社会的養護施設第三者評価結果 検索

同朋学園

第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 養育・支援の基本方針と組織 
1 理念・基本方針
(1)理念、基本方針が確立・周知されている。 第三者
評価結果
1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 b
【コメント】
子どもは明日の社会を創る大切な宝であるという理念のもとに、それを具現しようとする基本方針が明文化され、職員への周知の取組は十分尽くされ、行動規範の基礎となっています。しかしながら保護者や子どもへの周知の取組みは十分ではありません。年少児童等への周知は、文書や言語では難しく、日常的な関わりの中できめ細かく配慮する必要があります。
2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 a
【コメント】
経営責任者(常務理事・園長・副園長)においては経営状況の把握・分析は的確に実施され、
課題を明確にして具体的な取組も進められています。
3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 b
【コメント】
もっかの最大課題は、老朽化した施設の建替計画であり、その中で処遇の小規模化や地域生活への移行(グループホームへの分散)は具体的に進行しています。しかしながら、そうした計画の職員への周知は徹底しておらず、小規模処遇や地域移行の概念を職員が共有する取組が求められます。
3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 b
【コメント】
園が掲げる理念「人は大切、子は宝」を追求するための12項の基本方針・7項目の運営方針が定められています。これらを着実に履行してゆくには、中長期的な(3~5年に亘る)ビジョンの確立が不可欠ですが、それは単なるスローガンではなく、達成目標と期限を明確にして、間断なく評価・見直しができることを必要としています。適切な方向性は確認できますが、成果目標の数値化や評価・見直しの仕組設定が十分ではありません。
5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 b
【コメント】
管理職レベルにおいては確実に計画が策定されていますが、職員間でその認識度が低く、単年度計画の周知理解が進んでいないことが窺えます。
(2) 事業計画が適切に策定されている。
6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 c
【コメント】
計画は常務理事、園長、副園長ら管理職によって策定され、収支計画との整合も図られています。しかしながら、一般職員へは意見を聞く程度であり、運営方針の2に明記された「事業計画の策定、実行、評価を職員とともに行う」という趣旨が徹底しておらず、結果多くの職員には計画の理解が浸透していません。管理者には、職員の参画を図る取組が求められますが、一方職員にも依存性向を打破する意識改革が欠かせません。
7 事業計画は、子どもや保護者等に周知され、理解を促している。 c
【コメント】
運営方針では、「子ども、保護者の意見、要望を聞きながら、事業計画、保育計画を作成する。」とありますが、子どもにもわかりやすい資料の作成はなく、保護者への説明も十分ではありません。子ども会や保護者会の設定は要件ではありませんが、計画の周知は一方通行ではなく、双方向の課題共有が求められるものですから、実行可能かつ有効な情報交換の場を必要としています
4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
8 養育・支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 b
【コメント】
常務理事が管理者(園長・副園長)を人事考課し、事業の成果を評価する仕組はありますが、管理者が職員を人事考課する仕組がありません。養育・支援は、園長以下一般職員に至るまでの資質と、その組織性が問われるので、多層的な視点による評価と課題抽出、改善、実践、すなわちPDCAサイクルが組織的に機能する必要があります。職員の人事考課とは、単に処遇の根拠とするものではなく、職員個々の目標設定とスキルアップに資する取組としての実施が肝要です。
9 評価結果にもとづき施設として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 b
【コメント】
職員会議等で、評価と改善策の検討が行われ、意識の共有化が図られていますが、各コーナー職員レベルにおいては、園全体の課題を共有できていません。またH25年度に受審した第三者評価結果に基づく課題の見直しやマニュアルの整備について、具体的成果が確認されません。自己評価の定着と、それに基づく改善の取組を期待します。
Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 a
【コメント】
園長は、そのポジティブな行動力をもって、自らの役割と責任を職員に示しています。
職員もよく理解してレスペクトしていますが、あまりにも力量差が大きく、かえって自身の将来像を描きにくくしている面が否めません。
11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 a
【コメント】
