社会的養護施設第三者評価結果 検索

誉田養徳園

第三者評価結果詳細
共通評価基準(45項目)Ⅰ 養育・支援の基本方針と組織 
1 理念・基本方針
(1) 理念、基本方針が確立・周知されている。 第三者
評価結果
1 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 b
【コメント】
創立時に掲げられた法人理念が確立しており、それに伴う養育理念や運営方針が設定されています。施設案内や「こども支援計画書」などにも示されており、年度当初の会議などで職員への周知も図られています。
2 経営状況の把握
(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。 第三者
評価結果
2 施設経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 b
【コメント】
社会福祉事業全体の動向について情報収集をし、今後の動向についての分析を行っています。今後の予定として、児童養護調査会を立ち上げ、調査・研究を行っていく予定があり、ICT化についても中長期計画化し進めていくことが確認されています。
3 経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。 b
【コメント】
施設の変革をする時期に来ていますが、行政施策の動向を見据えながら対応をすべく取り組んでいます。
また、地域での生活をより充実させるために分舎化しており、地域に溶け込んだ児童養護の在り方を検討し進めています。
3 事業計画の策定
(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。 第三者
評価結果
4 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 b
【コメント】
小規模化・地域分散化を中心とした中・長期ビジョンが策定され、計画が進められています。
5 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 b
【コメント】
中・長期計画に連動した内容が反映されており、「こども支援計画書」として取りまとめられ実施されています。
(2) 事業計画が適切に策定されている。
6 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 b
【コメント】
「こども支援計画書」が作成されており、各種委員会、会議等で現場の意見を反映した形で、進行状況についての検討や見直しが行われています。年度末に評価する仕組みがあります。
7 事業計画は、子どもや保護者等に周知され、理解を促している。 b
【コメント】
事業計画の主な内容については、施設案内や入所時に生活のしおりを説明するなどしています。また各種事業については、お知らせ文書などを作成し、都度周知しています。
4 養育・支援の質の向上への組織的・計画的な取組
(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。 第三者
評価結果
8 養育・支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 b
【コメント】
「こども支援計画書」として取りまとめ、次年度計画へ反映される仕組みがあり、委員会やユニットにおける支援について報告や情報共有が行われており、運営会議や理事会を中心に運営が行われています。
9 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 b
【コメント】
職員会議や委員会、月2回のグループ会議にて確認実施されています。
Ⅱ 施設の運営管理
1 施設長の責任とリーダーシップ
(1) 施設長の責任が明確にされている。 第三者
評価結果
10 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 a
【コメント】
施設長は自らの施設の経営・管理に関する方針と取組を明確にし、役割と責任を職員に対して表明するとともに、職務分掌等について、文書化し、会議や研修において周知しています。また非常時や不在時の権限委任等を含め明確化しています。
11 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 b
【コメント】
各種研修会や各種団体に関わる情報を含んだ法令遵守に関して、職員周知の取り組みを行っています。
(2) 施設長のリーダーシップが発揮されている。
12 養育・支援の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 b
