【4】総評 |
◎施設の特徴:明治37年4月、県立感化院として陶育院設立、以来2回の移転で現在地に今の名称になる。松林に囲まれた広々とした敷地に、本館・体育館・プール・農場・温室、食堂を挟さんで児童棟3寮がある。秋田県1ヶ所の児童自立支援施設。
◎評価が高い点:児童自立支援施設として、勤務年数20年以上のベテラン職員(3人)が在勤されており、児童に関する伝統的な支援方法(野球・花壇・枠のある生活)と、分校との連携維持に配慮されています。特徴では、マニュアルによって1日の流れから対人関係、衛生と生活全般にわたって組まれていることと、災害時に対する児童の安全確保の観点で学校と連携し防災避難訓練が実施(県消防学校防災センターで体験学習、スモークシーンを使用して訓練等)されているということです。今後とも、更なる園側と学校側が連携を深め、入所児童の「育ちの支援」に期待するものです。
・食事の献立には、児童自ら訓練用として農場で育てたいろいろな季節野菜がふんだんに使用されています。
◎改善が考えられる点:児童自立支援施設として、中・長期ビジョンの策定が可能と思われますが、特に、入所児童の複雑性を考慮に入れた児童の対人関係を軸に据えた「職員の専門性」の視点からの取り組みを希望したいものです。
・児童入所時の説明は口頭で行われていますが、今後、児童と保護者等に分かりやすい説明を工夫してほしいものです。
・施設と地域の関わりについては、ボランティア受け入れ、通所による地域支援など、職員や入所児童が外部に触れる機会を多くすることで職場体験や実習に結びつくチャンスもあるのではないかとも考えられますが、今後の取り組みを期待します。 |