社会的養護施設第三者評価結果 検索

石井記念有隣園

第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 養育・支援の基本方針と組織 
1 理念・基本方針
(1)理念、基本方針が確立・周知されている。 第三者
評価結果
1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 a
【コメント】
施設概要資料、事業計画、パンフレット等様々な資料の中に、法人や施設の目指す理念と基本方針が記録されています。子供や家族向けにもパンフレットや「ようこそ」に簡潔に書かれています。
2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 a
【コメント】
経営団体、施設団体の主催する研修会参加や措置機関との会議を通して求められるニーズ把握が積極的に行われています。施設の位置する広域の地域でのニーズ把握や課題把握から事業整備計画が進められています。
3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 b
【コメント】
月々に法人への業務報告や確認が行われ課題の共有がされています。事業展開に伴う人材の確保も着実に準備されており、職員動向も面接を通して確認され早目の対応が計画的にされています。法人全体や事業所の経営状況や経営課題の開示は制度改正に対応する方法の検討が期待されます。
3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 b
【コメント】
県南・県西地域の子育て支援を担うビジョンのもとに施設整備計画が中長期を視点に形作られています。法人としての問題意識とは別に経営課題や問題点が明らかになり、施設ビジョンと直結していくことを期待します。
5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 a
【コメント】
中・長期ビジョンの具体化として前回の評価以降に施設改修、乳児施設建設また児童支援センター設置計画が作られてきています。年度計画では行事計画とは別に子どもの段階に応じた支援の具体的目標、小規模ケアの推進、施設整備や地域交流があげられています。
(2) 事業計画が適切に策定されている。
6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 b
【コメント】
月々に法人への業務報告や確認が行われ職員からの意見や課題についても報告されています。職員会議、主任者会議、ケース会議等々の月々の会議を通して実施状況や進捗状況が確認されています。
7 事業計画は、子どもや保護者等に周知され、理解を促している。 c
【コメント】
年度の行事計画はパンフレットや「有隣園だより」等を通して案内されています。事業の実施についても印刷物による周知がされています。子どもたちの課題背景からくる説明のしづらさへの工夫が今後期待されます。
4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
8 養育・支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 a
【コメント】
支援計画が年度当初に作成され学期ごとに施設長、主任、担当および寮リーダーにより評価・見直しが実施されています。自己評価委員会が組織され自己評価の実施と結果について職員に示されています。
9 評価結果にもとづき施設として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 a
【コメント】
支援計画書に中途の変更や修正が記載されています。職員会議において全職員に資料配布され共有化が図られています。前回のサービス評価以降、事業所紹介DVDの作成、マニュアル整備、居室プライバシーの改善が実施されており高く評価します。
Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 a
【コメント】
年度事業計画や「有隣園だより」を通して取り組みや支援への考え方を表明し、また職員会議や主任者会議で明らかにされています。役割責任について職務分掌が明確にされており、災害等非常時の権限の分担について明確にされています。
11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 a
【コメント】
取引業者は本部により管理されており、会計担当者への指導の下もと適切に運営されています。研修等への参加は施設団体や外部研修を通して受講されており、施設整備を通して子どものプライバシー環境の改善が図られています。今後とも研修参加を通して施設長としての幅を広げられるよう期待します。
(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
12 養育・支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 a
【コメント】
年度当初に作成される支援計画を各月のケース会議や学期ごとの再評価により年間を通して、施設長が出席し記録の指導を通して課題の把握と改善が取り組まれています。施設内研修や外部研修への参加も計画的に実施されています。
13 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 b
【コメント】
着任以降、施設職員を法人本部施設へ実習派遣し、施設整備により子どもの養育支援環境を整備することで働く職員に自信がついてきていると考えられます。事業所の増加と事業展開地域の拡大により職員の意識差が生ずることも考えられるため、今後更に、意識統一への努力を期待します。
