社会的養護施設第三者評価結果 検索

小百合園

第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 養育・支援の基本方針と組織 
1 理念・基本方針
(1)理念、基本方針が確立・周知されている。 第三者
評価結果
1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 a
【コメント】
 施設では、理念、基本方針については施設概要や事業計画に明記されています。職員には、年度初めの会議の場で施設長から説明され、周知が図られています。子どもへの周知は、入所時と部屋毎に話しています。保護者への周知は、入所時や面会時に周知していますが、虐待等で入所時に同席できない保護者には充分な説明はしていません。今後、説明する機会を持つと話されています。
2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 b
【コメント】
 施設では、児童養護施設を取り巻く動向や経営環境の課題等については、把握しています。しかし、経営環境や課題の分析が十分ではありませんので、今後、施設が位置する地域の変化等に把握し、分析することを望みます。
3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 b
【コメント】
 施設での経営課題は、職員会議で周知しています。現在は、欠員状態のカバーを最優先し、支援や職員体制等の建て直しをしています。今後は、経営上の課題解決のために職員同士の検討の場を設置する等、組織的な取組を望みます。
3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 b
【コメント】
 施設では、「家庭的養護推進計画」を作成し、小規模化の流れの中で地域小規模児童養護施設、里親委託やファミリーホームについて中長期の計画をしています。収支計画については、単年毎に修繕費積立金として計上して予算措置しています。今後は、養育・支援の更なる充実、課題の解決等の実現に向けた具体的な取組みと中長期の収支計画書の策定を望みます。
5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 b
【コメント】
 施設では、事業計画に地域小規模化に向けた取り組みは、職員の研修のみとなっています。今後は、中長期計画を踏まえ、数値目標や具体的な成果等を盛り込んだ事業計画の作成を望みます。
(2) 事業計画が適切に策定されている。
6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 b
【コメント】
 施設では、事業計画は事務長や施設長が作成し、職員会議に図り、意見があれば意見を反映させています。事業計画の策定にあたり、職員と内容によっては子どもの意見を集約・反映する仕組みを構築することを期待します。
7 事業計画は、子どもや保護者等に周知され、理解を促している。 c
【コメント】
 施設では、事業計画を子どもには日常生活の中で口頭で伝えています。保護者には、行事や施設での生活の様子は伝えていますが、事業計画全般については伝えていません。今後、子どもや保護者等がより理解しやすいような工夫を望みます。
4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
8 養育・支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 b
【コメント】
 施設では、自己評価を毎年実施し、結果の周知は施設長がまとめたものを職員に配布しています。今年度から個別研修計画票(振り返りシート)を作成し、PDCAサイクルに基づく支援の質の向上に関する取り組みを行っています。今後は、評価結果を分析・検討する場を設けることを望みます。
9 評価結果にもとづき施設として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 b
【コメント】
 施設では、平成28年度の自己評価結果をまとめています。明確になった課題については、文書化して職員に配布しています。今後は、課題改善に向けて取り組むことを望みます。
Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 a
【コメント】
 施設長は、職員には問題や課題を一人で抱え込まないように、どんな小さなことでも自分も含め、主任、心理担当職員やスーパーバザーと率直に話し合うよう、日頃から職員会議等で折に触れ話しています。施設長の役割については、職務分担表等に明示されています。
11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 b
【コメント】
 施設長は、職員に対して権利擁護と子どもの不利益にならないよう文書管理の徹底と個人情報保護の重要性を話しています。個人情報保護に関する方針は定めていますが、個人情報保護規程は現在、整備中とのことです。今後は、法令遵守等の研修に参加し、自己研鑽に努めることを期待します。
(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
12 養育・支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 a
【コメント】
 施設長は、朝の打合せや支援の検討会議に入り、職員に的確なアドバイスをしています。また、職員面談を実施して子どもへの養育・支援に対する意見等を聴取したり、個人研修への参加を促す等、積極的にリーダーシップを発揮しています。