「法令遵守義務管理規定」に多岐に亘って遵守すべき法令が定められ、園長は、それらを正しく認識し、その遵守を励行しています。
(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
12 養育・支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 b
【コメント】
園長は、あらゆることにポジティブな姿勢で卓越した指導力を発揮しています。
園長のカラーが隅々まで行きわたり、その指導力は疑う余地がありません。その反面、若い職員の中には、養育・支援の業務に負担感もあり、モチベーションを維持させる励ましや指導も必要としています。また、「意見を聞いてもらえない」という距離感も見られ、職員の気持ちをくみ取る取組も求められます。
13 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 b
【コメント】
地域の社会資源や人的資源の有効活用に積極的に取組んでいます。しかしながら、肝心の内部職員の働きやすい環境整備については、長期定着が比較的に少ない現状があります。その因として、コミュニケーションの不足とそれに伴う人間関係の温度差が窺えます。職員の意向や悩みを受け取ることのできる基幹的職員(スーパーバイザー)の配置が求められます。
2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 b
【コメント】
天理教白梅寮からの人材供給が常に一定数見込まれることもあって、量的な人材確保は順調です。反面、長期定着が不十分なため若い職員が多く、長期継続勤務のベテランん職員が少ない実態があります。運営方針には、職員の定着率向上を図るための仕組をつくるとありますが、十分ではありません。多様なルートからの人材確保の取組が求められます。
15 総合的な人事管理が行われている。 b
【コメント】
総合的な人事考課とは、公平・客観性のある評価と、それに基づく階層化・キャリアパス、そして経済的見通しの付与を不可欠としています。園には運営方針や職員心構え15ヶ条の規定があって、職務分掌も確立した職員体系がありますが、各コーナー職員の大半は、職歴も浅く、また年齢・性別ごとに分けられた各コーナーの独自性もあって、管理職と一般職員をつなぐ役割(スーパーバイザー)の配置が明確ではありません。一般職員の人事考課の仕組は定まっておらず、総合的人事管理は十分とは言えません。
(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 b
【コメント】
職員の就業状況は一覧表に示され、管理職は、これをよく把握してます。また「くるみんワーク」9つの認定基準に照らしてワークライフバランスの充実を図り、育児休暇や再雇用の仕組も整えられています。しかしながら、現実には若い職員の離職率が高く、その要因を分析把握して、有効な対策をとることが急がれます。離職の意向を表明した職員への面接は行われていますが、その他職員から相談を受けたり、要望等を聴き取る取組も十分ではありません。
(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 c
【コメント】
新任・中堅・ベテラン職員ごとに定めた研修マニュアルはありますが、制定後見直しが進んでいません。新任研修は法人全体で(他部門と共同で)行われ、挨拶など一般的な社会人教育に留まっており、養育・支援に係る専門研修が不足しています。職員一人ひとりの目標設定が求められておらず、従って研修の振り返りや評価は十分には行われていません。
18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 b
【コメント】
基本方針や計画の中に、「期待する職員像」として、子どもたちとともに学び合うことを念頭においた教育・研修方針が示されています。研修報告書の記述からも、その内容が多岐に亘っていることが確認できます。今後の課題として①コミュニケーション力の強化と②発達支援援助方法の習得の取組みが掲げられています。ただ、養育・支援の質を向上するうえでは、以上のようなソフト面の研修課題だけではなく、各種資格取得などハード面の研修課題を重視して取り組む必要があります。
19 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 b
【コメント】
児童養護施設においては、若い職員が子どもたちと同じ土俵で学びあうことが大切であり、その意味で、個別的なOJTの実施が欠かせません。園長や副園長が養育・支援の現場で全職員のOJTを指導することには無理があり、しかるべきスーパーバイザー(基幹的職員)の配置が求められます。
(4) 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
20 実習生等の養育・支援に関わる専門職の教育・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 b
【コメント】
実習生は「労務の補完」ではなく、福祉施設には福祉人材を育成する責務があり、それは児童養護に直接関わる専門職に限らず多岐に亘るべきものです。実習生については、学校側とも連携して、実習のプログラムを整備する等の取組みがあり、一定の評価ができます。
しかしながら、実習生を受け入れて指導する者の研修の実施や、専門職種の特性に配慮したプログラムの用意などに、なお改善すべき余地があります。
