内で具体的な体制作りはできていません。
◎改善点などについて職員と共有されて、取り組まれることを期待します。
2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 b
【コメント】
◎将来必要な専門職員の配置計画などを検討されています。
◎人材確保の取り組みにハローワークでの募集と施設独自の採用試験を実施されていますが、人員体制について、将来予測に不安を抱かれており、完成できていません。
15 総合的な人事管理が行われている。 c
【コメント】
◎理念、基本方針に基づく「期待する職員像」は事業計画などに示されていますが、人事評価基準や効果測定などが出されていません。
◎職員の人事管理体制、評価基準が不明確です。
◎職員に対して、キャリアパスなどを説明できるような取り組みを期待します。
(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 b
【コメント】
◎有給休暇や育児休暇などは取得しやすい体制にあります。職員から相談を受け易くするための配慮がされています。
◎職員の就業状態把握や相談窓口設置などが未整備です。
(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 c
【コメント】
◎職員一人ひとりに対する目標管理制度や定期的や人事考課制度が未整備です。
◎職員のモチベーションを高めるために、個別面談の機会や目標設定、評価の仕組みは重要です。今後、これらの取り組みに期待します。
18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 b
【コメント】
◎事業計画の中に目標となる職員像が示され、研修などがされていますが、取り組みに対する評価と見直しがなされていません。
◎次の飛躍に繋げるためには分析と評価が必要です。今後の取り組みを期待します。
19 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 b
【コメント】
◎職員一人ひとりに研修の機会が与えられていますが、各人の技術向上の目標に基づくものではないため、一貫性に欠ける面があります。
◎研修責任者や指導者による各自の知識や技術に応じた研修計画の策定を期待します。
(4) 実習生等の支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
20 実習生等の支援に関わる専門職の教育・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 b
【コメント】
◎実習生支援に関わる専門職の指導・育成に関する姿勢はマニュアルなどに示されています。しかし、実習に対して、事前に学校側との連携やプログラム作成などの取り組みがありません。今後、実習校との連携を進められることを期待します。
3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 b
【コメント】
◎運営の透明性を示すためにホームページに行事と決算などが公表されています。
◎第三者評価の公表や改善状況、苦情受付などに関して公表はされていません。
◎地域に向けて、理念や基本方針を広報紙に公表されることを期待します。
22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 b
【コメント】
◎監査法人による会計監査や第三者評価を受審されていますが、経営に対する改善要望に対して、改善が十分にされていません。
◎職員とも協議をされ、経営改善に取り組まれることを期待します。
4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
23 母親、子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 a
【コメント】
◎地域の行事へ職員の参加やソフトボールチームコーチや地域サッカーチームコーチとして、職員が派遣されています。
◎地域の公園に月1回の清掃活動に参加するなどを通じて、母子が地域の人々との交流できる機会がもてるよう心掛けています。
◎地域の子どもが学習室で、共に学べる取組みがあります。
24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 b
【コメント】
◎ボランテイアの受け入れ姿勢は明文化されています。
◎登録や、配置、事前説明などの手続きに関するマニュアルがありますが、地域や学校等へ協力姿勢の明文化や母親、子どもに対して研修、説明などがなされていません。
◎ボランテイア活動受け入れがないため、研修、支援はありません。今後の取り組みを期待します。
(2) 関係機関との連携が確保されている。
25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 b
【コメント】
◎社会資源を明示したリストや資料がありません。職員会議などで社会資源について説明がされていません。