【コメント】
施設長は、養育支援の質の向上に意欲的に取り組むとともに、各種会議や委員会を組織し質の向上に必要な体制を構築して、職員からの具体的な意見や提案を取り入れています。また、各種団体の研修や運営に関わることで自己研鑽に励み、指導力を発揮しています。法人として、OJTやOff-JT、SDSの研修プランを推進するべく、対象職員に対し研修への参加や支援を行っています。
13 経営の改善や業務の実効性を高める取組に指導力を発揮している。 b
【コメント】
経営分析をしながら運営を行っています。施設の建て替えなどのための自己資金の確保などの課題を抱えていますが、子どもや職員の処遇とのバランスを取りつつ、実行へ向けて取り組んでいます。
2 福祉人材の確保・育成
(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。 第三者
評価結果
14 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 a
【コメント】
職員の定着は良い状態で保たれています。また、分舎化に対応して、職員を新規採用することが出来ています。職域や職層に応じた研修が企画され、後進の育成が実施されているとともに各種加算配置職員の確保に取り組んでいます。
15 総合的な人事管理が行われている。
【コメント】
期待する職員像や職員の意向の把握などはできており、反映される仕組みとなっていますが、人事基準や評価を定めることを期待します。
(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。
16 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 b
【コメント】
定期的な個別面談の機会が設けられるほか、ワークライフバランスに配慮した弾力的な運用がされています。総合的な福利厚生も取り入れられています。
(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。
17 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 c
【コメント】
期待する職員像は明確にされていますが、職員一人ひとりに対する目標管理の仕組みが構築されていません。目標管理の仕組みを構築をすることを期待します。
18 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 b
【コメント】
期待する職員像は明確にされており、職層レベルでの研修が割り振られ、教育・研修が実施されています。
19 職員一人ひとりの教育・研修等の機会が確保されている。 b
【コメント】
研修委員会で受講している研修の把握をして、研修に参加しています。ユニットケアの推進をしていますが、個々の職員が孤立することが無いよう、出退勤時の本園への立ち寄りが義務付けられており、委員会や会議・研修のほか、面談やOJTなどのスーパービジョンを受ける機会があります。
(4) 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。
20 実習生等の養育・支援に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 b
【コメント】
実習生の受け入れを積極的に行っており、受け入れ責任者を配置しプログラムに配慮された研修、育成に取り組んでいます。
3 運営の透明性の確保
(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。 第三者
評価結果
21 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 b
【コメント】
ブログや広報誌などのほか、各種媒体を通して、法人の業務内容を発信しています。
22 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 c
【コメント】
事務経理取引などに関するルールは、職務分掌も含め明確にされています。法人内監査は適切に実施されていますが、外部からの監査支援を受けるまでは至っていません。
4 地域との交流、地域貢献
(1) 地域との関係が適切に確保されている。 第三者
評価結果
23 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 a
【コメント】
ユニットケアを推進しており、子ども達が地域の中で生活することが出来るよう配慮されています。地域との関係性もよく日常的なコミュニケーションができています。
