社会的養護施設第三者評価結果 検索

鐘ヶ浜学園

第三者評価結果詳細
1 養育・支援
(1)養育・支援の基本 第三者
評価結果
子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止め、子どもを理解している。 b
基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 b
子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 b
発達段階に応じた学びや遊びの場を保障している。 b
秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
自治会、アンケート、意見箱等での子どもの意見は分かりやすく図形にして掲示してあり、子どもの意見を尊重した支援がされています。居室に勉強机がなく、学習は空いた部屋でされています。まとめて支援できる利点はありますが、学習室らしい雰囲気にする工夫が求められます。
 年齢に応じた玩具、図書、遊具が十分に揃っていませんので、フリーマーケットや寄附等を利用して揃える工夫が望まれます。ボランティアは週2回学習支援、遊びの支援もされています。
 小学生も中学生も一緒に仲良く遊んでいる姿はとても好感がもてます。
(2)食生活 第三者
評価結果
食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫している。 b
子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供している。 a
子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進している。 b
(3)衣生活
衣服は清潔で、体に合い、季節に合ったものを提供している。 b
子どもの衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 a
(4)住生活
居室等施設全体がきれいに整美されている。 b
子ども一人一人の居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにしている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 子どもの年齢に応じたカロリー、嗜好、食習慣等配慮されており、好きな食べ物、嫌いで残した物なども記録されています。おやつも手作りで提供されていて、家庭的雰囲気が感じられます。
 衣服は毎日洗濯、季節に合ったものが提供されています。部屋に収納スペースが少ないようですので、工夫しての整理整頓が望まれます。
 また、洗濯済みの衣類が廊下に置いてありましたが、衛生面の観点から今後の工夫が望まれます。
 施設全体に花や絵がなく、暖かさが不足しているように感じられますので、テラスや空いたスペース等を利用し、ボランティアや地域の高齢者等に協力を仰ぎ、子ども達と一緒に花を育てる活動を期待します。
 夜間は職員2人で、2階が手薄になり、死角になる部屋、暗い、トイレが遠いという不安があるようですので今後の取り組みに期待します。
(5) 健康と安全 第三者
評価結果
発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援している。 b
医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応している。 a
(6) 性に関する教育
子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 健康診断は、インフルエンザ予防接種を兼ねて年2回実施されています。子ども達の健康状態は記録簿にて把握されています。異常がある場合は速やかに病院で受診しています。
 性教育は昨年より施設独自で作ったプログラム(教本)により、年齢別に実施されており、職員は成果が上がっていると実感しています。今後は外部の専門職から職員も子どもも学習することにより、より充実したものになっていくことを期待します。
(7) 自己領域の確保 第三者
評価結果
でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とするようにしている。 b
成長の記録(アルバム)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにしている。 b
(8)主体性、自律性を尊重した日常生活
日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援している a
主体的に余暇を過ごすことができるよう支援している。 b
子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 衣服、日用品等個人所有で子どもの嗜好をできる限り尊重しています。子どもの金銭管理は、こづかいの使い方、こづかい帳のつけ方など適切に支援されています。
 成長の記録(アルバム)は、個人別に記録されていますが、整理、管理が不十分であり、職員によってはばらつきがみられますので、今後は統一された取組を期待します。
 月1回の自治会で子どもの意見を聞き、行事の企画や参加等に活かされています。夏休み、冬休みの期間は球技大会、ハイキング、買い物等の行事が組まれています。子ども達は楽しみにしていますが、職員さんの苦労が伺えました。
(9) 学習・進学支援、進路支援等 第三者
評価結果
学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 b
「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 a
職場実習や職場体験等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 c
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 学習支援はボランティアの協力も得て行われていますが、学習に適した環境を整えることが望まれます。進学は保護者とも面談し、子どもに自己決定させています。
 現場実習は、学校のプログラムのみで、施設独自の取り組みはされていません。アルバイトを実習の代わりにしたいが禁止であり、アルバイト先も近くにはありませんが、施設独自の取り組みを今後は期待します。
(10) 行動上の問題及び問題状況への対応 第三者
評価結果
子どもが暴力・不適応行動などの問題行動をとった場合に、行動上の問題及び問題状況に適切に対応している。 b
施設内で子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 b
虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努めている。 b
(11) 心理的ケア
心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 問題行動は個人別に詳しく記録され、職員が把握しており、関係機関とも連携しています。
