社会的養護施設第三者評価結果 検索

さつき荘

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK2021109
S2020066
202104


【2】種別 母子生活支援施設 定員 18世帯
施設長氏名 川村 雅子 所在地 新潟県
URL
開設年月日 1951年06月01日 経営法人・設置主体 運営:社会福祉法人新潟市社会福祉協議会 設置主体:新潟市
職員数 常勤職員 4名 非常勤職員 1名
有資格職員 社会福祉士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 18室 (イ)設備等 1DK・遊戯室・静養室・会議室・集会室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 子育て困難な状況にある母子世帯や事実上の母子世帯の母親とその子どもを入所させて保護するとともに、様々な支援を通してその自立を促進する。
母子はDVはじめ多くの課題を抱えており、長期かつ総合的な支援を必要としているため、母子の立場を尊重して信頼関係を構築し、ともに課題を解決する視点をもって支援する。

(1)児童福祉法に基づく施設として、「子どもの最善の利益」を念頭に支援を行う。
(2)母子の希望や意思を尊重し、あたたかく、寄り添う立場で支援する。
(3)母子が共に生活できる施設の特徴を活かし、生活に密着した支援を行う。
(4)母子の退所との地域での生活を含めた息の長い支援を行う。
(5)様々なニーズに対応するため、職員のスキルを向上させるとともに、チームとして統一した支援を行う。
(6)入所者が心から安心でき、安全に暮らせるよう、マニュアル、環境を整える。
(7)関係機関との連携を重視し、協働して支援の充実を図る。
(8)入所者、及び第三者による評価を運営に生かす。
【4】施設の特徴的な取組 法人の強みを活かし、対処する世帯の状況に合わせ区の社会福祉協議会と連携して地域での見守りや支援を行うなど退所後も継続的な支援を行っている。
【5】第三者評価の受審状況 2022年07月01日(契約日)~ 2023年03月22日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 【特に良いと思う点】
■母親と子どもとのコミュニケーションを大切にし、安心した生活ができるような支援に努めている。
 施設長をはじめ職員は、個々の入所者のニーズに合った支援を行うためには、信頼関係の構築が重要と考えている。また、自立支援計画の作成は、母親と子どもの意向を十分に汲み取って作成することが重要と考えているため、定期的な面談の他に日々のコミュニケーションを密にすることで信頼関係を築き支援につなげている。日々の関わりの中では、母親や子どもの表情や様子を注意深く観察し、タイミングを逃さずに声をかけることで困っていることや悩みなどに早期に気付けるように努めている。生活への支援については、母子の生活スタイルやプライバシーに配慮しつつ、要望に応じて掃除や洗濯、料理などを一緒に行うなどの支援を行ったり、場合によっては、家計管理についても母親と一緒に行うなどの支援も行っている。今回の第三者評価で母子を対象に実施したアンケートからも、職員との信頼関係が構築されていることがうかがえた。

■母子が退所した後の安定した生活を見据えて、様々な人との関わりや生活に密着した経験が多く持てるように努めている。
 施設内では季節ごとに行事を企画したり、子どもの年齢に応じてルールのある遊びを楽しむことができるような機会を設けている。施設で企画したお祭りでは、子ども達に出店を担ってもらうなどして、主体的に活動できるように計画をしたこともある。また、実習生を積極的に受け入れたり、学習ボランティアを依頼するなどして、様々な人との交流ができるように努めている。
 コロナ禍ということもあり、自治会活動に積極的に参加することができない状況が続いているが、その中でも地区の活動に参加を促し、実際清掃活動を行ったこともあった。
 定期的に臨床心理士によるカウンセリングの時間を設けるなどして入所者の不安やストレスなどの軽減に努め、安定した対人関係が築けるように支援している。

【特に改善が求められる点】
■プライバシー保護についての規定やマニュアル等の整備が期待される。
 施設において、特定の個人を識別できる個人情報の保護については規定されている。しかし、個人や家庭内の私事・私生活、また、それを他の個人や社会に知られず、干渉を受けない権利であるプライバシー保護についての規定やマニュアルの整備がされていない。子どもが一人で勉強したりオンラインでの部活動に参加ができるように会議室等を開放し、母親に干渉されずに過ごすことができるようにしたり、居室訪問時の対応で工夫をするなどプライバシー保護に関する取り組みは行っている。今後は、規定やマニュアルを整備することでプライバシー保護に関する考え方や方針を職員間で統一し、規定やマニュアルに基づいた基本的支援が提供されることを期待したい。

■事業継続計画(BCP)の策定と訓練が急がれる。
 施設において、危機管理マニュアルにて地震(津波)、台風(竜巻)、水害(豪雨)、大停電、大雪(大寒波)、Jアラート発信時、感染症発生時の対応と行動を定めている。しかし、事業継続計画(BCP)の策定まではされておらず、施設が業務継続困難な状況に陥った際の想定がされていない。
 特に大規模災害時においては施設単独では施設機能を維持することが困難な場合も多い。その際に法人内や行政、関係機関、地域とどのように連携して施設機能の維持、早期回復を目指していくかを定めていく必要がある。また、事業継続計画を定めたうえで、訓練を重ねて、より良い計画にしていくことを期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  評価機関の方々には丁寧な聞取りと細部にわたる資料の読み取りを行っていただき、普段の業務や支援を振り返ることができました。
 利用者との信頼関係の構築、普段の生活に密着した家事や家計支援を“一緒に行なう”点など、職員が大事にしている点を高く評価していただき、職員の自身と励みになりました。
 改善が求められる点として、特にBCPの策定と訓練については施設として早急に取り組んでいきたいと思います。
 引き続き、「子どもの最善の利益」を念頭におき、利用者の安心安全の施設づくりに努めてまいります。
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