社会的養護施設第三者評価結果 検索

光明童園

第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 養育・支援の基本方針と組織 
1 理念・基本方針
(1) 理念、基本方針が確立・周知されている。 第三者
評価結果
1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 a
【コメント】
〇法人や施設の理念や基本方針はホームページやフェイスブックなどのSNS、パンフレット、事業計画書などに記載され、各ホームのリビングや食堂等多くの場所に掲示され周知が図られています。職員については、朝礼や月例会議,研修会等での唱和により確認するとともに、理念・倫理綱領・支援方針を記載したカードを名札とともに携行し周知が図られています。子どもや保護者に対しては、年度当初に理念等を記載した分かり易い事業計画書等を作成し、説明や郵送するとともに広報誌等へも掲載し更に周知を図っています。
2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 a
【コメント】
〇社会福祉法人光明童園及び児童養護施設光明童園の中・長期事業計画を策定し、法人や施設運営、また多くの実施事業の現状把握や分析が行われています。園長は国や県の会議や研修会などに積極的に参加するなどし社会福祉事業全体の動向等の把握をするとともに、熊本県社会的養育推進計画ワーキンググループ委員や水俣市地域福祉計画策定委員会会長、水俣子ども・子育て会議会長、水俣市教育委員などの福祉や教育部門の委員にも就任し養育・支援のニーズ等の地域の情報についても具体的に把握しています。
3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 a
【コメント】
〇上記の光明童園中・長期事業計画を策定し、経営課題を明確にしています。児童養護施設光明童園中・長期事業計画では、施設の経営環境や小規模化・地域分散化、養育・支援の内容など幅広い分野までの現状把握と課題分析が行われ、その改善策が検討されるとともに概ね5年先の目標数値も提示されています。また法人役員に対する説明は、経営状況の評価や課題等については数値化したものも使い行われて共有化されています。職員に対しては職員会議で資料を配布し周知をしています。
3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 a
【コメント】
〇社会福祉法人光明童園中・長期期事業計画(2020年~2024年の5年間)及び児童養護施設光明童園中・長期期事業計画(2020年~2024年の5年間)を策定し、中・長期的なビジョンが明確にされています。法人で実施している事業の現状把握と課題分析がされており、計画実現のための中・長期資金計画書も策定されています。施設については、施設経営全般、社会的養護の現状と課題、子どもへの養育・支援、人材の充実、施設整備、社会的責任の活動の推進等のビジョンが明確にされています。毎年の見直しも実施されています。
5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 a
【コメント】
〇社会福祉法人光明童園中・長期期事業計画(2020年~2024年の5年間)及び児童養護施設光明童園中・長期期事業計画光明童園中・長期事業計画(2020年~2024年の5年間)に基づき、各単年度事業計画が策定されています。単年度事業計画では、中・長期計画で定めた達成すべき実施計画や数値目標等が反映され、内容も具体的なものとなっています。年度末に予算委員会や就業改善委員会などの各委員会で事業計画や収支について評価・検討し、職員会議へ提案し策定されています。
(2) 事業計画が適切に策定されている。
6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 a
【コメント】
〇事業計画は職員の意見を集約し適切に策定されています。毎年度末(1月~2月)に職員をグループ分けし、各グループで当該年度の事業評価を行い、その結果について予算委員会・就業改善委員会などの各委員会で取りまとめ新年度事業計画を策定しています。そのことから事業計画の策定については、PDCAサイクルに基づき、職員全体が参加しており組織的に行われていることが伺えます。なお、策定に当たっては各ホームの子どもからもホームリーダーが事業等への意見や課題を聴取し事業計画に反映するようになっています。
7 事業計画は、子どもや保護者等に周知され、理解を促している。 a
【コメント】
〇事業計画の主な内容が子どもや保護者等へ適切に周知されています。子どもへの周知については、子ども向けにふりがなを付けた分かり易い事業計画を作成し、子どもに配布し説明するとともに、各居室等に掲示されています。保護者については、4月に全員へ郵送され周知が図られています。なお、保護者会はありませんが来園時には、学校行事等については口頭で再度説明を行っています。
4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
8 養育・支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 a
【コメント】
〇養育・支援の質の向上に向けて、職員の自己評価、第三者評価等が定期的・組織的に行われています。自己評価については、毎年、各ホーム毎に実施し課題が取りまとめられ、それを全体の職員会議で発表し、全体の課題として取りまとめられます。更に、これを就業改善委員会で検討し最終案とされ、事業計画や光明童園中・長期計画にも反映されています。なお、ほぼ1週間毎に開催されるホーム会議で養育支援に関する子どもの意見も聴取されております。
9 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 a
【コメント】
〇職員の自己評価で得られた課題については、上記記述のとおり職員により共有されるとともに改善策が検討されています。毎年実施される職員の自己評価の結果を各部署ごとに評価を行い、更に職員会議で検証し、次に就業改善委員会等で課題についての改善策を出しています。その改善策が毎年の事業計画書や光明童園中・長期事業計画にも反映されており、PDCDサイクルに基づき実施されています。
Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 a
【コメント】