13 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 a
【コメント】
 施設長は、職員の意見を聴きながら一つの居室に職員2名を配置する等、環境整備に取り組んでいます。また、記録を簡素化する等の業務の改善をしています。
2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 b
【コメント】
 施設では、実習生が採用に結びつくよう人材確保を意識して丁寧な対応をしています。今後は、質の高い養育・支援を実現するために、福祉人材の確保・育成に関する方針を明確にした計画の策定が望まれます。
15 総合的な人事管理が行われている。 b
【コメント】
 施設では、キャリアパスの考えに基づき、職員一人ひとりの足りないところを見極められるような仕組づくりに取り組んでいますが、人事考課の導入は難しいと考えています。今後は、職員のモチベーションを高めるために、人事管理に関わる規程等の整備と職員の評価の基準を明文化することが望まれます。
(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 b
【コメント】
 施設では、施設長が職員と個別面談を年2~3回実施し、働き方や意見等の聴き取りをしています。また、悩み等の相談は、日頃から施設長と主任が対応し、話しやすいよう配慮しています。今後は、ワーク・ライフ・バランスに配慮しながら、人材の確保、定着の取り組みに期待します。
(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 b
【コメント】
 施設では、職員一人ひとりの目標が設定され、進捗状況や達成度を確認する面談を行い、職員の育成に向けた取り組みをしています。また、平成29年度からは個別研修計画票を策定し、「できているところ」「たりないところ」「今年度の目標」「自分に必要な研修や取り組み」「研修の評価」について振り返りをしています。今後、更なる充実した取り組みを期待します。
18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 b
【コメント】
 施設では、人材育成を体系化した研修計画を策定し、経験年数に応じた階層別研修が実施されています。平成29年度の研修計画は、平成28年度の研修実績を踏まえ、計画しています。また、個別研修計画票を策定し、人材育成に積極的に取り組んでいます。今後は、定期的な計画の評価と見直しを行うことを望みます。
19 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 a
【コメント】
 施設では、職員一人ひとりの研修計画を作成し、実施しています。外部研修に参加した職員は、報告書を作成するとともに職員会議で報告しています。また、自己評価シートに報告書のコピーを入れて日頃から内容を確認し、日々の学びや気付きを大切にしています。
(4) 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
20 実習生等の養育・支援に関わる専門職の教育・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 b
【コメント】
 施設での実習生の受入れについては、「実習生オリエンテーション」という文書に基づき、行われています。しかし、施設では実習生が採用に結びつくよう専門職種に配慮した丁寧な指導が行われていますが、マニュアルやプログラムについての整備が十分ではないと考えています。今後は、マニュアル等の整備を期待します。
3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 a
【コメント】
 施設では、年2回の機関誌発行とホームページ上で外部に法人・施設の理念、養育・支援の内容、事業計画・事業報告、予算・決算、第三者評価の受審結果等の情報を発信しています。
22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 b
【コメント】
 施設では、経理規程が整備され、年1回の内部監査を実施しています。また、施設独自に会計事務所から経理全般の指導を受けていますが、外部監査については、今後、検討しなければならないと考えています。
4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
23 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 b
【コメント】
 施設では、町内会との連携が取れており,職員が子ども会の役員として参加したり、子どもや職員が運動会や夏祭りなどの地域行事に参加しています。また、学校の友人が施設へ遊びに来やすい環境をつくっています。
24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 a
【コメント】
 施設では、ボランティアの受入れに関するマニュアルを整備し、幼児の遊び・ピアノ指導・学習指導・草刈りや窓ガラス拭きなどの環境整備を定期的に受け入れています。また、子どものニーズに基づいて、子どもとの交流を図る餅つきやケーキ作り、コンサートやバーべキューなどの外出ボランティアも受け入れています。
(2) 関係機関との連携が確保されている。
25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 a