 虐待を受けた子ども等が、施設内で安全が確保されるためのマニュアルを整備することが望まれます
 心理ケアは、セラピストが常勤となったため、適切に支援されています。今後は、職員に対しての研修も積極的に行われるように期待します。
(12) 養育の継続性とアフターケア 第三者
評価結果
措置変更又は受入れに当たり継続性に配慮した対応を行っている。 b
家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行っている。 a
できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用して継続して支援している。 b
子どもが安定した社会生活を送ることができるよう退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 家庭支援専門相談員(FSW)を中心としたアフターケアに努めています。
 退所した児童の情報は共有化されておらず支援は十分とはいえません。気軽に集まれる場を提供する等の取り組みを今後は期待します。
2 家族への支援
(1) 家族とのつながり  第三者
評価結果
児童相談所や家族の住む市町村と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行っている。 a
子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行っている。 a
(2) 家族に対する支援
親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 FSWが中心になり、家族との関係の支援が十分になされていると評価できます。
 面会、外出、一時帰宅など積極的に行われており、関係づくりに努められています。
 親子生活訓練室の活用がなされるよう期待します。
3 自立支援計画、記録
(1) アセスメントの実施と自立支援計画の策定  第三者
評価結果
子どもの心身の状況や、生活状況を把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示している。 b
アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させている。 b
自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施している。 c
(2) 子どもの養育・支援に関する適切な記録 
子ども一人一人の養育・支援の実施状況を適切に記録している。 b
子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行っている。 b
子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行っている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 自立支援計画は年3回見直しています。緊急な場合の見直しが不十分で、記録方法や評価のマニュアルがあると今後は統一された支援ができるものと期待します。
 記録の提出の徹底が不十分で職員間に差がみられますので今後の取り組みを期待します。
4 権利擁護
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
子どもを尊重した養育・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行っている。 b
社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 b
子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせている。 a
子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行っている。 c
子どもや保護者の思想や信教の自由を保障している。 a
(2) 子どもの意向への配慮  
子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、養育・支援の内容の改善に向けた取組を行っている。 b
職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考え、生活改善に向けて積極的に取り組む。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 子供の権利擁護については、「施設支援指針」の中で明確に規定されています。しかし、職員の自己評価の中には、それが定着するための研修が不十分との指摘があり、そうした積極的な意見を大切にして「指針」の中身を具体的な支援に生かせるものにしていただくよう期待します。
 「常に子どもの利益を考慮し真摯に向き合う」姿勢で支援が行われていますが、児童養護施設職員として求められる専門的な能力・技術を獲得するためのスーパービジョンが職員の年齢構成のばらつきもあり、不十分なようです。職員の皆さんが自信を持って支援に当たれるよう体制整備が求められていように思われます。
 施設の方針として、「子供の出生や生い立ち、家族の状況」について、十分な配慮の下「基本的に15歳になったら、すべて話していく」取組が行われています。
 居室への立ち入りや手紙の開封等への配慮は行われていますが、具体的なマニュアルの不足を多くの職員が指摘されています。県児童福祉施設協議会で作成されている標準マニュアルを基に、鐘ヶ浜学園にふさわしいものが早急に完成されることが望まれます。
 施設全体として、信教の自由についての共通した認識が確保されています。
 子供の意向については、年3回実施して第三者委員会への報告、対応についての掲示も行われており、夜の集いでの毎日の聞き取りも行われています。ただ、毎月1回の自治会において、上がってきた要望について子供と一緒にその適否を検討するまでには至っておらず、「職員会で検討して、子供たちに報告する」にとどまっています。子供との関係については、アンケート結果を見ても良好な様子が十分に窺えます。
(3) 入所時の説明等 第三者
評価結果
子どもや保護者等に対して、養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報の提供を行っている。 b
入所時に、施設で定めた様式に基づき養育・支援の内容や施設での約束ごとについて子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 b
子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理解し受けとめ、不安の解消を図っている。 b
(4) 権利についての説明 
子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 b
(5) 子どもが意見や苦情を述べやすい環境 
子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行っている。 b
苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させている。 b
