【4】総評 |
・「日々を 太陽に向かって 恥のない 人になりたい」、玄関に入ると額縁に納められた創立者のモットーが飾られています。「人に迷惑をかけないで、ひたすら一生懸命に日々暮らしなさい、そうすると真の人間になれますよ。」という先代の遺訓のごとく、現在の2代目施設長は、7~8年前から子ども達の性教育や社会自立を目標とした養育・支援に力を注ぎ、職員教育に意欲的に取り組まれ、子どもの「社会的スキル獲得に重点が置かれた実践」を展開されています。
・平成25年度から、従来からの研修成果として、主任等職員が中心となり、DCW(デレクト・ケア・ワーカーの略、日本子ども養育研究会の「直接処遇職員養成技能研修実践編」、子どもの社会性のスキルを身につける)の手法を使用し、全入所児童を対象に、この手法の試みが、子どもの信頼関係をベースに行われています。
・一方、「社会的養護の課題と将来像」に関する取り組みでは、定員50名(現員38名)と小規模定員ですが、施設内2カ所の小規模グループケア(平成16年・23年度設置)が実践されており、中・長期計画によると、2カ所の地域分散による家庭養護(五所川原地区・鶴田町地区)が着眼され、それに対する職員養成も「家庭的養護・小規模グループに対応する専門性の養成」など、従来から施設運営面、養育支援面でも力が入れられ準備されてきております。
・常勤職員の平均年齢44歳5ヶ月、平均在職年数16年8ヶ月、直接支援に携わっている職員1人あたりの利用者数は4.2名で制度上の配置に比べ高率となっています。子ども達集団に「落ち着いた雰囲気がある」と、訪問調査者間での感想があります(合議での確認)。
・今後の優先すぺき検討・課題事項としては、子どもの日常生活における「職員の関わり」の「留意事項・配慮事項等」に関し、これまでの職員の経験歴に依存するだけではなく、職員共有事項として「サービス提供マニュアル」への「文章化」を付け加えるなどの取り組み、特に「職員共通の子どもへの関わりを客観化するために文章化すること」が必要と思われます。今後の「マニュアルの見直し」への取り組みを希望します。 |