【コメント】
 施設では、関係機関の連絡先を一覧にまとめており、学校・児童相談所等の関係機関と定期的な情報交換に努め,ネットワーク化されています。関係機関とのやり取りは、記録に残し、職員間の情報共有が図られています。
(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
26 施設が有する機能を地域に還元している。 c
【コメント】
 現在、施設では施設が有する機能を地域に還元していないことを課題と捉えています。今後は、施設の特性を活かした機能を地域に還元することを期待します。
27 地域の福祉ニーズにもとづく公益的な事業・活動が行われている。 c
【コメント】
 施設では、平成28年度の自己評価の結果から地域との交流、地域貢献に関して施設内の職員研修の一部を地域の方々にお知らせし,参加していただくなど、できるところから具体的な活動計画を立てて取り組んできたいと考えています。今後の取組に期待します。
Ⅲ 適切な養育・支援の実施
1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
28 子どもを尊重した養育・支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 b
【コメント】
 施設での子どもを尊重した養育・支援の実施ついては、理念や養護目標に明示されています。また、職員間で日常的に子どもの状況について情報共有や意見交換が行われ、時にはスーパーバイズを受け、全国児童養護施設協議会が作成した倫理綱領を活用しながら、子どもへの養育・支援にあたっています。今後は、子どもの尊重や基本的人権への配慮などについて、定期的に状況把握や評価等を行うことを望みます。
29 子どものプライバシー保護等の権利擁護に配慮した養育・支援の実施が行われている。 b
【コメント】
 施設では、プライバシー保護についてのマニュアルは整備されていませんが、職員は日常生活場面で子どものプライバシーに配慮した支援に心掛けています。例えば、スマートフォンや音楽の視聴に集中している時はむやみに声をかけない、部屋へ入る時は声をかけるなど、日頃から配慮しています。施設のハード面を考えると子ども一人ひとりのプライバシーが守られた生活環境の提供は難しい側面はありますが、人権擁護のチェックリストなどにもプライバシーについての項目があることから、今後は、マニュアルを整備して、職員間で更なるプライバシー保護の取り組みを行うことを望みます。
(2) 養育・支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
30 子どもや保護者等に対して養育・支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 a
【コメント】
 施設では、ホームページや内容等を記載したパンフレットを施設の玄関に置き、利用希望者であれば、誰でも施設の情報を得ることができるようになっています。また、見学希望者に対しては、施設長が説明対応にあたっています。
31 養育・支援の開始・過程において子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 b
【コメント】
 施設では、入所時の説明は、施設長と担当になる職員がパンフレットや施設が作成した面会・外出・外泊について、定めた文書を活用して丁寧に行っています。その際、新しい環境に慣れるため1か月間は面会や外泊はできないこと、医療行為、私物の取り扱いなどを説明し、同意書を取っています。今後は、施設が作成した文書について、子どもや保護者がわかりやすい書面構成に工夫することを望みます。
32 措置変更や地域・家庭への移行等にあたり養育・支援の継続性に配慮した対応を行っている。 a
【コメント】
 施設では、子どもが措置変更などで他施設へ移行する際には、養育・支援の継続のために、子どもの特徴を「本人紹介」「生活習慣」等の項目ごとに、内容を記載した書面を担当や心理担当職員とともに作成して引継ぎ、子どもが不利益にならないよう支援の継続性に配慮しています。
(3) 子どもの満足の向上に努めている。 第三者
評価結果
33 子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 b
【コメント】
 施設では、居室担当者が、日常的な関わりの中や子ども達とのミーティングを通して満足度を把握しています。また、施設では子供会が組織され、職員も参画する中で子どもたちの意見を聞いています。そのなかで携帯電話については、使用を認めており、適切な使用方法について子ども達と話し合いを予定しています。子ども達が安心して快適な生活が送れるためにも、要望や意見を把握・分析・検討を行い、子ども達の満足度の向上につなげていく取り組みを期待します。
(4) 子どもが意見等を述べやすい体制が確保されている。
34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 b
【コメント】
 施設では、「苦情解決制度についてのお知らせ」の文書の中で苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員会設置規程などを整備して取り組んでいます。今後は、苦情内容に関する検討や対応策について、子どもや保護者へのフィードバックしながら、養育・支援に活かしていくことを期待します。
35 子どもが相談や意見を述べやすい環境を整備し、子ども等に周知している。 a
【コメント】