2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 b
【コメント】
法と基準に基づいた職員を確保され、本部施設での職員実習派遣も実施されています。年度後半に職員面接による意向確認が実施されることで採用が準備されています。施設整備に伴う人員の確保はできており、家庭支援、心理担当、里親支援等の職員も充実されていますが、福祉人材の確保や育成に更なる努力を期待します。
15 総合的な人事管理が行われている。 c
【コメント】
法人の理念や基本方針に期待される職員の在り方が示されています。採用基準は明らかにされておりますが、その他の人事基準には明確な指針は示されていません。総合的な人事考課は法人幹部職員への研修受講により研究されているとのことであり、法人としての人事に関する姿勢を明らかにすることを期待します。
(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 b
【コメント】
施設長との定期的な面談により動向や意欲の確認が行われており、健康診断の実施により健康の確認がされています。就労状況や有給取得の管理体制が整えられており、施設紹介のDVDも作成され施設の魅力紹介にも努力されています。
(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 c
【コメント】
職員に求める理念や職業観の明示はみられています。目標や水準、期限等は明らかにはなっていません。職員一人一人の意欲が期待する職員像と繋がり支援の質が向上することを期待します。
18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 b
【コメント】
法人及び職場としての研修計画に基づいて実施されています。職員主導により外部講師や外部施設職員に呼びかけられた専門的研修も実施されています。
19 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 a
【コメント】
新任職員へは指導担当職員を配置しOJTを実施しています。年間の研修予定を作成し復命書による報告書提出を行い指導が行われています。県外研修へは中堅職員以上が交互に参加できるように配慮されています。今後、教育研修の機会を通した知識、技術水準の期待される到達度や習熟度の検討が期待されます。
(4) 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
20 実習生等の養育・支援に関わる専門職の教育・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 b
【コメント】
実習生受け入れマニュアルの作成により、受け入れ、育成の基本的姿勢や学生支援の整備がされていますが、法人や事業所の特性に対応した専門的視点までには踏み込まれていないようです。継続的な学生支援を目指してマニュアルの見直しを期待します。
3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 b
【コメント】
広報誌、ホームページ等の媒体を通して法人全体の理念や基本方針、子どもの意見などが紹介されています。後援会や民生委員への年度事業報告書を使用して施設の事業推移等を紹介しています。事業運営については様々な媒体によって紹介されていますが、経営に関する情報は開示が少なく思われます。
22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 c
【コメント】
予算執行は会計担当職員により実施されその職務分掌を規定し、事業計画書等により周知されています。高額の資金支出は本部決済により指導されています。今後の社会福祉法人制度改正に対応する情報開示等の体制が整備されることを期待します。
4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
23 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 a
【コメント】
年度事業計画に地域とのかかわりについて明記してあります。地区子供会等の地域行事への積極的な参加と施設行事への積極的な地域への参加の働きかけが努力されています。
24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 b
【コメント】
年間を通して多くのボランティアの受け入れがされております。継続的に20年以上続くボランティア活動との交流もあります。今後も息の長い活動が続くことを期待します。
(2) 関係機関との連携が確保されている。
25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 a
【コメント】
地域全体や校区内の関係団体や施設の資料があり施設内に掲示されています。養育支援のための措置機関や学校等との定期的な会議やケース会議が開催されています。
(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
26 施設が有する機能を地域に還元している。 b
【コメント】
施設で地区子ども会とのふれあい会を開催し、また運動会をゆうりん祭に衣替えして地域の子どもだけでなくボランティアや保護者との交流が図られています。職員を対象に養育支援を目的とした専門研修を開催し近隣の児童施設職員へ紹介と参加を呼び掛けています。地域の施設等連絡会に参加することにより街づくり等の活動に貢献しています。
27 地域の福祉ニーズにもとづく公益的な事業・活動が行われている。 b
