社会的養護施設第三者評価結果 検索

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第三者評価結果詳細
1 養育・支援
(1)養育・支援の基本 第三者
評価結果
子どもの存在そのものを認め、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止め、子どもを理解している。 a
基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 a
子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 a
発達段階に応じた学びや遊びの場を保障している。 a
秩序ある生活を通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 事業所の基本方針である八正道の精神を生活の中に取り入れ、人が成長していく上での根本となる精神の育成に向けて取り組んでいる。心理士が子どもとの面談や生活の様子を観察し、毎月職員に報告している。愛着行動がある事例等は、職員会議の場で話し合って支援方法を統一している。幼稚園の通園では、子どもの発達段階や精神的な負担をも考慮している。モンテッソーリ教育玩具や絵本、ゲーム、おもちゃ等、寄付を受けつつ充実させている。子どもにさまざまな体験機会を設けることにより、自分の得意なことや好きなことを伸ばしていけるように支援している。
(2)食生活 第三者
評価結果
食事は、団らんの場でもあり、おいしく楽しみながら食事ができるよう工夫している。 a
子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事を提供している。 a
子どもの発達段階に応じて食習慣を身につけることができるよう食育を推進している。 a
(3)衣生活
衣服は清潔で、体に合い、季節に合ったものを提供している。 a
子どもの衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 a
(4)住生活
居室等施設全体がきれいに整美されている。 a
子ども一人一人の居場所が確保され、安全、安心を感じる場所となるようにしている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 食を通じて子どもが健康で安心できる場所作りに取り組んでいる。毎週土曜日には鍋を囲み、温かく団らんの場を作っている。月に一度は、鰻やステーキなど普段食べる機会が少ない献立を提供している。通学している子どもたちからの希望があれば、昼食で提供した献立を取り置きして夕食に提供しており、喜びの声が上がっている。入所時には箸の持ち方もわからなかった子どもが、日々の生活の中で使い方を覚え成長している。2歳になったばかりの子どもが、上手に食器を片づけていた。「どんな状況下でも生活していけるように」と、職員は生活の動作を丁寧に指導している。
(5) 健康と安全 第三者
評価結果
発達段階に応じ、身体の健康(清潔、病気、事故等)について自己管理ができるよう支援している。 a
医療機関と連携して一人一人の子どもに対する心身の健康を管理するとともに、異常がある場合は適切に対応している。 a
(6) 性に関する教育
子どもの年齢・発達段階に応じて、異性を尊重し思いやりの心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 歯磨き指導では、小学4年生まで仕上げ磨きを実施している。定期的な歯科検診を受けており、歯科医から虫歯が少ないことを称賛されている。未修園児は居間の横にある和室を居住スペースとしており、常に他者の気配りによって安心できるように配慮している。身の回りの世話は自身でできるように、洗濯や掃除などは子どもたちが行っている。生きることについて学ぶ機会を設けており、性教育の一環として「生教育」に取り組んでいる。年齢が小さい子どもには、絵本を使って読み聞かせを行っている。思春期の子どもには、日常の会話や事例を上げて話し合う機会を作っている。
(7) 自己領域の確保 第三者
評価結果
でき得る限り他児との共有の物をなくし、個人所有とするようにしている。 a
成長の記録(アルバム)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにしている。 a
(8)主体性、自律性を尊重した日常生活
日常生活のあり方について、子ども自身が自分たちの問題として主体的に考えるよう支援している a
主体的に余暇を過ごすことができるよう支援している。 a
子どもの発達段階に応じて、金銭の管理や使い方など経済観念が身につくよう支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 持ち物はすべて個人の私物として、自分の部屋で自己管理できるように指導している。成長の記録として、取りためた写真を年に一度アルバムにまとめている。
 小さな頃からしっかりとした金銭感覚、管理方法を身につけさせるため、毎月お小遣いを渡している。子どもたちは、決められたお小遣いを使ってお菓子や本を買う等、自由にお金を使うことができる。友人同士のお金の貸し借り等の金銭トラブルを防ぐため、交流のある保護者とは連絡を取り合って情報共有を図っている。
(9) 学習・進学支援、進路支援等 第三者
評価結果
学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 a
「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 a
職場実習や職場体験等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 未就学時にはモンテッソーリ教育、小学生は進研ゼミ、中学生は希望に応じて学習塾へ通う等、年齢に応じた学習支援が用意されている。また、それぞれの学校の保護者会や個人懇談会に出席して、学校と連携して情報の共有を図っている。高校生に対しては、ヘルパー2級を取得できるようにサポートしており、自分の進路について考える機会を与えている。高年齢の子どもが少ないこともあり、現時点では進路決定につまづいた子どもに対応した事例はない。施設が歴史を重ねるにつれて、成長した子どもたちに対しての適切な支援や対応が、今後の重要な課題となるであろう。
(10) 行動上の問題及び問題状況への対応 第三者
評価結果
子どもが暴力・不適応行動などの問題行動をとった場合に、行動上の問題及び問題状況に適切に対応している。 a
施設内で子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 a
虐待を受けた子ども等、保護者からの強引な引き取りの可能性がある場合、施設内で安全が確保されるよう努めている。 a
