社会的養護施設第三者評価結果 検索

菊水学園

【1】第三者評価機関名 (特非)だれにも音楽祭
【2】種別 児童養護施設 定員 80名
施設長氏名 松本 孝一郎 所在地 熊本県
URL http://www.kaigocsc.co.jp/kikusui/
【3】実施調査日 2013年09月25日~2013年10月31日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
・菊水学園は創設以来70年目を迎える伝統ある園で、平成24年度には国立大学への進学者を出し、職員の思いと子ども自身の努力が実を結んでいます。スポーツ面では、学校の部活とは違う全員参加のスポーツ活動を通して、対人関係を身につけることを第一に取り組んでいます。その結果、男女各棟に優勝カップ・優勝旗が数多く飾られ、男子はサッカーで2年連続県内優勝、女子はバレーボールで第14回九州大会優勝を果たすなどその成果が上がっています。
・職員は子ども達の背景にある様々な事情をふまえ、家庭的な雰囲気で一人ひとりに向き合い、会話や触れ合いを大事に支援しています。心理療法担当職員を配置し、心理的ケアが必要な子どもへの対応がなされています。
・施設の部屋、庭・グランドに到るまで隅々まで掃除が行き届いて、子ども達が笑顔で行き交い、生活に集中できる環境が整っています。
・施設内の3棟の耐震化工事が、平成25年度中に完了します。

◇改善が求められる点
・職員教育・研修に関する基本姿勢を明示し、一人一人の職員の仕事上での役割や性質、将来への希望等を勘案し、その基本姿勢に添った研修計画に基づき、毎年の客観的な人事考課を元に研修計画の評価・見直しが行われることが望ましいと考えられます。
・人事管理の体制整備で、施設の社会的役割を果たすべく求められる職員像を表明すると共に、職員の職務内容に応じて客観性・透明性・公平性が保たれる職務遂行能力を測る基準をまず明確にし、人事管理体制の中で定期的に人事考課が行われることが望ましいと考えられます。また、実習生の受け入れに関しては受け入れる意義・方針を明文化すると共に、受け入れマニュアルを整備し施設内に実習指導者を育成し、独自の実習プログラムの整備と実習終了後の評価が行われることが期待されます。養護施設の全国的な就業状況には厳しいものがありますが、ワーク・ライフ・バランスの観点から、一歩でも前進しようとする姿勢が求められます。
・70年の歳月をかけて培って来られた養護ノウハウという貴重な財産を、文書化・マニュアル化し、部内だけでなく社会の財産として共有化・一般化されることが望まれます。
・今回集約された子どもアンケートの要望のいくつかの点については、課題の多様性もさることながら、相互理解を深めること自体が職員の専門性を高めることと思われます。
・ボランテイアなど社会資源の活用については、施設の特殊性・専門性もありますが、「社会全体が園を理解し支える」本来の姿を目指し、ボランティアの種別・内容について、施設側からの選択とアプローチも期待されます。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 今回初めて第三者評価を受けるに当たり、準備の段階から更なるマニュアル化の必要性を痛感していました。日々の処遇に追われる最近の現場では、先輩職員が新しい職員に教える時間がなかなかとれにくくなってきていて、時間のあるときに読めるマニュアルの必要性を感じ、取り組みを始めていたところでした。正直、ここまで必要なのだと言うことが今回解り、大変良かったと思っています。これまでの職員の経験に頼っていたものを、マニュアル化することにより自分の仕事を客観的に見つめることも可能になり、別にご指摘を頂いております、人事考課にも十分役立てていけるのではないのかと思っています。児童のアンケートからの生の声に対しましても職員にフィードバックし、全職員による共通認識と処遇のスタンダード化に向けてこれからも努力していきたいと思っています。
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