3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 b
【コメント】
運営の透明性は、事業所が地域資源を活用し、また逆に事業所の地域資源化を進める上で不可欠の取組みとなっていますが、園ではパンフレット、ホームページ等によって情報が開示され、運営の透明性は図られています。
しかしながら、苦情・相談の体制や内容までの公表はなく、地域に向けたより積極的な情報公開において、なお取組の余地があります。
22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 b
【コメント】
内・外部監査を定期的に実施し、その指摘事項に基づいて経営の透明化と改善を図っています。
ただ、施設における事務、経理、取引等に関するルールや職務分掌の職員への周知は十分ではありません。
4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
23 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 a
【コメント】
地域交流フェスティバスへの参加や施設行事(クリスマス会・もちつき)への招待のほか、毎月の地域清掃活動や、日常的な買物・通院などを通じて、子どもの地域との交流は実践されています。さらに地域を超えて、沖縄や韓国との交流もあって、子どもの社会性を拡げています。
施設や子どもへの理解を得るために、地域の人々に向けた日常的なコミュニケーションの拡大、子どもが友達を招くことのできる園を目指すなど、なお目標は尽きませんが、その取組は高く評価できるところです。
24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 a
【コメント】
ボランティアの受入れ状況は、園が地域共生するシンボルと言えるものですが、園では地域社会の人的資源を活用して、学習・絵画・理美容その他多様なボランティアを受け入れています。
今後も益々多様な人財獲得に努められて、広く地域市民に対してボランティアマインドを啓発する研修・支援を行って、子どもの社会交流を拡張しつつ、地域福祉を推進されることを期待します。
(2) 関係機関との連携が確保されている。
25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 a
【コメント】
子どもが通う学校等とは密接に連携しており、相互に協力して課題解決する体制(下記)ができています。
しかしながら、子どもの最善の利益を追求する限界はなく、その他の関係機関をはじめとする社会資源との連携に関しては、なお一層の開拓を期待します。連携体制の実績として、以下の取組が確認できます。
明峰会(長峰中学校教諭と園職員の毎年の交流)、美野丘小学校との交流行事、神戸児童養護施設連盟での共同事業、神戸女学院・関西学院高等部のこども会 等
(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
26 施設が有する機能を地域に還元している。 b
【コメント】
年に1回、地域に開いた祭りを開催し、また地域団体に集会室利用を開放する等の取組があります。しかしながら、当初に企図した心理室の地域開放や、施設の養育・支援に係る専門性を活かした地域貢献活動については十分ではありません。
27 地域の福祉ニーズにもとづく公益的な事業・活動が行われている。 a
【コメント】
社会福祉法人制度改革では、社会福祉法人による公益的な事業・活動の実施が強く求められています。この点において、園が実施するリフレッシュスティの取組みは高く評価できます。
Ⅲ 適切な養育・支援の実施
1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
28 子どもを尊重した養育・支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 b
【コメント】
理念や基本方針に、子ども第一主義が明記されており、それは毎朝のミーティングで確認されています。その方針は、事業の隅々まで浸透しており、子ども達からの評価も高いレベルにあります。研修の充実や自己点検によって、理念のさらなる共通理解を徹底することが望まれますが、そのためには、些細な事象についてもその要因を解明して、これを個々の職員の課題に矮小化することなく、園で全体化することが求められます。
29 子どものプライバシー保護等の権利擁護に配慮した養育・支援の実施が行われている。 b
【コメント】
児童養護施設整備基準では一人当たり居室面積は狭く設定されており、そのために居室の個室化は極めて困難で、一人ひとりのプライバシー保護は園の努力を超えて困難なことです。その中で、子どものプライバシーを守る規定が定められており、養育・支援の取組に反映されています。しかしながら、職員研修の課題として、子どものプライバシー保護を取り上げる取組が十分ではありません。
(2) 養育・支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
30 子どもや保護者等に対して養育・支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 a
【コメント】
子どもや保護者が必要とする情報は毎年更新されるパンフレットやHPに判りやすく明示しています。また、入所予定の子どもや保護者には、丁寧な説明を行い、事前の見学にも応じています。