◎関係機関との連携を深めるためにリスト化や説明、関係機関のネットワークを図られることを期待します。
◎母子への支援を行うために社会資源の活用が重要です。それら資源に関する情報を職員間で共有されることを期待します。
(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
26 施設が有する機能を地域に還元している。 c
【コメント】
◎月1回の地域の公園清掃などに職員が協力しています。又、災害時の協力施設として貢献できると考えていますが、施設を利用した取り組みや地域住民のための研修などの機会が図られていません。今後は地域に「育児支援」を行うなどの取り組みを期待します。
27 地域の福祉ニーズにもとづく公益的な事業・活動が行われている。 c
【コメント】
◎福岡市や区役所との会議 要保護児童対策協議会などに参加され、具体的な福祉ニーズの把握に努められていますが、施設の福祉機能の地域還元や事業活動などが不十分です。今後は地域に対する具体的な取り組みを期待します。
Ⅲ 適切な支援の実施
1 母親と子ども本位の支援
(1) 母親と子どもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
28 母親と子どもを尊重した支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 b
【コメント】
◎理念や基本方針に「母親や子どもを尊重した支援」について明示されています。
◎母子支援に当たり「母子の意向を尊重する」ための周知や具体的な取り組みについて、職員の理解が十分ではありません。
◎基本的人権について研修が実施されていますが、「支援提供」について定期的な状況把握がされていません。今後の取り組みを期待します。
29 母親と子どものプライバシー保護等の権利擁護に配慮した支援の実施が行われている。 b
【コメント】
◎プライバシー保護のマニュアルが策定され、職員会議などで周知はされていますが、母親や子どもに対する研修や具体的取り組みがありません。今後これらの取り組みに期待します。
(2) 支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
30 母親と子どもに対して支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 b
【コメント】
◎入所前後に母親には理念、基本方針等の説明はされていますが、子どもへの説明がありません。今後は入所後に、子どもにも分かりやすい方法で施設の規則や特徴を説明されることを期待します。
31 支援の開始・過程において母親と子どもにわかりやすく説明している。 b
【コメント】
◎母子への支援について、当事者である母子に支援方法や内容などの説明はされていますが、自己決定を重視するための同意や説明が不十分です。
◎今後、文書で同意をとるなどの確認をされることを期待します。
32 措置変更や地域・家庭への移行等にあたり支援の継続性に配慮した対応を行っている。 b
【コメント】
◎措置変更などで支援継続する際に連絡や情報の共有などがされていますが、支援記録作成や担当制がとられていません。
◎今後は措置変更などの際、引継ぎ方法や退所後の記録、相談体制、担当制などについての文書化を期待します。
(3) 母親と子どもの満足の向上に努めている。 第三者
評価結果
33 母親と子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 b
【コメント】
◎子どもに対する支援では、「自分の想い」(子どもの想い)などで聴きとられていますが、母親への取り組みが不十分です。
◎利用者の満足度を図るために自立支援での面接時などに母親からのアンケートをもらうなどの工夫を期待します。
(4) 母親と子どもが意見等を述べやすい体制が確保されている。
34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 b
【コメント】
◎苦情解決の仕組みは利用者に周知されていますが、第三者委員に相談できない母親の不安があります。
◎母の会文書や説明会などで、苦情担当制度が相談しやすい体制であることの周知を期待します。
35 母親と子どもが相談や意見を述べやすい環境を整備し、母親と子どもに周知している。 b
【コメント】
◎母親と子どもからの相談体制について、施設内に掲示されています。
◎職員から母子に朝夕の挨拶と共に呼びかけをするなどの努力がされています。
◎子どもから職員へ感謝の声や母親から相談敬遠の声など、利用者の反応は様々ですが、周知のための文書配布や呼びかけなどの取り組みを期待します。
36 母親と子どもからの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 b
【コメント】
◎相談や支援対応についてのマニュアルがありません。
◎利用者からの相談・意見に対して、手順書がなく、新しい職員が対応する際に苦労すると思われます。
◎手順書は母親と子どもの権利を尊重するうえで必要なマニュアルとなります。手順書整備に向けた取り組みを期待します。
