社会的養護施設第三者評価結果 検索

同仁会乳児院

【1】第三者評価機関名 (一社)Riccolab.
評価調査者研修修了番号 SK2021082
SK2021083



【2】種別 乳児院 定員 20名
施設長氏名 谷 由紀子 所在地 茨城県
URL https://doujinkai.or.jp/
開設年月日 1967年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人同仁会
職員数 常勤職員 35名 非常勤職員 2名
有資格職員 保育士        24名 看護師          3名
公認心理士         1名 栄養士           1名
調理師           2名
施設設備の概要 (ア)居室数 4居室 (イ)設備等 599.36㎡
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 (1)理念
綱領「合掌の心、深敬の心」を基本理念とし、①あなたのことを知っています②あなたに関心があります③あなたを必要としてますを掲げている。法人理念・綱領を実践し、乳幼児が養育者と共に時と所を共有し、応答性のある環境の中で生理的・心理的・社会的に豊かな人間関係を培い、社会の一員として参画できる基礎作りを目指します。
(2)基本方針
子ども達の生活が安全で安心なものになるように次のことに努力していきます。
① 「愛着関係の形成」を重視した個別対応や小グループでの養育を行います。
② 子ども達がよりよい生活を送ることが出来るよう、環境の整備を行います。
③ 家庭支援専門相談員を中心に子ども・家庭・地域等の総合的な調整を図り、里親委託を含めた早期家庭復帰支援を行います。
④ 心理療法担当職員による専門的な関わりや家族の心理的不安の軽減に努めます。
⑤ 里親支援専門相談員を中心として地域の里親支援を行います。
⑥ 職員の研修機会を多くし、子ども達の処遇向上に努めます。
⑦ 子どもの成長に合わせた食育に計画及び実践を行います。(アレルギーのある児の対応)
【4】施設の特徴的な取組 ・施設のユニット化により家庭的環境の提供
・保護者への定期的な家庭通信やブログでの関係作り
・地域支援(心理士、栄養士、保育士の派遣)
・里親支援
・退所児、保護者へのアフターケア
【5】第三者評価の受審状況 2023年09月01日(契約日)~ 2023年11月16日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和2年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
○「小規模ユニット化によって、さまざまな生活・社会体験の機会を柔軟に創出できる家庭的な環境が整い、職員との愛着関係がより深まって、個々の子どもの心身の成長につながっている」
 小さな生活単位になったことで、食事や入浴、排泄等、子ども個々の発達や成長に合わせた生活リズムが整えやすくなっている。また、調理場面が見られたり、一緒に作って食べたりする他、外出時には電車に乗って出かける等、ユニット毎の裁量で行えることも増えており、子どもが体験できる機会をさまざまに創出している。そうした体験を身近な職員と積み重ねることで愛着関係が深まり、心身の成長にもつながっている。

○「毎月の「家庭通信」に加えて、個々の子どもの1日の様子がわかる「いちにちの生活の流れ」と称するアルバムを作成、配布して、保護者の安心感を高める等、「養育のつなぎ」の役割を果たすべく取り組んでいる」  
施設の方針や行事等を紹介する「家庭通信」を作成し、子ども個々の写真と担当者からのコメントを添えてコロナ禍からは毎月、保護者に送付している。また、できるだけ子どもの成長を身近に感じてほしいとの考えから、起床から就寝までの時間軸で写真に撮り、それを「いちにちの生活の流れ」と称するアルバムにして個々に作成、配布したところ、好評を得ており、可能な範囲で継続していきたいと考えている。LINEを活用したコミュニケーションも進み、離れていても子どもに思いを馳せてつながっていると実感できたり、乳児院で我が子が大切に育っていることがわかり、それが職員との信頼関係の構築、保護者の安心感を高めることになる等、「養育のつなぎ」の役割を果たすべく取り組んでいる。

◇改善を求められる点
●「職員一人ひとりの能力向上を図るしくみをより一層強化し、育成目標の着実な達成につなげていくことが期待される」
 職員一人ひとりの能力向上を図るために、年度初めに個人目標を設定したうえで、内外研修を受講する機会を用意したり、OJT等を実施して学び続けることができるように取り組んでいる。なお、設定した目標の達成状況の振り返りについては、年度末に行われている。今後は能力向上をより着実なものとするために、上司との面談を半期で実施する等、時期を明確に定めて中間総括を計画的に行うことで推進力を高めていくことが期待される。

●「養育マニュアルの全面改訂作業を進めるにあたり、改めて子どもの権利を再確認するとともに、マニュアルに示して各職員の権利擁護への意識を高めていくことが望まれる」
 施設では既存の養育マニュアルの全面改訂に取り組んでおり、それぞれの養育・支援業務毎に、権利擁護の視点を盛り込むことを想定している。改めて職員間で子どもの権利条約の条文の見出し等を再確認するとともに、該当する条文をマニュアルに示す工夫等で、各職員が子どもの権利について十分理解し、実際に関わる場面で意識できるようにしていくことが望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 昨年7月から開始したユニットでの生活を評価して頂き、さらに子ども達が安全で安心できる生活環境を目指していきたいと思います。また、子どもの代弁者としての役割を確実に果たしてまいります。「養育マニュアル」の全面改訂では子どもの権利擁護の立場を明確に入れ込むアドバイスを受け、今年度中に完成予定です。
評価項目一つ一つに丁寧なコメントをいただき、全職員と共有し、改善に向けて努力してまいります。
第三者評価結果はこちら