24 ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 b
【コメント】
受け入れに対する基本姿勢が明示され、受け入れの際のレクチャーなども行われています。積極的に受け入れが行われています。
(2) 関係機関との連携が確保されている。
25 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 b
【コメント】
関係機関各種団体とのネッワークをリスト化し連携が適切に行われています。
(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。
26 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 a
【コメント】
自治会やPTA・子供会役員などの役割を担うほか、各種団体や行政の会議への出席、企画運営への参画などの活動を行い、地域ニーズの把握に努めています。
27 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 a
【コメント】
地域防災への貢献のために、DWATへの参加や発災時の備品ストックヤードへの敷地提供などにも動き出しています。
Ⅲ 適切な養育・支援の実施
1 子ども本位の養育・支援
(1) 子どもを尊重する姿勢が明示されている。 第三者
評価結果
28 子どもを尊重した養育・支援の実施について共通の理解をもつための取組を行っている。 a
【コメント】
子どもを尊重した養育・支援の実施について、理念・運営方針に「養育においての着地点は、常に子どもの利益」と明示され、職員一人ひとりが、「子供たちと共に生活を作っていく」という意識の下で、養育・支援に取り組んでいます。子どもの尊重や基本的人権の配慮について、毎月のグループ会議や職員研修、OJTにおいて、勉強会や話し合いをして職員間の共通理解を図っています。
29 子どものプライバシー保護に配慮した養育・支援が行われている。 b
【コメント】
子どものプライバシーと権利の尊重が、「こども支援計画書」に掲げられ、整備されています。入所時に子どもや保護者に個人情報の取扱いについて説明を行い、同意書をもらっています。新人研修や、職員会議を活用してプライバシー保護に関する研修を実施し、職員の意識向上に努めています。高齢児には出来るだけ個室を提供し、子どものプライバシーが守られるように工夫しています。また、入浴や排泄等もプライバシーに配慮し、時間帯を工夫するなどしています。
(2) 養育・支援の実施に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。
30 子どもや保護者等に対して養育・支援の利用に必要な情報を積極的に提供している。 b
【コメント】
ブログや、パンフレット等で園の行事や子ども達の生活、地域交流の活動情報等を紹介しています。子どもと保護者に向けて説明するための冊子「生活のしおり」が作成されていて、入所時にそれらの冊子を使って、家庭支援専門相談員が中心となり丁寧な説明を行い、安心して入所できるように配慮しています。希望があれば施設見学に対応しています。
31 養育・支援の開始・過程において子どもや保護者等にわかりやすく説明している。 b
【コメント】
利用開始時に「生活のしおり」を使い、家庭支援専門相談員が施設の日課や生活上の配慮点に関する情報を、子どもや保護者、年齢や理解度に合わせて分かりやすく説明し、本人の自己決定や意向を大切に支援しています。入所に伴う不安の理解と解消を図るために、児童相談所のアセスメント情報や、引き継ぎ書等を利用して、子どもの好みなどを把握するなど、安心して入所できるように配慮し受け入れています。
32 養育・支援の内容や措置変更、地域・家庭への移行等にあたり養育・支援の継続性に配慮した対応を行っている。 b
【コメント】
一人ひとりのライフサイクルを見通して養育・支援に努め、一貫性を持って継続対応が行えるよう関係機関との連携を図りながら対応しています。退所後も相談や、心の拠り所としてFSWが中心となり対応して受け入れがなされています。記録様式も整備されているので今後の活用を期待します。
(3) 子どもの満足の向上に努めている。 第三者
評価結果
33 子どもの満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 b
【コメント】
意見箱を設置し、毎月子ども会議を開催して子どもの意見や要望を聞いています。即回答できるものは、その場で職員が回答し、グループや職員会議での話し合いが必要な案件は後日職員会議で検討し対応しています。内容によっては子どもと個別面談をして話を聴いています。普段から話し合う場を設けて十分話し合っているためか年々意見箱の利用が減少しています。