31 養育・支援の開始・過程において子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 b
【コメント】
説明にあたっては、子どもや保護者等が理解しやすいような工夫や配慮を行っています。ただ、その説明が子どもや保護者に判りやすいかどうかを評価する仕組みがありません。よりわかりやすい説明を目指すには、その説明による理解度を計る仕組みが必要です。
32 措置変更や地域・家庭への移行等にあたり養育・支援の継続性に配慮した対応を行っている。 b
【コメント】
過去に他施設への移行事例はほとんどなく、根拠ある評価は難しいところですが、家庭への移行後においては、施設として子どもや保護者等が相談できるように連絡体制を継続しています。ただ、それらは入所当時の担当者が引き続き担っている状況であり、引継ぎ文書等の伝達もないので、担当者の離職等に対応する組織的な取組とは言い難いものです。家庭支援相談部署を確立して、組織的な仕組みを設ける必要があります。
(3) 子どもの満足の向上に努めている。 第三者
評価結果
33 子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 c
【コメント】
毎年実施している本島キャンプについては事後アンケートが実施され、子どもの意向や評価が汲み上げられていますが、このほかには満足度を把握する調査は実施していません。また、園に設置されている意見箱も形骸化しています。日常生活における満足度把握は、専ら担当職員の主観に委ねられている状況であり、日常生活における、見えない不満や意見をより客観的にくみ取る仕組みは構築されていません。
(4) 子どもが意見等を述べやすい体制が確保されている。
34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 b
【コメント】
苦情解決処理に関する仕組みは整備されており、その記録も確認できます。しかし保護者・近隣からの苦情記録はありますが、子どもの意見・願望は苦情と捉えられていません。また、その仕組みを子どもたちにわかりやすく説明する文書の掲示や、苦情の内容や処理方法の公表はなく、子どもへの苦情解決の仕組の周知は徹底していません。
35 子どもが相談や意見を述べやすい環境を整備し、子ども等に周知している。 b
【コメント】
食堂前に意見箱の設置がありますが、その利用は形骸化しています。担当職員は、子どもが意見をのべやすいよう心がけていて、カフェタイムなどを実施しています。しかしながら、子どもが担当職員以外に複数の相談者を選択できる状況の確立や、その仕組みを説明する取組が十分ではありません。
36 子どもからの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 b
【コメント】
職員は、日々の養育・支援の実施において、子どもが相談しやすく意見を述べやすいように配慮し、適切な相談対応と意見の傾聴に努めています。しかしながら、問題発生時の対応は専ら相談を受け付けた担当職員に委ねられ、若しくは、最終的な対応として園長・副園長の裁可に処される状況であり、組織としての対応として確立していません。組織として対応することによって、子どもの相談・意見を全体化する仕組みが求められます。
(5) 安心・安全な養育・支援の実施のための組織的な取組が行われている。 第三者
評価結果
37 安心・安全な養育・支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 b
【コメント】
事故発生報告書・ヒヤリハット報告書が整備され、ミーティング等で確認して情報の共有が図られています。しかしながら、リスクマネージャーの配置はなく、園長・副園長不在時に発生する緊急事態の責任や権限所在の体制整備と、その共通理解が十分ではありません。
38 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 a
【コメント】
副園長が衛生推進者講習を修了して園の衛生管理を主導しています。感染症発生マニュアルが定められており、発生時の隔離が行われる体制があります。その他にも食中毒防止マニュアル、怪我・事故対応マニュアルが定められています。
39 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 a
【コメント】
防災計画等を整備し、関係機関との連携を図りつつ、災害時の対応体制を定め、防災訓練も励行されています。定期的(年に一度)に総合防災の日を定め、避難訓練を実施しています。災害時の備蓄についても管理者を定めて十分な備蓄を確保し、在庫状況の把握に努めています。
2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
40 養育・支援について標準的な実施方法が文書化され養育・支援が実施されている。 b
【コメント】
標準的な実施方法が定められており、そこには子どもを尊重する姿勢が明示されています。
標準的な実施方法について、周知を図る研修会も実施されていますが、これに基づいて養育・支援が行われているかを確認・評価する手法の確立が十分ではありません。
41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 c
【コメント】
