社会的養護施設第三者評価結果 検索

岩内厚生園

第三者評価結果詳細
1 養育・支援
(1)養育・支援の基本 第三者
評価結果
子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止め、子どもを理解している。 b
基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 b
子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 b
発達段階に応じた学びや遊びの場を保障している。 b
秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】子どもに対する受容と共感を支援の基本姿勢としている。子どもの問題点を追求する時は、職員の個人的な考えが優先されないように、本人の生育歴や判定資料などを参考に心理療法担当職員・児童指導員・保育士等全体で把握するように努めている。高齢児の日課は、個人に合わせた時間が設定できるように配慮されている。子どものニーズに対応できない時は、子どもが納得出来るように説明がされている。

【改善が求められる点】夕食後の時間帯や起床から朝食後までの忙しい時間帯に、職員配置が不足することで、指示や行動規制が多くなる傾向が見られるので検討されることを期待したい。日常生活の中で共有する玩具・遊具等が不足していると思われるので整備されることを望みたい。職員の立ち振る舞いや言動が、乱雑に取られる場合があるので検討されることを期待したい。
(2)食生活 第三者
評価結果
食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫している。 b
子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供している。 b
子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進している。 b
(3)衣生活
衣服は清潔で、体に合い、季節に合ったものを提供している。 a
子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 b
(4)住生活
居室等施設全体がきれいに整美されている。 a
子ども一人一人の居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにしている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】高年齢児の夕食時間は、個々にあった時間帯を選んで食べられる工夫がされている。希望者にはおやつ作りの機会が確保され、季節の料理や伝統料理も献立に取り入れられている。適宜、都市部の商店で衣類を購入する機会を設け、個人にあった衣服が着用されている。居室のベッド下に衣装ケースを用意し、自他の区別ができるようにしている。掃除は子どもと職員が一緒に行い、掃除の手順などを教えるように支援している。保育作品や表彰された物を掲示することで、子どもの達成感や生きがい感を育んでいる。

【改善が求められる点】買物を手伝って材料の選び方を知る機会や食事を作る機会が不足しているので、調理実習の計画などを検討されることを期待したい。食育についての指導や食に関する情報提供が全般的に不足しているので検討されることを望みたい。また、嗜好調査は行われているが、給食委員会での検討不足があり献立に反映されることが少ないので、新しいメニューの開発が期待される。
(5) 健康と安全 第三者
評価結果
発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援している。 a
医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応している。 b
(6) 性に関する教育
子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】幼児や小学生などは、手洗いやうがいなどの基本的生活習慣や衛生概念が身につけられるように、職員が直接的に指導している。夜尿児の寝具は、常に清潔を保つようにしており、行事などに応じて入浴やシャワーの時間も臨機応変に対応して清潔に配慮している。感染症マニュアルに基づきどの職員が対応しても蔓延防止できるようになっている。特別な病気も医療機関と連携して通院記録簿などを作成し対応している。男女交際については、「施設生活の手引き」を基に支援している。また、正しい性知識が得られるよう性教育新聞を作成し掲示している。

【改善が求められる点】幼児のバイタルチェックが行われていないので、日々のバイタルチェックの取り組みの検討を期待したい。異性のとの交際は自粛されているが、健全な異性との交際ができるよう正しい性知識を身につける機会をもうけて、年齢相応で健全な交際ができるように配慮されることを期待したい。
(7) 自己領域の確保 第三者
評価結果
でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とするようにしている。 b
成長の記録(アルバム)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにしている。 b
(8)主体性、自律性を尊重した日常生活
日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援している b
主体的に余暇を過ごすことができるよう支援している。 b
子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】個人の好みによるものを施設内ルールの範囲内で持たせるようにしている。行事を行う時に、子どものアンケート調査を実施し、子ども達自身が行事の企画運営に係わっていると実感できるようにしている。

【改善が求められる点】アルバムは子どもたち全員が所有してはいないので、アルバムの必要性も含め検討されることを望みたい。小遣い帳は職員が管理しており、学年や発達状況に合わせて家計簿をつけさせ、経済観念を身につけさせる取り組みが必要と思われる。無駄遣いをやめ、節約した効果が実感できるようなお金の使い方を体験できるように配慮を期待したい。
(9) 学習・進学支援、進路支援等 第三者
評価結果
学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 b
「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 a
職場実習や職場体験等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】進路選択で大学や専門学校に希望が出てきた場合には、奨学金などのシステムや資料を提示して十分な説明を行い自己選択・自己決定ができるように支援を行っている。また、施設だけが係わるのではなく、児童相談所としての意見や保護者等にも、いつまで支援が可能なのか確認するようにしている。

