社会的養護施設第三者評価結果 検索

宮崎県立みやざき学園

第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 支援の基本方針と組織
1 理念・基本方針
(1) 理念、基本方針が確立・周知されている。 第三者
評価結果
1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 a
【コメント】
愛(愛情深い人)、敬(尊敬される人)、信(信頼される人)を園訓として児童の自立支援に取りんでおられます。学園長室、パンフレット、業務概要令和2年度版、みやざき学園通信「おがたま」への掲載、会議等での説明を通して、学園の理念、基本方針への周知、理解を図られています。保護者へのパンフレット配布時にも説明を加えておられます。
2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 a
【コメント】
国立武蔵野学院研修会等に参加し、全国の状況や国の施策等についても情報収集及び意見交換をしています。利用状況等のデータを把握・分析をして、業務概要への掲載をされており、入所児童報告等は毎月滞りなく行われています。
3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 b
【コメント】
毎月、学園の企画会議、学校を含めた運営委員会議を開催し、具体的な課題や問題点を明らかにして、それを職員に周知しています。また、施設内学校との運営委員会に諮って、改善に向けた予算要求や職員体制・人材育成検討を行い、更に、必要に応じで県本庁へ要望を行っています。具体的な取り組みについては、県本庁との関係で進められていくことを期待します。
3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 b
【コメント】
国の指針に沿って中長期計画が策定されています。具体的な課題や取り組み、評価などについては、当園単体での中長期計画策定委員会などを設置していくことも必要と思いますので、今後は組織化に向けて県本庁との検討も望まれるところです。
5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 b
【コメント】
毎年、園長が県立みやざき学園組織目標を設定しています。策定後は、各職員に示し周知を図っています。今後は、年度ごとの評価等を数値によっても図れる体制を作って行かれることも望まれます。
(2) 事業計画が適切に策定されている。
6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 a
【コメント】
単年度ごとに内容の評価、見直し、作成を行い、次年度につないでいます。内容については、寮会議、企画会、運営委員会、職員会などの各会議でも検討承認を経て、職員間の理解と意思統一を図っています。
7 事業計画は、子どもや保護者等に周知され、理解を促している。 a
【コメント】
ケース会議を通じて保護者への説明を行います。季節的なイベントに併せて児童相談所、保護者、学校、学園職員、児童が一堂に会する場を利用して、児童や保護者に理解を求めています。なお、今年度からは授業参観(2月実施)を実施しています。
4 支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
8 支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 b
【コメント】
児童自立支援計画の策定、評価は行われています。第三者評価の受審も定期的に行われていますが、支援の質の向上に向けた取り組みとしての体制化が不足しているようです。次年度以降、学園長が意識的に取り組みたい課題であると言われているので期待ができるところです。
9 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 c
【コメント】
児童自立支援計画の策定、評価は行われていますが、評価結果の改善点についての議論等が不十分であると感じておられます。予算の裏付けが必要となる課題も多く、施設単体での対応が難しいものもあるので、今後は県本庁との検討も行って計画を進めて行かれることを期待します。
Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 a
【コメント】
園長が自ら積極的に役割を果たすことに努めておられ、集団場面においても、個々の職員についてもメッセージを発して、施設長としての役割と責任を明確にされています。
11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 a
【コメント】
施設長研修に参加し、児童自立支援のための基本的なルールやあり方について研鑽するとともに、職員の朝会、復命書等で、職員へも周知を図る取り組みをされています。
(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
12 支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 a
【コメント】
学園内の各種会議、企画会、運営委員会、職員会議、寮会議に参加し、支援の質の向上を図る視点での意見を園長から積極的に述べておられます。新任職員には、国立の施設への研修を課し、支援の質の向上に努めています。
13 経営の改善や業務の実効性を高める取組に指導力を発揮している。 a
【コメント】