〇毎月の職員会議や研修会等において自らの役割と責任を表明し理解が図られています。職員に対しては職員会議や朝礼等での園長訓話の実施や研修会の講師を務めたり、広報紙の冒頭での挨拶やホームページ等での園長挨拶などで自らの役割や責任について明確にしています。また、園長コラムを毎週、全職員へ発信しています。管理規程や職務分掌においても施設長の職務を明確にするとともに、毎年の事業計画書にも掲載され配布もされています。不在時の権限委任についても明確にしています。
11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 a
【コメント】
〇園長は、国や県・市、関係機関等が実施する会議や研修会に参加し情報収集を図り法令順守に努めています。熊本県社会的養育推進計画ワーキンググループ委員や水俣子ども・子育て会議会長、水俣市教育委員などの福祉や教育部門の委員にも就任したり、また全国児童養護施設協議会や社会福祉法人経営者協議会等からの情報や主催する会議や研修会に参加し、社会福祉施設関連法令や制度改正に伴う改正法令等の理解に努めています。職員に対しては、職員会議で資料を配布・説明したりして周知し遵法精神の醸成に努めています。
(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
12 養育・支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 a
【コメント】
〇園長は、職員の資質向上や自らの専門性の向上に努めています。毎日の子どもの生活状況等について、ネットワークされた記録表などで熟知し職員への助言も行われています。また職員会議や園長コラムで職員の良い支援について「キラリグッド」として紹介し、いい支援を広めるともに職員のやる気の醸成も図っています。職員研修や全職員へのアンケートの実施なども行われています。さらに市教育委員、社会福祉協議会役員、子ども・子育て会議会長、保護司などの多くの要職を務めています。なお、園長は社会福祉士の資格や福祉サービス第三者評価調査員の資格を取得するなど自ら自己研鑽による専門性やサービスの質の向上に努めています。
13 経営の改善や業務の実効性を高める取組に指導力を発揮している。 a
【コメント】
〇施設経営の改善や業務の実効性を高める取組が法人の経営者会議等により実施されています。法人の経営者会議のもとに管理部会議、職員会議、予算委員会、就業改善委員会と組織体制が構築されており、その中で経営管理・人事管理・労務管理等の分析・検証が行われています。園長はそれらの活動に積極的に関与するとともに、職員に対して職員会議で説明したり関連の勉強会を開催する等のリーダーシップを発揮しています。
2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 a
【コメント】
〇法人及び光明童園中・長期計画において全体的な人材確保及び育成についての基本的な考えや人材育成方針が策定されています。法人の法人経営会議委員会活動として「人材に関する委員会」を設置し、人材確保・育成・定着をトータルでマネージメントを行っています。必要な人材確保のために、関係大学へ施設長や施設職員による講話の実施、オンラインでの採用面接会などを実施しています。ほぼ全ての各種加算職員の配置に取組み人員体制の充実に努めています。また、自治体で未実施の関係事業への予算化の要望などのソーシャルアクションの活動も行っています。
15 総合的な人事管理が行われている。 a
【コメント】
〇経験年数毎の「期待する職員像」が策定され会議室に掲示されています。人事考課については、まず職員自身による人事考課自己評価が行われ、それに基づき評価決定会議という流れで実施されています。また園長によるアンケートも実施されています。キャリアパス制度についての研修やキャリアアップ・スキルアップのための資格取得に関する助成金制度も創設されています。なお、職員の職務能力向上のためにスーパービジョン体制の構築、OJT面接も定期的に実施されています。
(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 a
【コメント】
〇就業状況等の把握については、上司や園長による定期的な職員面談や意向調査により把握されています。職員の意向の把握では、朝礼や職員会議での園長よりの意見聴取や7連休取得による職員の年次有給休暇の取得促進への取組みも実施され、またプチファミリーによる食事会や職員旅行等への助成も行われています。職員のメンタルサポートとして、精神科医や産業医との個別面談も実施されています。働き方改革プロジェクト(委員会)が設置され職員の就業時間等のアンケートも実施され其の分析や課題改善提案を行いワーク・ライフ・バランスの実現への取組も行われています。
(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 a
【コメント】
〇「期待する職員像」が明確にされ、年度当初に職員個々の個人目標が設定されています。職員の個人目標に基づきOJT計画表が策定され、スーパーバイザー(上司)と共有するとともに、毎月その進捗状況を確認する面談が実施されています。半年ごとにOJT計画表振り返りを行い評価・見直しが行われています。人事考課に於いて、その際に職員の目標が確認されるとともに目標の進捗についても評価が行われており、職員一人ひとりの目標管理をする仕組みが構築されています。
18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 a
【コメント】
〇職員の資質向上のための研修等が体系的・計画的に実施され、教育・研修に関して施設が目指す「期待する職員像」も策定されています。法人では初級、中級、上級と区分された研修が行われ、施設においてはOJT研修や援助技術研修等が実施され、それに対する「園内研修振り返りシート」、施設外での研修では「研修出張報告書」により復命が行われ、養育・支援のスキル向上が図られています。また毎月、支援困難事例に対し専門の医師2名(男女各1名を隔月)を施設へ招きスーパーバイズを受けることで職員の質の向上に努めています。
19 職員一人ひとりの教育・研修等の機会が確保されている。 a
【コメント】
〇研修委員会で年間・月別計画表が作られ、それを含めた個別の教育・研修計画が策定されています。職員の経験年数等の個々の状況に応じ、法人では初級、中級、上級と区分された研修が行われ、施設に於いては各職員の希望も聞き施設内外での研修に参加できるよう配慮されています。研修参加が公平に行われるよう職員別研修履歴となる個人毎の研修参加一覧表も作成されています。職員個々にOJT計画表が作成され、それに基づき専門職員(スーパーバイザー)がスーパービジョンを行う体制が構築されています。