(11) 心理的ケア
心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 心理療法室があり、心理療法担当職員が勤務する際に開放している。心理療法室には、子どもたちが壁を自由に色を塗ったりして、子ども自身が自己を表現したり、気分を落ち着かせたりすることができる秘密基地のようになっている。子どもが一人になりたいときには、小さな空間のデンスペースを利用できる。施設内は男女別の居住空間が設定されており、少人数制での生活となっていることから、職員の目が行き届くような仕組みがある。
(12) 養育の継続性とアフターケア 第三者
評価結果
措置変更又は受入れに当たり継続性に配慮した対応を行っている。 a
家庭引き取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行っている。 a
できる限り公平な社会へのスタートが切れるように、措置継続や措置延長を積極的に利用して継続して支援している。 a
子どもが安定した社会生活を送ることができるよう退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 児童相談センターや小学校、病院等を交えてケース会議を開き、施設の支援方法や学校との連携について話し合っている。特に学校からは的確な助言を受けており、充実した支援に役立てている。家族と直接会って家庭復帰を図る事例は少ないものの、退所後にも子どもと連絡を取り合う等、継続して支援していこうという思いがある。
 ※1-(12)-④は、18歳以降の支援についての設問ととらえ、当該施設ではまだ事例がないことから「非該当」の扱いとした。
2 家族への支援
(1) 家族とのつながり  第三者
評価結果
児童相談所や家族の住む市町村と連携し、子どもと家族との関係調整を図ったり、家族からの相談に応じる体制づくりを行っている。 a
子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行っている。 a
(2) 家族に対する支援
親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 保護者に子どもたちの生活の様子を伝えるために、ホールの掲示板に「学校通信」を貼り出している。独立した専門職としての家庭支援専門相談員がおり、子どもからの相談に乗るだけでなく、可能な場合には保護者との調整も行っている。
 可能な限り面会、外出、宿泊、週末帰省等、子どもと保護者との適切な接触機会を支援しており、親子訓練室で宿泊してもらって家庭に戻ることの適否を観察している。
3 自立支援計画、記録
(1) アセスメントの実施と自立支援計画の策定  第三者
評価結果
子どもの心身の状況や、生活状況を把握するため、手順を定めてアセスメントを行い、子どもの個々の課題を具体的に明示している。 a
アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を確立し、実際に機能させている。 a
自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行う手順を施設として定め、実施している。 a
(2) 子どもの養育・支援に関する適切な記録 
子ども一人一人の養育・支援の実施状況を適切に記録している。 a
子どもや保護者等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理を行っている。 a
子どもや保護者等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 毎年1回、アセスメントの見直しを実施し、「課題の整理表」にまとめて自立支援計画作成に活用している。自立支援計画は半期ごとに見直し、子どもの状態や環境が大きく変化した場合には作り変えている。子どもや保護者に関する記録は、業務日誌システムで作成され、「文書・記録規程」に従って管理されている。特に個人情報の管理には注意を払い、「個人情報保護規程」や「プライバシーの尊重と保護(マニュアル)」に従って運用されている。職員間の情報共有には、サイボウズ(情報管理)システムが有効に機能している。
4 権利擁護
(1) 子どもの尊重と最善の利益の考慮 第三者
評価結果
子どもを尊重した養育・支援についての基本姿勢を明示し、施設内で共通の理解を持つための取組を行っている。 a
社会的養護が子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通して理解し、日々の養育・支援において実践している。 a
子どもの発達に応じて、子ども自身の出生や生い立ち、家族の状況について、子どもに適切に知らせている。 a
子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に周知するための取組を行っている。 a
子どもや保護者の思想や信教の自由を保障している。 a
(2) 子どもの意向への配慮  
子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、養育・支援の内容の改善に向けた取組を行っている。 a
職員と子どもが共生の意識を持ち、子どもの意向を尊重しながら生活全般について共に考え、生活改善に向けて積極的に取り組む。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 子どもの人権や虐待防止に関する施設内研修を毎年実施し、その内容は職員を通して子どもや保護者にまで周知が拡がっている。子どもの出生や生い立ちは、子どもが小学生になった時点で児童相談所と相談して伝えている。施設の精神的なバックボーンとして仏教の「八正道」を基としているが、子どもや保護者の思想や信教の自由は保障されており、“豚肉を食べない”や“ピアスの穴を開ける”等の事例がある。子どもの思いや意向を自立支援計画に繋げているが、その際、「18歳になったときに役に立つか」を重要なポイントとして考察を加えている。
(3) 入所時の説明等 第三者
評価結果
子どもや保護者等に対して、養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報の提供を行っている。 a
入所時に、施設で定めた様式に基づき養育・支援の内容や施設での約束ごとについて子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 a
子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、そこから分離されることに伴う不安を理解し受けとめ、不安の解消を図っている。 a
(4) 権利についての説明 