 施設では、「思い箱」を子どもが出入りする玄関正面に設置し、施設長がその箱を開けて相談対応にあったています。施設には相談室などの部屋はありませんが、相談の内容や緊急性に配慮してその都度、相談に応じています。また、普段から子ども達の話を聞くことを大切にしており、事務職員や厨房職員など、担当職員以外であっても相談できるという雰囲気があります。
36 子どもからの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 b
【コメント】
 施設では、子どもからの相談については施設全体のことと捉え、施設長や担当職員、家族も含め、児童相談所等の関係機関にも話し合いに入ってもらい対応しています。しかし、相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策などを定めたマニュアルがありませんので、整備されることを望みます。
(5) 安心・安全な養育・支援の実施のための組織的な取組が行われている。 第三者
評価結果
37 安心・安全な養育・支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 b
【コメント】
 施設では、緊急対応マニュアルを作成し、緊急対応は一人ではなく施設長及び職員全体で対応しています。また、施設外での危険個所の明示、不審者への対応や防犯を目的としたカメラ・センサーの設置など、子どもの安心・安全を守る取組みが行われています。施設で起きた事故については、事故報告書の様式で報告することになっていますが、リスクマネジメントに関する責任者が不明確であり、事故につながるヒヤリハットの取組みなども十分とはいえないことから、今後は、リスクマネジメント委員会などを設置して、安心・安全な養育・支援が行われることを望みます。
38 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 b
【コメント】
 施設では、感染症予防マニュアルを作成し、感染症の予防に努めています。また、栄養士や調理員が参加した研修会などで、特に食中毒予防については全職員に報告され、施設全体で共有しています。施設での感染症予防については、マニュアルが整備されていますが、感染症が発生した際の取組み体制としての責任者や、対応策などが不明確なため、管理体制を含めたマニュアルを作成することを望みます。
39 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 b
【コメント】
 施設では、防火管理規程を整備して「火災」「地震」「風水害」「土砂災害」に備えています。また、子ども達へは、毎月、様々な想定(火災・地震・土砂災害)で避難訓練を実施して、防災意識の啓発に努めています。また、防災物資等の備蓄管理状況について(3日分以上)は、表にまとめています。今後は、災害時における子ども及び職員の安否確認の方法等について、検討されることを望みます。
2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
40 養育・支援について標準的な実施方法が文書化され養育・支援が実施されている。 b
【コメント】
 施設では、標準的な実施方法について「生活の流れ及び指導の留意点」として文書化されていますが、実施状況について、確認する仕組みがありませんので、標準的な実施方法に沿って、養育・支援が行われているかを確認する仕組みづくりを望みます。
41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 b
【コメント】
 施設では、標準的な実施方法についての見直しと修正は、その都度、行われていますが、定期的な検証や見直しはなされていません。今後は、PDCAサイクルに基づいて、検証・見直しを継続的に行うことを望みます。
(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 a
【コメント】
 施設では、子ども一人ひとりの自立支援計画は児童相談所からの入所時記録、入所後の生活記録、心理担当職員からの意見等を基に、アセスメントした上で担当職員が作成しています。
43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 a
【コメント】
 施設では、自立支援計画の評価・見直しについて、評価は年3回(4月・8月・12月)心理担当職員やスーパーバイザーも参加して行われています。また、援助指針の修正があった場合は、施設で決められた様式に記入して自立支援計画票に添付しています。
(3) 養育・支援の実施の記録が適切に行われている。
44 子どもに関する養育・支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化さている。 b
【コメント】
 施設では、子ども一人ひとりへの養育・支援の日常記録について、「生活観察記録」にまとめられ、職員間で共有できる仕組みになっています。今後は、記録要領の作成を行い、記録する職員間で記録内容の書き方に差異が生じないように取り組まれることを望みます。
45 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 b
【コメント】
 施設では、子どもの記録等の管理は職員室に保管管理され、常に施錠がされています。また、個人情報保護の規程や文書規程が整備され、開示や廃棄等についてもその規程を基に行われています。今後は、個人情報保護の観点から職員に対しては、教育や研修を行い、子どもや保護者へは、その取扱いについて説明することを望みます。

