社会的養護施設第三者評価結果 検索

真生乳児院

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 1301C018
SK15113



【2】種別 乳児院 定員 30名
施設長氏名 數田 紀久子 所在地 兵庫県
URL http://www.kbshinsei-j.org/
開設年月日 1949年12月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人神戸真生塾
職員数 常勤職員 41名 非常勤職員 6名
専門職員 社会福祉士 3名 保育士 30名
社会福祉主事 7名 看護師 7名
栄養士 3名 臨床心理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 6室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 理念:愛を育む

基本方針:1.愛着形成 2.自立支援 3.早期家庭復帰
【4】施設の特徴的な取組 ①一時預かり事業:措置児童以外の地域のお子様の利用に貢献している他、社会的養護の施設に入所しないですむように支援を行っていること。

②併設施設には小児科診療所があり、乳児院における急病時はもとより病虚弱や障害児の増加に対しても素早い対応が可能である。

③親支援について、家庭支援専門相談員や家族療法事業を中心とした専門職が子育てについて細かな支援が行われており、同時に子どもの育ちについて職員一同が真剣に取り組み、子どもの養育の保障を実践しております。その際に必要な毎月の養育プラン作成や手紙を面会の遠のいている保護者にも郵送にてお送りしている。
【5】第三者評価の受審状況 2017年01月31日(契約日)~ 2017年07月25日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇施設の概要
 1889年の事業開始から今年度で126年、社会福祉法人神戸真生塾はその時代の要請に応じて、児童を中心に社会事業を展開してきました。現在、真生乳児院(以下「当施設」という)の他に、児童養護施設、保育園、児童家庭支援センター、小児科診療所を運営し、相互に連携を取りながら地域の児童福祉の拠点的役割を目指しています。
 当施設については、いま社会的養護施設に求められている小規模・家庭的養護の取り組みについて、いち早く子どもの生活単位を小規模化(小規模グループケア化)して推進しています。


◇特に評価の高い点

愛着形成への取り組み
 1クラス5名の乳幼児に対して3~4名の職員が一人ひとりの子どもの養育担当者となり、家庭的な環境の中で子どもとの密度の濃い関わりを持っています。さらに養育担当者との関係を深め、愛着を形成するため「個別保育」と称して個別に外出するほか、一緒にクッキングをしたり、担当職員との1対1の入浴を楽しんだり、個別な関わりを深めるための取り組みを計画的に行っています。また、「個別保育」として取り組んだ実績を毎日、個別保育記録票に記録し、関わりの度合いなどを振り返っています。こうした取り組みは、一人ひとりの子どもの今後の育ちの基礎になるものとして大いに意義があり、評価できる取り組みです。

権利擁護に向けた取り組み
 乳幼児の安心・安全を守るため、職員は絶えず施設で取り組んでいる養育・支援を振り返り、その質の向上を目指して取り組んでいます。子どもの権利条約に定められている「生きる権利」や「育つ権利」「守られる権利」等の保障について、当施設では具体的にリスクマネジメントを強化したり、プライバシーへの配慮、虐待等不適切な関わりへの防止に力を入れています。職員は、毎月「子どもの最善の利益を目指した養育・支援を行うためのチェック表」を用いてそれぞれの養育・支援を振り返り自己点検するほか、権利擁護に関する標語も毎月職員玄関に掲示し、意識づけをするための取り組みなどは高く評価できます。

改善への取り組み姿勢
 前回の第三者評価の受審結果を真摯に受け止め、改善すべきところを各種の「委員会」として立ち上げ、職員から施設長まで一丸となって取り組み、資質の向上を目指している姿勢は高く評価できます。


◇改善が求められる点

リスクマネジメントの更なる取り組み
 リスクマネジメントは施設を挙げて積極的に取り組まれています。特に「ヒヤリハット」事案の収集については、施設長の方針のもと、件数も増加していますが、比較的短期間の間に同様のヒヤリハット事例が複数回散見されます。アクシデントに発展させないよう施設長が適切にコメントを入れ、注意喚起していますが、今後は危機管理委員会等でさらに個々のヒヤリハット事案についてインシデント要因を分析、検討し、事故防止に向けた改善を組織的に取り組むことが望まれます。

養育・支援に関するマニュアルの整備
 養育マニュアル、権利擁護マニュアル、健康管理マニュアル、感染症マニュアル、家庭支援専門相談員業務マニュアル、心理職マニュアル、標準的養育の手引書等々養育・支援に関するマニュアル・手引書類は、それぞれよくまとめられ日常的に活用されていますが、さらに効率的に活用することができるように各マニュアル類には目次をつけるなどの工夫が望まれます。

人事評価・キャリアパスへの取り組み
 当施設及び法人の職員がさらに将来が見通せるようになるために、人事評価や目標管理制度等のキャリアパスの整備が求められてくると思われます。法人全体に関わることでありますが、職員の理解を求めながら検討されることを期待します。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント この度の評価を早速全職員で共有し、ご指摘を受けたものに関してはその内容の状況確認を行い、評価して頂いた事項は更にその強化に努め、また、改善が求められる事項については改善に向けての取り組みを検討して行きたいと思います。
 この第三者評価制度が始まって、諸規則の整理を始め、子どもを主体としたサービスの提供が保護者や利用者の皆様に喜んでいただけるような内容となるようこれからも尽力して参りたいと思います。
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