【コメント】
地域内に不足していた乳児施設の整備中であり今後の地域ニーズへ対応できる体制を整備されています。措置機関だけでなく都城市との協力でショートステイ事業も利用が始められています。中長期の施設整備によりニーズ対応が計画されている点は評価します。
Ⅲ 適切な養育・支援の実施
1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
28 子どもを尊重した養育・支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 a
【コメント】
4月に事業計画の冊子が配布され、すべての職員への周知が図られています。子どもの養育・支援実施において標準的な実施方法がまとめられており、各寮ごとにリーダーが配置。そのリーダーを中心とした支援方法や子ども達への人権についての配慮等について話し合いも行われており子どもの尊重については、施設内での共通理解を図る取り組みがされています。
29 子どものプライバシー保護等の権利擁護に配慮した養育・支援の実施が行われている。 a
【コメント】
施設内も小規模の取り組みがなされており、3年前の調査に比べると格段に子どもたちのプライバシーを守るための取り組みが進んでいることを実感しました。中高生においては個室が準備されており、小学生においても一部屋の人数も2名から4名と少人数制がとられていることを確認しました。積極的に改革されている点は評価できます。
(2) 養育・支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
30 子どもや保護者等に対して養育・支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 a
【コメント】
施設の特性を等を紹介したDVDを作成。入園者や来園者等に紹介して、必要な情報を積極的に提供しています。入所に予定の子ども達や保護者にも個別に丁寧な説明はもちろん、園での様子をお便り(カラーの写真入り)で伝えるなどの取り組みもされています。中高生に入所説明の際に使われる、「よおこそ」の「今日から有隣園の仲間にな○○さんへ」の文章の中の一節について、今後多くの方々が理解されるよう検討を望みます。
31 養育・支援の開始・過程において子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 b
【コメント】
養育・支援に関する説明と同意は年間目標を4月にたて、毎月1回子どもを交えての反省会を行い、その際に同意を得ています。保護者からの同意については親が納得しないで入所に至ったケースにおいては時間をかけて、繰り返し説明したり、口頭での説明を行うなどの取り組みをされています。
32 措置変更や地域・家庭への移行等にあたり養育・支援の継続性に配慮した対応を行っている。 b
【コメント】
養育・支援の内容の変更においては児童家庭支援員と担当者が中心となり、不利益が生じないように聞き取りや引継ぎを確実に行っています。他施設への移行はほとんどありませんが、その際は別紙にて資料を作成し渡しています。ただ家庭や里親には口頭でのやり取りが主になっています。これからはうまく家庭や里親等にておいても引継ぎ文書等の整備が求められます。
今後は家庭支援センターを設置予定で退所後の相談やフォローアップ等も充実していく予定とのことに期待します。
(3) 子どもの満足の向上に努めている。 第三者
評価結果
33 子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 b
【コメント】
子どもの満足に関する調査を年1回実施。また個別に園長が面談を行い「今困っていること」などを聞く機会をもうけています。子ども会も月1回行われており、子ども同士で今月の目標を決めたりその反省を行う等、子ども同士で施設で暮らすうえでの改善案を出すなどの会も見られています。その場で出た意見は園長へ報告され決済が必要なものは協議へとかけられる仕組みになっている点は評価できます。
(4) 子どもが意見等を述べやすい体制が確保されている。
34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 b
【コメント】
意見箱の設置があり苦情受付もあります。個別に対応したり、スタッフからの話を聞いたりと取り組みはされていますが、苦情解決状況の公表まで至ってませんので有隣園だよりに一文載せることをお勧めします。
35 子どもが相談や意見を述べやすい環境を整備し、子ども等に周知している。 a
【コメント】
少人数制を少しずつ導入されており、また当直職員を増やすなど手厚い支援を行えるよう整備が進んでいます。そのため、職員は子どもたちの表情などでも変化を察しやすくなっています。また子ども達に支援者がお姉ちゃん、お兄ちゃんなどと親しみやすく呼びかけられる環境も整っています。
36 子どもからの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 b
【コメント】
相談や意見については、相談を受けた担当職員が日誌に記載、翌日朝礼及び終礼等において話し、職員が周知できる体制がとられています。その後主任者会議を経て園長とともに相談・意見においては協議する流れができています。園として認められないことなどについてはその結果などは報告されています。今後は対応についてはマニュアル化され、定期的な見直しを期待します。
(5) 安心・安全な養育・支援の実施のための組織的な取組が行われている。 第三者
評価結果
37 安心・安全な養育・支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 a