内容評価基準(41項目)A-1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
A1 社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 b
【コメント】
 職員は、毎年「めざす職員像自己点検シート」により日々の養育・支援の振り返りを行っており、その結果を職員会議で共有し、全体で振り返る機会としています。
本年度からスーパーバイザーが配置され、日常の場面や職員会議などで職員へのアドバイスを行っていますが、職員の欠員の穴埋め的な存在となっており、スーパーバイザーとしての本来の役割が発揮できていないのが現状となっています。今後、職員体制を充実させ、必要に応じてスーパービジョンが受けられるような環境を整えていくことが望まれます。
A2 子どもの発達段階に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせている。 a
【コメント】
  生い立ちについては、それぞれの子どもの年齢や家庭の状況に配慮し、職員間で協議の上、児童相談所の職員と連携しながら丁寧に伝えるようにしています。また、伝えた後は子どものようすを見守り、つかず離れずの距離感を保ちながら必要に応じて声掛けをするなど、適切なフォローを心がけています。
(2) 権利についての説明
A3 子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 b
【コメント】
施設では、職員が児童の人権を擁護し、権利侵害を起こさないために「一人一人の子どもが生きる喜びと希望をもって成長できるように」という文書を作成し、職員会議で周知しています。また、外部から講師を招いて、人権について子どもと職員がともに学ぶ機会を設けています。
 権利ノートはそれぞれの子どもが所持していますが、今後、子どもの権利について日常の中で職員が具体的にわかりやすく説明する機会を設けていくことが望まれます。
(3) 他者の尊重
A4 様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援している。 a
【コメント】
 子どもの誕生日には、担当職員と2人で外出して誕生日プレゼントを購入し、外出先でティタイムをつくるなど、職員と子どもが個別的に触れ合う時間を設けています。また、ユニットの子どもたちと職員が協力して手作りのケーキを用意して祝い、自己の権利を尊重するとともに、他者への心遣いが育まれるよう支援しています。
(4) 被措置児童等虐待対応
A5 いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 a
【コメント】
 施設では、虐待や不適切対応がないよう「被措置児童虐待や不適切な養育が起こってしまった時は(事後対応)」という文書を作成し、その中で対応の手順、フローチャート、施設職員と園長の責務、再発防止に向けた取り組みを明確にしており、職員会議で共有し、常に職員間で意識して支援しています。
A6 子どもに対する不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 a
【コメント】
 子どもに対する職員の不適切な関わりを防止するため、施設では密室にならないよう配慮し、複数の職員で対応するなどの体制を講じています。また、施設長が不適切なかかわりへの防止に備えて文書を作成し、職員会議の中で共有して共通理解に努めています。
A7 被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 a
【コメント】
 虐待については、マニュアル「被措置児童虐待の対応」が整備されており、それに沿って対応する体制があります。また、施設には、子どもが施設長に直接自分の思いを届けることができるよう、「思い箱」が設置されており、子どもが誰にも知られずに思いを訴えられるような環境を整備しています。
(5) 思想や信教の自由の保障
A8 子どもや保護者等の思想や信教の自由を保障している。 a
【コメント】
 施設では、入所時に子どもや保護者にキリスト教の施設であることを説明しています。食事の前に手を合わせて感謝を込めていただく習慣はありますが、ここ数年は、ミサなどの宗教的行事等への参加は行っておらず、子どもの思想や信教の自由を尊重しています。
(6) こどもの意向や主体性への配慮
A9 子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理解し受けとめ、不安の解消を図っている。 b
【コメント】
 子どもの入所時には、孤立しないよう職員と他児との交流の時間を確保するよう心がけています。なかなか施設になじめない子どもについては、児童相談所からの情報なども参考にしながら、その子どもの特性を考慮に入れ、職員間で協議しながら対応しています。今後は、分離からの不安を軽減されるよう、子どもを温かく迎えるための具体的な取り組みを職員間で共有し、標準化していくことが望まれます。
A10 職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考え、生活改善に向けて積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
 入所している中高生を中心に、子どもたち自ら「生活のルール」(みんなでよい小百合園にしましょう)を作成し、食事の当番、食事のマナー、学習面、遊び、洗濯・入浴、生活面全体、金銭及び物品などについて細かにルールを決め、入所している子ども全員に配布しています。また、現状に沿わない事項や言葉遣いに関しては、職員と一緒に見直しする機会を設けています。
