【1】第三者評価機関名 | (社福)和歌山県社会福祉協議会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK18149 B24146 |
【2】種別 | 児童心理治療施設 | 定員 | 30名 | |
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施設長氏名 | 奥田 隆行 | 所在地 | 和歌山県 | |
URL | http://www.torafusugakuen.jp/ | |||
開設年月日 | 2009年04月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 虎伏学園 | |
職員数 | 常勤職員 | 24名 | 非常勤職員 | 2名 |
有資格職員 | 児童指導員 | 7名 | 保育士 | 4名 |
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臨床心理士 | 4名 | 看護師 | 1名 | |
調理師等の福祉サービスの提供者 | 4名 | 個別対応職員・家庭相談員 | 2名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 16室 | (イ)設備等 | 複合施設(児童養護施設、和歌山児童家庭センター、児童心理治療施設) |
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(ウ) | 親子訓練室 | (エ) | 施設内に分校(学校教育)を併設している | |
【3】理念・基本方針 | (理念)わたしたちは、すべての生命の尊厳を基軸に子どもひとり一人の思いに寄り添い、人と人との関わりを大切に社会性を養い「生きる力」を育みます。 (基本方針) 1.複合施設の特徴を発揮できるように、児童養護施設「つつじが丘学舎」、児童心理治療施設「みらい」、和歌山児童家庭センター「きずな」の持つ機能を有機的に活用する複合的な運営を行う。 2.社会的・家庭的養護を担う施設として、可能な援助方法の確立と心理的ケアと連携した専門技術の確立を図る。 3.福祉、心理治療、教育のチームアプローチによる総合環境療法の中で、情緒的に行き詰まりを感じている子どもとその家族に総合的多面的に援助を行う。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 1、総合環境療法を基本とし、子どもを取り巻く環境の中で行っている心理治療や生活支援、学校教育など全ての活動を治療と位置付けて、子どもに関わる全ての職種が連携協働しながら子どもの治療目標を達成出来るよう、子ども本人はもとより、家庭復帰に配慮した保護者や家族支援も実施している。 2、児童相談所のアセスメントをベースとして、入所後の児童の様子を丁寧に観察し情報共有を行いながら、各職種がそれぞれの視点で支援計画を策定している。 3、虐待やネグレクトなど不適切な養育体験等に起因する子どもの心理的問題の解消や軽減を図り、心理担当職員と児童指導員が方針を共有する治療的生活の場が提供されている。常勤の心理担当職員が4名配置されていて子どもが週1回個別にセラピーを受けることができ、月4回児童精神科医の訪問相談を受けられる体制がとられている。施設の敷地内に小・中学校の分校が設置されていて、学習支援、生活支援について相互に協力して行われている。施設に通所の機能はないが、建物の続きに母体法人が運営する児童家庭支援センターが併設されており、連携により家族支援や退所後の連携支援が行われている。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2019年05月20日(契約日)~ 2020年04月09日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成28年度 | |||
【6】総評 | (特に評価が高い点) 1、敷地内に小中学校の分校があり、職員が連携・交流を深めながら学習面での支援が行われている。また子どもによっては地域の学校へ通学するなど実態に合わせて柔軟な対応を行っている。 2、施設長は自らの経験を生かし支援の現場にも積極的に出向き、子どもと直接触れ合うなど信頼関係を築くとともに、現場職員との対話を通して施設の現状把握を行い改善に向けた提案を行うなど真摯に運営と管理に取り組んでいる。職員も真摯に子供と向き合い子どもに寄り添い治療・支援を行っている。また、子ども一人ひとりに担当する生活担当職員が決められており、担当する子どもとの距離を近くとり信頼関係を築いている。 3、敷地内には同法人経営の児童養護施設があり、児童家庭支援センターを併設して連携しながら入所児童及び保護者の相談に対応するとともに、地域住民の相談や課題にも対応するなどの取組を行っている。 (改善が求められる点) 1、事業計画の策定 中・長期的ビジョンという視点での事業計画策定を期待する。 中長期計画及び単年度での事業計画は策定されているが、各計画との連動性が見られない。単年度計画との整合性をもった具体的な実践につながる中・長期事業計画を策定することが望まれる。さらに計画策定に当たっては、児童心理治療施設を取り巻く社会情勢の把握や、社会的役割と目的、将来像を明確にし、組織体制、職員体制の充実を図る取り組みを期待する。 2、福祉人材の確保・育成 職員一人ひとりの目標を明確にし、治療・支援の質の向上につながるより質の高い職員の育成を期待する。 外部研修への積極的な参加の推奨など職員研修は実施されている。今後は職員一人ひとりの目標を明確にした 研修計画を立案し、研修・教育・スーパービジョンを実施し、さらなる知識・技術の向上を目指すことを期待する。 3、親子関係の再構築支援等 虐待事例が多数を占めることから、保護者支援や家族療法への取組の工夫を期待する。 施設と保護者の個別の関係性は良好なケースが多い。今後はさらに保護者が自らの考え方・認知のゆがみに気づき子どもへの対応等に理解を促す家族プログラムや家族支援への取り組みを期待したい。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | この度、貴評価機関より沢山の項目について、丁寧な評価をいただきありがとうございました。受審結果につきましては、現在の客観的な評価と受け止めております。日ごろの支援を見つめ直す良い機会になりました。子ども本位の治療・支援や子どもの最善の利益に向けた治療支援、現場職員が常に寄り添い関わっている点について評価いただいたことは嬉しく励みにもなりました。今後は、ご指摘の課題を踏まえ、施設長をはじめ各職員がそれぞれに意識向上をはかり、より良い施設づくり、質の向上を図ってまいります。 |