【コメント】
ヒヤリハット報告や安全確保・事故防止に関する研修を行うなど積極的に取り組まれています。安全管理委員会も設置され、警察と連携して不審者対応訓練も実施するなどリスクマネジメント体制がとられており評価できます。
38 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 a
【コメント】
感染症の予防と対応マニュアル等も整備し、職員に周知徹底できるよう、職員会議に栄養士・調理師も参加し予防等に関して話す機会も設定され周知等の取り組みがされています。また調査当日も感染症発症の子どもさんは部屋を別にして感染防止に取り組まれています。
39 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 a
【コメント】
災害時における対応体制も図られており、スタッフが住み込みの為、素早く対応でき、また通いのスタッフとも連絡が取れるようにしてあります。訓練においては時間や曜日等変えていろんな場合に対応できるよう訓練されています。また地域の方々と日頃から連携を図るなどの取り組みがされています。
2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
40 養育・支援について標準的な実施方法が文書化され養育・支援が実施されている。 a
【コメント】
標準的な実施方法においては年齢に合わせて書かれており、周知においてはケース会議にて話し合ったり、各寮で行われている月2回の寮会の場においても話し合われています。また評価記録において年3回評価する機会があり、その都度確認をとる方法をとられています。
41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 b
【コメント】
自立支援計画作成を4月から5月にかけて行うので年度末には評価および見直しを行っています。ただし標準的な実施方法においては毎年見直しているとは言えず、不定期に行っているとのことでしたが、その記録が見当たりませんでした。議事録等を整備されることを推奨します。
(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 b
【コメント】
自立支援計画に基づいて、振り返りを子どもとともに行っています。この振り返りをもとに次の計画を担当者とリーダーによってたてられていました。その際の子どもからの聞き取りの為のアセスメントシートなどが準備されていませんでした。また自立支援計画に子どもの具体的なニーズの記入が見られませんでしたので、改善を希望します。子ども達のニーズ(楽しいものがあってもいいのでは)に沿える自立支援計画を希望します。
43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 a
【コメント】
自立支援個別年間計画を計画評価観点一覧に基づき、評価が行われており、年齢に合わせた発達状態も示した標準化された観点に照らし合わせながら、個別に評価・見直しが行われています。年3回に分けて子どもからの振り返りも含めての評価がされていました。
(3) 養育・支援の実施の記録が適切に行われている。
44 子どもに関する養育・支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化さている。 a
【コメント】
毎日の観察記録→月間記録ケース→個人台帳と細やかに記載されています。記録物に関しては必ずリーダーがチェックし情報の流れもまず各寮にて、リーダーに、主任に、園長にと流れが明確で、情報共有は会議や朝礼・終礼などで行われています。記録物は紙媒体にて、回覧等で情報を共有する仕組みがとられています。
45 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 a
【コメント】
個人情報の取扱いにおいては明記されています。記録の管理において電子データーによる管理については不明な点があり、取り扱いや情報漏えい対策においても早急に検討されることを望みます。

内容評価基準(41項目)A-1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
A1 社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 a
【コメント】
職員間においての十分な話し合い(コミュニケーション)が寝食を共にする中で行われており、日々の報告は朝礼でされており、寮日誌においては毎日園長が目を通し、コメントを書き込まれるなど細やかな伝達が行われているところは評価できます。
A2 子どもの発達段階に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせている。 b
【コメント】
ライフストーリーについての学習会を行うなど職員間でも意識の共有を図っている段階です。家庭により伝えられる部分だったり伝えられない部分だったりするので、伝えるタイミング及び内容などは家庭支援専門員、担当職員、主任、園長を交えて事前会議を行い時期を見て取り組まれています。
(2) 権利についての説明
A3 子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 b
【コメント】
各寮において、4月の年度替わりの時期に権利ノートの読み合わせを行い意味を伝えたり、職員間では年2回権利に関する勉強会を行っています。子ども同士のトラブルがある度に支援しており、難しい場合にはセカンドステップとして心理士に入ってもらい専門的にかかわりを持てるように取り組みがされています。年齢が幅広いので、そのすべての子ども達に伝わるのは難しいと思いますが努力をし続けていただきたいと思います。