(7) 主体性、自律性を尊重した日常生活
A11 日々の暮らしや、余暇の過ごし方など健全な生活のあり方について、子ども自身が主体的に考え生活できるよう支援している。 a
【コメント】
 施設では居室ごとに子どもたちのミーティングの時間を設け、日頃の生活の中で感じたことや改善してほしいこと、居室でのイベントなどを話し合い、職員と協議して運営しています。リビングには、沢山の書籍や遊具があり、子どもたちが自由に使用できるようになっています。また、インターネットが使用できる環境を整備しています。
A12 子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援している。 b
【コメント】
 金銭管理については、それぞれの子どもが自分の小遣い帳への記入を習慣づけることによって、身につけるよう支援しています。
 また、各居室には、年間のクラス費(居室ごとに使用できる費用)の金銭出納帳があり、子ども達が残金を確認しながら行事の費用を決めています。施設に入所している子どもたちは、医療機関を受診しても医療費を支払うという認識に乏しいため、子どもの通院時には、同行した職員が受診して実際に医療費を支払う場面を見せるなど、具体的な体験を通して習得させるよう取り組んでいますが、今後は、自立を控えた子どもの経済観念の確立に向けた、さらなる実践的な取り組みが望まれます。
(8) 継続性とアフターケア
A13 家庭復帰にあたって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう復帰後の支援を行っている。 b
【コメント】
 家庭復帰後は、必要に応じて対応する体制は整備されていますが、児童相談所を通じての関わりとなるため、積極的な支援は行われていません。
A14 できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用して継続して支援している。 a
【コメント】
 これまでに大学進学のために措置延長したケースがあり、また、高校進学が難しい子どもが職業訓練校に通学して就職するまでの期間や、高校中退の子どもが安定した生活が送れるようになるまでの間など、児童相談所と検討しながら必要に応じて措置の延長を行っています。
A15 子どもが安定した社会生活を送ることができるようリービングケアと退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 b
【コメント】
 職員は、子どもの退所時に、いつでも相談できることを伝えており、子どもがSOSを出しやすいよう配慮しています。また、必要に応じて退所先の福祉機関の職員と連携して情報を共有し、退所後の支援にあったています。自立支援計画の中に「家庭及び地域」の欄があり、退所後の生活を見据えた支援が行われていますが、今後は組織としてアフターケアの体制を整えていくことが望まれます。
A-2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の基本 第三者
評価結果
A16 子どもを理解し、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止めている。 b
【コメント】
 職員は、「子どもと一緒に過ごすことで理解できることが沢山ある」と感じており、心理担当職員との連携を図りながら、子ども一人ひとりの背景を理解し、言葉では表出できない内面的な感情を受け止めるよう努めています。今後は、子どもからのアンケートを実施するなど、より一層、子どもと職員の信頼関係を築いていくことが望まれます。
A17 基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 a
【コメント】
 施設には決められた日課はありますが、高齢児については、生活時間やルールなどは子どもたちの自主性に任せており、秩序ある生活の範囲内で子どもの意思を尊重して柔軟に対応しています。夜間は宿直職員が2名で対応し、夜、目覚めたときに大人の存在が感じられるよう配慮しています。
A18 子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 a
【コメント】
 施設では、「子どもが自分で考える力、自分で判断する力を養うことが必要である」との考えから、子どもの生活全般についてのルールは、子ども達の話し合いで決め、不具合が生じた場合は見直ししています。施設側の禁止用語の多い掲示物等はなく、子どもの自主性、主体性を尊重し、子どもを信じて見守る姿勢が感じられます。
A19 発達段階に応じた学びや遊びの場を保障している。 b
【コメント】
 遊び場が少ないという物理的な問題はありますが、今後は、発達段階に応じた子どもの学びや遊びに関するニーズを把握するための具体的な取り組みが望まれます。
A20 秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 a
【コメント】
 施設への寄贈品があった場合には、子どもたちが順番にお礼状を書くことを習慣づけており、子どもの地域社会への参加のための取り組みがあります。施設全体が和やかで穏やかな雰囲気があり、職員がその振る舞いや態度で規範を示すことで子どもの身近な大人モデルとなっています。
(2) 食生活
A21 食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫している。 a