病休等によって影響が出やすい職員の人員配置においても、施設長として柔軟な対応を心がけ、人員配置の変更、各部署の職員配置の検討を各部署の人事担当や人事課と常に協議しながら、現場への負担が軽減され、十分な業務が行えるよう指導されています。
2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 c
【コメント】
各職員の状況については、人事ヒアリングを介して園長から人事課や各部人事担当へ窮状を伝えていますが、職員の人事については、県本庁の人事課が担当するため、人材確保、採用について、園長の意見が反映されるような人材確保・育成等の中長期的な計画が求められます。
15 総合的な人事管理が行われている。 a
【コメント】
県の人事評価システムに沿った総合的な人事管理が行われています。「期待される職員像等」については、みやざき学園の組織目標にも明文化されて周知を図られています。
(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 b
【コメント】
配慮を尽くした職員体制を整えようとされていますが、長期の休職者等が発生した場合に厳しい状況になることもあるようです。宿直体制があるので、副園長を中心に人員配置の管理調整をされています。しかし、人員に余裕がないため年休取得等が難しい場面も多々あり、職員の心身の健康の確保については不安があり、学園長からも早々に解決したい課題であるとされているので、県本庁担当課との検討に期待します。
(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 a
【コメント】
県が導入している人事評価システムにより、業務目標設定→達成時期→年度中評価→年度末評価を流れに沿って行い、個々の面接も実施されています。
18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 c
【コメント】
施設内研修や国立の自立支援施設での研修は行われていますが、定期的な評価と見直しの部分が不足しており、今後の展開を期待します。
19 職員一人ひとりの教育・研修等の機会が確保されている。 b
【コメント】
県の自治学院研修などの機会は確保されており、参加勧奨はしていますが、人員配置の面(業務上)から参加できる環境が整わない実情があるようです。今後は、組織体制、人員配置等を考慮して、教育・研修等への参加等の機会を職員が確保できることを期待します。
(4) 実習生等の支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
20 実習生等の支援に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 c
【コメント】
令和2年度においては、コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、実習生の受け入れを行っていません。実習生受け入れ要領と実習生留意事項を定めてあり、例年は実施されていますが、専門職種に配慮したプログラムと指導者に対する研修の具体化を望みます。
3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 c
【コメント】
学園通信「おがたま」を作成し、園長のメッセージ、学園の役割、児童の様子、活動を公開しています。業務概要により、事業計画、事業報告を作成、配布を行っていますが、予算、決算や苦情、相談の公開を今後期待します。
22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 a
【コメント】
会計課、監査事務局による監査、福祉部門による法人指導監査が定期的に実施されています。それによって、運営方針から会計指導まで、適正な運営のための取り組みが行われています。
4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
23 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 a
【コメント】
地域内の認定こども園、隣接する特別養護老人ホームとの交流を行っています。学園内で児童と共に作った野菜を収穫して販売したり、地区内の行事に体育館を貸し出したりしています。
24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 c
【コメント】
ボランティアの受け入れについては明文化されていますが、児童自立施設の特性上、受け入れが難しい場面が多く要検討中です。園長からは、学習ボランティアなど専門職のボランティアについては、施設の特性を理解した上での活動受け入れについて検討が進められていますので期待ができます。
(2) 関係機関との連携が確保されている。
25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 a
【コメント】
児童相談所、原籍校との連絡は随時行われており、配慮を要する児童に関しては、その連絡体制を密にして支援の質の向上を図られています。
(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
26 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 a
【コメント】
地域の活動に学園内の施設の貸し出しを行っています。非常災害時には、都城市の2次避難場所として体育館を提供することになっています。
27 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 c