(3) 他者の尊重
A4 様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援している。 b
【コメント】
寝食を共にされているので、職員と子どもとが個別的に触れ合う機会は多いと思いますが、支援者側に立つと十分にできていないという思いがあるようです。きめ細やかに行いたい、これでよかったかのかというジレンマも感じつつも、その場に応じた取り組みがされています。喧嘩など子ども間のトラブルはまずは自分たちで解決できるよう見守りつつ、困難な時に手助けするという取り組みをされています。
(4) 被措置児童等虐待対応
A5 いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 a
【コメント】
体罰禁止や虐待についての研修等にも参加されています。スタッフの呼び名も「先生」ではなく、「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」としてあり、高圧的ではないように工夫されています。職員会議等においても周知をはかれれています。
A6 子どもに対する不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 b
【コメント】
子ども達からのヒアリングによると不適切なかかわりについての報告はありませんでした。こどもたちからは好意的な意見が多く聞かれています。
 子どもが自分自身を守るための知識、具体的方法については「生きる力」として心理士が各寮において自分を知る、自分を守る=権利擁護についての話を行う取り組みをしている点は評価できます。
A7 被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 b
【コメント】
意見箱を各寮に設置しており、その意見箱を開けることができ内容を確認できるのは園長だけと決められており、子ども達の意見の吸い上げや不愉快な思いをした時などは伝えられるように取り組まれていますが、届け出、通告についての掲示物は見当たりませんでした。
(5) 思想や信教の自由の保障
A8 子どもや保護者等の思想や信教の自由を保障している。 a
【コメント】
子どもからの申し入れがあれば拒まないという程度ではありますが、保護者等の思想や信教により子どもの権利が損なわれないように、特に規制や強要することなく配慮されています。
(6) こどもの意向や主体性への配慮
A9 子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理解し受けとめ、不安の解消を図っている。 a
【コメント】
各寮において小人数で生活しているので、先に入所している子ども達が特に気遣って面倒を見てくれたりお世話をしてくれることで、不安も少なく移行できています。また入所して不安定な時期は添い寝をしたり、常に見守っている事を知らせるなどの個別の対応をされています。
A10 職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考え、生活改善に向けて積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
寮のルールなど生活改善に向けた取り組みを職員と子どもが共に考え協議する機会を設けてあり、子ども達からの意見や協議内容は園長に伝えられる仕組みが出来ています。納得いかない回答だったりする場合には子どもたちが直接園長に話を聞きに行くなど意見の言いやすい環境が工夫されています。
(7) 主体性、自律性を尊重した日常生活
A11 日々の暮らしや、余暇の過ごし方など健全な生活のあり方について、子ども自身が主体的に考え生活できるよう支援している。 a
【コメント】
各寮に新聞が配布されていたり、見たいテレビなどは録画して見られるように配慮されています。またゲーム機の使用に関しては土日限定で使用を許可するなどの取り組みがされています。地域の活動に参加意志があった場合には内容によっては拒むこともありますが、基本的には外出に関しては外出簿記載により記載のみで可能としています。年齢にもよりますが担当者が一緒に地域の活動に参加することで許可するなど配慮されています。また子どもが主体的に生活に関わるように、掃除・配膳・中高生に至っては洗濯も自分で行うなど支援されています。
A12 子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援している。 a
【コメント】
金銭管理においては小遣い帳を活用しつつ自己管理できるよう支援がされています。また自分の好みのシャンプーやリンスを購入したり、柔軟剤にもこだわる男児もいるなど自分の欲しいものは一人で買い物をさせたり、衣服に関しては年2回購入があり、子どもの好みのものを購入できるよう配慮されています。自立を控えた子どもに対しては、親子訓練室にて簡単な調理を行ったり生活するうえでの必要なことを話したり体験させたりという取り組みもされています。反対に施設での生活が長くなると自分のお金を使わなくとも生活できてしまうので、経験を損なてしまっている点も気づかれています。
(8) 継続性とアフターケア
A13 家庭復帰にあたって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう復帰後の支援を行っている。 b
【コメント】