【改善が求められる点】各居室に机と椅子を用意し学習できるスペースを確保しているが、一人一人の学習援助がなされていないので、学習支援体制の検討を望みたい。小学生については、帰園後、翌日の登校時に忘れ物がないようにチェックを行っているが、漏れがないようチェック表の作成などの検討を望みたい。
(10) 行動上の問題及び問題状況への対応 第三者
評価結果
子どもが暴力・不適応行動などの問題行動をとった場合に、行動上の問題及び問題状況に適切に対応している。 b
施設内で子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 b
虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努めている。 a
(11) 心理的ケア
心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】保護者からの強引な引取りへの対応は、「危機管理マニュアル(13.強制引取りへの対応)」に基づき実施されている。また、警察とも連携し窓口の一本化を図って組織的な対応ができる体制をとっている。子どもの問題行動が発生し施設内だけで対応が困難な場合は、児童相談所への協力や医学的介入も視野に入れて対応している。いじめが発覚した場合にも、担当者だけでなく施設全体で意識を高めるために会議を行い、子ども達にもグループでの指導や掲示板によって注意喚起を促している。

【改善が求められる点】心理療法担当職員の職場内での研修やスーパービジョンへの取り組みが少ないので、外部からの専門家や講師を招くなど、施設全体としての研修計画への取り組みを期待したい。
(12) 養育の継続性とアフターケア 第三者
評価結果
措置変更又は受入れに当たり継続性に配慮した対応を行っている。 b
家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行っている。 b
できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用して継続して支援している。 b
子どもが安定した社会生活を送ることができるよう退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】退園者が園に来るときには、特に制限はなく園生との交流や面会なども積極的に受け入れる体制となっている。自立困難なケースについては、措置延長を行い、自立に向けた支援を行っている。措置変更後も、子どもがいつでも施設へ連絡してきても大丈夫なように伝えたり、再度虐待などを受けた場合への対応についても知らせている。

【改善が求められる点】養育の継続やアフターケアに取り組まれているが、退園者の状況の把握や記録が整備されていないので、記録の整備や、今後の対応として、相談窓口や相談方法を記した文章を渡すなどの工夫を検討されることを期待したい。
2 家族への支援
(1) 家族とのつながり  第三者
評価結果
児童相談所や家族の住む市町村と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行っている。 b
子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行っている。 b
(2) 家族に対する支援
親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】年4回及び必要なとき随時、家族へ子どもに関する情報を知らせ、年2回の帰省タイミングを利用して、親子関係の修復・調整を行う体制にある。

【改善が求められる点】主任児童指導員が、ファミリーソーシャルワークの家庭支援専門相談員の役割を兼務的に果たしている。しかし、被措置児童の家庭は社会的孤立の傾向が多く、支援としての養育機能代替のみならず、養育補完としての子育てパートナー役割機能充実が求められている。ゆえに、組織図において独立とした専門職としての家庭支援専門相談員の配置を考慮した体制作りの見直しに期待したい。
3 自立支援計画、記録
(1) アセスメントの実施と自立支援計画の策定  第三者
評価結果
子どもの心身の状況や、生活状況を把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示している。 b
アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させている。 b
自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施している。 b
(2) 子どもの養育・支援に関する適切な記録 
子ども一人一人の養育・支援の実施状況を適切に記録している。 b
子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行っている。 b
子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行っている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】基本として半年1回の「自立支援計画書」・「処遇計画書」と日々の育成記録、そして、年3回の個別処遇完全状況一覧表記録を用いて、PDCA的に、子どもの強みや長所も把握されて養育が行われている。困難事例については、週1回のケース会議で合議される体制にある。支援目標を子どもに理解できる目標として「チャレンジシート」を作成し活用されている。