(5) 安心・安全な支援の実施のための組織的な取組が行われている。 第三者
評価結果
37 安心・安全な支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 c
【コメント】
◎他の施設で起きた事例を題材とした研修はされていますが、リスクマネジメントに関する委員会設置や責任者設置がされていません。これらの責任体制の構築と職員研修を期待します。
38 感染症の予防や発生時における母親と子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 b
【コメント】
◎感染症マニュアルを整備されていますが、マニュアル内容の見直しや責任体制が不十分です。
◎感染症対策の責任者の確立と感染症予防研修などへの取り組みを期待します。
39 災害時における母親と子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 b
【コメント】
◎防災訓練や消火訓練が定期的にされて、災害時の対応体制はあります。備蓄リストもありますが入所者100名以上と職員が最低2日間、施設で待機し、水、食料など消費する量としては少ないと思われます。
◎暖気をとる方法や調理、湯沸し器など最低の設備を置くことが重要です。
2 支援の質の確保
(1) 支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
40 支援について標準的な実施方法が文書化され支援が実施されている。 c
【コメント】
◎施設独自で母親、子どもに関わる際の支援の手順書「標準的実施方法」が文章化されていません。
◎支援のマニュアルともいえる「標準的な実施方法」は、新人職員が支援しても、平均的な支援が受けられるためのものです。人権尊重やプライバシー保護が守られるために重要なものです。「標準的な実施方法支援」の文書化を期待します。
41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 c
【コメント】
◎支援に当たり標準的な実施方法がなく、見直しや方法の改善を図るたたき台がない状態です。
◎支援について、利用者からの意見を取り入れることは、日常の会議、研修会で行われていますので、実施方法の標準化、文章化を図られることを期待します。
(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 b
【コメント】
◎自立支援計画作成の責任者が決まっていません。「私の想い」で、子どもからの要望やニーズは把握されています。
◎母親のニーズ把握が不十分です。アンケート調査や「母の会」への参加要請などニーズ把握の担当者の確立と母親のニーズ把握についての取り組みを期待します。
43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 b
【コメント】
◎定期的な自立支援計画の見直しについて、施設長、職員間で実施されていますが、明文化されていません。職員間で実施方法にばらつきや差異が生じる可能性があります。手順の文章化を望みます。
◎状況の変化で急な計画変更ができるような仕組みを構築されることを期待します。
(3) 支援の実施の記録が適切に行われている。
44 母親と子どもに関する支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化さている。 b
【コメント】
◎自立支援計画書に基づく支援が実施され、統一された様式はありますが、記録要録がなく、新しい職員への指導がされにくい状態です。
◎支援方法と手順、内容に差異が生じないよう記録の要領等が文章化されることを期待します。
45 母親と子どもに関する記録の管理体制が確立している。 b
【コメント】
◎記録管理体制で、個人記録などは鍵のある保管庫で管理されています。
◎個人情報保護規定、就業規則で、利用者の個人情報を守る取り組みがありますが、職員への研修や母親、子どもへの周知が不足しています。今後、これらの取り組みを期待します。
 
 
内容評価基準(28項目)A-1 母親と子ども本位の支援
(1) 母親と子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
A1 社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の支援において実践している。 b
【コメント】
◎母親子どもの最善の利益を考えて、支援に対する職員会議が定期的に開かれています。
◎研修等を通じて、職員の資質の向上に取り組んでおられますが、多様な要望や困難事例があり、十分には対応できていません。
◎職員の悩みなどに対するスーパーバイズ体制構築の取り組みが求められます。
(2) 権利侵害への対応
A2 いかなる場合においても、職員等による暴力や脅かし、人格的辱め、心理的虐待、セクシャルハラスメントなどの不適切なかかわりが起こらないよう権利侵害を防止している。 c
【コメント】