家庭復帰においては家庭支援専門員が中心となって行うべきですが、今年より着任の為、まだ復帰支援においては家庭訪問したり、一時里親体験などの為のマッチング等で終わっています。年度末に節目(小学入学・中学進学・高校進学)に合わせて家庭復帰を目指しています。家庭復帰後の子どもや保護者等の状況についての記録は未整備で家庭復帰への取り組みが十分とは言えませんが、退所した(成人期を迎えた)子ども達とは連絡を取り合うなど退所後のフォローアップにも努めている様子には評価します。個人的な取り組みになっているので園としての取り組みを期待します。
A14 できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用して継続して支援している。 b
【コメント】
高校中退に伴い園を退所せざるえなくなってしまった子どもには担当者だった職員が定期定に連絡を取ったり、後見人を付けることで退所後の生活の見守りができるよう支援を行っています。未成年後見人を付けるなど積極的な取り組みは高く評価します。不安定な生活が予想される場合は住み込みの寮が完備されている就職先を探したり、生活費2か月分ほどは残せるよう入所しているときから預金するなどの取り組みはされています。
A15 子どもが安定した社会生活を送ることができるようリービングケアと退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 b
【コメント】
退所後のケアにおいては未整備な点も多く、また個別の職員が担当している等、園としての取り組みは薄く、個人の力量に寄るところが大きいようであり、早急に退所後のリービングケアや記録の整備等を進めることを期待します。退所者が集まったり、そこに職員が個人的に招かれる事もありますが、人とのつながりが図れている点は評価します。
A-2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の基本 第三者
評価結果
A16 子どもを理解し、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止めている。 a
【コメント】
受容的・指示的な態度で寄り添い、課題や生育歴を確認し心に何が起こっているのか、被虐待体験や分離体験などによる問題点を理解して職員間で共有ができています。
職員に対してどのように子ども達が思っているのか、信頼関係はあるか確認していく必要がありますのでアンケートをとり、結果を職員と共有していくことを期待します。
A17 基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 a
【コメント】
毎月1回子ども達で意見を出し合い要望として上がってくる内容を確認するなど子ども達の基本的欲求も職員が把握しています。
土・日の午後から外出もでき中高生の日課も生活の範囲内で意見を尊重して対応できています。
担当職員が子ども達と毎月1回は個別的に面談や触れ合う時間があり、買い物に一緒で出かけたり一緒に遊んだりする時間が作れています。
夜間は大人の存在を感じられるように宿直室の入り口を開けて待機するなど工夫されています。
A18 子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 a
【コメント】
子どもができる事は見守ったり声かけをしていますが、学校の準備ができない子どもには職員が準備を手伝っています。
子どもの力を信じて必要以上な指示は出さず見守りをしており、できるだけ励ますことを意識して対応できています。
問題が発生した際は学校とも連携して解決できるようにフォローしています。
朝・夕など子どものいる時間帯は職員が多く配置され十分な支援が行える体制ができています。
A19 発達段階に応じた学びや遊びの場を保障している。 b
【コメント】
子ども達の学びや流行りの遊びに関して学校と連絡を取り把握して可能な限り応えています。
保護者の希望があれば幼稚園に就園する子どももおり発育段階に応じた学びや遊びをおこなえています。また民生委員による読み聞かせや学習ボランティア等の資源も活用されています。
施設内保育は年齢・発達状況に応じたプログラムはなく担当職員が遊びの内容を決めている為、プログラムを作成し発達状況に応じた対応がなされることを期待します。
A20 秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 b
【コメント】
施設生活・社会生活のルールが記載された冊子が準備され朝礼や終礼で子ども達へ説明しています。また小学校低学年の子ども達でも解りやすく見やすい内容で掲示されています。
地区の運動会、映画鑑賞、外食する機会を作り社会的ルールを習得する機会も設けてあります。
職員の振る舞いや態度など模範となるように心がけているようですが、行動が伴わない面があるようですので模範となる態度や行動を全職員が習得できるよう期待します。
(2) 食生活
A21 食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫している。 a
【コメント】
部活動で帰りが遅くなる子ども達の食事は冷蔵庫で保管し帰宅後に温めて食べられるように電子レンジが準備されています。
食事は食堂に集まり職員も一緒に食べながら明るい雰囲気で、食後の掃除は職員が行い清潔感が保てています。
外食体験や来客者と一緒に食事を摂るなど食事を楽しむ機会も設けてあります。
A22 子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供している。 a
【コメント】
食事は年齢に合わせたカロリー計算がされて提供されています。また残食を毎日チェック、嗜好調査、障害や疾病、アレルギーのある子どもに対しても配慮した食事が提供されています。
毎月1回給食運営委員会が開催されており、子ども達へ嗜好アンケートを行った結果をもとに栄養面など勘案して献立についても振り返る機会が作られています。