(4) 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
20 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 b
【コメント】
〇大学等からの実習生の受入れについては、受け入れマニュアルが整備され、窓口担当者も明確にされていますが課題も認められます。現在の実習生の受入れについては、保育士等のケアワーカーに限定されています。実習に当たっては、実習指導チェックリストでの振り返りや大学との密な連携、施設長面談なども実施されています。ただ、福祉人材の育成という福祉施設の社会的責務として他職種(社会福祉士等)についての受入れ体制の整備が望まれます。
3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 a
【コメント】
〇 法人や施設の理念や基本方針等は、ホームページやフェイスブック、インスタグラムなどで公開されています。また施設の掲示板、居室、会議室等多くの場所に掲示されており、さらに法人及び施設の広報紙、パンフレット等にも掲載され周知されています。ホームページでは広報紙、法人や各事業所の概要、事業報告書、決算報告等が掲載されており、多くの情報が公開されています。更に社会福祉協議会や民生・児童委員、自治会長、児童家庭支援センター等の法人関連事業所などにも施設パンフレットや広報誌などが配布されています。
22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 a
【コメント】
〇法人の監事監査以外に外部の専門家である税理士による外部監査が実施されています。また法人が契約する税理士により施設における事務・経理、財務状況について定期的な指導も受けており、行政監査以外の専門家による指導・助言を受ける体制が整備されています。なお、ガバナンスの強化や諸規程の適正化の確保のために顧問弁護士や社会保険労務士との業務契約を締結しています。
4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
23 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 a
【コメント】
〇管理規程第3条「施設の運営方針」で「機会ある毎に積極的に地域社会に参加し、地域の中に根ざした施設づくりに努めなければならない」とされ、地域貢献について明文化されています。また法人及び施設の中・長期事業計画や事業計画にも明示されており、県より児童家庭支援センター事業、市より見守り強化事業等の子育て支援事業の実施、「地域の学習教室」への地域の子どもの参加、多くのイベントに対する地域貢献が行われています。子ども達は各ホーム所在の地域の清掃等の地域行事に参加し地域住民との交流が行われています。
24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 a
【コメント】
〇「ボランティア受け入れマニュアル」を整備し、窓口担当も決め地域との連係に努めています。「受け入れマニュアル」には受入れに関する基本的な考え方や手順も明示されており、絵画教室、学習指導、生活見守り等の継続的なボランティアを受入れています。学校教育への協力については、施設長が市教育委員、職員が市教育委員会の各種委員や学校のPTA役員等に就任し法人全体で学校教育に協力しています。地域食堂(子ども食堂も兼ねる)も実施しており地域の福祉の向上に貢献しています。
(2) 関係機関との連携が確保されている。
25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 a
【コメント】
〇よりよい養育・支援のために必要な関係機関・団体との密な連携が実践されています。児童相談所とは、子どもや保護者の情報の共有化に努めており、小中学校についても日頃からのPTA活動や小学校では年2回、中学校とは年1回の連絡会が開催され、子どもの生活状況や課題が共有されています。また、県・市要保護児童対策地域協議会や市子どもネットワーク会議等、多くの関係機関が集結する連絡会に参加し必要な情報の収集やネットワーク化に努めています。児童家庭支援センターでは市内の児童についての会議が開催されています。
(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
26 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 a
【コメント】
〇施設の有する機能を地域に開放・還元する取組みが積極的に行われています。施設で実施する諸研修等への施設外の人の受入れや県・市の子育て支援事業への協力・実施、市主催の事業への専門職員の派遣、地域の団体への会場の提供、地域の縁がわ事業で地域ふれあいホームの設置など、積極的に施設の機能を地域へ提供しています。なお、事業所の活動状況を記したパンフレットを市役所に配布し、施設の機能等について地域への周知を図っています。
27 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 a
【コメント】
〇地域の福祉ニーズを把握し、公益的な事業・活動が積極的に行われています。五区(市自治区)ハートフル(民生児童委員・自治会・老人福祉施設)の組織へ参画し、地域の福祉の現況やニーズを把握し地域の縁がわ事業等の事業化に繋がっています。また園長は市教育委員であり、福祉関係でも地域福祉計画策定委員長などの多くの役職を務めており、その中でも必要な地域の福祉ニーズの把握に努め、病児・病後児保育事業や障害児の療育事業等を実施しています。また、職員が地域消防団への参加し地域防災に協力しています。なお、現在、BCP(大規模災害における事業継続計画)を策定中です。
Ⅲ 適切な養育・支援の実施
1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
28 子どもを尊重した養育・支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 a
【コメント】