(4) 子どもが意見等を述べやすい体制が確保されている。
34 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 b
【コメント】
苦情解決の仕組みが整備され、第三者委員による苦情解決制度を整備しています。また、意見箱を設置し、意見箱に入った意見等を中心に検討を行い対応を明示しています。今後は苦情解決結果を公表する仕組みづくりに期待します。
35 子どもが相談や意見を述べやすい環境を整備し、子ども等に周知している。 b
【コメント】
担当制の下、心理士との連携により、日頃から子どもが相談しやすい雰囲気づくりに努め、相談や意見を述べやすい環境となるよう配慮しています。また、各ホームに心理士が出向いて相談に乗っています。年2回定期的に子ども達との面接を行い、聞き取り調査を実施しています。
36 子どもからの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 b
【コメント】
職員は日頃から子ども達と接する中で、意見や要望を良く聞くように努めています。また、意見箱や、毎月の子ども会議で、子どもからの意見や要望を聞いて、出された意見については必要に応じて職員会議で内容を協議し対応しています。子どもからの個別の悩みや相談については担当職員が話を聞き、職員で共有し、必要に応じて心理士に繋いでいます。
(5) 安心・安全な養育・支援の実施のための組織的な取組が行われている。 第三者
評価結果
37 安心・安全な養育・支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 b
【コメント】
リスクマネジメント委員が中心となってヒヤリハットや事故を検証し、職員会議で報告しています。事例の検討を行い再発防止に努めています。また、園内、各ホームの危険箇所を点検整備し、戸外遊具、自転車の点検、通学路の危険箇所の点検等が行われていますが、職員全体で再発防止と改善策を話し合う体制や、研修に期待します。
38 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 b
【コメント】
看護師が中心となって、感染症対応マニュアルに従って研修会や実践を踏まえた勉強会を行なっています。インフルエンザ流行前に子どもと職員全員が予防接種を実施しています。新型コロナウイルスに関しては、感染者が出た場合の防護服の着方等のシミュレーション研修を行い、子ども達には、うがい、手洗い、検温、マスク着用の徹底を図るとともに、食事は時間差で一方を見て話をせずに摂り、面会は短時間で室内を換気をする等、年齢に合った指導を行い、感染予防の実施に努めています。
39 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 b
【コメント】
災害時の安全確保のために、災害事故防止に留意した各種訓練を定期的に実施しています。年2回消防署・関係機関の協力を得ての総合防災訓練や、夜間等の人出の少ない時間帯を想定しての訓練を行っているとともに、災害時の集合場所を確認し合っています。栄養士と看護師が備蓄リストを作成し、飲料水や発電機、非常食、薬等を備蓄しています。各ユニットの避難訓練においては、今後の取り組みに期待します。安否確認の方法を再度確認し合い子どもや職員への周知の徹底を図ることを期待します。
2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の標準的な実施方法が確立している。 第三者
評価結果
40 養育・支援について標準的な実施方法が文書化され養育・支援が実施されている。 a
【コメント】
子ども支援計画の中に具体的な実践内容として、20項目以上にわたり、養育・支援の標準的・具体的な内容を文書化し共有化を図っています。職員はマニュアルに沿って統一された支援を行っています。
41 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 a
【コメント】
問題が生じた場合や、子ども会議から挙げられてきた要望などは、職員会議やグループ会議で検討し見直しをしています。また、年2回(9月・3月)に支援計画の見直しをしています。
(2) 適切なアセスメントにより自立支援計画が策定されている。
42 アセスメントにもとづく個別的な自立支援計画を適切に策定している。 b
【コメント】
子ども一人ひとりの状況をしっかり把握し、ニーズを明確にして作成責任者を中心に、施設の手順に従い、様々な職種の職員と連携するとともに多面的な意見を聴取し検討しながら実施しています。
43 定期的に自立支援計画の評価・見直しを行っている。 b