【コメント】
都城市の2次避難場所として学園内の体育館が指定を受けています。地域の防災訓練の際には、施設を開放し、児童や職員も訓練に参加して、住民の安全安心の支援に取り組んでいます。施設の特性上、地域コミュニティへの参加には配慮を要するため、防災等の場面での支援を通して、徐々に地域の理解を得る取り組みを継続しています。今後地域貢献に関わる事業・活動の実施や、福祉ニーズ等にもとづいた具体的な事業・活動への取り組みを期待します。
Ⅲ 適切な支援の実施
1 子ども本位の支援
(1) 子どもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
28 子どもを尊重した支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 b
【コメント】
子どもを尊重した支援の実施は自立支援実施要綱の「一人ひとりの権利擁護」に明示されており、職員は実践に取り組んでいます。また、個々の支援も個別計画書を作成し定期的に状況把握、評価を行うなど子どもの尊重や基本的人権への配慮した支援がされています。子どもを尊重した支援の実施に関する倫理要綱の策定がなく、基本的人権への配慮に関する勉強会や研修が実施されていません。より良い支援を行うためにも倫理要綱の作成や勉強会や研修の実施を望みます。
29 子どものプライバシー保護に配慮した支援が行われている。 b
【コメント】
子どものプライバシーではマニュアルが規定されており、個人情報を扱う際もパスワードを必要とするなど厳重に管理されています。職員への研修も新人職員に対して年度始めに実施しており子どものプライバシーの扱いに関して周知されています。しかしプライバシー保護に関す取り組みを子どもや保護者へは周知されいません。子どもや保護者へもプライバシー保護の扱いについて周知されることを期待します。
(2) 支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
30 子どもや保護者等に対して支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 a
【コメント】
施設の理念や基本方針、取り組みや特性など紹介したパンフレットや入園のしおりが準備されています。また子どもにも生活のしおりが準備されており入園後の生活や作業、学習等に関してわかりやすいものになっており、希望があれば入園前に見学もできる体制が整っています。
31 支援の開始・過程において子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 b
【コメント】
施設が行う支援については保護者用にはパンフレット以外にも入園のしおりが準備されており、子どもへは生活のしおりで詳しく説明されています。入園してきた子どもにはオリエンテーションを3日間行い、支援の開始・過程における支援内容の説明もされています。しかし、支援や過程において説明をして同意を得ているも書面なく、意思決定の困難な子どもや保護者への配慮についてルール化されていません。配慮が必要な子どもや保護者へはその都度説明されていますが、ルールを決めて対応されることを期待します。
32 支援の内容や措置変更、地域・家庭への移行等にあたり支援の継続性に配慮した対応を行っている。 b
【コメント】
他の施設や地域・家庭へ移行する際に子どもや保護者へは退所後も相談等もできることを説明しており、担当職員と家庭支援専門員が自宅を訪問して継続的な支援が行えています。しかし退所した後の相談機関や相談方法、担当者、支援内容については記載した文書がありません。退所後、子どもや保護者等が書面にてどこに相談をすればよいか一目でわかるような工夫を期待します。
(3) 子どもの満足の向上に努めている。 第三者
評価結果
33 子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 b
【コメント】
子どもが現状を満足しているのか等を定期的に調査はされていません。しかし毎月の個別の相談面接等で意見、要望、不満、いじめなどの把握や毎週日曜日に子どもから提案や要望を受けつけて職員で分析し可能な限り認めています。出された提案で認められない物に関しても理由をきちんと説明されていますが、分析・検討する場所に子どもは参加してません。子どもも含めて分析・検討できる場を設けられることを期待します。
(4) 子どもが意見等を述べやすい体制が確保されている。
34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 c
【コメント】
苦情解決の体制は人員の問題で配置できていません。苦情に関するポスターもなく類似した書類等も掲示されていません。また苦情に関するアンケートも実施されておらず、苦情内容や検討した内容、対応策や解決策もありません。現在は日記を毎日書いており、その中で苦情等を把握して対応されています。苦情解決の取り組みは早期対応が大切です。人員の問題もありますが、いつでも、だれでも相談できることや仕組みを理解できる掲示物、誰に相談すればよいか等を明確にされることを期待します。
35 子どもが相談や意見を述べやすい環境を整備し、子ども等に周知している。 c
【コメント】
入園の際に子どもの意見は個別の居室や心理室、静養室で聞くことを説明しており実施されています。しかし相談や意見を述べたり、相手を自由に選べるなど記載された文書や掲示物はありません。いつでも、誰がみてもすぐにわかるような文書や掲示物を作成されることを期待します。