〇全職員が「虐待防止チェックリスト」に基づき年2回の自己点検などを実施し人権侵害等の確認を実施しています。職員は「理念、運営方針、倫理綱領」を記載したカードを名札とともに携行し周知が図られています。また、権利擁護マニュアルを策定し、職員会議や研修等で協議を重ね共通理解に努めています。子どもに対しては、子どもアンケートの実施や「学期ごとのホーム会議」、副園長等が各ホームを訪問し会食をしながら直接意見を聞く「ホームdeおもてなし」、月1回の第三者委員への相談の場である「ひかりっこ相談室」など、子どもたちが意見を表明する機会が多く設けられています。なお、経験が浅い職員には上司が一緒に確認するなど必要な対応を行っています。
29 子どものプライバシー保護に配慮した養育・支援が行われている。 a
【コメント】
〇入所時に子どものプライバシーに関する取組をプリントとして準備しています。家族との面会や連絡方法について、年度が変わるたびに郵送し個人情報取扱いについて確認をとっています。ホームページや事業計画に掲載し、積極的な情報提供への取組みが行われています。さらに望むならばプライバシー保護に関するマニュアルは活用されていますが、マニュアルに日付の記載がなく、見直しや改定を行う際の基準になりますので検討が望まれます。
(2) 養育・支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
30 子どもや保護者等に対して養育・支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 a
【コメント】
〇入所時の資料は子どもの視点にたったふりがなや絵等を使用し分り易いように工夫されています。情報提供の方法も、保護者の状況を考慮し定期的に見直しを行い対応を行っています。見学についても6名の対応できる職員が配置され、ある程度保護者等の希望に据えるように情報共有が図られています。保護者等への情報提供については、ビデオ通話やホームページ、家庭支援専門携帯電話によるラインの導入等のSNSの活用にも力をいれており、若手の職員がチームになって適宜な見直しに取組んでいます。
31 養育・支援の開始・過程において子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 a
【コメント】
〇入所時や年度当初等にパンフレットなどにより、子どもや家族に詳しい説明が行われています。意思疎通に支障のある子どもがより理解しやすいように、ルビをふったパンフレットや写真や図を用いて内容が伝わるように配慮がなされています。また、幼小学生用、中高校生児童用といった理解力に応じた内容となっており、わかりやすく具体的な説明が行われています。毎年の事業計画についても、子ども用、保護者用に簡潔版が用意されています。意思決定が困難な子どもや保護者に関しては面談での説明や情報ツール(ライン)を活用し説明を行っています。支援開始に関しても児童相談所等と連携を図り対応についても記録に残しています。
32 養育・支援の内容や措置変更、地域・家庭への移行等にあたり養育・支援の継続性に配慮した対応を行っている。 a
【コメント】
〇措置変更や地域・家庭への移行等にあたり養育・支援の継続性に配慮した取組が行われています。措置変更に当たっては、詳細な引継文書を作成し、申し送り会議も開催されて適切な対応しています。措置変更や施設を退所後のアフターフォローの窓口担当者として職業指導員が決められています。職業指導員による進学支援、退所児等の生活状況の把握・定期連絡・再就職支援、卒園生の会(OH会)の実施、学校やハローワークとの調整等のきめ細やかな支援も行われています。なお、「実家便」として食料や日用品を退所した子どもに送ったり、生活に困った際の連絡先等を記載した冊子を作成し配布等の支援も実施しています。
(3) 子どもの満足の向上に努めている。 第三者
評価結果
33 子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 a
【コメント】
〇子どもの満足の向上を目的とする定期的な個別聞き取り等の具体的な取組みが行われています。生と性委員会において、年2回(小学生は3回)いじめや性に関するアンケート、給食委員会では年1回の嗜好調査が実施されています。アンケート結果については、分析・検討され改善が行われています。このほかに年2回の子どもからの聞き取り調査、ホーム会議、ホームdeおもてなし等が実施されています。また、副園長や担当職員に個別面談も適宜行われています。
(4) 子どもが意見等を述べやすい体制が確保されている。
34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 a
【コメント】
〇苦情解決の仕組みが確立され子ども等に周知する仕組みが構築されています。苦情解決については、「入所児童の苦情に関する規程」が整備され、3名の苦情解決第三者委員も決められて、その対応に関するシステムがしっかりと構築されています。各ホームに設置されている意見箱は週1回回収され、聞き取り等が行われています。さらに苦情解決の仕組みを説明した掲示板が各ホームに掲げられています。苦情内容については受付から解決までの記録が残されており、無記名での苦情に関しても職員全体で協議し、内容によっては公表の仕方を検討しています。なお苦情に関する研修は園長自らが講師となり施設全体で取組むという姿勢が見えます。
35 子どもが相談や意見を述べやすい環境を整備し、子ども等に周知している。 a
【コメント】
〇子どもが相談や意見を述べやすい環境が多く整備され実践されています。各ホームに苦情解決の仕組みや幾つかの相談先が記載されたものが掲示され周知されています。また、職員による年2回の個別面談、必要に応じ施設長面談、ホーム会議、ホームdeおもてなし、ひかりっ子相談室、子ども満足度アンケート等、子どもが意見を表明する機会が多く設けられています。施設行事への第三者委員の参加やその際の食事会等で子どもと交流する機会も設けられており、子どもが外部委員に相談しやすい環境つくりにも努めています。ひかりっこ相談室では個別に相談できるスペースを確保しており、秘密が守れ安心して相談ができるよう取組まれています。
36 子どもからの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 a
【コメント】
○子どもからの相談や意見に対して組織的かつ迅速な対応が行われています。各ホームに意見箱が設置され、週1回、回収され4名の苦情受付担当者が対応し、第三者委員へも協議され、その結果は職員会議で報告され職員間の共有がなされています。また、意見箱の設置やアンケートの実施、副施設長による個別面接、年2回の職員による個別面接、ホームdeおもてなし等、子どもに意見を聞く機会を多く設けています。なお、苦情対応マニュアルを策定して、定期的に対応委員会で報告し見直しを行っており職員個人に負担がかからない工夫が図られています。