子どもに対し、権利について正しく理解できるよう、わかりやすく説明している。 a
(5) 子どもが意見や苦情を述べやすい環境 
子どもが相談したり意見を述べたりしたい時に相談方法や相談相手を選択できる環境を整備し、子どもに伝えるための取組を行っている。 a
苦情解決の仕組みを確立し、子どもや保護者等に周知する取組を行うとともに、苦情解決の仕組みを機能させている。 a
子ども等からの意見や苦情等に対する対応マニュアルを整備し、迅速に対応している。 a
(6) 被措置児童等虐待対応
いかなる場合においても体罰や子どもの人格を辱めるような行為を行わないよう徹底している。 a
子どもに対する暴力、言葉による脅かし等の不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 a
被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応を整備し、迅速かつ誠実に対応している。 a
(7) 他者の尊重
様々な生活体験や多くの人たちとのふれあいを通して、他者への心づかいや他者の立場に配慮する心が育まれるよう支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 子どもが意見や苦情を述べやすい環境を作るため、様々なマニュアルを備えている。「悩みを相談しやすい雰囲気を作る」手順書、「相談を受けた際の記録方法」等の手順書がある。体罰や虐待の防止に関しても、「人権に配慮した指導・支援」、「体罰・暴力・虐待の防止」等の手順書を備え、具体例を明示して防止に努めている。子どもに「八正道」の精神を教え、年長の子どもが年少の子どもを思いやる心を育てている。介護施設や障害(児)者施設でハンデキャップを持った人たちと交わり、高校生は高校へ通いながら高齢者施設で働き、他者への配慮を学んでいる。
5 事故防止と安全対策
第三者
評価結果
事故、感染症の発生時など緊急時の子どもの安全確保のために、組織として体制を整備し、機能させている。 a
災害時に対する子どもの安全確保のための取組を行っている。 a
子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討を行い、子どもの安全確保のためにリスクを把握し対策を実施している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 子どもの安全で安心した生活を守るために必要と思われるマニュアル類は整備されており、見直しの実施もある。毎月防災訓練を行っており、夜間を想定した避難訓練も実施していた。隣接する4施設合同の「消防立会い防災訓練」や「炊き出し訓練」の実施もある。
 ISO9001の是正の仕組みが、事故の再発防止やヒヤリハットによる未然防止に活用されている。ヒヤリハットは毎月分析し、傾向を把握して対策が講じられている。危険な時間帯を調べる「時間分析」や、子どもを特定してのリスク分析も行っている。
6 関係機関連携・地域支援
(1) 関係機関等の連携  第三者
評価結果
施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共有している。 a
児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保し、具体的な取組や事例検討を行っている。 a
幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校など子どもが通う学校と連携を密にしている。 a
(2) 地域との交流  
子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけを行っている。 a
施設が有する機能を地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。 b
ボランティア受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備している。 a
(3) 地域支援 
地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を積極的に行っている。 a
地域の福祉ニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業や活動を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 最も関わりが深い児童相談所と良好な関係が構築されており、相互の情報交換・共有によって円滑な施設運営が可能となっている。教育機関との連携も強固で、子どもたちが通う幼稚園では、施設専用の通園バス(風の色号)を用意してくれた。地域の理解が進んでおり、折々にプレゼントが届き、ボランティアの来訪も多い。地域の農家からは、さつま芋掘り、じゃがいも掘り、玉ねぎ掘り等の招待が来る。530(ごみゼロ)活動は、小・中学生が中心となって奉仕している。知的障害児の利用(入所)に関する相談が多いことから、法人が隣接地に知的障害児入所施設を立ち上げた。
7 職員の資質向上
第三者
評価結果
組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢が明示されている。 a
職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画が策定され計画に基づいて具体的な取組が行われている。 a
定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させている。 a
スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向上を支援している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 「教育・研修規程」を定め、職員育成の方向性を明確にしている。「風の色・25年度研修計画」及び「年間研修計画・個別一覧表」によって、職員個々への研修が実施されている。研修受講者は、終了後に報告レポートを提出している。終了時と半年経過時点に研修効果の評価・検証を行い、個別の教育・研修についての必要性評価を実施している。さらに、この評価の結果は次年度の研修計画に反映される。サイボウズシステムによって、情報を共有したり、広く法人内から助言を求めたり、速やかな決定・決裁が可能となったりと、円滑な施設運営や支援技術の向上が図られている。
8 施設の運営
(1) 運営理念、基本方針の確立と周知  第三者
評価結果
法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割が反映されている。 a
