社会的養護施設第三者評価結果 検索

あいさんテラス

【1】第三者評価機関名 (株)中部評価センター
評価調査者研修修了番号 SK2021157
SK2021158



【2】種別 児童養護施設 定員 44名
施設長氏名 高岡 由香 所在地 愛知県
URL http://aisankai.jp/facility/terrace.php
開設年月日 2014年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 愛燦会
職員数 常勤職員 28名 非常勤職員 12名
有資格職員 保育士 9名 児童指導員 15名
管理栄養士 1名 臨床心理士 1名
調理師 4名
施設設備の概要 (ア)居室数 31室 (イ)設備等 地域交流スペース・親子訓練室
(ウ) 静養室・セラピー室・休憩室 (エ) コンテナ倉庫(屋外)・全館放送設備
【3】理念・基本方針 ★理念
 ・法人  あなたが楽しいと私は嬉しい
 ・施設・事業所  テラスに関わる全ての人が毎日幸せだと感じられるために物心両面での環境を整える

★基本方針
 ①安心安全:健やかな成長の為に環境整備に努めます。目配り、気配り、心配り、思いやりを持って行動します。『先手必笑』あいさつをします。
 ②自立発達支援:子どもが迷わないよう、それぞれの個性に合わせた支援をします。言葉よりも行動で自主性を伸ばします。長所、短所を受け入れて成長を促します。
 ③余暇活動:誰もが仲間意識を持ち助け合い、感謝の気持ちを育みます。スポーツや行事を通して礼儀を学び心身共に成長できる支援をします。積極的に地域、他業種施設との交流が持てるように支援します。
【4】施設の特徴的な取組 <安全委員会方式の導入>
 入所している子どもたちが安心安全な生活を送れることが、施設の第一の役割です。これを実現するために施設全体で取り組める仕組みとして、平成28年3月から安全委員会方式を導入しています。生活の場である施設での安心安全は、すべての基礎となるべきものであり、子どもたちだけでなく職員にとっても対応の指針が明確になるメリットがあります。取り組みから4年目になり、「あいさんテラスは暴力を許さない、見逃さない」という風土が子どもたちにも職員にも当たり前のこととして浸透してきていることが感じられます。今後も施設の軸となる取り組みの一つとして活用していきたいと考えています。

<環境整備の徹底>
 事業所理念にもあるように、あいさんテラスでは開設当初から環境整備を重視してきました。朝、昼に職員による清掃を毎日行い、子どもたちにも自室の整理整頓、清掃清潔を呼びかけ、特に学童には登校前に行うことを明示して取り組んでいます。整理整頓に取り組む事は心の整理にもつながり、物事を整理して考えることができるようになりますし、整理された環境は心を落ち着かせるものと考えます。そこから、自分自身を落ち着いて振り返る余裕が生まれること、そして整理整頓を身につけて育つことが、子どもたちの自立に繋がると期待しています。また職員、児童ともに環境整備に毎日取り組むことにより、職員、児童とも、心の荒みの解消につながるものと考えています。
【5】第三者評価の受審状況 2022年05月20日(契約日)~ 2023年05月02日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 ◇特に評価すべき事項
◆子どもへの説明責任
 ユニット内には生活に必要な様々な情報の掲示がなされ、殆どが平易な文章やイラストなどを使って分かりやすく示されている。コロナへの対応について、「権利ノート」や安全委員会による権利養護について、基本理念や方針について、また特に事業計画については、簡易な表現に作り変えたものを掲示している。支援の主体である子どもたちに対して、丁寧に説明責任を果たし、個々の安心安全を支援する事業所の姿勢がうかがえる。

◆支援のチェック体制
 職員には、不適切支援の確認として年4回のセルフチェックを実施している。子どもに対しては、毎月ユニットごとの聞き取り調査の他に意見箱の設置があり、また児童会の開催、相談の機会確保など、様々な取組みがある。療育を提供する側と受ける側双方によるチェック体制が整い、それぞれ結果集計・分析の上で生活に反映させており、支援向上へのPDCAサイクルが確実に機能している。

◆安全・安心を支える
 職員と子どもの双方がCAPの講習を受講し、人との接し方や自他の権利を認めて大切にすることを学び、人権について共通の理解を得ている。また、安全委員会方式を導入し、子どもに行動上の問題があれば組織的かつ外部の意見も取り入れながら検討・対応がなされている。施設内暴力に対応するためのマニュアルも作成され、暴力があった際にはマニュアルに基づき児童相談所等の関係機関とも連携しながら解決が図られる等々、安全・安心な生活に向け多面的な支援がなされている。

◇改善を要する事項
◆スーパービジョンの体制
 問題解決や職員育成のツールであるスーパービジョンについて、新任に関してはエルダー担当がスーパーバイザーとしての役割を果たして目標管理を進めている。新任以外の職員に関しても、教育面や管理運営面、またモチベーションの維持・向上の面においてもスーパービジョンを効果的に活用されたい。そのためには、スーパーバイザーの育成はもとより、面談や評価などの実施方法、実施日時といった体制を整え、実効性のある形で実施することが求められる。

◆研修効果の向上
 研修参加の適否の判断や効果的な研修参加の実現のため、職員個々の研修履歴をデータ化しておくことを求めたい。また、研修の企画から運営、総括までを一元的に行い、あるいは研修計画の策定や評価についての検討の場を設けることが望ましい。研修委員会の設置を計画中とのことであり、委員会として是非ともこれらの課題をクリアされたい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  子どもの安心安全を守る体制として、子どもに対する毎月の聞き取り調査や、職員のセルフチェックといった取り組みは、内容を見直しながらも長年続けており、有効な手段として定着している。これらを含め、新たに入職する職員に対する説明や指導を重視して、業務の習得と同時に有効な手法の継承及びその理解を深められるような職員育成を目指したい。
 スーパービジョンの体制については、現在実施している新人職員に対するエルダー制と、リーダー・主任によるユニット職員フォロー体制、定期的な目標設定・確認面談を今後も継続し、職員の資質向上と共にモチベーションの維持・向上を図りたい。
 施設内の職員研修については、積極的に外部の力を活用することとしてきたが、今後はこれと同時に職員による内部研修も充実させるため、新たに研修委員会を立ち上げて計画的に実施していく予定である。これも有効な手法として確立させられるようにしていきたい。
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