【1】第三者評価機関名 | (株)中部評価センター |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021147 S2022055 |
【2】種別 | 母子生活支援施設 | 定員 | 10世帯 | |
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施設長氏名 | 宇井 昭典 | 所在地 | 愛知県 | |
URL | https://www.wakatakeso.com/ | |||
開設年月日 | 1950年01月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 若竹荘 | |
職員数 | 常勤職員 | 8名 | 非常勤職員 | 5名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 2名 | 保育士 | 3名 |
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精神保健福祉士 | 1名 | 公認心理師、臨床心理士 | 1名 | |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 10室 | (イ)設備等 | 事務室、宿直室・静養室、相談室、学習室、集会室 |
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(ウ) | 緊急一時保護室、心理療法室、子育て短期支援室 | (エ) | 洗濯室、倉庫、書庫、ラウンジ | |
【3】理念・基本方針 | ★理念 母親と子どもの権利を擁護し、安心・安全・安定した生活の営みを支え、常に利用者の最善の利益に配慮し、自立に向けた支援を行う。 ★基本方針 ① 人権の尊重 ・母親と子どもの人権を尊重し、権利を擁護する。 ② 利用者を主体とした支援 ・母親と子どもの安全に配慮し、安心し安定した生活が営めるよう環境を整える。 ・母親と子どもそれぞれに本人の意志を尊重しアセスメントを行い、自立支援計画を策定し、計画に基づき支援を行う。 ・入所から退所後のアフターケアまで、地域社会での自立した生活を見据え、自らの意志で問題解決に向かえるよう、関係機関と連携を密に一貫した支援を行う。 ・子どもの健やかな育ちを保障するため、母親の願いや子どもの気持ちに寄り添い、家族の関係を調整し、発達段階に応じた養育・教育の支援を行う。 ・DVや虐待による心身のダメージからの回復をめざし、医師や専門機関、学校、保育所等との連携を密に支援に取り組む。 ③ 関係機関との連携 ・福祉事務所と密に連携を図り、利用者個々の状況に応じ、関係機関や社会資源を活用し、適切な支援を行う。 ・関係機関、団体ネットワークの中で情報の共有化を図り、社会的養護の資源の一員としての役割を果たす。 ④ 地域との連携 ・母親と子どもの安全を守りつつ、地域住民として、地域の取り組みに無理なく参加できるよう配慮する。 ・施設が地域での役割を果たすと共に、施設の目的や機能を説明し理解されるよう努める。 ・施設機能の専門性を活かし、地域の子育て家庭やひとり親家庭の相談支援に応じる。 ⑤ 支援の質の向上 ・職員は、常に利用者の最善の利益を願い、適切な支援を行うため専門性と倫理性の向上に主体的に取り組む。 ・職員の職務、キャリアに合わせ、施設内外の研修計画を適正に策定し、その成果を共有し、支援に反映させる。 ・施設長、基幹的職員等によるスーパービジョンを行い職員への援助を行う。 ⑥ 適正な事業運営 ・法令を遵守し、適切な情報の公開に努め、社会的養護を担う施設としての責務を果たすため、事業運営の維持発展に努める。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ①丁寧できめ細やかな支援 定員10世帯の小規模な施設であることを活かし、7名の職員が協力し、丁寧できめ細やかな支援を行っている。 ②複合施設の強みを活かした支援 法人の経営する保育所と障害福祉サービス事業所が同敷地内にあり、保育所への入所や一時預かりの利用がしやすく、保育所との連携を密にした養育支援を行っている。また、障害福祉サービス事業所と連携し、障害のある母親の就労支援や日常生活支援、児童の療育に対し、専門的なアドバイスや協力を受けて進めている。 ③地域に密着した活動 昭和25年に名古屋市から事業を継承して以来、70年に及ぶ長い歴史を有し、施設が一つの町内会として承認されており、連区の中で配慮をいただきながら、可能な地域活動を行っている。希望する母親と子どもは地域行事に参加可能。施設長が町内会長として連区の役員を務め、職員も地域の行事、交通安全等に貢献している。地区市民館祭のパンフレットの印刷等を施設で請け負っている。 ④資格取得をサポート 公共交通機関は少なく、静かで落ち着いた環境でありながら、生活には非常に便利な立地にあり、就労場所も周辺に多くある。意欲のある利用者には、自動車運転免許や介護職員初任者研修等の資格取得のための受講を勧めている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2023年08月04日(契約日)~ 2024年03月31日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和2年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価が高い点 ◆「自立支援」に対する意識と「次世代への継承」への思い 評価項目に関する聞取りと職員ヒアリングの中で、「母子生活支援施設」における支援のあり方について、組織としての「一体感と強い意識」が窺えた。利用者アンケートの母親の回答では、不安を訴える声やルールに関する意見、また、職員の対応への思いなど、様々な意見が寄せられている。職員が母親目線に合わせて対応を緩めるのは容易であるが、施設では「母子の自立」を考えた一貫した姿勢と厳しい対応を貫いている。もちろん、厳しいだけではなく、日常の中で利用者への配慮や優しさを忘れていない。一緒に喜びを分かち合い、不安に寄添い相談にも乗っている。ベテラン職員の熟練したスキルを見習い、意志を継承することを目標とする職員の存在がある。上司の自立支援に対する一貫した姿勢が、次世代職員の「やりがい」に繋がっている。 ◆小規模施設の強みを活かした支援と快適な住環境 基本理念と方針の実現に向けて、職員は試行錯誤を繰り返しながら良質な支援を常に追及している。定員10世帯という小規模施設であるため、規則正しい生活を意識しながら個々のニーズに応じた柔軟なケアが可能となっている。また、老朽化やプライバシーの配慮に課題があった建物は、令和5年3月に新築工事が完工している。世帯ごとに必要な設備が整えられており、利用者の意見や職員の創意工夫が反映されている。利用者の心身の回復に寄与し、社会生活を営む上で必要なスキル習得にも繋がっている。 ◇改善が期待される点 ◆事業計画と事業報告の活用について 事業計画において、年度の重点項目を明確に示している。重点項目の一つである「支援の標準化」は、施設の基準を設定することがポイントである。施設が基本とする支援内容の「実状と達成状況」を分析することで基準が定まり、より効果的な「支援の標準化」が可能になる。施設の基準を踏まえて「運営ハンドブック」や「業務マニュアル」の見直しを行い、重点項目である「支援の標準化」に反映させることが望まれる。事業報告においては、計画に対する達成状況や結果を文書化することで振返りの機会となり、計画の立ち消えを防ぐ効果も期待できる。「事業計画」を達成するまでのプロセスや取り組んだ結果を「事業報告」で文書化し、最終的に計画を完結させることが期待される。 ◆多面的な自立支援計画作成と進行管理 自立支援計画は福祉事務所等、他機関の情報を基にアセスメントを行い、利用者の意向とニーズ、同意まで得ており、効果的な計画となっている。一方で、心理的所見の反映や支援の進行状況を定期的に確認する手順には改善の余地がある。段階的な支援の目標設定と評価を行う体制作りに期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回で4回目の受審でしたが、毎回、貴重なご指摘や助言をいただき参考になりました。今回、初めて第三者評価受審を経験する職員も多く、支援の標準化や、専門職としての意識の向上に繋がりました。昨年度末に、長年の課題であった施設の建替え工事が完了し、プライバシー保護やセキュリティが向上し、入所者の方がより安心して快適に過ごせるようになりました。支援内容に良い評価をいただいた部分は更なる向上を目指し、不十分な点は改善を図って参ります。 |