36 子どもからの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 b
【コメント】
子どもから相談や意見に関しては、提案して組織的に寮会で協議検討されその結果は寮会報告の形で職員に報告されており、相談された職員だけでなく全職員で共有し対応されています。しかし職員へ相談できな子どもの為にも意見箱は必要ですが、設置されておらず、また検討や対応策が定められたマニュアルもありません。園独自のマニュアル作成と意見箱は子どもが誰にも相談できない場合に必要であり大切ですので設置されることを期待します。
(5) 安心・安全な支援の実施のための組織的な取組が行われている。 第三者
評価結果
37 安心・安全な支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 b
【コメント】
副園長がリスクマネジメントの責任者として明確になっており、各寮にリスク対応マニュアルやヒヤリハットが作成され、全職員に対して周知、共有されています。事故発生した際の情報を収集し全職員で改善策や再発防止の検討がされており、事故防止に関する研修も実施されています。しかし事故防止策や安全確保策の実施状況や実効性について定期的な評価や見直しはされていません。今後は定期的な評価や見直しを行い改善点があれば見直すなどの取り組みに期待します。
38 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 a
【コメント】
感染対策の責任者として副園長が明記されており役割も明確になっています。感染症関するマニュアルも整備されており職員へ周知されて必要に応じて見直しがされています。定期的な勉強会の開催や厚生労働省や保健所等から感染症マニュアルの変更等の通知や衛生環境研究所から毎週感染症の流行等の情報が届いた際は、全職員へメールを配信したり回覧をして周知を図っています。
39 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 a
【コメント】
災害時の体制も整っており、子どもや職員の安否を確認する方法も定められて全職員へ周知されています。災害時の必要な備蓄品もリストを作り備蓄品も整備されています。また事業継続計画も作成されており毎年見直しされています。また避難訓練も子どもと職員が参加して毎月1回、防災訓練は毎年1回消防署から消防士を招き実施されています。
2 支援の質の確保
(1) 支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
40 支援について標準的な実施方法が文書化され支援が実施されている。 a
【コメント】
支援の標準的な実施方法は自立支援業務マニュアルの自立支援計画作成・評価に具体的に明記されています。またマニュアルの中に権利擁護やプライバシー保護に関する姿勢についても明示されています。計画に基づいた支援が提供されているか等については定期的に開催されている寮会で確認するなど周知徹底がされています。
41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 a
【コメント】
児童自立支援マニュアルの規定が整備されており、中期目標・長期目標が設定されていることや支援の実施方法も1ヶ月・3ヶ月で検証・見直しがされています。また1ヶ月ごとに支援状況や方法、それに対応した子どもの状況は児童相談所へ報告して検討・見直しされています。
(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 a
【コメント】
寮長が責任者となり自立支援計画が策定されています。入園後の子どもの生活状況や行動状況を観察した結果とアセスメントをもとに寮会で検討協議して自立支援計画が作成され計画内容に関しても具体的になっており全職員が共有できるようになっています。
43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 a
【コメント】
自立支援計画の評価や見直しは寮会を中心としたケース会議で定期的に行われています。手順に関しても自立支援マニュアルで明記されており、緊急に変更しないといけない場合も手順通り実施できています。ケース会議内容や結果についても全職員が閲覧できるようになっており、情報の共有化も図れています。
(3) 支援の実施の記録が適切に行われている。
44 子どもに関する支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 a
【コメント】
自立支援計画の実施内容や普段の状況や身体状態、生活状況の記録はデーター化されており閲覧できるようになっています。また情報の分別や必要な情報が的確に届くような仕組みがされており、情報共有を目的とした週1回の寮会議や運営会議が定期的に開催されています。
45 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 a
【コメント】
個人情報保護は県により規程されています。ケース台帳管理マニュアルを作成しており保管、保存、破棄、漏えい等は適切に管理されています。副園長が記録管理者として配置されており職員に対して年3回の教育、研修が行われています。個人情報の扱いに対しても理解、遵守され、個人情報の取り扱いに関しては保護者に対しても説明されています。
内容評価基準(27項目)
A-1 子どもの権利擁護、最善の利益に向けた支援
(1) 子どもの権利擁護 第三者
評価結果
A1 子どもの権利擁護に関する取組が徹底されている。 c
【コメント】