【コメント】
 食堂の各居室ごとのテーブルには、それぞれ違うデザインのテーブルクロスが敷かれています。職員は、全員が話に参加できるよう、その日の出来事などの話題を提供しながら、楽しく食べるための環境づくりに配慮しています。また、大きさや形状の違う食器が多数そろえてあり、メニューによって、子ども自身が食器を選んで盛り付けるなど、自立後の食生活習慣が身につくよう取り組んでいます。
A22 子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供している。 a
【コメント】
 栄養士は、一人ひとりの子どもの誕生日を把握しており、誕生日には栄養の偏りがないよう配慮しながら,その子どものリクエストに応じた献立を提供しています。アンケートの結果からも子どもが喜んでいる様子が伺えます。残食の状況は毎日記録され、その結果をもとに子どもの嗜好を分析しています。また、残食を活用できる献立に応用するなどの工夫が見られ、子どもの嗜好と発育に必要な栄養摂取量の確保に取り組んでいます。
A23 子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進している。 a
【コメント】
 施設では、各居室で誕生日のケーキやおやつを手作りする機会や、子どもの外食費の1回分の費用で食材を買って調理するなどを設け、食習慣の習得に向けて取り組んでいます。また、栄養士や調理員は、常日頃から子どもとの関係性を大切にしており、日常生活の中で栄養やおやつの取り方について話をする機会を設けています。
(3) 衣生活
A24 衣類が十分に確保され、子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 a
【コメント】
 居室のロッカーには、寝具や衣服が夏物冬物を分けて収納してあり、気候に応じた保管の習慣が身につくよう支援しています。各居室には洗濯機が設置され、中高生は自分で洗濯をすることになっており、職員が適切に声掛けしながら清潔なものを身に着けるよう習慣づけています。衣服の購入は、子どもが一人で出かけたり、職員と一緒に出かけて購入しており、自己表現の手段としてできるだけ子どもの好みを尊重するとともに、TPOに合わせた身だしなみができるよう職員が助言しています。
(4) 住生活
A25 居室等施設全体がきれいに整美されている。 b
【コメント】
 広い庭園は、きれいに整美されています。また、子どもたちが植えた草花もあり、そこに暮らす子どもが大切にされている様子が感じられます。
 職員は、子どもに整理整頓や掃除などの習慣が身につくよう支援していますが、「子ども自身に意識が根付いていかない」と感じています。今後は、子どもに意識付けするための具体的な取り組みが望まれます。
A26 子ども一人ひとりの居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにしている。 a
【コメント】
 建物の構造上、物理的に個室を確保することは困難な状況にありますが、子ども一人ひとりのベッドや机には、家族や好きなタレントの写真が飾られ、個人の空間が確保されています。子どもが一人になりたくてベッドや机に行くときは、職員が他児に声掛けするなどの配慮をして、子どもが安心を感じる場所となるよう心がけています。
(5) 健康と安全
A27 発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援している。 a
【コメント】
 職員は子どもが自分自身で健康管理ができるよう、日頃から身だしなみや寒暖の差により衣服を調整すること、交通ルールなどについて伝えています。また、施設では、周辺の危険箇所を把握し、分かり易く図式化して子ども達に示しています。
A28 医療機関と連携して一人ひとりの子どもに対する心身の健康を管理するとともに、必要がある場合は適切に対応している。 b
【コメント】
 子どもの健康診断は年2回実施しており、職員は一人ひとりの子どもの健康状態の把握に努め、職員間で共有しています。また、子どもが体調不良を訴えやすいよう、様子をみながら声掛けをしています。
 子どもの心理面での健康に関しては、心理担当職員の研修報告を学習する機会とし、知識を深める努力をしていますが、さらに医療や健康について学習する機会を設けていくことが望まれます。
(6) 性に関する教育
A29 子どもの年齢・発達段階に応じて、他者の性を尊重する心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 a
【コメント】
 施設では、子どもと職員が話し合う「女子会」や「チャイルドラインみやぎ」によるプログラムを通して、年齢や発達段階に応じて子どもが性に対する正しい知識が持てるよう取り組んでいます。
(7) 自己領域の確保
A30 でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とするようにしている。 a
【コメント】
 各居室には、子ども一人ひとりの引き出しやロッカー、机、ベッドが用意されており、自己領域の確保に努めています。また、好みに個人差の出るシャンプーなどは、年間一人3,000円支給し、子どもの好みに応じて事由に購入できるよう配慮しています。
A31 成長の記録(アルバム等)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにしている。 b
【コメント】