A23 子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進している。 b
【コメント】
生きる教育プログラムの一環として不定期ですが栄養士が食習慣の把握をおこなっています。献立は毎食ホワイトボードに張り付けて子ども達がいつでも確認できるようにしてあります。
買い物の手伝や材料選びをする機会が少ないようです。買い物での食材選びは子ども達の自立にも繋がりますので計画していくことを期待します。
郷土料理や季節料理の提供や偏食への指導はされていますが、食品分類やおやつの摂り方、栄養についての正しい知識は指導されていませんので子どもと達が解りやすい方法で指導されるように期待します。
(3) 衣生活
A24 衣類が十分に確保され、子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 a
【コメント】
洋服や靴は清潔が保てており体形や季節にあった物、TPOに合わせた服装ができるように準備されています。
小学校低学年は職員が洗濯をして乾いた洋服はたたみ、整理は子ども達がおこない、小学校高学年・中高生は自分たちで洗濯から整理までおこなっています。
洗濯や補修等衣類の管理は子どもの見える所で行っており、衣類を通じて自己表現もできるように支援されています。
子ども達に好みの服を確認して購入しており、時には一緒にお店に行き選ぶこともしています。
(4) 住生活
A25 居室等施設全体がきれいに整美されている。 a
【コメント】
樹木や草花も植栽され庭もていれされ、室内も明るく子ども達が書いた絵など飾られ温もりのある環境になっています。共有スペースも清潔感が保てており家庭的な雰囲気になっています。
トイレ・洗面所は性別や年齢で分けてあり、各部屋、食堂も冷暖房が整備されています。
設備や家具什器は汚れたり破損した際は必要に応じて修繕がされています。
1日2回掃除をし、子ども達に習慣がつくようにしており、同時に整理整頓も行っています。
A26 子ども一人ひとりの居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにしている。 a
【コメント】
少人数にて養育が行えており談話室には子ども達が集まり過ごしています。
中高生に関しては小規模ホームで男性はカーテン・女性は個室となっており個人の空間が確保できていました。
年少児の居室は目の届きやすい場所にあり職員が対応しやすいように配慮されています。
(5) 健康と安全
A27 発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援している。 a
【コメント】
身体の健康については勤務職員が確認しています。手洗いやうがい、排泄後の後始末や入浴の支援もしており入浴は必要に応じて男性職員が一緒に入り確認することもあります。
小学校低学年は職員が身だしなみや耳掃除を支援をしています。理美容も定期的にボランティアの方が散髪したり、身だしなみが気になる中高生は美容室へいっています。
天気のいい日は寝具を日光消毒し衛生管理できるように支援しています。夜尿のある子どもに対しても自尊心を傷つけないように配慮されています。
A28 医療機関と連携して一人ひとりの子どもに対する心身の健康を管理するとともに、必要がある場合は適切に対応している。 b
【コメント】
毎朝・夕の2回身体検査や健康状態の確認がおこなわれ健康管理されています。
協力医と連携をとりながら配慮が必要な子どもに関しては連絡して指示をもらう体制ができており、服薬などの管理は各担当者がおこなっています。
医療や健康に関して学習する機会が少ないようです。子ども達の健康管理を行う上で必要ですので学習会の企画や研修会へ参加し知識を深めていくことを期待します。
(6) 性に関する教育
A29 子どもの年齢・発達段階に応じて、他者の性を尊重する心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 a
【コメント】
性について中高生には説明をしています。
年齢や発達に応じたプログラムもあり性に対する質問や疑問にも答えて正しい知識や関心が持てるようにしています。
不定期ではあるが保健師を招き学習会が実施されています。
(7) 自己領域の確保
A30 でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とするようにしている。 a
【コメント】
日用品など名前を記入して個人所有とするようにされています。
個人の物が管理できるように棚が整備されており紛失防止のため片付けを職員が指導したり、一緒におこなっています。
字を読めない子どもに関してはワッペンやイラストマークを使用し所有物がわかるように工夫されています。
A31 成長の記録(アルバム等)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにしている。 b
【コメント】
子ども達一人ひとりにアルバムが準備され成長の記録として整理されています。
成長過程に合わせ写真を撮り子どもと職員が一緒に確認しながら整理しており、子ども達が退所する際はアルバムは渡しています。
アルバムは職員管理となっており自由に見ることができませんが、子どもの成長に合わせ個人で管理できる機会がつくれるように期待します。
(8) 行動上の問題及び問題状況への対応
A32 子どもの暴力・不適応行動などの行動上の問題に対して、適切に対応している。 b
【コメント】
子どもが問題を起こした時は職員が原因確認をおこない、良いこと・悪いことを指導して対応については施設で検討されています。
人格を否定せず職員は一貫した対応をとり施設全体で立ち直るまで努力をしています。また、児童相談所や医療機関、警察とも連携を図り事態改善に努めています。
