社会的養護施設第三者評価結果 検索

小松島子どもの家

【1】第三者評価機関名 (社福)岩手県社会福祉協議会
【2】種別 児童心理治療施設 定員 40名
施設長氏名 米川 文雄 所在地 宮城県
URL http://scikujiin.or.jp/publics/index/43/
【3】実施調査日 2014年04月24日~2014年10月31日
【4】総評 評価の高い点
○安全で快適な住空間の提供
 居室等施設全体が生活の場として安全性や快適さに配慮したものになっている。施設は住み込みの職員4人を配置する10人定員の小規模コテージ(園舎)4棟で構成されている。5年前に平屋の一戸建てに改築され、園長と副園長が中心となり間取りを設計したコテージは、個室が3部屋、二人部屋が2部屋、三人部屋が1部屋の構成で、ゆったりと落ち着いた環境となっている。園長方針で子どもの目線より上には張り紙や物は置かないコンセプトになっており、東日本大震災の際は、物が落ちて怪我をしたということはなかった。コテージの中央のリビングルームには、子どもと職員が集えるテーブルが配置され、食事の他に宿題や勉強を行う空間となっている。テレビが設置されていないこともあり、静かな雰囲気を感じさせる。男女混合の構成で、入所後のコテージ間の子どもの移動は行わないことを原則としている。

改善が求められる点
○治療・支援のマニュアルや手順書等の整備
 治療・支援のマニュアルや手順書等が整備されておらず、先輩職員から後輩職員への引継ぎが、口頭や慣習で行われている。次の世代の職員に治療や支援方法を正確に伝えていくためにもマニュアルや支援記録の整備が求められる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 ご指摘の内容は今後の改善に役立てたい。
 子どもは出会ったおとなの考えや理想そしてふるまい態度を、直接日々学びながら成長していくものである。それは家庭、学校、そして施設も同じである。生活で起きる問題はおとながまず作るものである。そのため子どもの問題はおとなが作り出しているといえる。そうだとすると、もし子どもに問題があるなら、①まず第一に「おとなの問題」が問われる。
 おとなは過去の時代に育った人間である。②そのおとなが子どもに未来の世界に関わる。
 子育て=子どもとの関わりで、おとなは自分自身の世界が問われる。それを素直に、おとなから対話する。それが生活の根幹となる。
 子どもは新しい世界を作る存在である。そして子どもは自らの一身をもって「一生」を生き抜かなければならない。考え実行しながら工夫をこらし個性をつねに磨いていく。
 人は他ならぬ「自分とともに」生活しなければならないのだ。それは誰も逃げ隠れできない。
 人間として生きる責任、子どもと同じようにおとなが経験するそれが処遇という仕事である。そこでは、まずおとなが責任をしっかりとる。それを施設は目的としている。
 その際③おとなは子どもは、まだ知らない昔の世界を語っている。語ってこそ、おとなの責任で価値観を自然に伝授できる。そして、子どもは「その語り」から自分の時代と世界を形作ることができるのである。いまこの「語り」合いが、日常の生活から消滅している。ここに日本人の危機がある。
 「ねえ~これをどう考えればいいの?」「それはね~」という対話である。その余裕がこころの課題であり、心理療法と生の生活を営む処遇の課題と考え、今後の再出発点としたい。
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