◎就業規則や処分指針に利用者へのセクシャルハラスメンの外、人権侵害に対する処分規定が設定されています。暴力や暴言等について防止の仕組みはありますが、研修や不適切な行為を防止するための職員会議などでの取り上げが不十分です。
◎職員研修などに取り組まれることを望みます。
A3 いかなる場合においても、母親や子どもが、暴力や脅かし、人格を辱めるような不適切な行為を行わないよう徹底している。 b
【コメント】
◎職員による不適切な行為の防止への取り組みは「安全、安心」を理念として挙げている施設にとって重要です。
◎利用者へとの良い関係性に努められていますが、母親や子どもへ「不適切な行為」を伴わない人との関わり方についての周知が不十分です。
A4 子どもに対する暴力や脅かし、人格を辱めるような不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 b
【コメント】
◎母親から子供への暴力などがないか、幼児について毎日、施設内保育所で身体の状況を観察しています。
◎指導員により子どもに「いのちの大切さ」について研修がされています。
◎小学生以上の子どもへの状況確認と子どもに対する権利擁護や自分を守る研修をされるよう期待します。
(3) 思想や信教の自由の保障
A5 母親と子どもの思想や信教の自由を保障している。 b
【コメント】
◎信教の自由や個人の思想、自由は保障されていますが、施設が信教の自由を尊重していることの表明や積極的な個人の信条の自由に対する研修などを期待します。
(4) 母親と子どもの意向や主体性の配慮
A6 母親や子どもが、自分たちの生活全般について自主的に考える活動(施設内の自治活動等)を推進し、施設における生活改善に向けて積極的に取り組んでいる。 b
【コメント】
◎子どもや母親の自立した組織はなく、自主的活動が少ないのですが、子どものキャンプや地域の公園清掃などの行事に参加して、自主性や責任感を醸成しています。
◎保育士による母親への養育支援や指導員による子ども理解を支援しています。研修などを通じて、生活力や意欲を高めています。
◎利用者自身が自主的活動を進んでできるような取り組みを期待します。
(5) 主体性を尊重した日常生活
A7 日常生活への支援は、母親や子どもの主体性を尊重して行っている。 a
【コメント】
◎母親や子どもの長所を伝え、自信を回復できる支援が相談や様々な活動を通じて行われています。
◎子ども支援は子どもの「自分の想い」を尊重して行われ、自立心を高めています。
A8 行事などのプログラムは、母親や子どもが参画しやすいように工夫し、計画・実施している。 b
【コメント】
◎年一度、行事アンケートが利用者から取られています。
◎2月の料理教室や地域で開催される「食進会」などに参加して、母親、子どもの生活が楽しめる活動があります。
◎取り組みが職員主導型で利用者主導になるためには、さらに工夫が必要です。
(6) 支援の継続性とアフターケア
A9 母親と子どもが安定した生活を送ることができるよう、退所後の支援を行っている。 b
【コメント】
◎利用者一人ひとりのアフターケア記録や関係文書が整備されていません。
◎必要に応じて、行政など関係機関と連携をしています。
A-2 支援の質の確保
(1) 支援の基本 第三者
評価結果
A10 母親と子どもそれぞれの個別の課題に対応して、専門的支援を行っている。 a
【コメント】
◎母親、子ども支援のために児童相談所や区役所、発達教育支援センターなどへの職員同行による支援が行われています。
◎利用者支援にあたり、精神科医への同行や心理士配置などの相談体制を備えています。
(2) 入所初期の支援
A11 入所に当たり、母親と子どもそれぞれのアセスメントに基づき、生活課題・ニーズを把握し、生活や精神的な安定に向けた支援を行っている。 b
【コメント】
◎職員は利用者との信頼関係構築に努めています。
◎支援について、児童相談所などとの連携を進めています。
◎障害のある母子への支援も医療機関を含めて配慮がされていますが、段差解消など構造面では、限界がありできていません。
(3) 母親への日常生活支援
A12 母親が、安定した家庭生活を営むために必要な支援を行っている。 a
【コメント】
◎子どもの衣服の清潔度などに気を付けています。ネグレクトなどにも対応できるよう支援を行っています。
◎母親支援では、母親の病気や生活環境悪化などで動けない場合、買い物代行などが行われています。
A13 母親の子育てのニーズに対応するとともに、子どもとの適切なかかわりができるよう支援している。 a
【コメント】
◎母親が動けない場合には、施設内の保育所へ送迎を行って支援しています。
◎必要に応じて、子どもの学校への同行等もされています。
A14 母親が安定した対人関係を築くための支援を行っている。 b
【コメント】
◎母親との相談しやすい配慮がされ、朝夕の挨拶時に利用者から相談しやすい呼びかけがされています。しかし、母親同士の集いなどの取り組みはありません。
(4) 子どもへの支援
A15 健やかな子どもの育ちを保障するために、養育・保育に関する支援を行っている。 b
【コメント】
◎緊急時に公用車の活用や自転車貸し出しがされています。
