社会的養護施設第三者評価結果 検索

バウム ハウス

【1】第三者評価機関名 (特非)北海道児童福祉施設サービス評価機関
【2】種別 児童心理治療施設 定員 50名
施設長氏名 多田 伝生 所在地 北海道
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【3】実施調査日 2013年09月17日~2014年03月24日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
1.チームワークの醸成
 他職種間のチームワークの醸成を図るために支援課事業計画を立案し意欲的に取り組んでいる。各専門家の自尊心を感じる事ができるように日々の労苦を生活の場で共感し、互いに知恵を出し試行錯誤し、それを共有させながら協働していく中で真のチームワークを醸成していくことを目指している。
2.ユニット単位の治療・支援体制の構築
 多様な専門職が集合すると縦割りの組織になりがちであるが、本施設は、心理士・保育士・児童指導員等が、高年齢児対応ユニット・低年齢児対応ユニット・女児対応ユニットと三つのユニット単位ごとに分散された治療・支援の組織体制を構築し、ユニット内で各専門性を活かした協働対応に取り組まれている。また、各ユニットでの子ども一人一人の記録が時系列に表現され、施設内の関係者全員が共有できるイントラネットを構築している。
3.ユニークな施設構造に合わせた取り組み
 極めてユニークな構造を持つ建造物でなされる子どもへの治療・支援が様々な試みと工夫を持って開設から8年の間行われてきた。北海道という広大な地域をカバーする初の情緒障害児短期治療施設としての期待に応えるべく奮励努力されている。
4.法人の奨学金制度の設置
 高い専門性を要求される施設特性に応えるために、職員を対象にした資格取得のための「法人奨学金制度」が設置され、活用されていることは高く評価できる。

◇改善が求められる点
1.地域支援への取り組み
 同法人に併設されている「山の上こどもクリニック」と連携を模索し、施設の所在地域及び北海道の広域性を考慮した通所・外来機能等を含めた地域支援の方策の検討を期待したい。
2.外部監査の導入
 外部監査による専門家の指導・助言は、経営上の改善課題の発見とその解決のために必要とされる。より良い法人運営のために外部監査の導入検討が必要である。
3.死角の多い施設空間への対応
 組織的なリスク管理面において、散在的で死角の多いユニークな施設空間であるがための課題が生じやすく思える。施設全体がユニークな空間であるからこそ、より組織全体も視点に入れた事故防止等の安全確保策の実施状況や実効性についてのさらなるリスク評価の在り方・見直しの取り組みの実施に期待したい。また、子どもが安全、安心を感じることができる居場所の確保のために、中・長期計画において施設構造の改修を検討されることが望ましい。
4.受容と共感を基本とした養育体制の構築
 養育は受容と共感を基本にして、愛着関係や信頼関係が形成される。支援課事業計画にもその内容が盛り込まれ日々取り組まれているが、さらなる子どもの発達段階や課題に考慮した支援への振返りとそれに対応した養育体制の構築が望まれる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 第三者評価結果を真摯に受け止め、関係機関と連携・協働し職員一丸となって改善できるところから速やかに改善し、子どもたちの適切な支援と適切な施設運営等の確保に努めていきたいと考えております。なお、子どもたちが性に対する正しい知識を持てるよう、平成26年1月に「性教育委員会」を設置し嘱託医の助言を得ながら定期的にミーティングを行っています。
 また、ユニークな施設空間を意識した事故防止対策を再構築し、日々、子どもたちが安全かつ安心して生活できる生活環境の確保に努めているところです。
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