【1】第三者評価機関名 | (株)中部評価センター |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021157 SK2021158 |
【2】種別 | 母子生活支援施設 | 定員 | 25世帯 | |
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施設長氏名 | 鷲野 林平 | 所在地 | 愛知県 | |
URL | http://dohoen.jp/shien/ | |||
開設年月日 | 1965年11月29日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 半田同胞園 | |
職員数 | 常勤職員 | 13名 | 非常勤職員 | 3名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 1名 | 保育士 | 5名 |
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臨床心理士 | 1名 | 公認心理士 | 1名 | |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 20室 | (イ)設備等 | 集会室、学習室、緊急一時保護室 |
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(ウ) | 保育室、相談室、心理室、学習室 | (エ) | ||
【3】理念・基本方針 | ★理念 ・法人 利用者の最善の利益を守る 苦しみや悲しみを抱えて入所した母子が安心して生活できる場所を提供する 社会人として感謝の気持ちをもち自立するよう支援する 子ども一人ひとりを大切に丈夫な身体とやさしい心を育む 職員は常に笑顔を忘れず自分に厳しく、相手にはやさしく和をもって、切磋琢磨する 地域の皆さんとの交流を深め、協力を得て子育てをする ・施設 利用者(母親と子ども)を権利の主体として位置づけ、常に利用者の最善の利益に配慮した支援を行う。 ★基本方針 モットー「母と子が 明るく 楽しく 安心して生活し、自立できるよう支援します。」 ①母と子が安心して住める生活環境を作る支援を行う。 ②離婚に伴う母と子の生活等の相談や関係調整体制を作る支援を行う。 ③ひとり親での子育て支援や子どもへの生活や学習等のよりよい支援を行う。 ④ひとり親での就労支援や自立への支援を行う。 ⑤DV被害や被虐待児への心理サポートを行う。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 本年度重点努力目標 《全体テーマ》 母子生活支援施設を積極的に利用してもらうために、施設の支援機能の充実と専門性を地域に発信する等、福祉ニーズに適切に応えていくことが求められ、そのニーズに適切に応えるために厚生労働省が示す新規事業、児童福祉法の改正等の内容について情報収集をし、地域の関係機関との連携を図りながら、既存の事業の見直しや新たな取り組みについて検討している。 また、一方で、長期化する新型コロナウイルスの感染の拡大予防対策に取り組み、新しい生活様式を取り入れ、利用者である母子はもちろんのこと、職員も健康で安心して過ごすことができるようにしている。 《利用者支援》 DV被害や虐待を受けた母と子、障害のある母と子など複雑な課題を有する母子の入所が増えており、「課題解決」と「生活支援」を組み合わせた、一連の切れ目のない「総合的な支援」及び「きめ細やかな支援」が必要となっている。このような中、引き続き、職員の「利用者を信頼する姿勢」、「利用者を見守っている姿勢」を一貫して示すようにしている。 《職員育成・連携》 新型コロナウイルス感染症の影響で、オンライン等、様々な形での研修会が開催されるようになってきた。 このような状況の中、積極的に参加できるような環境を整えている。また、新しい事業展開及び緊急時に対応できる職員体制の構築を検討していく。 《一時保護等及び地域支援》 「緊急一時保護」及び「子育て短期支援事業」については、引き続き、関係機関との連絡調整の中で、必要とする利用者を必要な時に積極的に受入れることができる体制をつくることを検討している。 みらいてらす内「ならわの縁がわ」においては、高齢者の「ならわサロン」は継続、「子ども食堂」が今年度4月から月1回開催されている。どちらも、地域の方々の運営となっており、地域住民の居場所的存在になっている。 