【コメント】
年度初めに、本人からの聞き取り調査を行い、グループ会議や職員会議等で話し合い、年に2回(9月・3月)に評価の見直しを行っています。個々に何か変化が生じた場合、または緊急の見直しが必要な場合は随時行っています。子どもとはその都度話し合いを持ち、自分の目標等の確認をしています。
(3) 養育・支援の実施の記録が適切に行われている。
44 子どもに関する養育・支援の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 b
【コメント】
養育・支援の実施状況の記録は、施設が定めた様式に記録され、記入方法も統一されています。パソコンで入力してデータ管理を行い、自由に閲覧することができ、職員会議やグループ会議での情報の共有が迅速かつ正確にできるような仕組みとなっています。
45 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 b
【コメント】
ネットワークシステムを利用して、自立支援計画に基づく養育・支援の記録が適切に記録され職員間で共有しています。文書管理責任者が設置され、個人情報が外部に流出されないよう防止策をとって管理しています。職員は管理者の許可の下、いつでも閲覧、記録が出来るシステムを講じています。
内容評価基準(25項目)
A-1 子どもの権利擁護、最善の利益に向けた養育・支援
(1) 子どもの権利擁護 第三者
評価結果
A1 子どもの権利擁護に関する取組が徹底されている。 c
【コメント】
子どもの権利擁護についての規程、マニュアルが整備され、権利擁護の外部研修に積極的に参加し人権意識を高めていますが、今後は事業所内において定期的に職員研修を行い、児童の人権について具体的に話し合って見識を深め、共通理解を図り養育支援に取り組んでいくことを期待します。
(2) 権利について理解を促す取組
A2 子どもに対し、自他の権利について正しい理解を促す取組を実施している。 b
【コメント】
日常生活の中や子ども会議で、子ども達の意見を取り上げ、話し合う場を設けることで主体的に考えるよう支援し、子どもの年齢や状態において生活の中で様々な権利についてわかりやすく説明するように努めています。職員は現在行われているペアレントトレーニング「どならない子育て」やCAP研修などを通して今後も更なる支援の振り返りを図ることを期待します。
(3) 生い立ちを振り返る取組
A3 子どもの発達状況に応じ、職員と一緒に生い立ちを振り返る取組を行っている。 a
【コメント】
子どもの意思を尊重し発達段階を見極めてタイミングを見ながら、担当職員と一緒に振り返りを行なっています。子ども一人ひとりに担当職員が中心となって子どもと一緒にアルバムを作り、子どもが見たい時はいつでも見られるようにしています。
(4) 被措置児童等虐待の防止等
A4 子どもに対する不適切なかかわりの防止と早期発見に取り組んでいる。 c
【コメント】
「職員の不適切な関わりを予防するためのガイドライン」を使って研修し、職員への注意喚起を促しています。意見箱を設置するとともに掲示物を掲示するなどして、毎日の生活の中で子どもが自ら訴えられるような雰囲気作りに努めています。被措置児童虐待の届け出・通告制度を明分化し、整備・徹底が図られることを期待します。
(5) 子どもの意向や主体性への配慮
A5 職員と子どもが共生の意識を持ち、生活全般について共に考え、快適な生活に向けて子ども自身が主体的に取り組んでいる。 b
【コメント】
毎月子ども会議を行い、意見を汲みあげ、問題や課題について主体的に検討・改善していく機会を設けて、子ども達自身が自分たちで生活を作っていけるように支援しています。余暇の過ごし方は、パソコンやゲーム、テレビ、戸外遊び等多くの選択枠が持てるように配慮し、ルール等は自分たちで決めていくように支援しています。年齢に応じて小遣いが支給されています。用途は子どもの自主性に任せていますが、現金の管理は職員がしています。また、自立を控えた子どもには、将来を見据えたお金の使い方等、自活に向けた支援をしています。
(6) 支援の継続性とアフターケア
A6 子どものそれまでの生活とのつながりを重視し、不安の軽減を図りながら移行期の支援を行っている。 b
【コメント】
入所児に対しては嗜好・遊び・性格などの把握に努め、担当職員も同席して不安な子どもの気持ちに寄り添い、受け止め、理解しながら受け入れるように配慮しています。家庭復帰や施設変更に関しても、家庭支援専門相談員が中心となって、安定した生活が送れるように、児童相談所・学校・市町村の関係機関と連携して退所後の支援を行っています。
A7 子どもが安定した社会生活を送ることができるようリービングケアと退所後の支援に積極的に取り組んでいる。 a