子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応している。 b
(6) 被措置児童等虐待対応
いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 c
子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 b
被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 c
(7) 他者の尊重
様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 子どもや保護者には、「施設紹介パンフレット」が提供されていますが、写真やイラストの使用等に、もう少し工夫が必要と思われます。
 県が作成した「子どもの権利ノート」や園独自の「入所のしおり」に基づいて、子どもや保護者への説明が行われていますが、マニュアルを活用するとともに、分かりやすさについてはもう少し工夫が必要と思われます。
 アドミッションケアについては、子どもが置かれていた環境等を考慮して、事前にしっかりと協議を行っておく必要がありますが、現実的には、急な受け入れや、ショートの予定が長期に変更になって戸惑うケースもあるようです。児相との密接な連携による情報提供を受けて、受け入れがスムーズにいくよう取り組む必要があると思われます。
 入所前に児相の方で「子どもの権利ノート」についての説明があったりしており、さらに入所後にも権利についての説明が取り組まれていますが、入所前の環境により、子どもたちが素直に受け入れ伝わっているかどうかわからないという声も見受けられます。組織としての取り組みにもう少し工夫が必要と思われます。
 学園では、県内でもいち早く常勤の心理士を配置し、専門的な対応が可能な体制の整備が行われています。ただ、子どもたちに対して、相談方法等についての分かりやすい文書の作成・配布・掲示が不十分なようです。
 苦情解決のための第三者委員会は年3回定期的に開催されています。ただ、委員会で取り上げるべき苦情そのものが上がってくるための工夫が不十分なようです。
子ども等からの意見や苦情に対する対応マニュアルを早期に整備する必要があります。
 体罰は絶対にいけないとの認識については共有されていますが、個々の具体的な場面における対応が適切かどうかについての確認が不十分なようです。
 組織としては、「暴力によらない躾(コモンセンス・ペアレンティング)」についての研修会が、年間24回の職員会議後の研修のうちの6回を占め、常勤の心理士を核としたこうした取り組みの成果に期待が持てます。
 施設内での虐待発生に対する対応については、児童養護施設の倫理綱領の配布・説明が行われていますが、きちんと理解されているかどうかは、日常の行動で判断することが求められます。きちんと対応するためのマニュアルを整備する等、迅速に対応できるように体制を整える必要があります。
 他者の尊重については、まず交流を深めることが必要ですが、高齢者や地域の学校、施設との取り組み等の工夫が不十分なようです。一方、常勤の心理士によるこの1年間の取り組みを活かして、子どもたちの豊かな心を育んでいかれることを期待しています。
5 事故防止と安全対策
第三者
評価結果
事故、感染症の発生時など緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させている。 c
災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行っている。 b
子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためにリスクを把握し対策を実施している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 火災、地震、津波等に対する避難訓練はよく実施されており、地域の関係機関との連携もよくとれています。組織的な取り組みが不十分との反省のもとに、より組織的な取り組みが始まったばかりで、想定されるリスクの種別に対応したマニュアルと体制構築にむけて、宮崎県児童養護施設協議会より出されたものを参考にしながら、現在は施設版を作成中とのことです。組織図や役割分担などより明確に掲示していくなどの取り組みを今後は期待します。
6 関係機関連携・地域支援
(1) 関係機関等の連携  第三者
評価結果
施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有している。 b
児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な取組や事例検討を行っている。 a
幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校など子どもが通う学校と連携を密にしている。 a
(2) 地域との交流  
子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行っている。 b
施設が有する機能を地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。 c
ボランティア受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備している。 a
(3) 地域支援 
地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を積極的に行っている。 c
地域の福祉ニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行っている。 c
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 児童相談所等の関係機関の連絡会や研修会などの出席をよくされています。学校については道路向かいが小中一貫校ということもあり、施設との定例会も充実した取り組みがみられます。
スポーツ少年団のサッカーの監督を施設職員が引き受けており、人材も社会資源のひとつとして捉えての地域貢献がなされています。
 地域との交流は昔からよく取り組まれており、施設長さんも地域の役員をされたりと、福祉施設の役割などを地域の広報などで発信されています。現在は副施設長さんが地域の会合等に出席されていますが、今後は地域福祉を担当する職員を配置したりなどの工夫を行うことで全職員に地域支援の取り組みを周知できると思われます。
7 職員の資質向上
第三者
評価結果
組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢が明示されている。 c
職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画が策定され計画に基づいて具体的な取組が行われている。 b
定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させている。 b
スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援している。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 研修復命書による研修内容をいつでも閲覧ができたり、職員会での伝達報告をしたりと情報の共有化はよく図られています。今後は、現場職員にも研修係の役割をもたせるなどの工夫を期待します。
 職員の資質向上に向けて、社会的養護に関する厚生労働省の指針などを基に、組織的に取り組んでいかれるとのことですので今後に期待します。
8 施設の運営
(1) 運営理念、基本方針の確立と周知  第三者
評価結果
法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割が反映されている。 b
法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針が明文化されている。 b
運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 c
運営理念や基本方針を子どもや保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 c
(2) 中・長期的なビジョンと計画の策定  
施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されている。 c
各年度の事業計画は、中・長期計画の内容を反映して策定されている。 c
事業計画を、職員等の参画のもとで策定されるとともに、実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われている。 c
事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 c
事業計画を子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 c
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 施設パンフレットには施設の運営理念などの記載がみられますが、事業計画の中には記載がみられませんので、事業計画書の中にも理念と目的があり、中・長期的にどのように支援を展開していくかなどを検討されて計画書を作成されることを今後は期待します。
 計画書配布はされていますが、計画書の十分な理解が職員一人ひとりまでは周知されてないようですので、計画書作成には全職員が参画するなどの工夫を期待します。
(3) 施設長の責任とリーダーシップ   第三者
評価結果
施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮している。 c
施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードしている。 c
施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮している。 c
施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮している。 c
(4) 経営状況の把握  
施設運営をとりまく環境を的確に把握するための取組を行っている。 c
運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行っている。 b
外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善が実施されている。 c
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 施設長さんは児童養護施設の理解が今ほど進んでいない時代から、積極的に地域の役員を引き受け、施設を理解していただくための取り組みをされていますが、その取組についてを今の職員さんが十分に熟知されてないことは残念なことでした。今後は施設内の広報誌などを作成し、過去の取り組みなどを連載してみるなどされたら全職員さんへの理解が進み、施設の役割と責任がより明確となると思われますので今後の取り組みに期待します。
 施設運営や状況については職員会で説明されているようですが、説明の方法などを今後は工夫して周知徹底されることが望まれます。
(5) 人事管理の体制整備    第三者
評価結果
施設が目標とする養育・支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランが確立しており、それに基づいた人事管理が実施されている。 b
客観的な基準に基づき、定期的な人事考課が行われている。 c
職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みが構築されている。 c
職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行っている。 b
(6) 実習生の受入れ 
実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的な取組をしている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 職員の就業状況や意向などは定期的に把握されてはいますが、人事考課を含めた人事管理のプランが明確に提示されるまでには至っていないため、今後の取り組みに期待します。
 実習生受け入れについては係を中心に、九州保健福祉大学の学生さんなどを受け入れ、マニュアルに沿った積極的な取り組みがみられます。
(7) 標準的な実施方法の確立   第三者
評価結果
養育・支援について標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行っている。 c
標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを施設全体で実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行っている。 c
(8) 評価と改善の取組  
施設運営や養育・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制を整備し、機能させている。 c
評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施している。 c
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 養育・支援についての体系的なマニュアルがなく、マニュアル作りが始まったばかりのようです。マニュアル作りに関しては、全職員が参画できる環境を整え、職員一人ひとりが納得したマニュアルであることを望みます。
 評価については、今回の第三者評価を受審してみて気づいたことがあり、これを土台にして今後取り組みたいとのことですので、自己評価の方法や目的など時間をかけた評価の取り組みを組織的にやられることを期待します。
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