(5) 安心・安全な養育・支援の実施のための組織的な取組が行われている。 第三者
評価結果
37 安心・安全な養育・支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 a
【コメント】
○リスクマネージメント体制を構築し、子どもの安全を脅かす事例の収集や要因分析等が実施されています。多くのヒヤリハット事例が報告され、事案については月1回の事故防止委員会でその内容の対応策等や改善策が検討され、職員会議に報告されています。また3カ月毎に第三者委員を含む事故防止対応委員会へ報告されるとともに対応や改善について検討されています。なお、施設内の危険個所のチェックやヒヤリハット等の収集分析を定期的に行っています。保護者等からの強引な引き取りについても児童相談所や関係機関と連携を図りながら対応を行っています。なお、事故発生時のマニュアルについて、日付の記載がなく、定期的に見直す際の基準になりますので検討が望まれます。
38 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 a
【コメント】
○感染症の予防が講じられ、発生時等の緊急を要する子どもの安全確保について施設としての体制を整備し取組まれています。感染症マニュアルや対応フローチャートが策定され、業務分担表で役割も明記されています。また、職員に対しては保健所職員による研修や衛生委員会による健康教育が行われ、子どもに対しての指導も定期的に行っています。対応マニュアルは、各ホームに常備してあり、いつでも確認できるようになっています。コロナウイルス感染対策については、看護師より特に子どもに対し、手洗い・うがい・マスク着用等の指導が徹底されています。
39 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 a
【コメント】
○防火対策要綱や災害対策フローチャートが整備され、災害時の役割分担等も決められ、各ホームにも連絡先や対応フロー等が掲示されています。施設職員が地域消防団に加入しており、消防署、地域消防団等との連携を図るとともに、市が実施する総合防災訓練等にも参加しており、施設での災害には、地域消防団等の協力が得られるよう努力をされています。子どもに対しては、各ホーム毎に周知が図られています。なお、各ホームに備蓄品等のリストがあり、管理者(栄養士)が決められています。子どもの安否や保護者等への連絡についてのSNSを活用し共有できるようになっています。さらに警備会社の安心メールを活用した防災時の情報伝達が行える体制整備や災害時に身元がわかるカードも整備中であり、災害に対して高い意識で取組んでいます。
2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
40 養育・支援について標準的な実施方法が文書化され養育・支援が実施されている。 a
【コメント】
○養育・支援の標準的な実施方法については、「業務マニュアル」が整備され、これに基づき実施されています。その中には毎日の養育・支援についての標準的な日課表が各ホーム毎に整備されています。マニュアルには子どもの権利擁護の姿勢が明示され、職員は人権擁護に関するチェックリストにより定期的に確認するようになっています。養育・支援内容については、年度初めに昨年度の支援の評価を実施し、改善点が当年度の支援目標に工夫されています。「業務マニュアル」には子どもの権利擁護やプライバシー保護についての姿勢が明示されています。職員は「不適切なケアの予防のための自己チェックリスト」を実施し、必要時面談やOJT等で確認できるようになっています。
41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 a
【コメント】
〇標準的な実施支援法については見直しの時期があり、マニュアルも策定されています。標準的な実施方法については、年度当初の職員会議や自己評価と3年毎の第三者評価結果等での検討が実施されています。年3回職員と子ども参画のみらい会議(子ども聴き取りアンケートを基にした会議)で、子どもの意向を把握されたうえで副園長・統括リーダー・専門職・担当ケアワーカー参加の自立支援会議で自立支援計画の見直しが行われています。なお、子どもからの意見を聴する機会として、副園長との面談、第三者への相談室「ひかりっこ相談室」等の取組が行われています。
(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 a
【コメント】
〇アセスメントに基づく個別的な自立支援計画が策定されています。自立支援計画策定の会議は年3回実施され、統括リーダー(ユニットリーダー)、専門職(心理職員、看護師、職業指導員等)、担当ケアワーカーで構成されるメンバーで適正なアセスメントのもと自立支援計画が策定されています。現在はZOOMを活用し、確実に支援継続ができる体制が整えられています。また、定期的に自立支援研修(事例)を行い、年2回は外部講師によるミーティングが行われています。入所前の子どもの状態を確認するサポートシートにより、事前の支援困難なケースについての把握に努め、外部のSVに助言やアドバイスをもらう応援ミーティング(精神科医含む)も実施されています。
43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 a
【コメント】
〇自立支援計画の評価・見直しについては定期的に実施されています。評価・課題等についての見直しは原則年3回実施され、緊急時に見直しを行う場合は緊急自立支援会議が実施されています。自立支援会議には副園長、統括リーダー、専門職、担当ケアワーカーの参加があり、施設全体で決定される組織が構築されています。支援内容・見直しについては統括リーダーを中心とした各ホーム毎の会議において支援方法を振り返り、自己評価がなされ、自立支援会議に反映されています。
(3) 養育・支援の実施の記録が適切に行われている。
44 子どもに関する養育・支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 a
【コメント】
〇子どもの養育・支援の実施記録は施設独自のパソコンのネットワークを利用した記録が毎日実施され、記録方法についてもマニュアルが作成され、必要に応じて追加を行い、差異が生じないよう工夫されています。記録の内容についても共通理解ができるよう普段から他者の記録を確認し、職員の思い込みや個人の価値観をなくす取組みが確立しています。オンラインZOOMにて朝礼やコロナ会議を実施し、情報共有の取組みが図られています。
