【1】第三者評価機関名 | (特非)アスク |
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評価調査者研修修了番号 | SK18036 T05028 SK18033 |
【2】種別 | 乳児院 | 定員 | 80名 | |
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施設長氏名 | 石塚 豊 | 所在地 | 栃木県 | |
URL | http://www.sunyuuji.org/ | |||
開設年月日 | 1951年03月01日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人恩賜財団済生会支部栃木県済生会 | |
職員数 | 常勤職員 | 79名 | 非常勤職員 | 5名 |
有資格職員 | 看護師 | 16名 | 保育士 | 41名 |
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児童指導員 | 4名 | 社会福祉士 | 3名 | |
臨床心理士 | 3名 | 栄養士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 幼児室4、乳児室2、ほふく室2 | (イ)設備等 | 整備された広い庭 |
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(ウ) | 屋内外の防犯カメラの設置 | (エ) | ||
【3】理念・基本方針 | 【理念】 子どもたちの基本的人権を守り家庭にかわって、安定した人間関係の中で心身共に 健康で、心豊かな子どもを育成する。 【基本方針】 1 健康な体に育てる。 2 豊かな愛情で、情緒の安定をはかり、自主性と思いやりを育てる。 3 豊かな生活体験ができる環境を、安全に整える。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 隣接する同一法人の済生会宇都宮病院との連携が出来ることから、県内唯一の医療型乳児院として病・虚弱児、障がい児等の受入れを行っている。また、職員体制として多くの保育士のほか看護師も手厚く配置していて、児童相談所の要請に速やかに応じられるよう一時保護委託(緊急も含め)の受入れ体制も十分整えるなど、養育・支援や健康管理等の面で安心・安全の確保に努めている。 また、平成27年4月1日に設置された児童家庭支援センター(にこにこ広場)では、相談支援員(社会福祉士)や臨床心理士等の専門スタッフが、電話相談・来所相談(家族の心配事・子どもに関する悩み・子ども自身の悩み等)、県や児童相談所からの受託による指導、関係機関との連携、里親等の支援などを行っており、相談延べ件数は年々増加している。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2020年06月25日(契約日)~ 2020年12月09日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 平成29年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 1 感染症の予防や発生時の子どもの安全確保体制の整備 感染症対策マニュアル(看護マニュアル)は充実した内容となっており、最新の情報を取り入れるため適宜改訂をしている。ナース委員会が設けられ、子どもの健康管理や感染症予防・発生時の対応等について検討を行い、学習会を開いて職員全員に対して知識やスキルの習得を図っている。また、状況に応じて隣接する済生会病院の医師と連携する仕組みが整えられており、子どもの安全確保のための体制ができている。新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、すぐに隣接する済生会病院小児科医師との連携を図り、対策委員会を開いて対応について話し合いをしている。「新型コロナウイルス感染症に伴う当院の対応」という形で書面にまとめ、随時最新の内容に改訂して職員への周知徹底を図り感染予防に努めている。また、外来者のチェック内容を厳しく定め、保護者等の面会も中止や制限を実施して、外部からの感染予防対策に万全を期するよう取り組んでいる。 2 一時保護委託(緊急一時保護委託を含む)の受入れ体制の整備と積極的な取組 一時保護委託及び緊急一時保護委託を受けるにあたり、「一時保護マニュアル」「緊急一時保 護マニュアル」に基づき、適宜迅速に対応している。一時保護委託については、入所前または 入所時に児童相談所とケース検討を実施し、職員間で初期の情報共有とアセスメントに努めて いる。入所後は、観察室での観察期間を順守し、必要に応じて医療機関との連携を図り感染症 や潜伏期間等への対応を十分に行なえるよう看護師がゆとりをもって配置されている。緊急一 時保護についても、児童相談所からの要請に応じて、休日や夜間に関わりなく積極的に受入れ る体制が構築されている。令和元年度は、一時保護委託の子どもを22名(内、緊急一時保護 委託10名を含む)受入れている。 3 運営会議を軸とする第三者評価・自己評価への組織的な取組 養育・支援の質の向上に向けての組織的な取組として、第三者評価及び年1回の自己評価を計画的に実施している。評価結果についてはホームページ上で公表している。第三者評価については今回が4回目の受審であり、回を追うごとに養育・支援体制の強化が図られている。前回受審時の具体的な改善例としては、施設内虐待対応マニュアルの整備、記録類の整理統合やパソコンの台数増などがあり、評価結果を分析・検討する場を施設として位置づけすることが検討課題となっていた。今回はその点に関して大きな改善が見られた。評価作業に際しては、委員会に所属している職員を中心にワーキンググループを編成して取り組んでいる。評価結果については、過去の評点比較と今回評価の問題点を記載したまとめの表を作成し、院長や保育課長、各部門の責任者以上が出席する運営会議の場で分析・検討を行う仕組みが出来上がっている。 ◇改善を求められる点 1 コミュニケーションの向上に向けての積極的な取組 コミュニケーション(情報伝達、意思疎通)は組織運営にとっての重要な要素の一つであり、方針の伝達、報告、話合い、指示命令、計画など、日常管理上のすべてにコミュニケーションが介在している。情報伝達・連絡等が行き届いた職場は働きやすい素晴らしい職場といえる。 今回の評価結果からは、事業計画や経営課題について職員の理解度が不十分、「労働環境の改善」を重点課題として取り組んでいるが職員の意見・要望・不満がまだ窺える。施設として必要な社会資源の職員への周知、標準的な実施方法の職員への周知など、コミュニケーションの向上に向けた積極的な取組が望まれる。 2 地域交流の促進及び地域の福祉ニーズを把握する取組 子どもの施設外保育として、買い物体験・誕生日外出・散歩等様々な活動を実施していて、地域住民との触れ合いの機会としている。また、施設の行事には保護者等や関係機関職員が訪れていて、令和元年9月には「済生会フェア」の開催に合わせ、地域住民を対象に施設の運営内容や養育支援についての紹介を行っている。「業務概要」の中で運営の基本として「地域社会との関わりを深め、地域住民に理解され、利用され、親しまれる乳児院を目指す」とあるが、子どもと地域との交流を図ることを目的とした取組は見当たらない。今後は、地域との関わり方をどうしていくかを検討し、具体的な交流の取組に結び付けていくことが望まれる。 また、栃木県児童養護施設等連絡協議会の施設長会議や県主管課・市担当課等からの情報を得て、地域の福祉ニーズの把握に努めているが、施設が主体となった地域との交流事業がなく、地域住民の福祉ニーズや生活課題等を把握する取組が十分でないので、今後の積極的な取組が求められる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回で4回目の受審になります。コロナ禍での受審になりましたが、評価者の先生方には、時間をかけた熱心な対応と評価をいただきありがとうございます。 今回の調査を受けて、お褒めをいただいた点もありますが、情報の共有や地域との交流などの改善点や、ご指摘をいただいた点等を真摯に受け止め、課題として取り組むとともに、職員の意識改革にも努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 |