社会的養護施設第三者評価結果 検索

兵庫県立清水が丘学園

【1】第三者評価機関名 (特非) 播磨地域福祉サービス第三者評価機構
評価調査者研修修了番号 S15134
S15046
SK15116
S25065

【2】種別 児童心理治療施設 定員 入所50名・通所20名
施設長氏名 栃下 清孝 所在地 兵庫県
URL http://www.hwc.or.jp/shimizugaoka
開設年月日 1975年05月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 兵庫県社会福祉事業団
職員数 常勤職員 39名 非常勤職員 10名
専門職員 心理治療士 11名 看護師 1名
栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 個室16室、2人部屋17室  (イ)設備等 デイルーム6室
(ウ) 多目的室2室 (エ) 静養室4室
【3】理念・基本方針 【理念】
・私たちは、子どもたちの権利を保障します。
・私たちは、子どもたちの成長・発達を支援します。
・私たちは、子どもたちの自立を支援します。
・私たちは、家族や地域の子育てを支援します。
【4】施設の特徴的な取組 ・家族支援に対して、面会、外出、家族宿泊など丁寧な支援に取り組んでいます。また、通所児童の支援に関しても居場所づくりとして平日毎日活動しています。入所児童の支援としては、セカンドステップ、動作法などを用いて支援しています。研修や講座を定期的に開催し、地域支援にも取り組んでいます。
【5】第三者評価の受審状況 2016年06月28日(契約日)~ 2017年03月30日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成25年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
○ 法人の理念や基本方針が浸透し、地域の福祉の充実に大きな役割を果たしています。
 法人の基本理念、施設の基本方針、法人中期計画、施設の年次計画と一連の流れが確立し、事業が運営されています。また、県立の施設として、児童相談所、児童養護連絡協議会等と連携し、地域の福祉の動向を把握し、地域の児童福祉・教育に関わる専門家への研修会や公開講座を開催し、地域の意向を踏まえた支援に大きな役割を果たしています。

○ 利用者の意思を尊重した支援が行われています。
 意思伝達に制限のある人に対して、ジェスチャーや絵カード等を利用したり、心理療法担当職員との連携により利用者とのコミュニケーションの確保を図るとともに、利用者の主体的な活動として、バレーボール、サッカー、手芸、園芸、ギター等のクラブ活動において、子供たちがやりたい活動を児童指導員や指導者が支援しています。また、子どもたちが運営する自治会で自分たちの生活を話し合い、規則を決めたり、要望などを挙げています。社会生活技能訓練(SST)の手法を用いて目標に向けて達成する喜びを感じられるように支援が行われています。

○ 専門的なアプローチのもと利用者の特性を踏まえた支援が行われています。
 子供の課題や心理治療の支援上の方針などが自立支援計画に明記されており、毎週来訪されるドクターより心理治療に必要な指導を受けています。また、子どもの状態を見ながら必要に応じて心理テストを行い、全職員がその子供の特性に応じた支援方法を学ぶとともに、大学の先生によるスーパービジョンを受ける体制が整っています。特に、会議において困難事例の検討や現場支援のためのアドバイスを取り入れ、利用者一人ひとりの特性に応じた支援や環境が整えられています。

◇改善を求められる点
○ 職員の質を向上させるために人材育成計画の策定が望まれます。
 管理者は毎年度、職員に対して個別面談を行い、面談内容をもとに所内研修を実施していますが、個別育成計画の策定までには至っていません。今後は、次のリーダーを育てる、専門知識を伸ばすといった個別育成計画を策定することで、職員の将来展望やスキルアップを図り、職員の質と働きがいを向上させるような取組が望まれます。

○ 計画から見直しに至るまでの手順を明確にすることによってPDCAサイクル(計画から評価までの業務プロセス)の確立が重要です。
 昨今、質の向上に向けての、業務の改善が図られており、多様な事業が展開されていることがうかがえます。しかしながら、マニュアルや自立支援計画などいくつかの仕組みに見直しの手順が不明瞭な点がうかがえました。今後は、多様な業務について計画から見直しに至るまでの手順を明確にすることによって、PDCAサイクル(計画から評価までの業務プロセス)を確立していくことが重要です。

○ 利用者の意向をサービスに反映する仕組みの構築など利用者本位のサービスの具体化が必要です。
 施設の生活について、意見箱の設置や利用者会の開催など、利用者の相談や意見を吸い上げていることがうかがえましたが、利用者のプライバシーの保護や利用者満足の向上、利用者の苦情対応など、利用者本位の取組としての位置づけが明確ではありません。今後は、把握した利用者満足度や苦情を分析整理され、サービスに反映する仕組みを整備していくことが望まれます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  訪問調査によって、児童養護施設と情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設)の違いや、対象地区が県下全域にわたること、また法人の大きさによる個々の施設の限界などを、かなり理解していただいたと思われます。その中で、外部の人に理解を得られるような事業計画や運営方針など、どのように標記していくか、支援の内容についての見直しの手順などマニュアル化していく努力は必要だと思います。
 しかし、ご提案を全て進めていけるかについては難しいところがあり、優先順位は検討していく必要があると思います。特に情短に求められる社会的ニーズは、より高度な専門性が問われています。どこに焦点を置き、改善を進めていくかだと考えています。基本は児童・保護者の抱えている課題や状況に、多職種の職員が連携して支援を進めていくといった現場を中心にする事が優先されると考えます。治療・支援とは何かといったことに向き合い、その上でのマニュアル化だと言えるのではないでしょうか。今回の評価で改めて情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設)としての利用者本位とは何か、利用者の満足とは何かを考えさせられました。施設治療で全てが終結する訳ではなく、退所してからの状態や状況が本来の評価だと言えると考えます。
 社会的養護の第三者評価の基準そのものが変革の中にあり、情短にそぐわない項目もありますが、その点については、施設の特殊性を加味して評価していただいたと考えます。今後、評価基準に沿って、職員の負担にならない方法と、マニュアルのためのマニュアルにならない実際的な方法をコメント等を参考に取り組んでいきたいと考えます。
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