子どもの権利擁護については、規程もマニュアルも整備されていません。しかし副園長がコンプライアンスリーダーとして権利擁護に努めています。権利擁護の規程やマニュアルを整備することで理解と周知が図れ権利侵害の防止や早期発見するためにも取り組みが繋がることを期待します。
A2 子どもの行動制限等は、その最善の利益になる場合にのみ適切に実施している。 a
【コメント】
子どもの行動制限については生活のしおりで明記されており入園時に子どもへ説明されています。内容に関しても職員で見直しを適宜おこなっており、子どもから疑問として上がった際は全職員で対応して対応できています。また行動制限を行った際は必要に応じて児童相談所へ報告しています。
A3 子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 b
【コメント】
入園時に説明していますが、毎週火曜日にも権利について子どもたちに説明しています。また日々の行動の中で問題行動が発生した際は、他人への権利侵害や守るべき権利を説明されています。年齢や本人の状態に合わせて文字化したり、図示にして説明するなどの工夫されています。権利ノートは計画中です。子どもが理解できるような内容等になることを期待します。
(2) 被措置児童等虐待の防止等
A4 子どもに対する不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 a
【コメント】
寮会等で具体的な例を示して全職員へ不適切なかかわりが行われないことの確認がされています。不適切なかかわりがあった場合の対応方法なども自立支援業務マニュアルにも子どもへの接し方について明記されています。
(3) 子どもの主体性、自律性を尊重した日常生活
A5 子ども自身が自らの生活を主体的に考え、営むことができるよう支援している。 a
【コメント】
日々の生活をよくしていくための方法や行事、余暇活動の企画の話し合いに子どもも関われています。
生活全般についても宿直職員が毎日面接を行い子どもの意向や気持ちに配慮しつつ、生活習慣や生活技術の取得等、自立に向けた支援が行われています。
(4) 支援の継続性とアフターケア
A6 子どもが安定した生活を送れるよう退所に向けた支援を行っている。 a
【コメント】
自立支援計画も退園に向けての目標設定となっており、児童相談所とも退園に向けて協議が行われています。また必要に応じて地域や支援団体、関係機関等にも足を運び支援体制の構築にも取り組んでいます。
A7 子どもが安定した生活を送れるよう退所後も継続的な支援を行っている。 b
【コメント】
退園後訪問してくる子どもに関しては温かく受け入れています。ただ在園している子どもへの影響も考え退園後の通所支援や短期間の宿泊等の支援は行なわれていません。退園した子どものアフターケアに関しても半年間は電話連絡をとり状況確認を行うなどの関わりもあり記録もされています。しかし現状の人員体制から通所支援や宿泊支援は難しい状況です。職員体制を整え退園した子どもへ充実したアフターケアが行えることを期待します。
A-2 支援の質の確保
(1) 支援の基本 第三者
評価結果
A8 子どもと職員の信頼関係を構築し、家庭的・福祉的アプローチを行っている。 a
【コメント】
終礼後に毎日、個別面談を行う事でこどもとの良好関係が築かれておりこどもたちは職員から信頼されている心が養われています。職員間の情報共有も図られています。子どもの数も少ないので細かな部分まで把握され家庭的な雰囲気の中での支援がなされています。
A9 子どもの協調性を養い、社会的ルールを尊重する気持ちを育てている。 a
【コメント】
園での共同生活を通して生活のルールが必然的に習得できるように支援されています。職員は園長からこどもの模範となるように常々言われており職員もこどもの模範になるよう毅然とした態度で接しています。地域社会への参加は回数は少ないですが習得する機会が設けられています。
A10 自らの加害行為に向き合うための支援を行っている。 a
【コメント】
心理士の職員が面接をし振り返りを行い改善されるように支援がなされています。情報の共有も図られています。子どもは毎日、日記を書いており職員もコメントを記している事でこどもの振り返りや自己肯定感を高める支援になっています。子どもが安全に安心して生活ができる支援が行われています。
(2) 食生活
A11 子どもの発達段階に応じた食習慣の習得など食育を適切に行っている。 a
【コメント】
嗜好調査が実施されておりアレルギーを持つこどもには除去した食事が提供されています。子どもが配膳、下膳、食器洗い、片付けを通して食事の大切さを学び食育につながっています。園内でできた野菜が提供され食べる楽しみにつながっています。
A12 子どもの嗜好や栄養管理に配慮し、食事をおいしく楽しく食べられるよう工夫している。 b
【コメント】
県栄養士会に作成頂いた献立にそって食事が提供されています。自分の摂取量を最初に加減するなど食事を残さない工夫がされています。毎日ではないがクリスマスや誕生会などにはカードを飾るなどの配慮がされています。今後はメニューの改善や季節行事を入れた取り組みを期待します。
(3) 日常生活等の支援
A13 衣服は清潔で、体に合い、季節に合ったものを着用し、衣習慣を習得できるよう支援している。 b
【コメント】
衣類は園から提供されたものを着衣し、子どもは毎日、洗濯を行い干す、たたむ事を行い清潔な衣類を着衣しています。靴も毎週、洗い日常生活の中で習得する支援が行われています。職員が衣類の修繕やボタン付けなどを心がけて行っていますが、簡単な所作については子どもと一緒に行い身につける支援を望みます。