45 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 a
【コメント】
〇個人情報保護規程、文書取扱規程が策定されています。子どもの記録の整理及び保管、保存、廃棄等についても文書取扱規程に定められています。個人情報の取り扱いについては広報誌や外部への掲載を行う際の保護者の承諾、医療行為の範囲等にについて細部に渡って、入所時に説明が実施されています。記録の管理については毎年研修が実施され、情報開示の範囲や基本姿勢の確認が実施されています。
内容評価基準(25項目)
A-1 子どもの権利擁護、最善の利益に向けた養育・支援
(1) 子どもの権利擁護 第三者
評価結果
A1 子どもの権利擁護に関する取組が徹底されている。 a
【コメント】
〇規定・マニュアルの整備、職員会議で人権擁護チェックリストを通しての学習会、事故防止委員会、対応委員会が実施されています。入所時に配付される「権利ノート」「ようこそ光明童園へ」では年齢に沿った子どもの権利の理解に努められています。子どもアンケートの実施、各ホームに設置されている「意見箱」は週一回回収され、聴き取り等が行われています。基本的に参加の行事に、西念寺のお勤めが含まれていますが、参加は本人の意思が尊重されています。
(2) 権利について理解を促す取組
A2 子どもに対し、自他の権利について正しい理解を促す取組を実施している。 a
【コメント】
〇CAPプログラムの導入、子どもアドボカシーについての職員会議が実施されています。入所時配布資料では年齢に応じた権利の説明、園での約束事として「安心、安全、自由、そして命」の大切さ、他の人も同様に大切であることが説明され、自他の権利についての理解を促す取組みがなされています。それぞれのホームで子どもと職員の話の場が設けられていますので、自然な形で幼児・低学年の子どもの発達が理解できる場となることが期待されます。
(3) 生い立ちを振り返る取組
A3 子どもの発達状況に応じ、職員と一緒に生い立ちを振り返る取組を行っている。 a
【コメント】
〇「みらい会議」が実施され、職員と一緒に自分を振り返る機会が設定されています。「性といじめのアンケート」では自分の生い立ちについて知りたいかどうかの項目で、子どもの気持ちの確認が実施されています。伝え方や内容、伝えた後の子どもの変容等については月一回全体で共有する場が設けられ、全体での情報共有に努められ、外部専門家の助言を得る「応援ミーティング」が開催されています。入所後のアルバムは整理されています。入所時に母子手帳の確認が実施されていますので、今後は入所前の成長記録の取組みの検討が望まれます。
(4) 被措置児童等虐待の防止等
A4 子どもに対する不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 a
【コメント】
〇管理規程、就業規則、危機対応マニュアルの策定、懲戒処分の指針が作成されています。不適切なケア予防の自己チェックリストにより対応の振り返りが実施されています。自己チェックリスト及びヒヤリハットによる職員会議、事故防止委員会、ケース検討会、対応委員会が開催されています。子どもの意見を表明する場として「意見箱」の設置、個別面談、副園長面談、ホーム会議、副園長等が各ホームを訪問し会食をしながら意見を聞く「ホームdeおもてなし」、月一回第三者委員会への相談の場「ひかりっこ相談室」が実施されています。
(5) 子どもの意向や主体性への配慮
A5 職員と子どもが共生の意識を持ち、生活全般について共に考え、快適な生活に向けて子ども自身が主体的に取り組んでいる。 a
【コメント】
〇施設ならではのルールが撤廃され、ホーム毎に子どもと職員で検討した生活のルールが設定されています。余暇の過ごし方については、いろんな行事が計画され、参加は子どもの希望が尊重されています。ホーム毎に子どもの興味のある余暇の過ごし方(釣り等)を子どもと共に計画し、実行されています。年齢ごとの小遣いが規定され、日曜日には、おやつの買い物として職員と一緒に出かけ、支払い、小遣い記入と子どもの金銭感覚や経済観念を育てられています。アルバイトは別の通帳に管理され、計画的な支出となるように支援されています。
(6) 支援の継続性とアフターケア
A6 子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、不安の軽減を図りながら移行期の支援を行っている。 a
【コメント】
〇入所前面談により、好きな食べ物や好きなキャラクター等の確認、サポートシートによる呼称や生活全般に渡った聴き取りが実施され、生活の連続性に配慮されています。入所時配付の「ようこそ光明童園へ」は幼児低学年、小学校、中高生、保護者と分かりやすく作成され、説明が行われています。家庭復帰や施設変更については、みらい会議でこどもの意向を確認、里親支援専門相談員からの里親体験等の説明があり、里親体験が実施されています。家庭帰省時には「かけはしノート」で家族と園の情報共有が実施され、復帰がスムーズにいくように支援されています。
A7 子どもが安定した社会生活を送ることができるようリービングケアと退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
〇職業指導員、統括リーダー(ソーシャルワーカー)、ケアワーカーを含めて、関係機関と連携を取りながら支援が実施されています。ブリッジフォースマイル主催の「巣立ちセミナー」が開催され、みらい子ども財団等の活用も紹介されています。高校2,3年生の希望者には親子訓練室を利用した二泊三日での具体的な社会生活を想定した経験が実施されています。退所者へはバースデーカード、光明童園実家便として食材等の送付、SNS活用した様子伺いが実施されています。卒園者の会の開催、成人式の退所者の訪問がある等気軽に施設訪問ができる雰囲気づくりに努められています。
A-2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の基本 第三者
評価結果
A8 子どもを理解し、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止めている。 a
【コメント】
〇ホーム担当者は、入所するまでの生育歴を熟知した上で、日常の子どもの些細な行動の変化の把握に努められています。子ども参画のみらい会議(現在と未来についてのこども聴き取りアンケートを基にした会議)が実施され、子どもの現状について個別に把握され、自立支援計画に反映されています。外部のSVに助言やアドバイスをもらう応援ミーティング(精神科医等含む)、対応委員会が実施されています。職員は専門家による援助技術の研修をうけ、子どもの理解と専門性を高める取組みが実施されています。アンケートからは約8割強の子ども達の職員信頼が伺われ、更なる信頼関係の構築に期待します。
