社会的養護施設第三者評価結果 検索

のぞみ

【1】第三者評価機関名 (有)保健情報サービス
評価調査者研修修了番号 SK18152
鳥取県福-205



【2】種別 母子生活支援施設 定員 20世帯
施設長氏名 福田 眞弓 所在地 鳥取県
URL http://aikoukai.sakura.ne.jp/nozomi/index.html
開設年月日 1951年08月05日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 愛光会
職員数 常勤職員 12名 非常勤職員 4名
有資格職員 母子支援員 4名 少年指導員 1名
個別対応職員 2名 保育士  1名
心理療法担当職員 2名 調理員 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 居室(2DK)12室、居室(1DK)8室 (イ)設備等 事務室1室、保育室1室、相談室2室
(ウ) 集会室1室、宿直室1室 (エ) グランド1面、庭園(芝化)1面、緊急通報装置、消火器
【3】理念・基本方針 理念
私たちは、キリスト教の精神に基づく愛と奉仕の心を大切にして、次のことに重点を置きながら利用者の総合的な支援を行うと共に、地域に根ざした施設づくりに努めます。

1.利用者の人権と意向を尊重し、一人ひとりを大切に支援すること。
2.利用者が、心身ともに健やかに育っていくこと。
3.利用者が、自立した日常生活・社会生活を営むことができるように利用者の能力を踏まえた支援を行なうこと。

基本方針
私たちはキリスト教精神に基づき以下のことを大切にしながら支援を行ないます。
1.安心安全に生活する場を提供します。
2.ひとりひとりをあるがままに受け止め、一緒に課題に向き合います。
3.自立に繋がることを目指した支援を行ないます。
4.利用者、地域、関係機関との繋がりを大切にします。
5.子育て支援機能を充実し、地域に貢献します。
【4】施設の特徴的な取組 1.子どもの権利擁護の視点
  すべての子どもたちが生活を保護され、愛護され、人として尊ばれることが、当然の
こととして保障されるように支援を行う。子どもにとって最善の利益が保障されることを目的とする。

2.保護者を支える支援
  親の主体性を尊重する。保護者とともに、保護者を支える支援を行う。

3.回復を目指した支援
  虐待体験、不適切な養育体験を経験して入所している児童が増加している。専門的  
 ケアに繋げつつ、施設での生活で大切にされる経験をしながら、安心感や自信、人への信頼感、自己肯定感を取り戻す支援を行う。

4.地域の子育てに貢献
  養育に関する専門的な知識・技術に基づき、施設機能を地域で暮らす子育て世帯に提供するため、自治体や関係機関との連携により以下のサービスを提供している。
  学習支援 休日保育 養育相談 緊急時の受け入れ

5. 安心・安全な環境
施設建物(居宅・管理棟含む)等の建替え工事が2020年2月に完成し、冷暖房、台所、風呂、トイレ等が完備され、快適で広く使い勝手のよい空間の居室になりました。
事務室、保育室、相談室の管理棟が配備された利用者一人ひとりの「あるがままを受け止め(受容)」一緒に課題に向き合い、母親と子どもが自分の意思で課題と向き合い、課題を解決しながら社会の中で、共存するために施設の小集団(生活ルール等を習得)生活を通じながら社会で自立した生活を過ごすための支援・養育等が行われています。
【5】第三者評価の受審状況 2019年12月09日(契約日)~ 2020年03月31日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成28年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点

◆組織運営に於ける中期計画(5ヶ年)・長期計画(10年目)が作成され、適正な経営基盤の確立に向けた、施設設備更改、施設運営体制等を明確にした財政基盤の安定(収支計画)に基づいた事業運営が行われています。

◆施設運営に於ける法人の理念・のぞみ基本方針である「質の向上」対策として、人材育成・確保を重点に人材育成が組織の根幹に据え、「OJTの取り組み強化」として、①スーパーバイズ(月1回:グループスーパーバイズ・個人スーパーバイズ)②ケースカンファレンス、定期カンファレンス(年2回)、緊急カンファレンス等③組織運営に必要な各種委員会への職員参画(権利擁護、虐待防止、安全管理、衛生問題、緊急対応、性教育等)による委員会活動が行なわれています。
「個別研修プログラム」の活用による職員一人ひとりの業務実績(知識・技能等スキルレベル、経験年数、研修履歴)に加えた「年度目標」「研修計画」「評価・総合評価」による外部研修等の実施等、人材の育成と業務の目標管理が連動した取り組みが行われています。

