社会的養護施設第三者評価結果 検索

みかもハイツ

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
【2】種別 母子生活支援施設 定員 20世帯
施設長氏名 坂本 幾子 所在地 徳島県
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【3】実施調査日 2014年05月13日~2015年03月20日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
 長年、東みよし町に所在する公設公営の母子生活支援施設として、ひとり親家庭の支援に継続的に取り組んでいる。公立施設としての対応や職員の異動等による人員構成に変化があるなか、全職員参画型の組織運営に取り組んでいる。社会情勢の動向を踏まえたうえで、母子生活支援施設としての使命の再確認を行って理念や基本方針を見直すなど、全職員で施設の方向性を明示したり、課題抽出・改善活動に取り組んだりして、施設の担うべき養育と支援の質の向上に取り組んでいることは評価できる。

 施設では、母親や子どもたちと接する機会の多い夜間の勤務職員との引継ぎ事項の強化に努めている。引継ぎ時には、可能な限りすべての日勤職員が参加するよう努めている。各家庭に配付した書類内容の確認や学校からの連絡事項、入所者の動向、口頭で伝えた事項等も時間をかけて全職員で共有している。一日を通して母親や子どもが不安を感じることの無いよう、職員間で連携して取り組んでいることは評価できる。

 施設の担う支援の基本に“安全・安心・安定”を掲げ、母親や子どもが負担を感じることなく自立に向けて取り組むことができるよう配慮しつつ支援している。入所時の段階で、施設での生活のルールや自立に向けた取り組みなどについて時間をかけて話しあい、相互に理解を深めるよう努めている。特に、母親や子どもの意向を確認する際、本人が自立に向けて取り組まなければならない現在の課題と将来への目標等を書面に示してもらっており、これを踏まえたうえで自立支援計画を作成するなど、母親や子どもの意向を重視した支援に取り組んでいる。決して指示的に関わることのないよう、職員間で共通認識をもって寄り添った支援に努めていることは評価できる。

◇改善が求められる点
 事故防止や感染症予防、安全対策等に関するマニュアルを整備しているが、職員間だけで認識するにとどまっている。また、現在、施設では入所者や職員が災害時にどのような行動を行うかについて具体的な訓練を十分重ねるまでには至っていない。災害は、いつ・どのような時間帯に発生するかわからないため、また職員のみでの避難・誘導にも限界があることから、日ごろから様々な災害を想定した避難訓練に取り組まれたい。避難訓練の際には、消防署の指導を得たり、近隣の地域住民の協力を得たりして、母親と子どもとともに安全確保に取り組まれたい。

 全職員で自己評価を実施するなどして課題改善に努め、施設の理念や基本方針の明示、マニュアル整備等に取り組んだ結果として、着実に施設運営の機能強化が進んでいる。また、入所者が快適な生活を送ることができるよう、全室へのエアコン完備や外壁の塗装、消火器の設置場所の見直し、駐輪場の整備、廊下の滑り止め対策等の施設整備を行うなどして、母親や子どもへの支援に取り組んでいる。しかし、将来的な施設運営・整備のビジョンが漠然としているため、これらの取り組みは課題解決に向けた合理的な対策としては、十分な客観性を担保しうるものではない。今後は、現在の社会的養護や母子生活支援施設の背景を把握したうえで施設としての状況を整理し、中・長期的な目標を定めた計画を作成されたい。また、さらに細分化した年次ごとの目標を掲げた事業計画を示すなど、施設運営・整備の方向性を示した計画の策定に取り組まれたい。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 当施設は、今年度初めて第三者評価を受審いたしました。全職員で自己評価を行って行く中で、職員一人ひとりが今施設に求められていることや支援内容を顧みることができました。第三者評価の受審により、「特に評価が高い点」「改善が求められる点」が明確になり、施設の担うべき養育と支援の向上への取り組みと、職員間の連携と共通認識での寄り添った支援ができているとの高い評価を頂きうれしく思いました。中長期的ビジョンと計画の策定、地域支援への取り組みをご指摘いただき、今後の適切な施設運営、母子支援の方向性を見つけ出しました。今後も母子の「安心・安全・安定」な生活を保障し、地域での母子の住みよい地域社会づくりを進めてまいります。
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