検証や見直しに関する規程はありますが、実施方法や時期の設定が明確ではなく、長年に亘り見直されていないものがあります。また見直しに際して職員や子どもの意見や提案が反映される仕組みは確立しておらず、専ら各担当職員の主観に委ねられている状況であり、組織としての仕組みが確立していません。
(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 b
【コメント】
心理療法に基づいた詳細なアセスメントが実施され、子ども一人ひとりの初期情報や養育・支援の経過と成果が読み取れる詳細な記録があります。これに基づいた個々の自立支援計画の策定は主として各担当職員によっており、策定責任者を中心に職種横断的な策定手法としては確立していません。個別支援計画策定において養育・支援の現場の意見が重視されることは当然であっても、職員の資質によるバラつきを抑制して組織的な質を向上するためには、自立支援計画策定責任者の下で複数の職員による合議体制の確立が望まれます。
43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 a
【コメント】
自立支援計画の見直しは担当職員が規定通りに行っており、その経過が書類に残されています。事業所としては、そのことをもって十分ですが、さらなる質の向上を目指すには、評価と見直しの客観性と組織性を確立することを期待します。
(3) 養育・支援の実施の記録が適切に行われている。
44 子どもに関する養育・支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化さている。 a
【コメント】
養育・支援の実施状況は、定められたフォーマットに的確な記述があり、記録は、書き方等に職員間で多少の差異はあるものの、毎朝のミーティングで内容が確認・共有されています。
45 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 a
【コメント】
子どもに関する記録は、個別にファイリングされ、会議室兼常務理事室に、鍵付保管ロッカーで管理しています。職員も個人情報保護規程等を理解し、遵守しています。

内容評価基準(41項目)A-1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
A1 社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 a
【コメント】
カンファレンスや毎朝のミーティングを通じて、子どもの養育・支援の内容が、子どもにとって最善の利益となっているかをふり返り、子どもに対して真摯に向き合っています。
A2 子どもの発達段階に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせている。 a
【コメント】
何が適切であるかの判断はデリケートな問題も多いので困難であるが、伝え方等についてケースワーカーとの協議を踏まえて、子どもの発達段階に応じた適切な対処が概ね実施されています。
(2) 権利についての説明
A3 子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 b
【コメント】
子ども自身の権利意識については、権利ノートを使用して日常的な養育の中で説明していますが、職員によって権利ノートの取扱いにも差があり、また定期的な説明の場の設定や資料等を活用した学習機会はもっていません。子どもが、一人ひとりかけがえのない存在であることを自覚することは、子どものエンパワメントの原点であり、また他者を尊重する心にも通じ、子ども同士のいじめや暴力を防止する上でも欠かせません。
(3) 他者の尊重
A4 様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援している。 a
【コメント】
園内の些細なトラブルも、子ども同士が互いに他者を尊重しつつ解決するように見守り、また年長児童が幼児など弱い立場にある仲間に対して思いやりの心をもって接するよう支援しています。クリスマス会等の催しで見せるグループ演技の協働成果はすばらしく、日常の支援が適切であることを偲ばせています。
(4) 被措置児童等虐待対応
A5 いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 c
【コメント】
基本理念『人は大切、子は宝』は職員に周知され体罰等の人権侵害は厳重に戒められています。しかしながら『求められる職員像』には、不測事象の発生を想定した具体的指標の明示と指導の徹底が不十分です。いかなる事象もそれを偶発や個人的特殊事情に関連づけることなく、園全体の問題とわきまえて意識改革の徹底が求められます。期せずして不適切事象が発生した場合の事後対応が重要であることは言うに及びません。また職員配置の見直しや密室・死角等の建物構造の点検と改善も、プライバシー保護の観点と併行して必要です。
A6 子どもに対する不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 b
【コメント】
子どもに対する、職員の不適切な関わりについては、その発生時における管理者による処置は厳正に行われています。しかしながら、課題はそのような関わりの防止と早期発見にあり、その取組みにはまだまだ課題が残されています。過ちを未然に防ぎ、超えてはならない一線を守ることは、子どもの権利保護は勿論、組織の存続と職員の権利を護る上でも重要であり、組織としての周到な取組が欠かせません。