【改善が求められる点】個人情報保護に配慮して情報共有を目的とした朝のミーティングやケース会議等が機能的に行われている。しかし、情報開示規程、記録の廃棄規程、そして記録を行う上での差異が生じないようにする記録要領等の情報の取扱及び共有化にむけてのルールづくりにおいて整備する余地がある。ゆえにイントラネットワークのより効率的な活用も含めての記録・情報管理の見直しに期待したい。
4 権利擁護
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
子どもを尊重した養育・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行っている。 b
社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 b
子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせている。 a
子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行っている。 c
子どもや保護者の思想や信教の自由を保障している。 a
(2) 子どもの意向への配慮  
子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、養育・支援の内容の改善に向けた取組を行っている。 b
職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考え、生活改善に向けて積極的に取り組む。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】家族状況及び生い立ちの本人への情報開示は、職員会議で内容・方法等の打合せを行い児童相談所への連絡をとりながら行う実施体制にある。特にフォロー体制として、担当者のみならず心理士と連携を取りながら子どもの気持ちの変化に丁寧に寄り添う体制にある。

【改善が求められる点】日々の養育・支援は、機能的にプライバシー保護を意識されて行われているが、その留意点等が明文的に手順書や規程等に反映されていない。ゆえに、プライバシー保護に関する規程・マニュアル等の整備に期待したい。
 子どもを尊重した養育・支援を意識する施設の理念や方針が、職員向けの「施設処遇計画(処遇マニュアル)」に掲載されているが、関係者向けの施設紹介パンフレット及び要覧等に見受けられない。ゆえに関係者及び職員が目に触れやすいものに明示する工夫を行い、常に子どものQOL向上を目指した取り組みへの意識付けに期待したい。
(3) 入所時の説明等 第三者
評価結果
子どもや保護者等に対して、養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報の提供を行っている。 b
入所時に、施設で定めた様式に基づき養育・支援の内容や施設での約束ごとについて子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 b
子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理解し受けとめ、不安の解消を図っている。 b
(4) 権利についての説明 
子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 b
(5) 子どもが意見や苦情を述べやすい環境 
子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行っている。 b
苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させている。 b
子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応している。 b
(6) 被措置児童等虐待対応
いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 a
子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 b
被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 b
(7) 他者の尊重
様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】入所児全員へ『権利ノート』を配布し、特に高学年には『施設生活の手引き』も合わせて配布され、多様な状態の子ども達の多様な生活課題に対しての支援に施設として努力されている。特に衣服の買物等においては、年長児による低年齢児への関わりを持たせた子ども間の関係性を大事にしている。

【改善が求められる点】園長のリーダーシップの元に、子どもの権利を尊重しながら多様な子どもへの養育・支援を試行されているが、以下の課題が見受けられるので検討することを期待したい。①施設の養育・支援内容の保護者及び社会的理解の向上にむけての尚一層の情報提供。②『施設生活の手引き』の幅広い年齢層向けへの改編。③子どもの意見・苦情の複数窓口利用の、より機能化への組織的意識向上。④『被措置児童等虐待対応マニュアル』を、障がいを持った子どもを含めた多様なこども達への養育・支援施設状況に合わせた改編。
5 事故防止と安全対策
第三者
評価結果
事故、感染症の発生時など緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させている。 b
災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行っている。 b
子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためにリスクを把握し対策を実施している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】地域の警察署や消防署及び児童相談所と連携を踏まえながら各種マニュアルが整備されつつある。特に、施設周辺地域での不審者対応については、速効的な連携体制を構築している。

【改善が求められる点】施設新築の機会を利用して耐震構造、地熱利用の床暖やオール電化等のハード面の安全を高める努力がなされている。しかし、非常電源設備が非設置である課題もあるので、特に冬季の停電事故が生じた場合の安全確保の対応として、組織がより効果的な機能を発揮するための体制や備品の対応等に向けて、リスクの把握・収集し、組織的分析・検討が必要と思われる。
6 関係機関連携・地域支援
(1) 関係機関等の連携  第三者
評価結果
施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有している。 b
児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な取組や事例検討を行っている。 b
幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校など子どもが通う学校と連携を密にしている。 a
(2) 地域との交流  
子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行っている。 b
施設が有する機能を地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。 b
ボランティア受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備している。 b
(3) 地域支援 
地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を積極的に行っている。 b
地域の福祉ニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行っている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】入所児童の31%が特別支援学級や特別支援学校に在籍し、日常的な学校訪問やPTA活動等により子ども情報が共有され極めて密な連携が出来ている。近隣地域の福祉ニーズに応えるべくDV家庭児童等の預かり事業を独自に展開している。

