社会的養護施設第三者評価結果 検索

みこころ荘

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK18100
SK18101
26001


【2】種別 母子生活支援施設 定員 20世帯
施設長氏名 松矢 光一 所在地 新潟県
URL
開設年月日 1957年09月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人フランシスコ第三会マリア園
職員数 常勤職員 7名 非常勤職員 0名
有資格職員 介護福祉士 1名 保育士 2名
調理師 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 21室(定員20世帯、716.42㎡) (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 (1)理念(法人の理念)
 当社会福祉法人は、キリスト教精神を根底に、全ての者に愛を注いだアシジの聖フランシスコの生き方に倣い、愛の精神を持って、子どもから高齢の方々にわたる利用者に、必要とされる福祉サービスを提供することにより、子どもたちには個性豊かな有為な人材として心身ともに健やかに成長することを、高齢者にはその有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように支援することを理念とする。

(2)基本方針(施設の運営方針)
1.当施設は、母子生活支援施設みこころ荘管理規程に定める事項の他、社会福祉事業法、児童福祉法、児童福祉施設最低基準その他社会福祉関連法令及び、本法人の諸規則の定めるところにより入所者の処遇に当たるものとする。
2.児童福祉法第45条の規定に基づく児童福祉最低基準を下回らない処遇に努める。
3.入所者の生活保持のため、健康、衛生、環境、防災安全管理に努める。
4.健全な施設運営を希求するため、常に収支の均衡を図り、経理の明確さに心掛ける。
【4】施設の特徴的な取組  母子生活支援施設は児童福祉法に基づく社会福祉施設なので、子どもたちが健全に育って行くための事業を積極的に推進していくことが大切である。今年度は施設利用の子どもたち(対象は小学生)が山間地の農業を体験し、労働の苦労や収穫の喜びを知るという事業を計画した。代掻きに始まり、田植えから田の草取り、稲刈りまで毎月、山間地まで出向いて作業を行うことになっている。
【5】第三者評価の受審状況 2019年05月01日(契約日)~ 2019年12月16日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成28年度
【6】総評 【特に良いと思う点】
〇施設長はじめ職員一同が、母子生活支援施設への深い理解にもとづき、安定した家庭生活を送れるように支援を行っている。
 法人は古くからキリスト教精神を根底に地域の福祉サービスを担ってきている。みこころ荘も戦後すぐに開設されており、施設長は幼い頃から家族ぐるみでその運営にかかわってきた。そのため母子生活支援施設が運営の厳しさから各所で閉鎖が続いている現状を憂い、母親と子どもの生活のために必要な施設であるという思いからこの地域にみこころ荘を残すべく腐心している。職員も母親と子どもの生活を支えるために献身的に運営を行ってきている。

〇施設の理念が職員に周知され、理念に基づいた支援が行われている。
 施設の理念に基づき、利用者の声を聴く姿勢を持ち、施設長をはじめとして職員全員で日々の業務の中で意識をもって取り組んでおり、利用者からの声に対しては迅速に取り組んでいる。また、感染症対策についても、予防に向けた取り組みを行うほか、利用者自身でも対応ができるよう居室ごとに必要なキットを設置している。自立支援計画の作成にあたっては、母親、子どもとも同席のもと、各関係機関も含めて検討を行っており、母親、子どもそれぞれの状況に応じて一人ひとりの思いに寄り添った支援を全職員で行っている。 

〇職員は、法人の目的に明記されているエンパワーメントの視点に立ち、個人の尊厳の保持と支援を目指し、個別のニーズに合わせたきめ細やかな支援を実践している。
 法人の定款(目的)に「個人の尊厳を保持しつつ、心身ともに健やかに育成され、又その有する能力に応じて自立した日常生活を地域社会において営むことができるように支援する」と明文化されている。その目的に従い、入所時の母子の安心につながるような生活に即した情報提供(パンフレット)、就労支援及びレスパイト(息抜き・休息)のための保育の実施、母親に対する相談支援、生活スキル向上のための支援、子どもたちの年齢を踏まえた自立に向かうため生活支援、医療機関の受診など健康管理への配慮など、個々に抱える課題を少しでもクリアにして自立に向かえるよう個別のニーズに配慮したきめ細かい支援を行っている。職員は施設の役割を理解し法人の目指す目的を実践している。

【特に改善が求められる点】
〇中・長期計画を踏まえた単年度の事業計画の策定が望まれる。
 施設の整備において、母子の生活の安全や質を守るために、臨機応変な対応が行われている。しかし、中・長期計画に基づいた単年度の計画は実行可能な具体的な内容となっていないことから職員や入所者にとってわかりにくく、施設側の意向が伝わりにくい。事業計画が、職員等の参画や意見の集約・反映の仕組みが定められた上でわかりやすく策定され、その評価と見直しが組織的に行われることが望まれる。

〇支援の標準的実施方法について、職員全体で共通認識を持ち取り組むことが望まれる。
 職員は様々な職種、役割の中で業務を行っており、利用者を尊重した支援を行っている。しかし、標準的・基本的に行うべき支援の実施方法について第三者や新任職員に提示できるものがなく、支援の質の向上に向けた組織的な体制が不十分であるといえる。今後は、長い歴史のある施設の風土、思いを引き継ぎながら、実態に合わせた支援を行うためにも、支援の標準的実施方法の明文化などの必要性も検討しながら、仕組みづくりをしていくことが望まれる。

〇子どもの年齢・発達段階に応じた「いのち」の教育について検討し、思いやりの心を育む支援への取り組みが期待される。
 職員は、子どもの性教育の在り方について迷いがあるなど積極的に取り組んでいないことを課題としている。自分自身の命や他の人の命の大切さ、守られる権利があるという命の教育の一環として性教育があることから、今後は、子どもの年齢や発達にあった性教育の在り方について検討し、思いやりの心を育む支援への取り組みが期待される。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 令和2年度は、C評価ゼロを目指します。
①事業計画は事業内容の提示ではなく、中長期計画に基づく具体的な施設の利用者、職員の意見等を集約した整備計画等も盛り込みます。
②標準的支援の実施については、新任職員に提示できるものが無いので新たに準備の上、整備します。
③現在まで性教育に関しては学校教育に頼り、消極的であったが、命の教育の一環として幅広い角度から方法を検討します。児童書の読み聞かせや中高生に関してはDVDの貸し出し等などを計画し、事業計画にも盛り込みます。
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