◎学習室を活用して、放課後の子どもの学習支援や遊び、交流などができる体制があります。しかし、夜間保育や病後保育はされていません。利用者支援のために取り組みに期待します。
A16 子どもが自立に必要な力を身につけるために、学習や進路、悩み等への相談支援を行っている。 b
【コメント】
◎学習室を活用した子ども支援ができていますが、学習ボランテイアなどへの取り組みができていません。今後の取り組みを期待します。
A17 子どもに安らぎと心地よさを与えられるおとなとのかかわりや、子どもどうしのつきあいに配慮して、人との関係づくりについて支援している。 b
【コメント】
◎母親以外の大人との交流が施設の行事などを通じて行われています。しかし、グループワークについてプログラムを組んでの活動には至っていません。
A18 子どもの年齢・発達段階に応じて、性についての正しい知識を得る機会を設け、思いやりの心を育む支援を行っている。 b
【コメント】
◎施設内での子どもへの性教育が職員によって行われています。「いのちの大切さ」について、子どもへの教育の取り組みがあります。
◎今後は保健センターなど関係機関との連携や職員間での研修や学習が望まれます。
(5) DV被害からの回避・回復
A19 母親と子どもの緊急利用に適切に対応する体制を整備している。 c
【コメント】
◎24時間体制の受け入れは行政から要請されていますが、実施できていません。緊急入所やDV法による「一時保護委託入所」契約の実施が望まれます。
◎緊急体制の検討とマニュアル作成、実施可能性の検討を期待します。
A20 母親と子どもの安全確保のために、DV防止法に基づく保護命令や支援措置が必要な場合は、適切な情報提供と支援を行っている。 a
【コメント】
◎DVに対して、「保護命令」や弁護士の法的対応に対する支援がされ(2ケ月に1回相談日)、借金問題での司法書士相談や法テラス、その他の支援機関への同行がされています。
A21 心理的ケア等を実施し、DVの影響からの回復を支援している。 b
【コメント】
◎精神科医師や心理士による相談や支援がされていますが、自助グループや支援団体との連携で不十分な点があります。
◎母親、子ども支援で関係機関との連携などの取り組みを期待します。
(6) 子どもの虐待状況への対応
A22 被虐待児に対しては虐待に関する専門性を持ってかかわり、虐待体験からの回復を支援している。 b
【コメント】
◎子どもの虐待に対する対応は職員、心理士との協力による支援が行われています。
◎「子どもの権利条約」に関する職員研修を来年、計画しています。
A23 子どもの権利擁護を図るために、関係機関との連携を行っている。 a
【コメント】
◎親による子へのネグレクトなどの問題について、全職員による家族再統合にむけた支援体制があります。
◎子どもの権利擁護、母親支援のため関係機関との連携が定期的に図られています。
(7) 家族関係への支援
A24 母親や子どもの家族関係の悩みや不安に対する相談・支援を行っている。 b
【コメント】
◎母親から母子関係などの相談を受けて、「親子関係構築」のための支援がされています。
◎現在、他の家族との連携調整などは十分にされていません。利用者支援を強化するために母子、兄弟など親族間の調整が望まれます。
(8) 特別な配慮の必要な母親、子どもへの支援
A25 障害や精神疾患、その他の配慮が必要な母親と子どもに対する支援を適切に行い、必要に応じて関係機関と連携している。 b
【コメント】
◎様々な病気を抱える母親や子どもへの支援はされています。
◎精神疾患の母親に対して通院同行はされていません。
◎喘息やB型肝炎、人工透析などの疾患がある利用者への養育に関わる支援がされていますが、看護師など専門職の配置はなく、服薬管理はされていません。
◎今後の多方面からのサポート体制構築を期待します。
(9) 就労支援
A26 母親の職業能力開発や就労支援を適切に行っている。 b
【コメント】
◎母親へのハローワークへの同行などの就労支援や資格取得の支援がされていますが、補完保育や病児保育はできていません。
◎今後、病児保育や補完保育について、検討されることを期待します。
A27 就労継続が困難な母親への支援を行い、必要に応じて職場等との関係調整を行っている。 b
【コメント】
◎母親への相談体制で就労継続のための相談や就労継続に向けた様々な支援はできていますが、職場との関係調整などはできていません。
◎外国籍や精神疾患を抱える母親支援で、理解しやすくするために関係機関との連携を期待します。
(10) スーパービジョン体制
A28 スーパービジョンの体制を確立し、職員の専門性や施設の組織力の向上に取り組んでいる。 b
【コメント】
◎精神科医によるケース検討や研修などがされています。
◎外部からのスーパーバイザーなどの導入はありませんが、施設内部で、経験豊かな職員によるスーパーバイズ体制があります。
◎組織的には新人職員への支援、教育体制があります。
◎精神科医や心理士などによる職員への専門的スーパーバイズ体制構築への取り組みを期待します。
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