【1】第三者評価機関名 | (特非)北九州シーダブル協会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021257 14-a00026 SK2021256 |
【2】種別 | 児童心理治療施設 | 定員 | 入所50名、通所23名 | |
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施設長氏名 | 菊池 清美 | 所在地 | 福岡県 | |
URL | http://chikugo-izumien.jp | |||
開設年月日 | 2016年04月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 風と虹 | |
職員数 | 常勤職員 | 44名 | 非常勤職員 | 5名 |
有資格職員 | 精神保健福祉士 | 3名 | 公認心理師 | 9名 |
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保育士 | 11名 | 社会福祉士 | 3名 | |
医師 | 1名 | 看護師 | 3名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 8ユニット | (イ)設備等 | リビング・浴室・トイレ・洗面所・台所 50室ベッド・机・クローゼット |
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(ウ) | 1ユニット定員5~6名 102.7㎡~110.8㎡ | (エ) | 一戸建て住宅 台所・食堂・浴室・便所・玄関(専用出入口)・職員室 | |
【3】理念・基本方針 | 理念 【治療哲学】愛、信頼、希望 愛あるところに信頼が生まれ、信頼あるところに希望が生まれる。 【治療理念】 スタッフも子ども達も家族も隣人も施設も庭も木も 全ての資源を治療の為に 基本方針 1.治療共同体に基づく力動的チーム治療の理念のもと、スタッフだけでなく、子ども達も家族も、治療チームの一員とし、あらゆる物を治療資源とし、子ども達の健やかな成長を促し、一日でもはやく、適応的な生活の戻ることを目指す。 2.その実践は、いずみ園内のみにとどまらず、関係諸機関(医療、教育、行政 福祉など)との密接な関係を保ち、地域のメンタルヘルスならびに心の治療を展開する。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ●治療 米国Menninger Clinicから継承した治療共同体理論に基づく多職種による力動的チーム治療を実践しています。心を開いて支え合うために集団療法を駆使した多彩な心理治療プログラムがあり、子ども一人ひとりの治療に適した対応を行います。小学校・中学校の分校・分教室を併設しているだけでなく、県立博多青松高校通信課程の支援を受けて高校生の学校教育を受けることもできます(全国唯一)。2022年度からは、児童心理治療施設で全国初の分園型小規模グループケアを実施し専門学校生や大学進学を控えた高校生が、地域の中で生活しながら自立ができるよう支援を行っています。 ●専門教育 昨年度は16機関122名の見学者が来園し、また保育士、臨床心理士、看護師、社会福祉士等の数多くの実習生を年間250日程度、受け入れています。また、職員研修が充実しており、2022年10月現在、全国で9か所しかない「公認心理師法第7条第2号に規定する施設」に文部科学省と厚生労働省から認定されています。 ●調査研究 日々の活動をまとめて関連学会への発表や専門誌への投稿も積極的に行っているため、開園以来6年間で口頭発表26演題、論文等17編が掲載されています。 ●予防 当園の取り組みで得た経験と技術を地域の虐待や施設入所の未然防止に活用すべく、教育庁事業の巡回相談、筑後市子どもを守る地域ネットワーク会議構成員を担っています。10月からは県内2つ目の児童家庭支援センターを開設しました。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2022年10月05日(契約日)~ 2023年02月02日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成30年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 〇 「すべての資源を治療のために」という基本理念に基づき、3500坪の広い敷地には数多くの種類の木が植えられ、季節の花が咲き、生き物の住む小さな小川で繋がるように住宅棟、管理治療棟、学校教育棟が建てられている。施設内の内装や家具、香り等にも細やかな心配りがあり、子ども達が、快適な環境の中で安心して治療に取り組めるよう配慮されている。 〇 多職種(医師、公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士、児童指導員、保育士、ソーシャルワーカー、看護師、栄養士、事務員)等によるチーム治療(規定人数以上の配置)が行われている。子ども一人に対して、児童指導員、ソーシャルワーカー、臨床心理士または公認心理師の3名で担当し、多彩なグループミーティングと治療プログラムに取り組んでいる。 〇 同じ治療理念を掲げるグループ法人の総合病院、のぞえ総合心療病院とのぞえの丘病院のバックアップを受け、万全の医療体制の下で子ども達の成長と回復を目指している。 〇 筑後市立水田小学校いずみ分校、筑後市立筑後中学校いずみ分教室があり、福岡県立博多青松高等学校通信制過程と連携して高校卒業に向けた支援を行う等、学習環境を整える事で、子ども一人ひとりに必要な学習支援を行っている。 〇 令和4年4月に分園型小規模グループケア「エリス」を開設し、専門学校に進学する子ども達が地域の中で暮らし始める等、筑後いずみ園の長年の願いであった自立支援に向けた取り組が始まっている。 〇 学術活動に力を入れて取り組み、多くの口頭発表、論文を発表し、園の取り組を積極的に発信して全国的に注目されている。そのことが、職員のモチベーションに繋がり、「筑後いずみ園が頑張れば福祉が変わっていく」との思いで、日々研鑽が積まれている。また、専門教育機関として多くの実習生を受け入れている。 〇 筑後市子育て支援相談員と定期的に事例検討会を行い、筑後市子どもを守る地域ネットワーク会議に参加して、「筑後市のために」の強い思いの下、地域支援に取り組んでいる。また、福岡県で2か所目となる児童家庭支援センターを設立し、地域の窓口として関係が広がり深まっている。 ◇改善を求められる点 〇 治療プログラムが多岐にわたっているため、多くの専門職員が児童に関わっている。それぞれの関わりの中で得られた情報の共有と、多職種間の連携を更に深めていくことが望まれる。 〇 退園後に不適応を起こす児童が多い中、退園後の支援体制の強化を期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 第三者評価を受けることで、前回の第三者評価と比較して、当園がどのように変化成長してきているかを客観的に知ることができました。今回b判定を頂いた2か所は現在、当園がより良いシステム構築に向けて取り組んでいる箇所です。次回はオールAを目指して職員一丸となり、より良い施設にしていきたいと思います。 |