A7 被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 b
【コメント】
被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応の仕組は整っていますが、対応のマニュアル策定はなく、子ども等への資料配布や説明が不十分です。
(5) 思想や信教の自由の保障
A8 子どもや保護者等の思想や信教の自由を保障している。 a
【コメント】
園を運営する法人は宗教法人を基盤としているが、子どもには思想・信教の自由は保障されています。また保護者等の思想・信教によっても、その子どもの権利が損なわれることはないように対応しています。
(6) こどもの意向や主体性への配慮
A9 子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理解し受けとめ、不安の解消を図っている。 a
【コメント】
子どもによって様々な事情や個人差があって、不安の解消は児童養護施設では困難な課題ですが、入所に際して、被虐待体験や分離体験を理解して、温かく迎える配慮を施設全体で尽くしています。そのことは、多くの子どもの表情や言動からその成果が評価できます。
A10 職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考え、生活改善に向けて積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
職員は支援者と被支援者の関係を超えて、自立支援計画に従って、生活改善に向けての取組みを子どもと共に考え、話し合いのもとに、年齢や性別を配慮して区分された各コーナーでの生活プログラムを策定しています。コーナー間の連携不足や養育・支援の相違も指摘されますが、むしろ小規模処遇の有意性が評価できるところです。
(7) 主体性、自律性を尊重した日常生活
A11 日々の暮らしや、余暇の過ごし方など健全な生活のあり方について、子ども自身が主体的に考え生活できるよう支援している。 b
【コメント】
行事や地域活動への参加や各種クラブ活動について、子どもの選択と自発性を尊重し、主体的に関われるよう支援しています。しかしながら、外出制限や門限規定には性別や年齢によってルールの設定に差があり、その理由についての説明が十分ではないために、こどもに不満とストレスを生じています。健全な生活を支援するための制限ではあっても、その理解を得ることはさらに重要な課題です。
A12 子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援している。 a
【コメント】
小遣い帳や通帳を活用して、計画的に買い物や貯金を貯める習慣を身につけさせています。
間もなく自立を控えた子どもへの金銭管理プログラムのいっそうの確立が期待されます。
(8) 継続性とアフターケア
A13 家庭復帰にあたって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう復帰後の支援を行っている。 a
【コメント】
家庭復帰にあたっては、復帰後の生活を検討し、復帰後も相談を受けることを伝えています。
しかしながら復帰後は、その状況把握や支援方法について、関係機関との協働になるので、役割分担がやや不明確となる傾向があり、園がより主体的に取組む復帰後支援の体制確立が期待されます。
A14 できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用して継続して支援している。 a
【コメント】
必要に応じ、措置延長を利用して支援を継続し、その間も就労支援や就労生活支援を行っています。
A15 子どもが安定した社会生活を送ることができるようリービングケアと退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
子どものニーズに応じて、リービングケア・アフターケアの支援を行っています。
ケアの実施内容は時系列で記録保管されていますが、自立に向けて、より積極的な状況把握に努めることを期待します。
A-2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の基本 第三者
評価結果
A16 子どもを理解し、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止めている。 b
【コメント】
職員は、子どもが表出する感情や言動だけでなく、苦痛や怒り、疎外感にも寄り添って、理解に努めています。その点について、子どもたちの信頼も高い評価があります。しかしながら、見守りと支援、行動を止めに入るタイミング等の判断について、職員自身がまだまだと感じているようです。
A17 基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 a
【コメント】
幼児には、深夜の覚醒時に大人の存在が感じられる安心感に配慮するなど、基本的要求の充足において、子どもとの関係性を重視しています。また、年長児童の日課については、秩序ある集団生活のなかで、個々の意思を尊重した、より柔軟な対応となっています。
A18 子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 b
【コメント】
子どもが自分でしなければいけないことや、できることは、自身が行うよう見守り、つまずきや失敗も貴重な体験となるよう支援しています。
