社会的養護施設第三者評価結果 検索

徳島赤十字乳児院

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
【2】種別 乳児院 定員 45名
施設長氏名 佐野 周次 所在地 徳島県
URL http://www18.ocn.ne.jp/~t.nyuji/index.html
【3】実施調査日 2013年05月15日~2014年04月30日
【4】総評 【特に評価が高い点】
 第三者評価を3年ごとに受審している。改築と移転に伴い、将来を見据えたハード面の整備を行いつつ、職員の資質の向上や養育プログラムの策定等、様々な角度から乳児院としての役割の発揮と支援の質の充実を図っている。また、発達障害者の総合的支援を行うハナミズキ・プロジェクトの一員として、高い専門性を活かして県下の乳幼児期の支援の中核となるために取り組んでいることは高く評価できる。

 子どもたちが家庭に近い環境のなかで生活感を感じつつ暮らすことができるよう、養育・支援のあり方を再検討し、小規模担当制を導入したり、一貫した担当養育制を取り入れたユニットケアを展開したりしている。従来以上の愛着関係の形成に向けた具体的な取り組みとなっており、全職員が子どもの目線に立って質の高い養育を目指していることは高く評価できる。

 子どもを取り巻く社会環境や動向等をあらゆる角度から分析して現状の把握に努め、短期入所や病児・病後保育、地域子育て支援事業等の必要とされる事業展開に取り組んでいる。職員は幼児安全法等の資格の取得に励み、習得した技能を赤十字出前講座として地域に向けて発信している。また、心理療法士による養育の強化に努めたり、里親制度の充実や児童養護施設間の連携に力を発揮したりしており、管理者が中心となって乳児院としての使命と役割を入所児のみならず広く圏域や地域に向けて発揮していることは高く評価できる。

【改善が求められる点】
 養育・支援の質の向上を図るため、必要な人材の確保に取り組んでいる。各専門職種を活かす取り組みも確立しているが、複雑な勤務体制のなか、職員の働く意欲の向上に向けて職員の意向や意見を集約する仕組みづくりや客観的な基準に基づいた人事考課を実施するなどのさらなる人材育成への取り組みに着手されるよう期待する。

 理念や基本方針に基づき、平成25年度の途中に3か年のビジョンを描いた中期計画を策定し、4項目の方針を分かりやすく示している。しかし、前回計画である平成21年度を始まりとした運営強化3か年計画のモニタリング結果を反映した中・長期計画とはなっていない。今後は、前回結果の課題等を踏まえた中・長期計画の策定を、職員等の意見収集や予算根拠等も踏まえて作成されたい。

 各種委員会を設置してマニュアルを見直したり、会議録や引継ぎ書の工夫を行ったりして、日ごろの養育・支援に係る職員間の情報共有に努めている。今後は、職員が、運営と支援の両面の情報を共有することができるような機会を設けるなどして、さらに質の高い支援へと繋げられるよう期待する。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 今回は平成24年度に新施設へ移転後、初の受審ということもあり、ハード面が大きく変わったことがどのように影響するのかがポイントとなりました。自己評価においても、高評価であった項目を維持できているのか、不十分であった項目を改善できているか、前回の評価との比較が容易ではない点もあり、苦慮した反面、職員間で課題の抽出と共有が促進され、日常業務に対する見直しと考察が深まったように思われます。当院が重点事項として取り組んでいる、小規模保育に向けたハード面・ソフト面双方の充実や、発達障がい者総合支援ゾーンにおける他施設との連携、地域の子育て支援活動等に対して高い評価をいただけたことは大きな励みとなりました。一方で教育訓練の実施、中・長期計画の策定など十分な改善に至らないままとなった点は大いに反省すべきであり、今後、全職員で検討する機会を積極的に設け、更なるサービスの質の向上を目指してまいります。これからも入所児童をはじめ、ご家族、地域の皆さまに愛される施設であり続けるよう、全力で取り組んで参ります。
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