【コメント】
退所後の生活に向けて、進学、就労等の個々に合わせたリービングケアを行なっています。衛生、健康、洗濯、整理整頓、調理、経済感覚、人間関係の形成等、一人暮らしに必要な知識やスキルが身につくように支援しています。アフターケアについては、退所後の相談窓口を伝え、メールや、無料通話アプリでの相談にも応じています。FSWや職業指導員がより専門的に個別的支援を行い退所後6か月間の見守りを行えるように、計画表も作成しています。今後の積極的な取り組み、支援に期待します。
A-2 養育・支援の質の確保
(1) 養育・支援の基本 第三者
評価結果
A8 子どもを理解し、子どもが表出する感情や言動をしっかり受け止めている。 b
【コメント】
施設全体で子どもを理解するように努め、子どものありのままの姿を受け入れ、子どもの話をよく聞き、その都度支援会議を開いて職員で共有し、問題行動を理解するように努めています。利用者アンケートから今回の結果を検証し今後の支援に繋げていくことを期待します。
A9 基本的欲求の充足が、子どもと共に日常生活を構築することを通してなされるよう養育・支援している。 b
【コメント】
担当職員制により、個々の子どもの状況に応じて柔軟に対応するように努めています。子どもが信頼を寄せる職員と日々の生活を営むことにより、基本的欲求の充足がなされるよう支援に努めています。幼児の就寝時には添い寝をするなどしたり、目覚めた時に安心感が得られるように配慮しています。
A10 子どもの力を信じて見守るという姿勢を大切にし、子どもが自ら判断し行動することを保障している。 b
【コメント】
職員は、子ども自身が出来る事は自分で取り組むよう声掛けし、見守り、励まして、出来るようになった時はおおいに褒めて、子どもの自信に繋げて行っています。つまずきや失敗もその子にとって大切な経験と捉え、自己解決できるように見守り、必要に応じてフォローしています。
A11 発達の状況に応じた学びや遊びの場を保障している。 b
【コメント】
年齢や発達段階に応じた遊具や学習教材、学習の場が提供されています。パソコンや携帯電話も必要に応じて使用できます。運動が出来る専用のグラウンドも整備されています。学習ボランティア等の協力を得ています。友達が施設に遊びに来たり、地域の友達の家に遊びに行ったりするなど、気を配りながら積極的に交流を進めています。
A12 生活のいとなみを通して、基本的生活習慣を確立するとともに、社会常識及び社会規範、様々な生活技術が習得できるよう養育・支援している。 b
【コメント】
子供会や、地域の行事に参加し地域の人々との交流を積極的に行なっています。日々の生活の中で、子どもが自分なりの目標を決めて、自分から生活を良くしていくために頑張ることが出来るよう支援しています。職員が大人としてよい手本となるように、普段から振る舞いや態度で模範を示し、守るべきルールや、責任ある行動が取れるよう支援しています。
(2) 食生活
A13 おいしく楽しみながら食事ができるように工夫している。 a
【コメント】
中高生が部活などで遅くなっても、温かいものは温かく、冷たい物は冷たく提供できるようにしています。また、体調不良の子には個別対応しています。配膳の手伝いやテーブル拭き、食後の食器の片付け等の手伝いをしながら、職員と子どもがコミュニケーションを取っています。特に各ユニットでは少人数でゆったりと食事が摂れています。嗜好調査を行い、子ども達の希望を調査して、メニューに取り入れたり、また季節感のあるものを提供したり、子ども一人ひとりの誕生日には、その子の好きなメニューを献立に入れ提供しています。クックデーを作って、みんなで調理実習を楽しみながら食育と自立への支援を行っています。
(3) 衣生活
A14 衣類が十分に確保され、子どもが衣習慣を習得し、衣服を通じて適切に自己表現できるように支援している。 b
【コメント】
低年齢児の子ども達の衣類は好みに応じたものを提供し、大きい子どもたちは定期的に自分の好みに合った衣服を購入する機会があり、予算の範囲内で購入しています。衣類の管理は年齢に応じて自分で行い、洗濯やアイロンがけ等も年齢に応じて支援しています。いつも清潔で、TPOに合った衣服の着用を指導しています。
(4) 住生活
A15 居室等施設全体がきれいに整美され、安全、安心を感じる場所となるように子ども一人ひとりの居場所を確保している。 b
【コメント】
子ども一人ひとりの状況に合わせた各ホームやユニットでの部屋割りをして、小学生以上は基本個室で、安心安全を感じる居場所が確保されています。自分の居場所は自己管理で整理整頓がされています。幼児に関しては、保育士が一緒に生活することで安心安全の確保がなされています。共有スペースは、子ども達と一緒に片付けをして、気持ちよく生活できるように配慮し、寛ぎの場となっています。
