社会的養護施設第三者評価結果 検索

山梨県立甲陽学園

【1】第三者評価機関名 (一社)しなの福祉教育総研
評価調査者研修修了番号 SK2022020
B2020068
B2020069


【2】種別 児童自立支援施設 定員 25名
施設長氏名 宮原 久江 所在地 山梨県
URL https://www.pref.yamanashi.jp/koyo-gken/shisetsu/gaiyou.html
開設年月日 1935年04月01日 経営法人・設置主体 山梨県
職員数 常勤職員 20名 非常勤職員 8名
有資格職員 社会福祉士 8名
施設設備の概要 (ア)居室数 16室 (イ)設備等 本館、体育館
(ウ) 男子寮、女子寮 (エ) 個別支援寮
【3】理念・基本方針 当学園は、「暮らしの支援」、「学びの支援」、「働く支援」、「心の支援」の四本の柱により、児童が安心して自分と向き合える環境づくりや、個々の児童のニーズに合った対応をしていくことを運営理念としています。
【4】施設の特徴的な取組 入園前の生活を改善するため、日頃の生活の中で役割やルールをしっかり守り、規則正しい生活リズムを獲得できるように支援しています。また、退園後の将来を見据え、中学生は高校進学に向け分校・寮生活において学習の習慣づけを行っています。
人間関係については、スポーツを通じて横とのつながりやチームワークの大切さを学べる環境を提供しています。
【5】第三者評価の受審状況 2023年07月10日(契約日)~ 2024年03月13日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和2年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
【明確な基本理念に基づいた方針と支援】
〇入所対象児童のニーズに即した理念が掲げられており、従来の「暮らしの支援」
「学びの支援」「働く支援」に、被虐待児や発達障碍児等の入所増加に合わせ「心の支援」を加え、児童が安心して自身と向き合える支援が行われています。児童の自立支援に向けた方針も明確になっており、具体的な支援方法とマニュアルによる統一した取り組みが成されています。職員面談においても、質の高い統一された支援がなされている事を伺うことができました。
【職員研修の充実】
〇外部研修等に多くの職員を派遣し、施設において周知がなされ、児童の自立に向けた質の高い支援に取り組んでいます。
【個別対応の充実】
〇入所児童には一律の献立が用意され提供されています。一方で、顕著な食物アレルギーを持つ児童に対しては、予測されるアレルギー反応のリスクから、別メニューによる疎外感を持たぬ様な取り組みもされており、児童の安心・安全に寄与されています。
【職域を超えての支援】
〇恒常的な人員不足と、コロナ禍の影響による業務の負担増といった厳しい状況の中で、身体的にも精神的にも傷つき、様々な課題を抱えた児童に対して、心理士である園長が現場職員との連携の中で支援に携わっています。少人数で丁寧な関わりの必要な児童に対して、情報共有の下で職域を超えた一貫した指導が行われています。                                          
〇学園職員と桜木分校教員の連携による児童への個別指導により、支援の難しい児童が、勉強が楽しいと感じられるようになる等、向学心の芽生えを根底から支えています。
【児童の心に向けての支援】
〇様々な虐待体験が背景となり、問題行動へと発展し、地域での生活を支援することが困難となった児童に対して、従来の「暮らしの支援」、「学びの支援」、「働く支援」に「心の支援」を加え、より専門的な対応に重きを置いた取り組みが行われています。具体的には、入所時面接により把握したアセスメント情報を基に、定期的な心理面接が実施され、情緒の安定、自己認知・対人認知の確立、心的外傷の治癒を目指しています。                                    

◇改善を求められる点
【地域の子どもに対する通所による支援】
〇施設の特性上の課題もあり、地域の子どもに対しての支援は実施されていません。今回は評価外とさせて頂きましたが、施設環境の充実と専門職員の活用においても、今後地域の子どもへの支援を期待します。
【ワーク・ライフ・バランスに配慮した勤務形態】
〇職員ヒアリングから、25時間連続の宿直勤務では、宿直明けの心身の状態から、拾わなくてもよい子どもの言動に対して、感情を抑えられなくなる場合がある、との話を伺いました。子どもへの支援に携わる職員は、平常心を保ち、心身が健康であることが必須です。県との交渉を通じて、よりよい就業環境が整備されることを期待します。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 受審結果において高い評価を受けた点については、自信を持ってさらに取り組みを進めていきたいと思います。一方で、改善を求められる点として指摘いただいた点につきましては、改善に向けて取り組んでいきたいと思います。特に1点目の地域の子どもに対する支援については、自立支援の専門スキルを地域の支援者に還元するなどの方法で、間接的ではありますが貢献できる方策等を検討していきたいと思います。
引き続き、子どもたちに安心できる生活環境を提供するとともに、学校教育との連携を密にし、さらには地域の支援機関と連携を図りながら、子どもたちの自立支援に努力していきたいと考えております。
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