A14 居室等施設全体が、子どもの居場所となるように、安全性、快適さ、あたたかさなどに配慮したものにしている。 a
【コメント】
全室個室でプライバシーが守られています。共有スペースにはテレビ、書棚、ソファーが置かれくつろげる空間が広がっています。静養室も設けられており体調に合わせて支援しています。夜間は当直者が子どもを見守り寮日誌に記載し翌朝、申し送りがされて的確な支援に繋がっています。
A15 スポーツ活動や文化活動を通して心身の育成を支援している。 a
【コメント】
男子は野球、女子はバトミントンのクラブがあり全員属しています。九州大会に参加しスポーツを通じて協調性、連帯性を学んでいます。職員も一緒に野球を行うなど協力しあう体制ができて一緒に達成感を味わう支援ができています。
(4) 健康管理
A16 医療機関と連携して一人ひとりの子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応している。 b
【コメント】
看護師の配置がないため職員が受診や服薬の対応をしています。内科、精神科、歯科の嘱託医と連携している。緊急時の対応もマニュアル化されて迅速な対応に心がけています。服薬も個別に管理されており誤薬もありません。リスクマネジメントがしっかり行われ安全に過ごせるよう支援していますが、職員間での医療や健康に関する学習機会や保健師・養護教諭との連携を望みます。
A17 身体の健康(清潔、病気等)や安全について自己管理ができるよう支援している。 b
【コメント】
規則的な生活の中で安心して生活ができることをこどもは自覚できています。布団も日曜日に干し、部屋の掃除をするなど清潔に生活することで安全に生活できることを体得しています。看護師がいないため基本的な医療の知識を学ぶ機会がなく基礎知識を学ぶ機会が望まれます。
(5) 性に関する教育
A18 性に関する教育の機会を設けている。 c
【コメント】
園の業務分掌では性教育に関する担当が配置されていますが教育の機会が設けられていません。職員の研修参加や保健師を招いて受講する事が望まれます。子どもの年齢に応じた性教育が望まれます。
(6) 行動上の問題に対しての対応
A19 施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう徹底している。 b
【コメント】
子ども同士の暴力に対し双方で話し合う場を設け職員全員で情報共有し統一した支援をしています。アンガーマネジメントの支援を行い暴力防止プログラムの活用など、子どもに対しての暴力防止に向けた支援をしています。児童相談所とも連絡を密にして支援しています。暴力やいじめについての対応マニュアルの作成を期待します。
A20 子どもの行動上の問題に適切に対応している。 b
【コメント】
緊急時のマニュアルで対応できる体制ができています。日頃から問題を抱える子どもに対しては児童相談所に相談し円滑な対応をしています。専門家を交えたケースカンファレンスを開催することで迅速な対応ができることも考えられますので開催の実現を望みます。
(7) 心理的ケア
A21 必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 b
【コメント】
職員は子どもの心理の変化について機敏に対応し日常的に支援しています。心理士は配置されていませんが職員が個別に面談するなどの支援をしています。職員がスーパービジョンを受ける環境を増やし的確な支援ができることが望まれます。必要に応じて専門機関で心理検査を受けることも望まれます。
(8) 学校教育、学習支援等
A22 施設と学校の緊密な連携のもと子どもに学校教育を保障している。 a
【コメント】
敷地内に学校と園があり職員室も同室で教職員、職員間の連携は密に図られています。教師が居室を訪問し個別指導する支援が行われています。
A23 学習環境を整備し、個々の学力等に応じた学習支援を行っている。 b
【コメント】
学習時間が決められており自室で勉強する環境が整っています。英検や漢検に取り組まれて意欲の引き出す支援がされています。学校と園との連携も密で個々に合わせた学習支援ができています。子どもの希望があれば学習ボランティアを取り入れることも学習意欲に高める支援になると思います。
A24 作業支援、職場実習や職場体験等の機会を通して自立に向けた支援に取り組んでいる。 b
【コメント】
作業を通して意欲の向上につながる支援がされています。高齢者施設や保育園に訪問する機会が設けられソーシャルスキルを学ぶ支援をしています。職場体験や職場実習の回数を増やすことでスキルの向上が望まれると思います。
A25 進路を自己決定できるよう支援している。 a
【コメント】
受験のこどもには模擬面接を実施し面接がスムーズにいく支援をしています。面接を通して進路の自己決定ができるように支援しています。学校との連携も図られています。
(9) 親子関係の再構築支援等
A26 親子関係再構築等のため、家族への支援に積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
親にも園での生活がわかるように生活のしおりが配布されこどもの生活が理解できるよう支援しています。入園前に親のアセスメントで把握し状況に合わせた親子関係の支援ができています。帰宅支援では児童相談所と連携しながら支援をしています。
(10) 通所による支援
A27 地域の子どもの通所による支援を行っている。 評価外
【コメント】
通所による支援を行っていないため非該当
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