社会的養護施設第三者評価結果 検索

みこころ荘

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK15083
24025



【2】種別 母子生活支援施設 定員 20世帯
施設長氏名 高橋 保夫 所在地 新潟県
URL
開設年月日 1957年09月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人フランシスコ第三会マリア園
職員数 常勤職員 8名 非常勤職員 0名
専門職員 介護福祉士 1名 保育士 3名
調理師 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 21室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 ◆法人の理念
当社会福祉法人は、キリスト教精神を根底に、全ての者に愛を注いだアシジの聖フランシスコの生き方に倣い、愛の精神を持って、子どもから高齢の方々にわたる利用者に、必要とされる福祉サービスを提供することにより、子どもたちには個性豊かな有為な人材として心身ともに健やかに成長することを、高齢者にはその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援することを理念とする。

◆施設の運営方針
1.当施設は、母子生活支援施設みこころ荘管理規程に定める事項の他、社会福祉事業法、児童福祉法、児童福祉施設最低基準その他社会福祉関連法及び、本法人の諸規則の定めるところにより入所者の処遇に当たるものとする。
2.児童福祉法第45条の規定に基づく児童福祉最低基準を下回らない処遇に努める。
3.入所者の生活保持のため、健康、衛生、環境、防災安全管理に努める。
4.健全な施設運営を希求するため、常に収支の均衡を図り、経理の明確さに心掛ける。
【4】施設の特徴的な取組 母子生活支援施設は児童福祉法に基づく社会福祉施設なので、子どもたちが健全に育って行くための事業を積極的に推進していくことが大切である。
今年度は施設利用の子どもたち(対象は小学生)が山間地の農業を体験し、労働の苦労や収穫の喜びを知るという事業を計画した。代掻きに始まり、田植えから田の草取り、稲刈りまで毎月、山間地まで出向いて作業を行うことになっている。
【5】第三者評価の受審状況 2016年05月01日(契約日)~ 2016年10月21日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成24年度
【6】総評 【特に評価が高い点】

○母親と子どもの最善の利益を目指した具体的な支援に取り組んでいる。
 朝礼時に施設長が母親と子どもの様子、気付き等を含めた連絡引継ぎ事項が記入された連絡記録を読み上げ、職員間で日々、課題の共有を図り職員は母親と子どもとの信頼関係の構築に努めている。夜間の相談体制を整え相談支援に重点を置き母親の心の安定を図っている。母親の就労を支えると共に健やかな子どもの育ちを目的として幼児保育や学童保育が行われている。
 保育は担当職員を配置し、整頓された保育室で靴をきちんと揃えるように足型のビニールテープが張られるなど環境に配慮し家庭を補完した保育が行われている。さらに学童児を対象に里山に出かけ1年間を通じての農業体験が実施され豊かな経験を広げる機会としている。
 また、高校進学志望の中学3年生に対して学習支援を行っているなど母親と子どもの状況に応じて適切な対応がされ受容的・支持的な支援を基本とした母親と子どもの最善の利益を目指した具体的な支援に取組んでいることが伺える。職員はさらなる高みを目指して葛藤している中、今回の第三者評価における利用者調査の結果から多くの利用者から信頼されている職員との関係が読取れる。

○母親と子どもに対する支援の実施状況がきめ細かく記録され共有化されている。
 自立支援計画の評価・見直しを行う際の基本情報となる支援の実施状況が統一された様式より、きめ細やかに記入されている。個別の処遇記録に必要な伝達事項の他、母親と子どもの様子、職員の気付き等も記入されパソコンのネットワークシステムによって共有されている。
 また、毎日の朝礼において施設長が業務日誌を読み上げて共有化が図られ情報が参画した職員により、さらに詳しく説明されたり、意図が伝わりにくい部分を補ったりしている様子が訪問調査時に確認できた。さらに月に2回の全職員が参加する職員会議を開催し、さらなる共有の機会としている。
 幼児日誌、学童保育日誌、母親日誌を備え母親と子どもに関わる日々の情報が記録され自立支援計画にも反映されており、母親と子どもの強みや長所などにも配慮しながら記入されている事が記録から確認できる
 

【改善が求められる点】
○理念や基本方針の確立と周知への取組み、及び中長期計画の策定が期待される。
 「子どもたちには個性豊かな有為な人材として心身共に健やかに成長することが出来るように支援する事」という法人の理念がホームページに掲げられ、就業規則(第2条)にも理念が明記され、管理規定(第2条)に運営方針が明文化されている。
 しかし、ホームページと就業規則に明記されている理念は文章が統一されていない事や運営方針の文章は理念に基づいて母親と子どもに対する姿勢や施設が持つ機能を具体的に示すものとしては理解しにくい文章となっている事から理念や基本方針が適切に明文化されているとは言い難い。さらに今回の第三者評価における職員評価においても周知徹底されているとは言い難く、理念や基本方針は職員はもとより、母親と子ども、さらには地域社会に対して示していく事を前提として、明文化されることが求められており十分な取り組みが求められる。
 さらに現在、中長期計画は策定されていない事から施設長は中長期計画の策定の必要性を課題としており、理念や基本方針の実現に向けたビジョンを明確にした中長期計画の策定が期待される。

○母親と子どものプライバシー保護等の権利擁護に関する規定やマニュアルを整備し、職員に周知徹底する取組みが求められる。
 施設長は職員がプライバシー保護と権利擁護についての姿勢や責務を理解し業務にあたっている事を確認しているがプライバシー保護等の規定・マニュアルの整備には至っていない。入所時に母親に配布される「暮らしのしおり」には入室に関する事項が記載された文章は確認できたが多様な生活場面での配慮が必要であり、母親と子どもの日常生活におけるプライバシーの保護は母親と子どもを尊重した支援であり、権利擁護に関わる取組みは虐待防止につながる重要事項とされている。
 施設長は取組みの必要を感じており、母親と子どものプライバシー保護をはじめ、権利擁護に関する規定・マニュアルを早急に整備し職員に周知徹底する取組み、さらにその取組みを母親と子どもに周知すことが求められる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  第三者評価の受審が義務化されてから2回目の第三者評価を今年度受審し、その評価結果の報告を受けて、改善が求められる点が1回目と同じような評価結果となったことに愕然となり、反省しています。
 この3年間、施設利用者の自立支援に全職員が一丸となって懸命に取り組んできたところですが、日常の業務に追われ、施設の仕事を進める上で根幹となる理念や基本方針の確立と周知への取組みが不足していたこと、また中長期計画の策定などが遅れたことは指摘されたとおりですので、これらの改善について、これからの施設の大きな課題として捉え、施設長が中心になって善処していく所存です。
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