【1】第三者評価機関名 | (株)マスネットワーク |
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評価調査者研修修了番号 | 50133 60122 SK15160 SK15091 |
【2】種別 | 児童心理治療施設 | 定員 | 35名 | |
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施設長氏名 | 岡田 菊夫 | 所在地 | 長野県 | |
URL | http://park7.wakwak.com/~asahigaku/ | |||
開設年月日 | 2011年04月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 長野県社会福祉事業団 | |
職員数 | 常勤職員 | 26名 | 非常勤職員 | 1名 |
専門職員 | 施設長 | 1名 | 医師 | 1名 |
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栄養士 | 1名 | 個別対応職員 | 1名 | |
児童指導員・保育士 | 13名 | 心理療法担当職員 | 6名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 25室 | (イ)設備等 | 食堂1室 |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | ◆運営理念 (1)安心・安全が感じられる環境づくり (2)主体性を育む個別のニーズに応じた支援 ◆運営方針 (1)人権尊重の視点を基本とした治療・支援の提供 (2)総合環境療法の確立 (3)関係機関、家族及び地域との連携強化 (4)公平、公正な施設運営 (5)効率的で効果的な施設運営 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ・地域との交流、地域貢献については児童と職員から成る「松本あさひ太鼓」は地元松本地区の祭りや施設等での演奏が好評で年々演奏要請も増えており、児童のやりがいや学園を知ってもらう機会となっている。また、地域の福祉ニーズに基づき、講演会や学校の講義等への講師派遣を積極的に行っている。 ・立地性を活かし、隣接する大学生ボランティアを積極的に導入したり、付属病院の関係者と合同カンファレンス等を実施している。 ・各種業務マニュアルやガイドラインがあり、業務遂行上の目安としている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2016年08月01日(契約日)~ 2016年11月29日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成25年度 | |
【6】総評 | 【特に評価の高い点】 (1)県内では唯一、全国にも45ヶ所しかない情緒障害児短期治療施設であり、児童養護施設では受け入れすることが難しい情緒障がい児や、児童養護施設で対応できなくなった子どもも受け入れる等セーフティーネット的役割、他施設の困難事例に対してアドバイス等の支援をする支援センター的な役割も担っている。 (2)施設の特殊性もあるが、常勤の児童精神科医師が配置され、心理士6名・看護師も1名配置する等、基幹となる専門スタッフが充実している。現状新任職員や経験の浅い職員が多い状況であるが、いつでもスーパービジョンができる体制も整っている。特に平日朝の引き継ぎ時においては、気になる報告があればその場で常勤精神科医師・心理士・分校の教員も含めたカンファレンスが行われており、迅速な対応ができている。 (3)子どもの最善の利益を最優先に考えて仕事をする熱意のある職員が多い施設である。今後職員間・職種間の連携を強固にできれば、本来この施設が持っている専門性を今以上に発揮することができるため、子ども達の家庭復帰も早くなることが期待できる。また、その子どもの家庭支援も含めたトータルな取り組みができるのもこの施設の強みである。 【改善を求められる点】 (1)国が定める職員配置基準は満たしているが、施設の特殊性と施設の生活スペースを三つのユニットに分けて運営する中では職員が不足している状況にある。各ユニットの職員配置に余裕がなく、スキルアップに必要な外部研修にも出られない要因にもなっている。また、特殊な施設であるわりには頑張りに対する評価や対価が低いと感じている職員も多くみられたことから、今後職員のモチベーションの低下も懸念されるところである。熱意のある職員の意識が低下しないようにすると共に、将来に希望が持てる配慮をすることも必要である。 (2)長野県から指定管理を受けてから6年、長野県社会福祉事業団の職員だけになってからはまだ3年ということもあり、若い職員やこの業務での経験の浅い職員が多く、職種間の連携・ユニット職員間の連携に弱い面がある。現状職員全体のスキルアップが図れていない状況から、入所受け入れにおいても支障が出ている面もある。職員のスキルアップと組織力の向上により施設全体のレベルアップを図ることが課題である。 (3)生活環境面において、子ども達が共同で使用する場所にはエアコンが設置されているが、居室にはない。特に夏場においては日中の暑さが夜中まで残り、窓を開けたままでないと寝ることはできないようである。防犯上の危険性が懸念されることと、暑さから寝られない夜が続くことのストレスにより精神不安定になる子どももいて、トラブルが発生していることも心配な面である。施設の使命である子ども達の心身の安定をはかる観点からもエアコンについては我慢させるよりも設置について検討されることを期待する。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 当施設は児童の心理治療施設であり、そのための専門スタッフが多く配置され、施設内の学校も設置される等充実した治療環境が整備されています。その点については強みとして認められ、さらに若い職員集団の熱意を高く評価していただいた点、うれしく思います。 改善を求められた事項について、 (1)職員のマンパワー不足は実感しており、現在はパート職員の導入等で緊急対応を行っていますが、来年度は、支援員2名の増員を行い機能強化を図ります。 (2)職員の頑張りに対する評価や対価の低さについては、個別面接をできるだけ定期的にとって対話の機会を作っていますが、さらに工夫をしていきたいと考えています。また、対価については、国の「職員の処遇改善」に関する予算化等も踏まえ、県、事業団本部とも検討してゆく予定です。 (3)職員のスキルアップについては、来年度から心理治療員と児童相談所との交流研修も予定されており、多角的に職員研修を取り入れていく予定です。 (4)子どもの居室へのエアコン未設置については、熱中症対策と防犯対策上で設置が是非とも必要であり、今年度、県の担当課に設置要求をしたところです。 今回の第三者評価を受け、改めて総合的な視点で施設運営を検討できたことは大変意義深いことと感じております。今後も県下唯一の児童の心理治療施設として信頼を得られるよう努力してまいります。 |