A9 基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 a
【コメント】
〇生活の決まりは子どもと職員の意志に任せた柔軟な対応が実施され、より家庭的環境に近い日常生活の構築に努められています。子どもに個別的に関わる時間の確保のために、非常勤職員の配置等の人員体制に取り組まれています。希望する子どもとは交換日記を実施したりと、子どもの状況に応じた柔軟な対応が実施されています。夜間にはホーム毎の当直配置以外に、必要に応じて他の部署(管理棟にも当直1名配置)からの応援ができる体制となっています。今後も個別に関わる時間確保に様々な工夫が望まれます。
A10 子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 a
【コメント】
〇子どもたちの問いかけにすぐに答えを出さず、子ども自ら考えるように、子どもたちの行動を見守る対応がなされています。園独自の「キラリグッド」で職員の対応を紹介し、職員の対応の共有化が図られています。伴走体制があり、事務職員を含めた支援体制が整えられ、朝夕の職員の配置に配慮されています。子どもが手伝いしたくなるタイミング、場面設定が行われ、子どもとの触れ合う時間の確保に努められています。連絡ノートの確認、スクールソーシャルワーカー、支援学級との連携が図られ、子どもの状況把握に努められ、必要に応じてフォローされています。
A11 発達の状況に応じた学びや遊びの場を保障している。 a
【コメント】
〇未就学児は認定こども園に通園しています。社会体育や習い事は子どもの希望が尊重されています。園庭には子どもとともに季節の花の植え付けがなされています。ボラン家(ボランティア委員会)の活用や児童発達支援センター、児童家庭支援センターの利用が実施されています。地域小規模では、子どもの発達段階及び要望により、リビングに絵本、漫画、玩具等が備えられています。リビングに書籍のないホームもありますが、これは子どもがパニックを起こし書籍等を投棄することがあるため、スタッフルームに保管していますが就寝時には読み聞かせを行っています。
A12 生活のいとなみを通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 a
【コメント】
〇職員と子ども達の話し合いでホーム毎の日常生活の決まり事が作成されています。地域社会にも積極的に職員と一緒に参加、地域への働きかけも実践され、社会的ルールを学ぶ機会があります。愛情、社会スキルを褒めながら学ぶというCSPプログラムが導入され、子どもの社会性習得の支援に実践されています。健康面では特に現在コロナ感染流行から子ども達への衛生・予防の周知徹底がなされています。携帯電話は保護者と本人の使用許可願いの上で高校生及び一部中学生が所持しています。情報教育として外部講師による使用方法や危険性について学ぶ機会も必要と思われます。
(2) 食生活
A13 おいしく楽しみながら食事ができるように工夫している。 a
【コメント】
〇「ひかり農園」で野菜等の栽培を行い、食物の育ちを感じる機会が設けられています。各ホーム毎で、個人差に応じた食事時間に配慮されています。食卓を一緒に囲むことができない時でも子どもとの会話をするなど明るい雰囲気の場となるように努められています。「ホームdeクッキング」は子ども達がメニューを考え買い物を職員とし、調理する機会が設けられてます。嗜好調査、残渣調査、リクエストメニューときめ細かい配慮がなされています。今後、小さい時から身体づくりの意識を高めるためにも、食についての学習会の検討が望まれます。
(3) 衣生活
A14 衣類が十分に確保され、子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 b
【コメント】
〇衣類等は季節ごとに購入され、衣類確保がなされています。買い物に関しては子どもの希望を尊重され、小中学生は職員と一緒に、高校生は自分で購入ができます。また、ネット購入を希望する子どもには園のパソコンでの購入が認めています。現在、コロナ感染の予防から、帰園後はすぐシャワーを浴びることになっているため、下着からワンセット職員が用意されています。洗濯・アイロン・補修等はすべて職員が行っています。これは養育者との愛着形成に課題を持つ子どもが多いことから職員が行っていますが、高校生では自分でやっている子どももおり、各々の子どもの状況に合わせ無理のない範囲で洗濯等の衣習慣を身に付くよう支援をしています。ただ現地調査では画一的に職員が実施しているようにも感じられましたので今一度の現状の検討を望みます。
(4) 住生活
A15 居室等施設全体がきれいに整美され、安全、安心を感じる場所となるように子ども一人ひとりの居場所を確保している。 a
【コメント】
〇日頃から安心安全な環境となるよう「割れ窓理論」を常に意識された整備が行われています。各子ども部屋も個室を基本として、相部屋でもパーティション、カーテン等が設置され、個々の好みの部屋となっています。共有スペースである食堂やリビングはきれいに整頓され、安らぎのある空間となっていますが、年齢にあった絵本、書籍等が配置されることにより、より家庭的雰囲気に近づけることが出来ると思われます。自室の片付けは子どもたちが行いますが、必要に応じて職員と共に行い、掃除等の習慣が身に付くように支援されています。
(5) 健康と安全
A16 医療機関と連携して一人ひとりの子どもに対する心身の健康を管理するとともに、必要がある場合は適切に対応している。 a
【コメント】
〇嘱託医により年2回の健康診断が行われています。入所前の通院歴、服薬、行動の特徴等子どもの全般的な健康把握としてサポートシートが活用されています。看護師による服薬管理があり、常に職員と看護師の連携した健康管理対応に努めています。職員の学習する機会として感染管理研修会、子どものこころのケア研修、応援ミーティング、対応委員会のメンバーよる医療的ケアに関する助言の場が設けられています。コロナ感染防止のためのチェックリストが実施され、ホームには外出前後の感染予防の掲示があり、子ども達の知識普及に努められています。
(6) 性に関する教育
A17 子どもの年齢・発達の状況に応じて、他者の性を尊重する心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 a
【コメント】