法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針が明文化されている。 a
運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 a
運営理念や基本方針を子どもや保護者等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 a
(2) 中・長期的なビジョンと計画の策定  
施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されている。 a
各年度の事業計画は、中・長期計画の内容を反映して策定されている。 a
事業計画を、職員等の参画のもとで策定されるとともに、実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われている。 a
事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 a
事業計画を子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行っている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 仏教経典から「八正道」を導き、法人理念の基としている。入所の時点でこの教えを子どもに説明し、トラブルや問題の起きた時には、「八正道」に沿って指導や助言をしている。
 法人のビジョンに整合した「風の色中・長期計画」(中期計画:26~28年度、長期計画:29年度~)が策定されており、単年度の事業計画に反映させている。しかし、現行の配置基準においては、小規模化への移行が様々な弊害やリスクを伴うことを考慮し、小規模化の計画を29年度以降の「長期計画」の部分に組み込んでいる。
(3) 施設長の責任とリーダーシップ   第三者
評価結果
施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念と組織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮している。 a
施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリードしている。 a
施設長は、養育・支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮している。 a
施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮している。 a
(4) 経営状況の把握  
施設運営をとりまく環境を的確に把握するための取組を行っている。 a
運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行っている。 a
外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善が実施されている。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 「職務権限規程」や「組織表」によって、管理者の役割や責任、権限等が明らかになっている。管理者は保育士として保育園に勤務し、社会福祉士として障害者施設で働き、そこでの貴重な経験を活かして職務に精励している。事業計画に、「養育・支援」の各項目ごとの詳細な活動方針を定め、中間評価、終了時評価で検証しており、管理者自らがその取り組みの中枢を担っている。
 外部の顧問税理士による財務・会計上の監査を受け、ISOの認証取得と毎年の審査によってサービス面での透明性も担保されている。
(5) 人事管理の体制整備    第三者
評価結果
施設が目標とする養育・支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的なプランが確立しており、それに基づいた人事管理が実施されている。 a
客観的な基準に基づき、定期的な人事考課が行われている。 a
職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みが構築されている。 b
職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行っている。 a
(6) 実習生の受入れ 
実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等積極的な取組をしている。 b
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 組織的な処遇制度(キャリアパス)と、客観的な基準を備えた人事考課制度とが連動して機能しており、教育・研修制度ともつながっている。人事考課の評価基準をより客観性、妥当性を高めるため、法人内の各施設から代表者を出してプロジェクトチームを組織し、制度の見直しを図っている。
 新入職員の超過勤務時間の長さと、その改善策が「本人の職務の習熟度を待つ」である点が気になる。実習生受け入れには積極的で、保育士、社会福祉士合わせて20名ほどの受け入れがある。しかし、実習の終了後に評価・検証の仕組みがないことは課題である。
(7) 標準的な実施方法の確立   第三者
評価結果
養育・支援について標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って行っている。 a
標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを施設全体で実施できるよう仕組みを定め、検証・見直しを行っている。 a
(8) 評価と改善の取組  
施設運営や養育・支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制を整備し、機能させている。 a
評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計画を立て実施している。 a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
 養育・支援に関するほぼすべての手順書がそろっており、質の高い均一な支援を担保している。それらは毎年見直され(定期見直し)、3年ごとに総見直しが実施される。見直しには職員が関与するだけでなく、子どもたちから出された意見や改善の提案は、採択されれば直ちに手順書の書き換えとなる(随時見直し)。
 毎年、全職員参画の下で自己評価に取り組み、2~3年毎に第三者評価を受審している。表出した課題のうちの幾つかは、ISOの是正処置の仕組みを活用して解決が図られてい
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