社会的養護施設第三者評価結果 検索

大阪市立児童院

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK15189
SK15183



【2】種別 児童心理治療施設 定員 40名
施設長氏名 野坂 猛夫 所在地 大阪府
URL http://seikazoku.com/
開設年月日 2013年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人聖家族の家
職員数 常勤職員 27名 非常勤職員 4名
専門職員 社会福祉士 3名 保育士 8名
社会福祉主事 6名 心理職 8名
栄養士 1名 調理師 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 11室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 こどもの生命と人権を守り、ひとりひとりの存在を尊重する中で、児童と家族の情緒面の改善を図ることを目的に児童とその家族に対して心理治療や生活指導を行う。
【4】施設の特徴的な取組 ①大舎と隣接し小規模グループケアを実施し家庭的な養育を行っている。

②大阪市時代からのノウハウを引き継ぐと共に法人のノウハウを合わせてより良い治療・指導を行っている。法人内の児童養護施設との交流も積極的に進めている。

③こどもたちを再び都会(地域)に返すために都会の中心部に施設がある。そのため保護者の方が面会及び通所利用しやすい環境にある。
【5】第三者評価の受審状況 2017年06月07日(契約日)~ 2018年02月27日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇施設の概要
 1962年に「第2の非行の波」に対応するために、全国初の情緒障害児短期治療施設3施設のうちの1施設として、大阪市によって開設されました。その後2013年度より、「聖ビンセンシオ・ア・パウロの愛徳姉妹会」の創設理念を受け継ぐ「社会福祉法人聖家族の家」が、指定管理者として大阪市から事業運営を委託されています。児童福祉法の改正により、情緒障害児短期治療施設から児童心理治療施設に呼称変更されました。
 当院は大阪市中心部のビル街のビル1・2階にあり、1階は小学校分校と心理治療部門と事務所があり、2階は児童居室などの生活部門となっています。

◇特に評価の高い点
心理士による意欲的な心理治療
 心理士が児童の家族や社会的背景を詳しくアセスメントする必要を認識しています。そして社会診断して必要ならば児童の心理治療だけではなく、家族治療にまで関わっていこうと意欲的である点は高く評価できます。

子どもへの適切な関わりを保持するための仕組み
 生活支援にあたる全ての職員がペアレンティング・プログラム(CSP)を学んでいて、予防的な教育と効果的に褒めることを基本に子どもに対応しています。週に一度、具体的な指導場面を取り上げてのロールプレイも行われています。居室配置などにも個々の子どもの特性やダイナミクスに配慮しています。児童の権利擁護と被措置児童虐待への理解と確認、職員の適格性と安全配慮へのスキル向上に努力している点は高く評価できます。

年長児の「リーダー会議」を中心とした自主的活動
 入所児童の最年長である六年生で構成される「リーダー会議」が月一回持たれ、意見箱に入った意見・要望等を内容によって仕分けし、担当の職員と話し合いを進めていきます。一人ひとりの意思表出を保障し高学年としての役割意識を高める取り組みとなっており、職員の応援姿勢も見受けられます。

◇改善が求められる点
心理治療施設としての理念・基本方針の明文化等、アイデンティティ強化に向けた取り組み
 法人としての理念は確認できましたが、児童院としての理念に関しての記述は少なく、治療施設としての理念や基本方針の確認作業が望まれます。法人の中核事業である児童養護施設的運営から、心理士部門と生活支援部門のより密接な連携を図る等、心理治療施設としてのアイデンティティ強化に向けた取り組みが求められます。
 
職員と施設にとっての将来展望の可視化
 職員がスキルアップしていこうとする自己啓発の気持ちを醸成し、バックアップしていくために職員の確保から経費の補助など、職員と施設の将来が展望できるように可視化する事が求められます。

少ない外出の機会
 職員同伴での個別の外出の機会が十分に持てていません。職員配置での制約は理解できますが、交通の便にも恵まれた施設の立地上のメリットを生かすことが求められます。



【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  第三者評価ありがとうございました。
ご指摘をいただいた内容は早速職員会議を行ったうえ改善に取り組み、高評価をしていただいた内容はより高い水準を維持できるように取組んでいます。
 一方で、平成29年度は児童福祉法の改正があり、種別名称が児童心理治療施設へと変更になりより専門性を求められています。
第三者評価を踏まえて日々改善を推進し、より専門性を高めるため職員一同一層研鑽を続けて参ります。
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