社会的養護施設第三者評価結果 検索

日本赤十字社茨城県支部乳児院

【1】第三者評価機関名 (特非)福祉経営ネットワーク
評価調査者研修修了番号 SK2019009
SK2019012



【2】種別 乳児院 定員 38名
施設長氏名 永田 道子 所在地 茨城県
URL http://www.jrcsin.jp
開設年月日 1950年10月01日 経営法人・設置主体 日本赤十字社茨城県支部
職員数 常勤職員 42名 非常勤職員 2名
有資格職員 医師 2名 看護師 8名
栄養士 1名 調理師 1名
保育士 23名
施設設備の概要 (ア)居室数 保育室・乳児保育室・小規模グループケア室 計5室 (イ)設備等 小規模ブループケア施設・食堂兼プレイルーム
(ウ) 心理療法室・観察室・面接室・子育て支援短期室 (エ) 事務室・調理室・会議室・大ホール
【3】理念・基本方針 (1)理念
私たちは、「人道・博愛」の赤十字精神のもとに、子ども達の基本的人権を尊重し、心身ともに健やかに成長できる保育の場を提供します。
(2)基本方針
1.サービスの質の向上に努め、よりよい養育生活を提供します。
2.ボランティアや地域と連携し、乳児院の持つ養育の専門性を生かした子育て支援に努めます。
3.個人情報の保護に努め、プライバシーを守ります。
4.子ども達の体調変化に十分注意し、健康管理に努めます。
5.栄養管理を適切に行い、子ども達一人ひとりにあった食事を提供します。
【4】施設の特徴的な取組 1.施設長が小児科医であること及び、嘱託医による乳児健診を月2回院内で実施できる。
2.赤十字幼児安全法の講師1名指導員4名在籍しており、職員及び入所児への教育体制が整っている。
3.養育現場の職員は全員有資格者(保育士、看護師)である。
【5】第三者評価の受審状況 2019年05月17日(契約日)~ 2019年10月08日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点

〇「入所から退所までの一貫した「担当養育制」を取り入れ、日常の養育や「1対1保育」等、職員間で協力して、個別に関わる時間を増やし、愛着関係の形成に努めている」
 子どもの気持ちを汲み取り、要求への理解を深めることを目指し、子ども一人ひとりの担当養育者を決め、入所から退所まで一貫して一人の養育者が、担当する「担当養育制」を取り入れている。また、日常の遊び・食事・入浴・着替え等に加え、「1対1保育」を実施して、担当養育者との個別の関わりの中で、やさしく話しかけ、抱っこやおんぶ等、スキンシップで温もりを感じられるように努めている。さらに、周りの職員が協力して働きかけ、担当養育者との個別の時間を増やした結果、子どもは精神的に安定し、自分の気持ちを表に出せるようになり、特定の養育者との愛着関係の形成により、子どもは、他人への信頼感や自己肯定感を育んでいる。加えて、担当養育者も、子どもの成長の変化や要求等の理解を深めることができ、養育や記録にいかしている。

〇「リスクマネジメント委員会を整備して事故防止対策や虐待防止対策を定期的に進めること等により、子どもの安全確保に努めている」
 従来の虐待防止委員会を、入所児の権利擁護強化の観点から、今年度よりリスクマネジメント委員会とし、施設として事故防止対策や虐待防止対策の強化を目指すことを明確に位置づけるとともに、定期的に委員会を開催して、それぞれの対策を強化している。また、保育検討会の開催に合わせて「事故防止」をテーマにした内部研修を開催することにより、事故防止対策に関する知識・技術の習得や意識向上を図っている。昨年度の事故報告書やヒヤリハット報告書の検証を行う等によって、養育・支援現場での子どもの安全確保に努めている。


◇改善を求められる点

●「常勤心理職員を配置して、子どもや保護者の専門的ケアを増やし、多職種が連携を図り協力し合って、子どもの養育・支援にあたることに期待したい」
非常勤の心理士によるケースカンファレンスを月1回行い、子どもや保護者への対応に対する研修を実施しているが、現在、心理職員の配置は、なされていない。子どもと家族の状況が複雑化する中で、心理的支援の重要性は高まっており、職員からも常勤心理職員の配置を求める声が挙がっている。今後は、常勤心理職員を配置して、子どもや保護者の心理ケアおよび職員に対する専門的助言を行うとともに、心理職員に加え、家庭支援専門相談員・里親支援専門相談員・看護師・担当養育者等、多職種が連携を図り、それぞれが自らの役割を発揮し、日常的に相補的な意見交換をしながら、協力し合って子どもの養育・支援にあたることに期待したい。

●「中・長期的なビジョンを明確に定めて、職員全体で共有を図っていくことが望まれる」
施設では、単年度の事業計画に基づく運営を中心に進めており、現在のところ、中・長期的なビジョンや計画の策定がなされていない状況となっている。今後は、施設がこれまで大切にしてきた養育・支援を基盤に据えたうえで、地域ニーズや政策動向等から現在、乳児院に求められている役割や機能等を検討し、中・長期的なビジョンを明確に定めていくことが期待される。また、その内容を職員全体で共有することにより、組織全体で共有を図っていくことが望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 今回、4回目の受審となり、前回の反省を踏まえ、職員は一丸となり取り組みました。評価が高い点もありましたが、一方、まだまだ改善点がみられました。以前から懸念事項でありました、常勤心理職員の配置、中・長期的ビジョンです。今後、5回目の受審に向けて一つずつ努力していきたいと思います。
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