(5) 健康と安全
A16 医療機関と連携して一人ひとりの子どもに対する心身の健康を管理するとともに、必要がある場合は適切に対応している。 b
【コメント】
定期的に健康診断を実施し、子ども達の健康状態や発育、発達状態を把握しています。常勤看護師が中心となり健康管理を行うとともに、必要に応じて受診や通院、服薬を行うなど、他の医療機関とも連携し対応しています。職員に対しては、感染症対策や応急処置の園内研修等を行なっています。
(6) 性に関する教育
A17 子どもの年齢・発達の状況に応じて、他者の性を尊重する心を育てるよう、性についての正しい知識を得る機会を設けている。 b
【コメント】
性について考える委員会が中心となり、年齢や性別に応じた子ども向けの性教育プログラムを行っています。子どもの理解度に合わせて、紙芝居や、絵本等を使ったり、法律教室や、アンガーマネージメント等、年齢や発達段階に応じて実施しています。性について考える委員会が職員の研修会等を企画し実施しています。
(7) 行動上の問題及び問題状況への対応
A18 子どもの暴力・不適応行動などの行動上の問題に対して、適切に対応している。 b
【コメント】
子ども一人ひとりの行動をしっかりと見て職員間で共有し、安定した生活が送れるよう支援しています。子どもとの面談を年2回実施し、職員が子どもと信頼関係を築き、問題行動が起きないように努めています。
A19 施設内の子ども間の暴力、いじめ、差別などが生じないよう施設全体で取り組んでいる。 b
【コメント】
生活グループの構成には、出来るだけ問題が生じないように配慮し、日頃から子どもの変化に注意し、普段の様子に変化があった場合は、子どもからよく話を聞き、職員間で話し合いをして情報を共有し、施設全体で適切に対応しています。施設で対応しきれない場合は、学校や児童相談所、警察等と連携を密にして対応しています。
(8) 心理的ケア
A20 心理的ケアが必要な子どもに対して心理的な支援を行っている。 b
【コメント】
心理的ケアを必要とする子どもについて、心理ケアのプログラムを取り入れた自立支援計画を策定しています。心理士は、遊戯療法やカウンセリング等の心理療法を使って心理相談を各ホームにも行き、実施しています。
(9) 学習・進学支援、進路支援等
A21 学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行っている。 b
【コメント】
落ち着いて勉強できる環境を整備し、学校から帰った後に子ども達の学習の時間を確保しています。中学生の受験対策として学習塾に通うことを奨励し、塾への送迎を行っています。小学生の学習対応に関しても学習支援のボランティアを活用しています。特別支援学級に通う子どもについては個別に対応するなど丁寧な支援に努めています。
A22 「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援している。 b
【コメント】
高校進学や就職に関しては、中学の早い時期から職員と十分に話し合い、相談しながら進路を決定しています。子どもの希望が実現できるように職員も情報収集や学校との相談、職場への挨拶などを行い、児童相談所や学校、保護者とも連携し合い、最終的に子どもが自己決定出来るよう支援しています。
A23 職場実習や職場体験、アルバイト等の機会を通して、社会経験の拡大に取り組んでいる。 b
【コメント】
高校入学後、自立に向けた社会経験の拡大として、規則を定めてアルバイトを奨励し、社会経験を積みながら出来るだけ自分の力で、自立できるように支援しています。特別支援学校高等部に通う生徒には、学校の協力のもと職場実習や職場体験を行っています。
(10) 施設と家族との信頼関係づくり
A24 施設は家族との信頼関係づくりに取り組み、家族からの相談に応じる体制を確立している。 a
【コメント】
保護者に子ども達の生活を知らせ、施設行事や学校行事への参加を呼びかけたり、面会や外出、外泊に向けて家庭支援専門相談員を中心に家庭関係調整や相談を行って家庭との信頼関係づくりに取り組んでいます。また、里親制度を推進し、親子関係の再構築のために児童相談所とは常に連絡を取り合って家族支援を行なっています。
(11) 親子関係の再構築支援
A25 親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。 b
【コメント】
家庭支援専門相談員を中心に、家族との交流状況や、子どもの様子を児童相談所へ随時報告、支援方法を共有しながら再構築が図れるように努めています。
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