社会的養護施設第三者評価結果 検索

更級福祉園

【1】第三者評価機関名 (株)マスネットワーク
【2】種別 児童養護施設 定員 45名
施設長氏名 和田 勇造 所在地 長野県
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【3】実施調査日 2013年12月01日~2014年03月14日
【4】総評 【特に評価の高い点】
1.地域との協力支援が良好
 中山間地であり、近隣はすべて自分の家族のように接し、子どもたちは地域の住民や学校に見守られながら生活している。また、互いに仲間意識を持ち、助け合って過ごしている。職員は、弱い立場の子どもの意見を聞き、少人数であることの良い面を引き出せるように支援している。社会性を育む支援もできており子どもたちも明るい笑顔で過ごしている。

2.園長と職員間の良好な関係
 園長は、社会的養護施設の将来像を積極的に考え、子どもたちの最善の利益のために何を優先し何を行うべきかを積極的に指示している。職員も「まずは子どもの利益を優先するには何をするか」を原点に、養育・支援に携わり将来像に向けた取り組みの姿勢がうかがわれる。お互いに意見を言い合う事ができる関係があり、心理士との信頼も厚くお互いにストレスにならない支援体制で支援にあたっている。

3.意欲的な子どもへの取り組み
 法人は多機能事業運営であり、キャリアが積めることや職員の都合に合わせ配属転換もあるため離職率が低い。配属転換により生じる専門性の確保のために自己啓発し、心理士や幹部職員を中心に日々の課題に取り組むと共に、専門性を高めるために自己研修を行っている。小規模ケアの課題などにも積極的に考える力を持っている。また、家庭教師を施設負担で依頼すると共に、子どもたちの勉強できる環境を整えるため努力されている。

【改善が求められる点】
1.環境整備について
 中山間地にあり、人口の少ないこの地域での建物の老朽化から、事業計画されていた移転計画も再検討となっている。それに伴い、児童養護施設の将来像が示された小規模ケアの取り組みも計画が遅れている。できる限り子どもたちの居心地の良い環境に配慮されている様子はうかがえるが、子どもたちの将来への選択肢の幅も狭まっていることや、中山間地にあるため、他施設にはない送迎等の課題もこの施設の独特の問題でもあり、今後の早急な生活面、環境面の改善に向けた取り組みを期待したい。

2.増えつつある障害を持つ子どもへの支援
  被虐待児の増加や発達障害を有する子どもが増える中、障害への対応や医療面に他の福祉サービスの利用等含めた関連機関との連携など、更なる専門性に期待したい。法人が多機能事業であるため、専門性を高めるための研修を行っているが、複雑に絡む障害などへの医療や療育等には専門職へ役割分担等も今後必要と思われる。

3.職員の異動による専門性確保の低下
 職員の都合や希望による法人内での異動が可能なため、離職率が低く、働きやすい環境である。しかし、職員の専門的な養育が途切れやすく、積み重ねてきた専門性が継続しづらい面もある。意欲的に取り組んだ結果をマニュアルとして引き継ぎ、定期的な見直しを行い、次のステップアップに繋いでいくことが必要と思われる。多様化する子どもたちの支援への専門性の向上に更なる取り組みを行い、児童養護施設の専門職としての役割強化の取り組み等に期待したい。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 第三者評価は今回が初めてでしたが、受審を通じて職員一人ひとりが大変勉強させていただいたと感謝しております。平成24年度に行った自己評価により、施設の状況をある程度認識していましたが、日常の支援や業務に追われ、改善または質の向上に結びつけられなかった点があることを反省しております。これからも「評価の高い点」には満足してしまうのではなく、「改善が求められる点」には真摯に向き合い、子どもたちにより良い支援が提供できるよう努力したいと考えております。
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