特別事業や支援強化している内容 ・緊急一時保護事業(愛知県女性相談センターからの委託事業)…DV被害の母子世帯及び女性の受入れ ・子育て短期支援事業(半田市始め6市からの委託事業)…母子世帯、女性、児童の受入れ ・心理療法担当職員による心理療法等のカウンセリング支援…常勤臨床心理士(公認心理師)の配置、支援 ・被虐待児世帯の受入れ及び個別対応…虐待児童への個別対応職員配置、支援 ・DV被害対策としての夜間警備強化体制…防犯カメラ設置、警備システム導入、職員による完全宿直体制 ・自立準備としてのサテライト施設(原則、利用期間1年)運営による自立促進 ・実習生受入れ…社会福祉士、保育士資格取得実習、教職員養成介護等体験実習、臨床心理士・公認心理師養成実習の受入れ ・ボランティアの受け入れによる利用者支援…大学生や地域の方から、学習支援及び遊び、日本語教室の開催 ・職員のアセスメント力向上のためのケース検討会…大学の臨床心理の専門家を招き、研修会の開催 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2022年07月20日(契約日)~ 2023年04月27日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 ◆管理者のリーダーシップとマネジメント 管理者は常に職員とのコミュニケーションを図り、職員の動静や支援の現状を把握している。育成面談や随時行う面談の中では、個別の助言により改善へのインセンティブを与え、指示するのではなく自ら考え行動するコーチングを行い、職員育成と支援の適正化を図っている。また、「ワシノの提案」と題した指南文書を施設内研修で職員に配付している。この客観的且つ肯定的に日々の支援状況を捉えたスーパービジョンは、職員にとっては理念に則した心強い行動基準となるものである。これにより、チームワークも強化され、職員個々の育成にもつながっている。 ◆地域交流の拠点 地域交流スペースの中に設けた「ならわの縁側」では、高齢者サロンが定期的に開催され、さらに地域のニーズを受けて子ども食堂が開始された。地域住民の誰もが利用できる場として活用されており、入居者の母子も利用している。また、横には0歳児保育の「ひよこ組」が活動しており、見学して交流を図ることもできる。地域住民同士の交流の場として、あるいは子どもや高齢者の居場所としても大変価値ある取組みである。 ◆充実した施設内研修 毎月1回施設内研修を実施し、毎回テーマを設定した上で全職員が参加している。心理士によるメンタル対応の講義、外部研修の報告の他、外部講師を招いての講演など、様々なプログラムを用意することによって、職員のスキルアップを図っている。また、隔月開催のケース勉強会では、専門の大学教授を招いてのケース検討を実施している。これら数々の研修を通して、確実に支援向上につなげている。 ◆安全・安心を支える 生活の中では、それぞれの母子の意向、人権、プライバシー保護などを踏まえた上で、安全・安心を守ることを前提に支援が行われている。支援は、自己決定とエンパワメントを尊重し、同意に基づく自立支援計画に沿って進められている。毎月のケース検討では、困難ケースへの介入方法や改善事項などを話し合い、時には外部の専門家を交えて職員全員が徹底的に話し合い、母子の最善の利益を追及している。また、実際の優しく柔軟な対応場面から見て、管理者や職員の笑顔が母子の心の支えとなっていると確信できる。 ◇改善を求められる点 ◆事業計画の具体性 中長期計画の中で建物改修等のハード面の計画に関しては、財源や実施行程も明確であり実効性の高いものであるが、活動計画や支援等の計画では、具体性を欠き、進捗確認や評価が明確にしづらい点がある。同様に、中長期計画を受けた単年度の事業計画についても、事業所の特殊性から数値目標等の設定は難しい面があるが、より具体性のある達成度評価の容易な事項とすることが求められる。 ◆キャリアパスの策定 「目標管理シート」と面談による目標管理の仕組みは評価できるが、目標に関してはキャリアに応じた職責に対する目標設定が肝要である。現在は全母協(全国母子生活支援施設協議会)の「人材育成体系」の職務内容を参考としているが、事業所運営に基づいたキャリアパスが必要となる。これを人事制度の仕組みにも当てはめることで、業務目標のみならず昇格等の人事要件としても重要な基準となりうるものであり、キャリアパスの策定を急がれたい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回の第三者評価の結果から、「事業計画の策定」の4項目の内、「b」評価が3項目ありました。法人としての中・長期計画の策定はされていますが、母子生活支援施設としての中・長期計画が明確にされていないと指摘を受けました。今後、こども家庭庁の発足、児童福祉法の改正等、母子生活支援施設を取り巻く環境が変化する中、より具体的な計画を策定し、できる項目については数値目標の設定をするようにします。 単年度の事業計画においても、母親はもちろんのこと、子どもにも、わかりやすい資料を作成し、説明できるようにします。 福祉人材の確保・育成についても、職員個々のキャリアアップを図りながら、今後の事業展開に合わせて、人材の確保、育成をしていきます。 BCP(業務継続計画)の策定は、令和5年度の重点事項としており、学識経験者を招き、策定に向け取り組んでいきます。 「性」教育についても、正しい知識や情報を母親、子どもにもしっかり伝えることができるような取り組みを実施します。 |