 幼児のアルバムは、まとめて職員が保管していますが、高齢児は個人所有としているため、子どもが見たいときにいつでも見ることができる環境にあります。子どもが職員と一緒にアルバムを見る機会を設けており、子どもが安心できる大人と生い立ちを振り返ることで、自己肯定感が持てるよう支援しています。今後は、アルバムの整理を進めるとともに、成長記録として有効に活用していくことを職員間で協議することを期待します。
(8) 行動上の問題及び問題状況への対応
A32 子どもの暴力・不適応行動などの行動上の問題に対して、適切に対応している。 a
【コメント】
 施設では、職員が一人で養育上の問題を抱え込まないために「養育相談実施計画」という文書を作成し、行動上に課題のある子どもへの対応を職員全員に周知して体制を整えています。また、問題行動があったときには、手順に従って対応し、児童相談所とも連携しています。
A33 施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 a
【コメント】
 職員は、日々の子どもの遊びや関わり方を観察することによって、子ども同士の関係性の把握に努めています。子ども間のいじめや暴力が発覚したときは、複数の職員で双方から話を聴き、個人攻撃にならないよう配慮しながら、その学年の子ども全員を集めて話し合う機会を設けるなど、社会性を身につけていくよう支援しています。
A34 虐待を受けた子ども等、保護者等からの強引な引取りの可能性がある場合、子どもの安全が確保されるよう努めている。 a
【コメント】
 これまでに保護者からの強引な引取りがあったケースはありませんが、可能性があるケースについては、児童相談所から情報提供があり、職員に周知しています。親の同意のないまま措置となるケースもあるため、学校などでも個人情報について配慮しています。
(9) 心理的ケア
A35 心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 a
【コメント】
 常勤の心理担当職員が配置され、心理療法室が設置されています。子どもの発達段階とその特徴を捉えたうえで、プレイセラピーなどを通して、心理的支援が行われており、担当職員や児童相談所の職員と連携しながら、「子どもに寄り添いながら、子どもが自分自身の力で、自分のタイミングで、自分で決定して変化すること」を支援しています。
 自立支援計画は、心理担当職員の意見も反映して作成しています。また、職員が一人で問題を抱え込まないよう「養育相談」を担当し、心理担当職員を核として施設全体が心理的支援にあたっています。
(10) 学習・進学支援、進路支援等
A36 学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 a
【コメント】
 施設では、個室による学習環境を整備することは困難ですが、その中でも子どもが落ち着いて勉強できるよう工夫しています。中学生には学習ボランティア、中学3年の受験生は、週2回学習塾を活用しており、それぞれの子どもの学力に応じた学習支援が行われています。
A37 「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 b
【コメント】
 進路選択については、子どもの希望を優先して考え、児童相談所とも連携して家族や学校の意見を聞き、奨学金などの情報を提供しながら決定しています。今後、手順を標準化して共有し、職員間に差異が生じないような取り組みが望まれます。
A38 職場実習や職場体験、アルバイト等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 a
【コメント】
 現在、アルバイトをしている子どもがおり、支援学校では1年に2回、職場体験を実施しています。また、「チャイルドライみやぎ」主催によるホテル、花屋、農業体験などの職場体験を利用して、社会経験の拡大に取り組んでいます。また、職員は、子どものアルバイト先での仕事や、人間関係の悩みなどのストレスを抱えた子どもの話を聴き、寄り添いながら支援しています。
(11) 施設と家族との信頼関係づくり
A39 施設は家族との信頼関係づくりに取り組み、家族からの相談に応じる体制を確立している。 b
【コメント】
 施設長は、家庭との連絡・連携に関するマニュアルとして「明るく やさしく つよく育てるために」という文書を作成して、子どもの入所時に保護者に伝えています。子どもの面会や外泊時には、家族からの不安に耳を傾け、丁寧に聴く姿勢を心がけて家族との信頼関係づくりに取り組んでいます。家庭支援専門相談員は配置されていますが、今後、家庭支援専門相談員の役割を明確化し、家族への支援体制を整えていくことを期待します。
(12) 親子関係の再構築支援
A40 親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 b
【コメント】
 担当職員は、児童相談所と連携しながら家族との関係調整に取り組んでいます。施設として家庭支援専門相談員を核とした支援計画にして、施設全体で取り組んでいくことが望まれます。
(13) スーパービジョン体制
A41 スーパービジョンの体制を確立し、職員の専門性や施設の組織力の向上に取り組んでいる。 b
【コメント】
 施設長や心理担当職員は、研修等に参加するなど、積極的に支援技術の向上に努めています。また、心理担当職員は「養育相談」において、職員のスーパーバイザー的な存在となっています。今年度からスーパーバイザーを配置して、スーパーバイズを受ける体制は整えましたが、組織としてさらに積極的な活用が望まれます。
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