〇「生と性の委員会」を設置し、委員会で研修内容や園での取組みが計画的に実行されています。性教育の絵本が購入され、子どもに読み聞かせすることで子どもと共に職員も知識得る機会を設けています。「体の清潔の学習会」の実施、「性といじめのアンケート」による職員と一対一の聴き取りが実施されています。職員会議では「子どもの性教育をする大人のチェックリスト」が配布され、職員の意識の向上が図られています。昨年度はコロナウィルスの影響で実施されませんでしたが、例年にじいろCAPからの外部講師を招く学習会が実施されています。
(7) 行動上の問題及び問題状況への対応
A18 子どもの暴力・不適応行動などの行動上の問題に対して、適切に対応している。 a
【コメント】
〇様々なケースを想定した危機対応マニュアルが策定され、職員のメンタルヘルス「もも」、ストレスチェックの取組みが行われています。子どもの行動上の問題の前兆が見られた場合は、本人の癒しとなる居室で職員と一緒にクールダウンが図られます。ヒヤリハット事案については、職員会議、事故防止委員会で改善の検討が実施され、外部講師を交えた対応委員会、応援ミーティングでの助言を得ることができる体制となっています。また、児童相談所、医療機関、警察との連携を図り、再発防止の改善策の取組みが行われています。
A19 施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 a
【コメント】
〇入所前のこどもの状態を確認するサポートシートがあり、個別的な配慮に努められています。職員に対しては話し合える場として数名の職員で形成されたプチファミリーがあり、日常的に職員相互の信頼関係を高めることに努められ、就業改善委員会、働き方改革プロジェクトが実施されています。問題発生予防のために各部署からの支援ができる配置体制となっています。対応が困難な場合は児童相談所、学校、警察、病院等の他機関との連携が図られ、非常通報として警備会社との契約が結ばれています。
(8) 心理的ケア
A20 心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 a
【コメント】
〇心理療法担当職員が配置され、WISCの検査、箱庭療法の設備があります。入所前のサポートシートにより心理的ケアを必要とする子どもの把握に努められています。心理療法担当職員はケース会議への出席、自立支援計画への参加、職員会議でのアドバイスや職員研修を実施しています。外部講師を交えた応援ミーティングでは児童精神科医師の定期的な助言・援助をうける体制が整っています。心理的ケアで病院受診が必要な場合は保護者への口頭承諾が行われ、児童相談所との相談、病院との連携が密に図られています。
(9) 学習・進学支援、進路支援等
A21 学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 a
【コメント】
〇小学校1年生より机を持てる学習環境が整えられ、学力及び子どもの希望により、学習ボランティアや地域の学習塾等を活用する機会が提供されています。宿題の提出や忘れ物の有無等については確認が行われ、学校の担任との連携が図られています。特別支援学級等への通学が必要な子どもに関しては、子ども、保護者に説明や理解を促す声掛け等を行い、手帳の申請等のサポートが実施され、担任、スクールソーシャルワーカーと連携した支援が実施されています。児童発達支援センターや児童家庭支援センター(同法人内に設置)の利用が行われています。
A22 「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 a
【コメント】
〇子どもの進路選択は自己決定が尊重されています。職業指導員が配置され、本人、親、家庭支援専門相談員とともに自立支援計画に基づいた相談支援が行われる体制ができています。進路のための情報収集や就労支援(アルバイト)などの個別的支援が実施されています。ブリッジフォースマイル主催の「巣立ちセミナー」が開催され、みらい子ども財団の活用も紹介されています。「ひかりどうえんを支える会」からの援助も実施され、高校卒業後の金銭的支援などの情報提供、必要に応じて電話を行ったり、生活物資を送ったりと継続的な支援が行われています。
A23 職場実習や職場体験、アルバイト等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 a
【コメント】
〇職業指導員が配置され、自立のための支援として職場実習や職場体験の協力事業所を開拓し、働く機会の確保に努められています。アルバイトや資格取得に関しては自立のための一環として、色々と取り組んで欲しいとの思いから推奨されています。アルバイト等の経験を通して、その過程での問題等については職員も一緒に取り組みながら、社会の仕組みやルールについての話し合いの場が定期的に実施されています。実習先や体験先の確保について職業指導員を中心としてより活発に取り組まれることが望まれます。
(10) 施設と家族との信頼関係づくり
A24 施設は家族との信頼関係づくりに取り組み、家族からの相談に応じる体制を確立している。 a
【コメント】
〇入所時に保護者に配布される資料に、子どもの成長の大きな支えは保護者であり、保護者と園と二人三脚で子どもの成長を見守ることの大切さ、園での生活、外泊のルール、個人情報取り扱い、意見・要望・苦情等の受付など全般的なことが分り易く説明されています。6名のソーシャルワーカー、担当ケアワーカーは情報共有を図り、個別的に支援されています。保護者への連絡手段は保護者の状態に応じて手紙、電話、ライン等で対応されています。一時帰宅時には送迎を行い、保護者への声掛け、「かけはしノート」で家庭と園の情報共有が図られ、継続的な関わりに取り組まれています。
(11) 親子関係の再構築支援
A25 親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
〇家庭支援専門相談員、担当ケアワーカーを中心に児童相談所や市町村福祉課とも連携し、親子関係の再構築の支援方法が検討されています。親子関係再構築のための取組みが自立支援計画に反映され、全体での共有が図られています。親子の継続的な関わりが持てるように、リモートでの交流、保護者へのバースデーカード等が実施されています。一時帰宅時には「かけはしノート」による園での様子、家庭での様子の把握に努められ、家族との関係の継続に取組まれています。親子訓練室がコロナにより中止中ですが、以前のように活用できることに期待いたします。
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