しかしながら、時には集団生活の規則が過度に優先したり、過干渉となる場面も指摘されるようです。子ども達の状況把握や励まし、小さな成功への賞賛、注意や指示のあり方をさらに精緻させることが期待されます。
A19 発達段階に応じた学びや遊びの場を保障している。 b
【コメント】
日常生活の中で、子どもたちの学びや遊びに関するニーズを把握し、幼児から高校生に至る年齢段階に応じた図書、玩具、遊具の用意があります。ただ、子どもの多様なニーズに応えられないこともあり、その際の納得できる説明が十分ではありません。
A20 秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 b
【コメント】
施設内の生活は秩序が保たれ、職員の声掛け等も適切であると評価できます。
職員は、施設生活・社会生活における規範等を理解できるよう、子どもに説明し、責任ある行動をとるよう支援していますが、子どもへのアンケートでは、そうした支援の意味が理解できていない面があり、なお一層丁寧な対応が求められます。
(2) 食生活
A21 食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫している。 a
【コメント】
食事の時間設定は、生活リズムを形成するとともに子ども同士や職員とのコミュニケーションの場として機能するよう配慮されています。子どもの作品や賞状が飾られ、楽しい雰囲気を演出しています。メニューの設定や盛り付けにも工夫があり、子どもへのアンケートでも高い評価を得ています。
A22 子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供している。 a
【コメント】
子どもの年齢、障がいや疾病、アレルギー、その他体調や健康状態にも配慮された献立であるとともに、子どもの発育に必要な栄養管理も行き届いています。残食調査や嗜好把握を実施して献立に反映されています。
A23 子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進している。 a
【コメント】
日々の献立を示して食に関する情報を提供し、食器の使い方やマナーの習得を含め、適切な食習慣を無理なく身につけるよう工夫しています。ただ、テーブル拭き等の食事準備や食器洗い、残飯処理等の後片付けなど、一般家庭での習慣を会得できるような支援も望まれます。
(3) 衣生活
A24 衣類が十分に確保され、子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 a
【コメント】
季節に応じた衣服が提供され、子どもが自分で選択して自己表現できるようにしています。中学生以上からは自分で衣類洗濯ができるよう練習の機会を設けるなど、衣類の整理・保管の衣習慣を習得させています。
ただ、親から衣類等の持ち込みが豊富な子どもと、そうでない子どもがいて、園は寄贈品を配布するなどの配慮を施しているところですが、豊富に物品を持ち込む親に対して、共同生活への配慮を求める取組も必要と思われます。
(4) 住生活
A25 居室等施設全体がきれいに整美されている。 b
【コメント】
児童養護施設の、十分とは言えない施設整備基準の中で、必要に応じて冷暖房設備が施され、トイレや洗面所等は性別・年齢別に応じて使いやすくしつらえられています。しかしながら、男女棟で、手入れや収納整理に環境差が見られ、改善の余地があります。子どもへのアンケートでは低学年では評価が高いが、高年齢になるほど評価が低下しています。
A26 子ども一人ひとりの居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにしている。 b
【コメント】
集団生活であることと、施設整備基準の限界があって、一人ひとりの居場所確保は難しく、居室は相部屋とならざるを得ません。その中で、中学生以上には、可能な限り個人的空間を工夫しています。
(5) 健康と安全
A27 発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援している。 a
【コメント】
睡眠、食事摂取、排泄、整理、理美容、整容等の生活行為や寝具・衣類の清潔保持など、規則正しい生活習慣を身につけるよう、子どもの発達段階に応じた適切な支援が実施されています。事故発生報告書やヒヤリハット報告書も詳細に記述され、要因分析に基づいて、交通事故や病気に関する自己管理のための支援も適切に行われています。
A28 医療機関と連携して一人ひとりの子どもに対する心身の健康を管理するとともに、必要がある場合は適切に対応している。 b
【コメント】
定期的な受診や服薬への対応は、医療機関との連携において適切に実施され、子どもの健康管理に努めています。しかしながら、職員間で医療や健康に関して学習する機会は十分ではなく、管理栄養士においても、医療専門職との連携への配慮はみられません。
(6) 性に関する教育
A29 子どもの年齢・発達段階に応じて、他者の性を尊重する心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 b
【コメント】
性をタブー視することなく子どもたちの疑問や不安に応え、他者の性を尊重し、年齢相応で健全な他者との付き合いが出来るよう支援しています。しかしながら、発達段階に即したカリキュラムの用意や学習会の設定など、計画的な取組は十分ではありません。