施設が癒しの場になるように配慮され周囲の子どもの安全もはかられ、行動上の問題がある子どもを指導した後に施設が癒しの場になっているか悩まれている職員もいます。
A33 施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 a
【コメント】
年度初めに子ども達と読み合わせをしたり権利ノートで説明されています。また年1回人権に関する標語を募り優秀な作品は表彰しています。
問題が生じた際の対応として事務職員のヘルプがもらえるなど職員の配置や勤務形態の工夫がなされています。
生活グループの構成は相性やその子の行動で振り分けてあります。
入所間もない子どもに対しては特に意識して対応しており、配慮が必要な子どもに関しては個別対応もおこなっています。
子ども間の暴力やいじめが発覚した際は園長へ報告して早期対応できる体制ができています。
A34 虐待を受けた子ども等、保護者等からの強引な引取りの可能性がある場合、子どもの安全が確保されるよう努めている。 a
【コメント】
強引な引き取りや引き取りの可否等について職員間で周知徹底されています。児童相談所や警察とも連携を密に行い緊急時の協力依頼や判断が不統一にならないように気を付けており、他の子どもへの安全も配慮されています。
(9) 心理的ケア
A35 心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 b
【コメント】
心理的な支援が必要な子どもへは、自立支援計画に基づいて心理支援プログラムが作成されています。
毎月1回は面談も行われています。また施設全体で有効に取り組まれるように毎月開催されるケース会議で報告をおこなわれています。
対象となる子どもの保護者には家庭支援専門相談員が児童相談所と連携して助言や援助、普段の過ごし方の報告がおこなわれています。
心理士が配置されており必要に応じて職員研修の開催や直接的支援を受ける体制ができていますが、心理療法室はなく直接支援は親子訓練室を使用されていますので心理療法を落ち着いた環境で行えるように心理療法室の設置に期待します。
(10) 学習・進学支援、進路支援等
A36 学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 a
【コメント】
学習室で学習したり、自室に個別スペースや机も用意され落ち着いて勉強できる環境が整っています。
学校教諭とも忘れ物や未提出の宿題・書類がないか連絡帳を使い情報の共有ができています。また子ども一人ひとりの学力も職員は把握しています。
希望する子どもには保護者に相談して塾に行ったり、学習ボランティアを活用しています。
障害を持つ子に対しても特別支援学級や特別支援学校への通級支援も行われています。
A37 「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 b
【コメント】
進路は子どもと相談しながら、判断材料となる資料や奨学金の資料を取り寄せて進路選択を自己決定できるように話し合っています。
進路選択に当たっては、保護者、学校、児童相談所等と連携をとり十分な意見を聞いて支援をおこなわれています。
進路決定後、失敗した後のフォローアップ体制はなく、就労しながら施設入所の継続はされていません。在園児の受ける影響も考慮しながら、十分な社会経験を積める支援体制を期待します。
A38 職場実習や職場体験、アルバイト等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 c
【コメント】
実習や職場体験は通学している学校で行っているため施設としては取り組まれていません。施設としても社会のルールや自己責任、金銭管理や生活面のスキル、メンタル面など子どもの自立支援に向けて取り組まれることを期待します。
アルバイトは子どもが自分で探して施設へ相談してから面接を受ける体制となっています。
(11) 施設と家族との信頼関係づくり
A39 施設は家族との信頼関係づくりに取り組み、家族からの相談に応じる体制を確立している。 a
【コメント】
家庭支援専門相談員が配置されており、施設の相談窓口や支援方針などパンフレットや資料で保護者に説明されています。
子どもと家族の継続的な関係づくりにも取り組まれており、一時帰宅や外出をした子どもの様子を観察、聞き取りをして不適切な関わりがなかったかを確認しています。
学校や地域・施設の行事などその都度保護者へ案内をしています。
(12) 親子関係の再構築支援
A40 親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
家庭支援専門相談員が中心となり保護者や関係機関と連携をして改善ポイントを把握しています。
支援方針を明確にして施設全体で共有され、保護者と定期的に面談をして関係の継続や修復・養育に関するアドバイスがおこなわれています。
関係機関とは密接に協議や連携も図り保護者への支援もおこなわれています。
(13) スーパービジョン体制
A41 スーパービジョンの体制を確立し、職員の専門性や施設の組織力の向上に取り組んでいる。 b
【コメント】
職員同士で支援内容の助言や話し合いをおこなう時間を設けており支援向上が図れるような取り組みがされています。
スーパービジョンの体制はできていますが、現在のところバイザーが園長1人です。いつでも職員が相談できる体制ができていません。職員が問題を1人で抱え込まないようにバイザーとなる職員の配置や経験豊富な職員をスーパーバイザー研修に参加できる組織体制が必要と思われます。
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