◆母子生活支援施設としての専門的なスキルに基づき、地域交流と地域貢献(地域の子育て貢献)が積極的に行われています。
地域貢献として、自治会等からの人権擁護(DV被害等含む)講演要請への対応等、関係機関との円滑な連携して行われています。
また、小・中学生(土曜日:高校生も可)対象に地域のひとり親家庭の児童や特別に事情により支援が必要な児童への「子ども学習支援」の取り組みが自治体の協力等を受けなら行われております。
更に、ひとり親家庭を対象とした子どもの居場所づくりとして「のぞみおやこ食堂」の運営(月2回)が当施設を使用して行われています。

◆インケアとアフターケアが計画的に作成され、実行力のあるもので充実しています。
インケアとして、自立支援が計画的(自立支援計画のケース会議・アセスメント・プランニング等)のきめ細かな利用者支援と評価・改善・見直し等が実施されています。 
また、退所後のアフターケアとして、相談対応(生活や養育)、学童保育、学習会、行事に招待、居宅訪問等の支援も継続して行われています。

◆退所後のアフターケアも十分に行われ、いつでも相談に乗ってもらえる体制作りが行なわれています。

◇改善を求められる点

◆職員全員で支援してく体制作りの継続に期待します。
 現在も、職員間で意見交換の場の機会を設け、何でも話し合えるチーム作りに努力されています。
今後もチームで行う母親と子ども対する支援の充実を目指されることに期待します。

◆新型のコロナウイルス感染症等の脅威の増大に伴う、感染症マニュアルの編成・見直し等が必要不可欠な時代と認識します。
保健センターとの定期的な情報交換や感染症予防等の実践の講習等の実施について再考されること願います。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 当施設においては、毎年行う自己評価、3年に一度行う第3者評価の結果を踏まえ改善計画を策定し、事業計画には改善計画の内容を反映させて運営に取り組んでいるところです。
2018年度の自己評価結果を受けて取り上げた改善課題が9項目ありました。その中で特に重点を置いて取り組んだものが3項目、人材確保と育成、中長期計画の策定、地域交流と貢献です。
一つ目の人材確保と育成についてですが、これについては、OJTの取り組み強化と個人研修プログラムの活用によりかなりの成果が上がりました。目標を持つこと、期限を設定すること、言語化することにより、向き合うべき課題と作業の進捗状況が明確になったことによるものだと言えます。
二つ目の中長期計画についてですが、策定にあたって具体的数値目標を掲げた内容にしたことがこれまでと大きく違うところです。施設を運営していく上で財務基盤の安定は重要課題です。中長期の視点に立脚した単年度の予算、事業計画を策定しております。数値目標を掲げたことで、今後事業の見直し修正を適各に行うことが可能となります。
三つ目の地域交流と貢献についてですが、これは施設の設立当初から受け継がれてきた理念であり、施設運営の基本方針にも掲げて長年取り組んでいる事柄です。近年では地域の行政、社協、住民との繋がりが強化され、具体的活動へと発展しています。
以上の3点につきましては、今回の評価者の評価においても「特に評価の高い点」として取り上げられている内容と合致しています。
さて、「改善を求められる点」として挙げられているのが、職員全体で支援していく体制づくりの継続と感染症対策です。
職員のチームによる支援体制については現在も努力しているところです。少人数の委員会活動を設置してどの職員も意見が出しやすい環境を整備したこと、自立支援計画の策定要領を整備したことが挙げられます。今後は、これらを運用する事により課題を見出し、さらなる改善を図る計画です。
これまでの一般的な感染症対策では対応しきれない新型コロナウイルスの問題は大きな課題です。感染拡大の状況によっては事業活動停止を招きかねません。地域の関係機関に協力を得て、具体的でかつ実践に生かせる感染症予防策の講習を実施すること、大規模災害時に匹敵する事業継続マニュアルの策定が必要であると認識しています。
この度は、当施設の事業活動を丁寧に分析していただきました評価者の皆様に感謝いたします。この結果を施設の運営と事業活動に生かしたいと考えています。
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