(7) 自己領域の確保
A30 でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とするようにしている。 a
【コメント】
食器等、共用になっているものもありますが、身に着けるもの、日常使用する物はできる限り個人所有とし、その保管場所も個別に確保して個人所有物のかたづけを教えています。
A31 成長の記録(アルバム等)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにしている。 b
【コメント】
子ども一人ひとりに成長の記録(アルバム等)が用意されていますが、職員は日常業務に忙しく、写真等の整理が追い付かず、成長の過程をふり返ることが十分にできていません。記録の電子化も視野に入れた、新しい取組の検討も必要です。
(8) 行動上の問題及び問題状況への対応
A32 子どもの暴力・不適応行動などの行動上の問題に対して、適切に対応している。 b
【コメント】
施設は安定した生活の場となっており、行動上の問題があった子どもにとって、適切な環境を提供しています。問題発生時は施設が全体としてその立て直しに努力していますが、職員が適切な援助技術を習得できる研修や、子どもから暴力を受けた職員のメンタルケアの実施が十分ではありません。
A33 施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 b
【コメント】
課題を抱えた子どもや入所間もない子どもの場合は、児童相談所とも連携して個別的に取り組んでいます。その多くは園長が中心となって取り組んでおり、全職員が一丸となって取り組む体制は十分ではありません。子どもへのアンケートでは、高学年になるほど、組織の取組みに対する評価が低下しています。
A34 虐待を受けた子ども等、保護者等からの強引な引取りの可能性がある場合、子どもの安全が確保されるよう努めている。 a
【コメント】
児童相談所とも連絡を保って、判断の統一を図り、職員に周知徹底しています。また緊急時には警察の協力も得て、他の子どもへの安全についても配慮しています。あらゆる想定で、全ての子どもの安全確保は万全とは言えませんが、園の取組みは適切と評価できるところです。
(9) 心理的ケア
A35 心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 b
【コメント】
5名のセラピストが配置されており、必要な子どもには、週一回のペースで心理セラピーが施されています。近年、増加する発達障害への専門的な対処に課題が残されています。
(10) 学習・進学支援、進路支援等
A36 学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 b
【コメント】
学校教師との連携で、子どもの学力把握に努め、学力に応じた学習支援を行っています。しかしながら、児童養護施設整備基準の中で、静かに落ち着いて勉強できる場を充分に設けることは困難であり、学習ボランティアの確保も十分ではない状況です。
A37 「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 a
【コメント】
安易な自己決定は、必ずしも子どもの最善の利益とならないことを前提として、進路決定に当たって、親、学校、自相の意見を踏まえ、また経済的援助の仕組についての情報も提供して、子どもが適切な自己決定できるよう支援しています。
A38 職場実習や職場体験、アルバイト等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 b
【コメント】
アルバイトや各種資格の取得を奨励し、実習活動を通じて社会体験を深めるとともに、金銭感覚や生活スキル、メンタル面の支援に取り組んでいます。職業指導をさらに進めるには、実習先の確保や協力事業主との連携をさらに拡大することが求められます。施設を巣立ってゆく子どもの不安を解消するために、例えば、先輩の成功事例に触れることも有力な方策となります。
(11) 施設と家族との信頼関係づくり
A39 施設は家族との信頼関係づくりに取り組み、家族からの相談に応じる体制を確立している。 b
【コメント】
面会、外出、一時帰宅のほか、子どもの地域活動への家族参加を促すことによって、子どもと家族の関係づくりに取り組んでいます。子どもの課題に留まらず、家族の課題に向けて、家庭支援専門相談員の設置等、組織的な支援体制の確立が求められます。
(12) 親子関係の再構築支援
A40 親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 b
【コメント】
児童相談所等の関係機関と協議・連携して、家族支援を行っていますが、園長・副園長、あるいは担当職員の活動に依存しており、施設全体として多数の職員が組織的に関わる取組が十分ではありません。
(13) スーパービジョン体制
A41 スーパービジョンの体制を確立し、職員の専門性や施設の組織力の向上に取り組んでいる。 c
【コメント】
管理職と一般職員の間に、スーパーバイザー(基幹的職員)の配置体制が不明確で、職員相互が評価し、助言し合う状況に近く、組織的な体制の形成ができていません。職員個々の専門的資質を高めるためにも、また組織力を高めるためにもスーパービジョンの体制づくりは不可欠です。
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