【改善が求められる点】ボランティア受け入れと地域交流の基本方針を明文化すると共に、旧園舎が狭溢であったことからボランティアの受け入れや地域住民を迎えての事業がすくなかったが改築によりスペースが出来たことからより積極的な地域開放への取り組みが望まれる。
7 職員の資質向上
第三者
評価結果
組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢が明示されている。 b
職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画が策定され計画に基づいて具体的な取組が行われている。 b
定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させている。 b
スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援している。 c
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】事業計画に基本姿勢が明示され、年度当初に職員個々の必要性を配慮した上で研修参加予定者が決められている。

【改善が求められる点】研修の復命が口頭及び書面のみで終了しているが職員会議等で研修報告などをすることにより職員全体に還元する方策の検討が望まれる。支援に困難を伴う児童が多いことからより良い援助技術向上のために、ピアスーパービジョン、主任制を利用したスーパービジョン、外部のスーパーバイザーを含むスーパービジョン体制の強化が急務と思われる。
8 施設の運営
(1) 運営理念、基本方針の確立と周知  第三者
評価結果
法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割が反映されている。 a
法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針が明文化されている。 a
運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
運営理念や基本方針を子どもや保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
(2) 中・長期的なビジョンと計画の策定  
施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されている。 b
各年度の事業計画は、中・長期計画の内容を反映して策定されている。 b
事業計画を、職員等の参画のもとで策定されるとともに、実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われている。 b
事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 b
事業計画を子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 c
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】「施設処遇計画」に理念及び基本方針を明示するとともに、元気な子・素直な子・思いやる子の簡潔な支援目標が示されている。

【改善が求められる点】「施設生活の手引き」に理念や基本方針が載せられると子どもや保護者の理解がより深まると思われる。理事会において中・長期的なビジョンが示されているものの全職員や保護者が見やすい事業計画に載せるなどの配意が望まれるともに事業計画を子どもや保護者に十分に説明する方策が検討されることを期待したい。
(3) 施設長の責任とリーダーシップ   第三者
評価結果
施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮している。 b
施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードしている。 a
施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮している。 b
施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮している。 a
(4) 経営状況の把握  
施設運営をとりまく環境を的確に把握するための取組を行っている。 b
運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行っている。 b
外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善が実施されている。 c
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】施設長は個性的で強いリーダーシップを持ち、自らの施設のみならず北海道児童養護施設協議会長として力を発揮している。優れた情報収集力が施設経営に生かされている。

【改善が求められる点】定例の職員会議等で常に施設長の意見が表明されているが、地域に向けての発信が広報誌やホームページが整えられて積極的になされることを期待したい。現在検討されている外部監査を法人経営のより健全で透明性を確保するために早急に実現されることが望まれる。
(5) 人事管理の体制整備    第三者
評価結果
施設が目標とする養育・支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランが確立しており、それに基づいた人事管理が実施されている。 b
客観的な基準に基づき、定期的な人事考課が行われている。 c
職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みが構築されている。 b
職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行っている。 b
(6) 実習生の受入れ 
実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的な取組をしている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】人材確保が困難な地域にあって職員の就業状況が把握され適切な対応がなされて低い退職率になっている。平成23年度は大学1校短大6校専門学校6校から33名の実習生を受け入れており重要な臨床の場として貢献している。

【改善が求められる点】より質の高い職員養成と働く意欲の涵養のために客観的な視点を持った人事考課制度導入の検討が望まれる。支援に困難を極める職場特性に配意したメンタルヘルスへの新たな取り組みに期待したい。実習マニュアルは整備されているが実習生個々のプログラムが未整備であり、より効果的な実習のために検討が望まれる。
(7) 標準的な実施方法の確立   第三者
評価結果
養育・支援について標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行っている。 b
標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行っている。 b
(8) 評価と改善の取組  
施設運営や養育・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制を整備し、機能させている。 b
評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
【評価が高い点】「施設処遇計画(処遇マニュアル)」が職員に共有され、子どもからの「意見箱」による提案の受け入れ、年度末の見直しの体制が出来ている。第三者評価は2回目の受審で運営や支援の質を高めようとする意欲が高い。

【改善が求められる点】職員全体による自己評価がなされているものの結果のフィードバックが十分ではなく文書化して明示する方法の検討が望まれる。
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