社会的養護施設第三者評価結果 検索

ふじみ苑

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK18104
SK18099



【2】種別 母子生活支援施設 定員 18世帯
施設長氏名 奥田 大造 所在地 新潟県
URL
開設年月日 1949年04月01日 経営法人・設置主体 新潟市(指定管理:社会福祉法人新潟市社会福祉協議会)
職員数 常勤職員 5名 非常勤職員 0名
有資格職員 保育士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 18世帯 (イ)設備等 平成12年建築の鉄筋コンクリート3階建て 一般居室2DK・46.07㎡16室、47.88㎡2室
(ウ) オートロック、24時間管理人常駐、警備会社セキュリティー契約 (エ) 一時保護室1DK・33.00㎡2室身体障害者用の専用居室1室
【3】理念・基本方針 (1)理念
子育てが困難な状況にある母子世帯や事実上の母子世帯の母親とその子どもを入所させて保護するとともに、様々な支援を通してその自立を促進する。母子はDVはじめ、多くの課題を抱えており、長期かつ総合的な支援を必要としている。母子の立場を尊重して信頼関係を構築し、ともに課題を解決する視点を持って支援を行う。

(2)基本方針
・児童福祉法に基づく施設として、「子どもの最善の利益」を念頭に支援を行う。
・母子の希望や意志を尊重し、あたたかく、寄り添う立場で支援する。
・母子が共に生活できる施設の特徴を生かし、生活に密着した支援を行う。
・様々なニーズに対応するため、職員のスキルを向上させるとともにチームとして統一した支援を行う。
・入所者が心から安心でき、安全に暮らせるようマニュアル、環境を整える。
・関係機関との連携を重視し、協働して支援の充実を図る。
・入所者、及び第三者による評価を運営に生かす。
【4】施設の特徴的な取組 ・新潟県女性福祉相談所、新潟市配偶者暴力相談支援センターと連携したDV被害者などの一時保護事業に継続して取り組んでいる。
・入所者の安全確保を最優先に考えて宿直員を配置し、施設・設備の充実を図っている。
・施設を運営する新潟市社会福祉協議会の人的ソースを活用して研修などに取り組んでいる。
・入所者優先のもと、職種にこだわらない柔軟な対応、支援を行っている。
・外部カウンセラーによるカウンセリングを入所者・退所者に提供している。
・退所後の来訪・相談に応じ、「実家」としての役割をはたすようにしている。
【5】第三者評価の受審状況 2018年08月01日(契約日)~ 2019年03月28日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成27年度
【6】総評 【特に良いと思う点】
〇母親と子どもの自立支援計画が策定され、職員間で連携した支援に努めている。
 母親や子どもにとって、すぐに対応しなければいけない事項は入所後直ちに対応しているが、自立支援計画については、母親と子どもが施設生活に少しずつ慣れてくる入所後1カ月前後を目安にして主担当と副担当の職員が母親と子どもと話し合い、策定している。母親とは、必要な行政等の手続きや就業、自立に向けた今後の展望にどのように計画的に進めていくか丁寧に話し合い、行動目標を定めている。また、子どもに対しても、日頃の挨拶や会話などの触れ合いを通して、生活や学業等の目標を職員と子どもで話し合い目標を設定している。母親と子どもを分けて、それぞれの視点から計画を策定している。

〇安心できる生活環境を整えることで、入所者の自立に向けた意欲向上に努めている。
 施設はオートロックで24時間職員が常駐しており、有事には近隣の警備会社の警備員が駆けつける体制を整えている。また、入所時に施設の機能や職員の支援内容が分かりやすく説明された「生活のしおり」を用いて、職員から利用者に施設での安全な暮らしや今後の生活や子どもの保育、就学、生活が安定した後の就労等の自立に向けた支援について丁寧に説明がなされている。安全と安心が確保されることで、母親と子どもが持ち前の力を発揮しやすくし、自立に向けた取り組みにつなげている。

〇PDCAサイクルを基にした施設運営に努めている。
 施設では支援マニュアルや事業計画、生活のしおりなど多くの業務の基本方針や手順、標準的実施を定めて施設運営や支援が実施されている。また、これらを毎年度見直し、改正することによって、支援や施設管理等の必要な職務や支援の質の維持を図っている。施設長や職員は年度末にはマニュアルや手順書等を見直し、特に入所直後の入所者が一番関心を寄せる事柄が記載されている「生活のしおり」は毎年度、職員や利用者、周辺の社会資源等の変化に合わせてより分かりやすく改正されている。年次計画等にも日常の職員支援を見直す機会が位置づけられ、PDCAサイクルを基にした施設運営により支援の質の維持向上に努めている。

【特に改善が求められる点】
〇基幹的職員の育成、配置による、入所者へのより専門的な支援が期待される。
 各支援の標準的な実施方法を定めて、主担当、副担当の2名体制で入所者支援に当たることで、専門的な支援ができるように努めている。しかし、母親と子どもの抱える生活課題は近年、より複雑化しており、また、異動等による職員の入れ替わりもあることから、支援の質の維持向上のため基幹的職員の育成又は配置が期待される。例えば、既存の職員の中にも経験や専門的な技術、技法について学んでいる職員も多く、施設のキャリアパス制度として基幹的職員の条件や基準を明確にし、職員が主体的に目標に向かう仕組みを作るなど、職員の育成に向けた組織的な取り組みが期待される。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 母子支援の取組について一定の評価をいただき、喜びと共に今後一層の責任を感じます。評価結果に挙げられた事業計画中長期計画の策定・実施についての課題や他の課題として挙げられた項目について、関係機関と協議し指導を受けながら、一層の改善を進めていきたいと思います。
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